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土地売却の確定申告のやり方を初めての方にもわかりやすく解説

土地を売却した年の年末、源泉徴収票だけを見て確定申告を済ませたつもりになっていないでしょうか。土地や建物などの不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合、この利益は勤務先の給与とは別に分離課税の対象となり、売却した翌年の2月16日から3月15日までに自分で確定申告をする必要があります(2026年9月時点)。申告を忘れると無申告加算税や延滞税が後から請求される場合もあります。本記事では土地売却確定申告のやり方を、必要書類の準備から申告書の書き方、使える特例まで順に解説します。

確定申告が不要になるケースもありますが、その判断を自分だけで下すと、本来受けられる控除を取り逃がしてしまうこともあります。まずは自分の土地売却が申告の対象になるかどうかを確認し、対象になる場合は期限内に必要な手続きを終える準備を進めましょう。

この記事はこんな方に向いています

  • 土地を売却した年に初めて確定申告をする必要があると知り、必要書類の準備から不安を感じている方
  • 税理士に頼まず自分で確定申告を済ませたいが、いつまでに何を提出すればよいか分からない50歳の方
  • 土地売却の確定申告を誤って余計な税金を払うことにならないか心配で、手順を確認したい方

土地を売却したら確定申告は必要?不要になるケースも解説

土地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、確定申告が必要です。譲渡所得は給与所得とは別に計算する分離課税のため、会社員で年末調整を受けている方でも、土地売却に関する確定申告は別途必要になります。

土地売却確定申告が不要になる条件

土地の売却価格が取得費や譲渡費用を下回り、譲渡所得がマイナス(損失)になる場合は、原則として確定申告の義務はありません。ただし、損失が出た場合でも特定の条件を満たせば損益通算や繰越控除が使える制度があり、申告した方が有利になることもあります。「土地売却確定申告不要」と判断する前に、譲渡所得の計算だけは一度済ませておくことをおすすめします。

譲渡所得の計算方法や売却にかかる税金と費用の全体像は、不動産売却にかかる税金と費用の全体像|いくら手元に残る?でも解説しています。

損失が出ていても、特例の適用条件を満たすなら申告した方が税金の負担が減る場合があります。損失の金額だけで判断しないようにしましょう。

土地売却確定申告でいくら税金が引かれるか|譲渡所得の計算

土地売却でかかる税金は、売却価格そのものではなく、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して計算されます。譲渡所得の計算式は「売却価格-(取得費+譲渡費用)」です。取得費が分からない場合は、売却価格の5%を概算取得費として使うことができます。

所有期間で変わる税率|短期譲渡と長期譲渡

譲渡所得にかかる税率は、土地を所有していた期間によって大きく変わります。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、5年以下なら短期譲渡所得に区分されます。長期譲渡所得の税率は所得税15%・住民税5%に復興特別所得税0.315%を加えた20.315%で、短期譲渡所得は所得税30%・住民税9%に復興特別所得税を加えた39.63%です。短期のほうが税率は約2倍になるため、売却のタイミングで税額が大きく変わります。

具体的な計算例|3000万円で売却した場合

所有期間5年超の土地を3,000万円で売却し、取得費が不明なため概算取得費150万円(売却価格の5%)、仲介手数料や測量費などの譲渡費用が150万円かかったとします。譲渡所得は3,000万円-150万円-150万円=2,700万円です。この譲渡所得に長期譲渡所得の税率20.315%を掛けると、税額は約548万円になります。特例や控除を使わない場合、売却価格3,000万円から税金約548万円と譲渡費用150万円を差し引くと、手元に残る金額は約2,302万円、売却価格の約77%です。

手元に残る 約77%
税金
諸費用

※3000万円で土地売却・長期譲渡・特例適用なしの概算例です(2026年9月時点)。

この帯は売却価格を100とした場合の配分のイメージで、税金と諸費用を差し引いた残りが手元に残る金額の目安になります。

譲渡所得の詳しい計算方法と確定申告の関係は、譲渡所得とは?売却時の計算と確定申告でも解説しています。

取得費が分かる契約書や領収書が残っていれば、概算取得費5%より有利になることが多いので、売却前に手元の資料を確認しておきましょう。

相続した土地売却の確定申告で使える特例と控除

土地の売却では、条件を満たすと税額を大きく減らせる特例が複数用意されています。適用には確定申告での手続きが必要で、申告しなければ特例は適用されません。

相続した空き家の土地に使える特例

相続した土地売却の確定申告では、相続空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除が使える場合があります。相続開始の直前まで被相続人が住んでいた家屋とその土地を、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却するなど、複数の条件を満たす必要があります。適用できれば譲渡所得から最大3,000万円を控除できるため、先ほどの計算例のような税額が大きく変わります。

収用などで使える特例

公共事業のために土地が収用された場合は、収用等に伴う代替地の取得や5,000万円特別控除といった別の特例が使えることもあります。自分の売却がどの特例の対象になるかは、土地の地目(ちもく、農地・宅地などの区分)や利用状況によっても変わるため、事前の確認が欠かせません。

地目の確認方法は地目とは?土地売却との関わりと調べ方で解説しています。

特例ごとに適用条件が細かく定められているため、思い込みで「対象外」と判断せず、一度は条件の全文を確認しておきましょう。

必要書類一覧|土地売却確定申告の準備

土地売却の確定申告で必要になる書類は、売買契約に関するものと、取得費を証明するものに大きく分かれます。土地売却の確定申告の必要書類を事前にそろえておくと、申告書の作成にかかる時間を大きく減らせます。

  • 土地の売買契約書(売却時・購入時の両方)
  • 仲介手数料や測量費など譲渡費用の領収書
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 確定申告書・第三表(分離課税用)
  • 譲渡所得の内訳書(国税庁の計算明細書)
  • 本人確認書類とマイナンバーが分かる書類

相続した土地の場合は、相続を証明する戸籍謄本や、被相続人が取得した当時の契約書が必要になることもあります。契約書が見つからない場合は、先に触れた概算取得費を使うことになります。

古い契約書を探す際は、購入時に依頼した不動産会社や、当時の金融機関の借入資料にも手がかりが残っていることがあります。

申告書の書き方から提出まで|土地売却確定申告のやり方

土地売却確定申告のやり方は、必要書類をそろえたあとに譲渡所得の内訳書を作成し、その結果を確定申告書第三表に反映させる流れになります。土地売却確定申告の書き方で迷いやすいのは、通常の確定申告書に加えて分離課税用の第三表を使う点です。

  1. 譲渡所得の内訳書に売却価格・取得費・譲渡費用を記入し、譲渡所得と税額を計算する
  2. 確定申告書第一表・第二表に給与所得など他の所得を記入する
  3. 確定申告書第三表に譲渡所得の内訳書の計算結果を転記する
  4. 特例を使う場合は、特例の適用に必要な付表や証明書を添付する
  5. 税務署への持参・郵送、またはe-Taxで提出する

提出期限は売却した年の翌年2月16日から3月15日までです(2026年9月時点)。e-Taxを使えば自宅から24時間提出でき、添付書類の一部を省略できる場合もあります。

確定申告の必要書類と期限は不動産売却の確定申告とは?必要書類と期限、申告書の書き方の詳細は不動産を売った後の確定申告のやり方|必要書類と期限でも解説しています。

第三表は国税庁の確定申告書等作成コーナーで項目を入力すれば自動的に生成されるため、手書きより入力の方がミスを減らせます。

無申告のペナルティ|土地売却確定申告をしないとどうなるか

土地売却確定申告をしないとどうなるか気になる方も多いと思いますが、期限内に申告しなかった場合は無申告加算税が課されます。2024年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税については、原則として納めるべき税額のうち50万円以下の部分に15%、50万円を超え300万円以下の部分に20%、300万円を超える部分に30%が加算されます(2026年9月時点)。さらに、申告期限から納付までの期間に応じて延滞税もかかります。

不動産の売買は法務局への登記や取引情報を通じて税務署が把握できる仕組みがあり、「黙っていれば分からない」とは考えない方が安全です。申告を忘れていたことに気づいた場合は、自分から早めに申告(期限後申告)をすることで、無申告加算税が軽くなる可能性があります。

期限を過ぎてしまった場合でも、自主的に申告した方が税務署から指摘される前より負担は軽くなります。早めの対応を心がけましょう。

自分でできる?税理士に依頼すべき土地売却確定申告のケース

土地売却確定申告が自分でできるかどうかは、売却の状況によって変わります。取得費が明確で、使う特例が1つだけといった単純なケースであれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使って自分で作成することは十分可能です。

一方で、相続した土地売却の確定申告で複数の特例の適用条件を比較する必要がある場合や、共有名義の土地を分割して売却した場合などは、計算を誤ると納め過ぎや申告漏れにつながります。こうした複雑なケースでは、税理士に依頼した方が結果的に時間と費用の両方を抑えられることもあります。

税理士に依頼する場合でも、売買契約書や領収書は自分で保管しておく必要があるので、資料の整理だけは早めに済ませておきましょう。

よくある質問

土地売却確定申告はいつまでに済ませればいいですか

土地を売却した年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告書を提出する必要があります(2026年9月時点)。期限が土曜・日曜・祝日に当たる場合は翌平日まで延びることがあります。

土地売却確定申告不要と判断してよいケースはありますか

譲渡所得がマイナスになり、かつ損益通算などの特例を使う予定がない場合は、原則として確定申告の義務はありません。ただし判断を誤ると後から税務署の確認を受けることもあるため、譲渡所得の計算だけは済ませておくことをおすすめします。

相続した土地売却の確定申告で気をつける点はありますか

相続した土地は取得費が分からないことが多く、概算取得費を使うと税額が高くなりがちです。相続空き家の特例など、確定申告でしか適用できない控除があるため、対象になるかを早めに確認してください。

土地売却確定申告は自分でできますか

取得費が明確で特例が1つだけの単純な土地売却であれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使って自分で作成できます。複数の特例や共有名義が絡む場合は、税理士への依頼も検討してください。

土地売却確定申告をしないとどうなりますか

期限内に申告しないと無申告加算税が課され、納付が遅れた期間に応じて延滞税もかかります。申告漏れに気づいた時点で早めに期限後申告をすることをおすすめします。

手取りを守るための土地売却確定申告のやり方

土地売却確定申告は、譲渡所得の計算、必要書類の準備、特例の確認、申告書の作成という順序で進めれば、初めてでも自分で終えられる手続きです。税率や特例の有無によって手元に残る金額は大きく変わるため、申告の前に自分の売却がどの条件に当てはまるかを確認してください。ぜひ本記事の土地売却確定申告のやり方を参考に、期限内の手続きを進めてください。

出典

  • 国税庁「土地や建物を売ったとき(譲渡所得)」
  • 国税庁「確定申告が必要な方」
  • 国税庁「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」
  • 国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)の税額の計算」
  • 国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの特例」
  • 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
  • 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」
  • 財務省「加算税の概要」
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