専任媒介契約とは?売却時の登録・報告義務

1社にだけ売却を任せる契約ですが、自分で見つけた買主とは直接契約できます。レインズへの登録は7営業日以内、報告は2週間に1回以上と決まっています。
不動産会社に売却について相談をすると「専任媒介契約でお願いできますか」と聞かれることがあります。
契約先を1社に絞る代わりに、どんな約束が不動産会社側に課されるのか分からないまま話を進めるのは心配です。
専任媒介契約は、売主が1社にだけ売却を任せつつ、自分で買主を見つけた場合は直接契約できる契約形態で、レインズへの登録期限や報告の頻度が法律で決められています。
本記事では、専任媒介契約の内容と、家やマンション、土地の売却でこの契約を選ぶときに確認すべき点を解説します。
専任媒介契約の意味と読み方
専任媒介契約は「せんにんばいかいけいやく」と読みます。
売主が不動産会社1社にだけ売却の依頼をする媒介契約の一種で、複数の不動産会社に同時に依頼することはできません。
ただし売主が知人や親族など自分の力で買主を見つけた場合は、不動産会社を通さずに直接契約できる点が特徴です。
この点が、後述する専属専任媒介契約と異なります。
不動産会社には、売主の物件情報をレインズ(不動産流通標準情報システム)へ登録し、売却活動の状況を売主に報告する義務が課されます。
専任媒介契約はこんな場面で出てきます
専任媒介でお任せいただければ、7営業日以内にレインズへ登録して、2週間に1回ご報告します。
ほかの不動産会社にも同時に頼みたいのですが、専任媒介では無理ですか。
専任媒介は1社限定になります。複数社に頼みたい場合は一般媒介契約になりますね。
一般媒介の方が広く探してもらえる気もしますが、どちらがいいんでしょうか。
一般媒介は報告義務がないので、どこまで動いているか見えにくくなります。専任なら状況が分かりやすいですよ。
知人が買いたいと言ってくれているんですが、その場合はどうなりますか。
専任媒介なら、その方と直接契約していただいて大丈夫です。仲介手数料もかかりません。
一般媒介契約・専属専任媒介契約との違い
媒介契約には専任媒介契約のほかに一般媒介契約と専属専任媒介契約があり、依頼できる不動産会社の数や報告義務の重さが異なります。
媒介契約3種の違い
| 項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
|---|---|---|---|
| 依頼できる社数 | 複数社可 | 1社のみ | 1社のみ |
| 自分で見つけた買主との直接契約 | 可 | 可 | 不可 |
| レインズ登録 | 義務なし | 7営業日以内 | 5営業日以内 |
| 売主への報告 | 義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に依頼できる自由度がありますが、報告義務がないため活動状況が見えにくくなります。専属専任媒介契約は自分で見つけた買主とも直接契約できず、不動産会社を必ず通す点で専任媒介契約より制約が強くなります。
専任媒介契約は不動産を売るときにどう関わるか
専任媒介契約を結ぶと、売主は契約期間中その不動産会社1社としか媒介契約を結べなくなります。
窓口が1つに絞られるため、売却活動の状況を把握しやすく、担当者とのやり取りも一本化されます。
一方で、その不動産会社の販売活動が思うように進まなくても、契約期間中は他の不動産会社に切り替えて依頼を出すことはできません。
自分で買主を見つけた場合は不動産会社を通さずに直接契約できるため、知人や親族に買ってもらう可能性がある人には向いています。
逆に、複数の不動産会社の集客力を比較しながら売りたい人には、一般媒介契約の方が合う場面もあります。
契約前に、依頼する不動産会社の売却実績や販売戦略を確認しておくことが大切です。
専任媒介契約のレインズ登録と報告の期限
2026年9月時点で、専任媒介契約を結んだ不動産会社には、契約から7営業日以内にレインズへ物件情報を登録する義務があります。レインズは不動産会社同士が物件情報を共有するシステムで、登録されることで他の不動産会社の顧客にも売却情報が伝わりやすくなります。
また、売却活動の報告は2週間に1回以上行う義務があります。
内見の件数や反響の状況、価格の見直しの提案などが報告に含まれるのが一般的です。
報告が滞ったり、レインズ登録の証明書(登録済証)が渡されない場合は、義務違反にあたる可能性があるため、担当者に確認してください。
専任媒介契約を選ぶ判断の目安
専任媒介契約を選ぶかどうかは、依頼する不動産会社への信頼度と、自分で買主を見つける可能性があるかどうかで判断できます。
1社に窓口を絞ることで、その不動産会社が広告費をかけて力を入れて販売してくれる場合もあります。
一方で、契約期間中に販売活動が停滞していると感じたら、報告内容を確認し、必要であれば契約の更新時に見直すことも検討してください。
契約内容や更新の条件については、事前に宅地建物取引士から重要事項説明を受ける際に確認しておくと安心です。
専任媒介契約についてよくある質問
Q 専任媒介契約を結んだ後に他の不動産会社に相談してもいいですか。
A 専任媒介契約の期間中は、依頼した1社以外と別の媒介契約を結ぶことはできません。販売活動に不満がある場合は、まず担当の不動産会社に状況を確認し、契約の更新時に見直しを検討してください。
Q 自分で見つけた買主と契約するとき、仲介手数料はかかりますか。
A 専任媒介契約では、自分で見つけた買主と不動産会社を通さずに直接契約できます。
その場合、依頼していた不動産会社への仲介手数料は発生しないのが一般的です。
契約書の記載内容は事前に確認してください。
Q レインズに登録されたかどうかはどうすれば分かりますか。
A レインズに登録されると、不動産会社から登録済証が発行されます。登録内容や登録日を確認できるので、契約から7営業日以内に受け取っているか担当者に確認してください。
Q 専任媒介契約と一般媒介契約はどちらを選べばいいですか。
A 窓口を1社に絞って手厚い報告を受けたい人には専任媒介契約が向いています。
複数の不動産会社の集客力を比較したい人には一般媒介契約が向いている場合があります。
どちらが合うかは物件の条件や売却の希望期間によって変わります。
専任媒介契約のまとめ
専任媒介契約は、1社に不動産の売却を任せながらも自分で見つけた買主とは直接契約できる契約形態で、レインズへの登録期限や報告の頻度が定められています。
窓口を一本化できる分、依頼する不動産会社の対応力を見極めることが不動産の売却の手続きを進める上で欠かせません。
ぜひ本記事の専任媒介契約の内容を参考に、家やマンション、土地の売却に向けた不動産会社選びを進めてください。
媒介契約の種類ごとの特徴や選び方については、「媒介契約の種類と選び方」で解説しています。
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