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固定資産税の金額はどう決まる?計算方法と売却時の精算も含めて解説

毎年4月から6月ごろに届く固定資産税の課税明細書には、固定資産税評価額・課税標準額・税額という3つの数字が並んでいます。同じ家にずっと住んでいても、3年に一度の評価替えの年には税額が変わります。

固定資産税の金額は、固定資産税評価額をもとに算出する課税標準額に、標準税率1.4%を掛けて決まります(地方税法第350条)。住宅用地の軽減措置が適用されると、課税標準額は最大で評価額の6分の1まで下がります。2026年9月時点の制度にもとづき、本記事では固定資産税の金額の計算方法と、不動産売却時の精算の仕組みを解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 自宅の売却が決まり、引き渡し時にどう固定資産税を精算するのか分からず不安を感じている50歳の方
  • 確定申告を控え、これまで払ってきた固定資産税の計算方法を理解し将来の負担を見積もりたい方
  • 売却後の税額がどう決まるのか知らないまま契約を進めることに抵抗があり、事前に仕組みを確認したい方

家や土地の固定資産税はどう決まる?金額を左右する3つの要素

家や土地の固定資産税の金額は、固定資産税評価額・税率・軽減措置という3つの要素の組み合わせで決まります。固定資産税評価額は市区町村が個別に決定する評価額で、土地は公示地価の70%程度、家屋は再建築価格をもとに算出するのが一般的な目安です。

税率は標準税率として1.4%が広く使われていますが、市区町村が条例で上乗せすることもあるため、実際の税率は課税明細書で確認する必要があります。評価額は3年に一度の評価替えで見直され、直近では2024年度に評価替えが行われました。土地の時価が大きく動いた地域では、評価替えの年に税額が変わることがあります。

固定資産税がかかるかどうかの基準日は毎年1月1日で、この日の所有者に対して1年分の税額が課されます。土地や家屋をいつ手放しても、その年の納税義務者は1月1日時点の所有者である点は、後述する売却時の精算を理解するうえで欠かせない前提です。

評価替えの年は税額が動きやすいので、前年との差額が大きいと感じたら課税明細書の評価額欄を確認してください。

マンション・戸建ての固定資産税評価額の仕組みと確認方法

マンションや戸建ての固定資産税評価額は、土地と家屋を分けて算出します。土地は国土交通省が公表する公示地価や都道府県地価調査の価格を参考に、公示地価の70%程度を目安として評価されます。家屋は同じ建物を新築した場合にかかる費用(再建築価格)から、築年数に応じた経年減点補正率を掛けて算出する方式が一般的です。

評価額は毎年送られてくる課税明細書のほか、市区町村の窓口で取得できる固定資産税評価証明書や、固定資産課税台帳の閲覧で確認できます。不動産売却を検討する際には、この評価額が売却相場そのものではない点に注意が必要です。評価額は時価より低めに設定されるため、売却価格の目安としては別途、不動産会社による査定を受ける必要があります。

評価額と売却価格は別の数字なので、固定資産税評価証明書だけで売却価格を見積もらないよう注意してください。

計算方法と具体例|固定資産税の金額シミュレーション

固定資産税の基本式は「課税標準額×1.4%」です。課税標準額は住宅用地の軽減措置を適用した後の金額になるため、土地と家屋を分けて計算すると実際の負担額が分かります。

土地の固定資産税を計算する

固定資産税評価額2,000万円、敷地面積200㎡以下の住宅用地を例にします。200㎡以下の部分は小規模住宅用地として課税標準額が評価額の6分の1に軽減されるため、2,000万円÷6=約333万円が課税標準額になります。これに1.4%を掛けると、土地の固定資産税額は約4.7万円です。

家屋の固定資産税を計算する

家屋の固定資産税評価額を800万円とすると、軽減措置がない通常のケースでは800万円×1.4%=11.2万円です。新築住宅の場合、床面積120㎡までの部分について税額が3年間(マンション等は5年間)半額になる軽減措置があるため、この期間は11.2万円×1/2=5.6万円になります。

この例では、新築3年目までの合計は土地約4.7万円+家屋5.6万円で約10.3万円、4年目以降は土地約4.7万円+家屋11.2万円で約15.9万円が年間の固定資産税の目安になります。

新築軽減が切れる年に税額が増えるケースは多いので、4年目以降の負担も合わせて見積もっておくと安心です。

住宅用地の軽減措置で下がる固定資産税の金額

住宅用地の軽減措置は、敷地面積によって軽減の幅が変わります。200㎡以下の部分は小規模住宅用地として課税標準額が評価額の6分の1に、200㎡を超える部分は一般住宅用地として3分の1に軽減されます。土地の上に住宅が建っていることが条件のため、建物を解体して更地にすると、この軽減措置の対象から外れてしまいます。

更地になった土地の固定資産税がどう変わるかは、更地とは?固定資産税と売却相場の違いで解説しています。古家を残したまま土地を売却する場合の固定資産税の負担については、古家付き土地とは?解体費用と固定資産税の負担で解説しています。

解体のタイミング次第で固定資産税の軽減が外れることがあるので、売却計画と合わせて解体時期を検討してください。

不動産売却時の固定資産税精算はどう計算する?

固定資産税は1月1日時点の所有者に1年分が課されるため、年の途中で不動産を売却しても、買主に納税義務は移りません。そこで不動産取引の慣習として、引き渡し日を基準に税額を日割りで分担する固定資産税の精算が行われます。

起算日の違い

精算の起算日は地域によって異なり、関東では1月1日を起算日とする方式が、関西では4月1日を起算日とする方式が広く使われています。起算日が変わると売主と買主の負担割合も変わるため、売買契約書で起算日をどちらにするか確認しておく必要があります。

具体的な精算計算例

年税額15.9万円の不動産を、1月1日を起算日として7月1日に引き渡す場合を考えます。1月1日から6月30日までの181日分が売主負担、7月1日から12月31日までの184日分が買主負担です。年税額を日割りすると、売主負担分は約7.9万円、買主負担分は約8.0万円になり、買主は引き渡し時にこの精算金を売買代金に上乗せして売主に支払います。

固定資産税の精算の計算式や端数処理の考え方は、固定資産税の精算とは?売却時の計算方法と流れで解説しています。

起算日を1月1日にするか4月1日にするかで負担額が変わるため、契約前に不動産会社へ確認してください。

滞納するとどうなる?特定空家と固定資産税の増額リスク

固定資産税を滞納すると、納期限の翌日から延滞金が発生し、滞納が続くと督促状の送付を経て、預金や不動産の差し押さえに進む場合があります。空き家になった家をそのまま放置して行政から特定空家に指定されると、住宅用地の軽減措置が解除され、土地にかかる固定資産税額が最大6倍相当になる可能性があります(家屋分は対象外)。

特定空家の指定基準と固定資産税への影響は、特定空家とは?固定資産税への影響と売却方法で解説しています。使っていない家や土地を抱えている場合は、滞納や特定空家の指定を避けるためにも、早い段階で売却を検討する価値があります。

特定空家に指定される前に相談に来る方が多いので、通知が届いた段階で売却も含めて検討してください。

確定申告で固定資産税はどう扱う?不動産売却後の注意点

マイホームを売却した場合、売主が負担した固定資産税の精算金は、原則として譲渡所得の計算上の取得費にも譲渡費用にも含まれません。精算金は売買代金の一部として受け取る性質のお金として扱われ、譲渡所得の計算に組み込む必要があります。一方、賃貸中の収益不動産であれば、所有期間中に支払った固定資産税は不動産所得の必要経費として計上できます。

不動産売却後は、固定資産税の精算金だけでなく、仲介手数料や印紙税、譲渡所得にかかる税金なども含めて手元に残る金額を見積もる必要があります。

手元に残る 約75%
譲渡所得税など
仲介手数料・固定資産税精算金等

※3000万円で売却・長期譲渡・控除適用なしの概算例(2026年9月時点)

この図は、控除を使わない場合の概算で、税金と諸費用を差し引くと手取りは売却価格の8割に届かないことを示しています。

不動産売却にかかる税金と費用の全体像は不動産売却にかかる税金と費用の全体像|いくら手元に残る?で解説しており、具体的な手取り額の計算方法はマンション売却で手元に残る金額の計算方法で解説しています。

控除が使える条件に当てはまるかどうかで手取りは大きく変わるので、確定申告前に適用条件を確認してください。

よくある質問

固定資産税評価額と固定資産税の金額は同じですか?

同じではありません。固定資産税評価額に軽減措置を適用した課税標準額を算出し、そこに税率1.4%を掛けた金額が実際の固定資産税です。

固定資産税の課税明細書を紛失した場合はどうすればよいですか?

市区町村の窓口で固定資産税評価証明書や公課証明書を取得すれば、評価額や税額を確認できます。証明書の発行手数料は自治体によって異なります。

売却した年の固定資産税は誰が払うのですか?

納税義務者はその年の1月1日時点の所有者であるため、年の途中で不動産を売却しても納税通知書は元の所有者に届きます。買主との間では、引き渡し日を基準に日割りで精算金をやり取りするのが一般的です。

固定資産税の軽減措置はいつまで続きますか?

住宅用地の軽減措置は、住宅が建っている限り継続して適用されます。新築住宅の税額半減措置は、戸建てで3年間、マンション等の耐火建築物で5年間という期限があります。

固定資産税が急に高くなったのはなぜですか?

3年に一度の評価替えで評価額が上がった場合や、新築住宅の軽減期間が終了した場合、または住宅を解体して住宅用地の軽減措置が外れた場合などに税額が上がります。課税明細書の評価額と課税標準額の欄を見比べると原因を確認できます。

固定資産税の金額の仕組みを理解してから不動産売却を進める

固定資産税の金額は、固定資産税評価額・税率1.4%・住宅用地の軽減措置という3つの要素で決まり、評価替えや売却のタイミングによって税額も負担の分担も変わります。不動産売却を予定している場合は、現在の固定資産税の計算根拠を把握したうえで、引き渡し時の精算額や確定申告での扱いまで見通しておくと、手元に残る金額のずれを防げます。ぜひ本記事の固定資産税の計算方法と精算の仕組みを参考に、不動産売却の準備を進めてください。

出典

  • 総務省「固定資産税」
  • 総務省「固定資産の評価替えについて」
  • 国税庁「No.3252 取得費となるもの」
  • 国税庁「No.3261 建物の取得費の計算」
  • e-Gov法令検索「地方税法」(第349条の3の2:小規模住宅用地等の課税標準の特例)
  • 佐久市「固定資産に関する証明書等の交付申請及び郵送請求(評価証明書等)」
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