SHARE:

不動産売却はどこに相談すべき?失敗しない業者選びの5つのポイント

転勤が決まり、10年住んだ自宅マンションを売ることになっても、不動産売却の相談先は一社に絞り込めません。検索すれば大手から地域密着の不動産会社まで候補が並び、宅地建物取引業法は媒介契約を一般・専任・専属専任の3種類に分けています。

不動産の査定を依頼しても売却を断る権利は残り、媒介契約を結ぶまでは複数の不動産会社を比較する段階にすぎません。宅地建物取引業の免許の有無や行政処分歴、レインズへの登録義務の違いを確認すれば、不動産売却の相談先は絞り込めます。

本記事では、不動産売却はどこがいいか迷う方に向けて、失敗しない業者選びの5つのポイントと仲介・買取の使い分けを解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 介護のため実家近くに転居する必要が出てきたが、初めての売却でどの業者に相談すべきか順番すら分からない方
  • 査定を依頼すると売却を断れなくなるのではと身構え、業者選びで失敗した知人の話を聞いて慎重になっている方
  • 仲介と買取のどちらが自分の家に合うのか判断できず、複数の相談先を比較する基準を知りたい45歳会社員の方

不動産売却はどこに相談すべき?最初に知っておきたい流れ

不動産売却は、査定の依頼から始まり、不動産会社と媒介契約を結んで売却活動に入り、買主が見つかれば売買契約と引き渡しへ進みます。不動産の査定はあくまで価格の見積もりであり、この段階で売却を断っても違約金などは発生しません。

「査定に出したら売らないといけない気がする」と身構える方は少なくありませんが、媒介契約を結ぶ前であれば複数の不動産会社を比較する相談の段階にとどまります。不動産売却の相談はどこがいいかを決める前に、まず売却相場を知ることから始めてください。

査定依頼と売却の申し込みは別の手続きです。不安な方は「価格だけ知りたい」と最初に伝えてください。

匿名査定と一括査定の違い|不動産売却の相場を調べる方法

不動産売却の相場を調べる方法には、匿名査定と一括査定があります。匿名査定は住所や氏名を入力せずに概算価格を確認できる方法で、営業電話を避けながら相場感をつかみたい段階に向いています。匿名査定と一括査定の違いで、それぞれの使い分けを解説しています。

一括査定は複数の不動産会社へ一度に査定を依頼できる仕組みですが、各社から連絡が入る分、本格的に不動産売却の相談を進める段階で使うと効率的です。売却相場はレンジで出るものと考え、1社だけの査定額を鵜呑みにしないことが大切です。

査定額に大きな差が出たら、根拠となる取引事例を不動産会社に説明してもらってください。

失敗しない不動産会社選びの5つのポイント

不動産売却でどこがいいか判断するときは、次の5点を確認してください。

  • 宅地建物取引業の免許番号と行政処分歴
  • 仲介手数料や契約内容の説明が丁寧か
  • 担当者が地域の取引実績を具体的に説明できるか
  • レインズへの登録時期や販売状況の報告頻度
  • 査定根拠となる類似物件の取引事例を提示できるか

宅地建物取引業の免許と行政処分歴を確認する

宅地建物取引業の免許は都道府県知事または国土交通大臣が交付し、免許番号の更新回数からおおよその営業年数が分かります。行政処分歴は国土交通省や都道府県のサイトで確認でき、過去に業務停止などの処分を受けた不動産会社がないか調べられます。

担当者の提案力と地域の取引実績を見る

同じ不動産会社でも担当者によって対応は変わります。周辺の取引事例を具体的な数字で示せるか、内覧の提案や販売戦略を説明できるかを、複数社との面談で比較してください。

行政処分歴は国土交通省の「ネガティブ情報等検索システム」で無料で確認できます。

仲介と買取、不動産売却はどちらがおすすめ?

不動産売却には、買主を探して売る仲介と、不動産会社が直接買い取る買取の2つの方法があり、どちらが合うかは売却にかけられる期間と価格への希望で変わります。

数カ月の販売期間をかけられる?
YES ↓
仲介で相場価格を目指す
NO ↓
買取で早期の現金化を検討

販売期間に余裕があるかどうかで、仲介と買取のどちらを軸に不動産会社へ相談すべきかが大まかに分かれます。

仲介のメリットと注意点

仲介は買主を広く募るため、買取より高い価格で売れる可能性がありますが、一方で不動産売却までに数カ月かかることが多く、内覧対応や価格交渉が必要になります。

買取のメリットと注意点

買取は不動産会社が直接購入するため、早ければ数週間で現金化できます。ただし売却価格は仲介で売る場合の相場より下がる傾向があり、転勤などで時期を優先したい方に向いています。

買取価格の目安は、仲介の想定売却価格の7〜8割程度になることが多いので、両方の見積もりを比べてください。

媒介契約の種類と不動産売却での選び方

現行の宅地建物取引業法では、媒介契約を一般・専任・専属専任の3種類に定めています。不動産売却の相談を進める不動産会社を決めるタイミングで、どの契約形態にするかも合わせて決める必要があります。

媒介契約の種類ごとの違い
種類複数社への依頼レインズ登録義務自分で買主を見つけること
一般媒介契約可能義務なし可能
専任媒介契約不可契約から7日以内可能
専属専任媒介契約不可契約から5日以内不可

出典:国土交通省「宅地建物取引業法」をもとに作成(2026年9月時点)

レインズとは、不動産会社同士が物件情報を共有するネットワークで、登録されると他社の買主にも情報が届きやすくなります。レインズとは?不動産売却での登録義務で、登録のしくみを解説しています。

一般媒介契約は複数社に依頼できる分、不動産会社ごとの販売状況の報告義務がない点に注意してください。

マンション売却を高く進めるための準備と注意点

マンション売却を高く進めるには、複数の不動産会社から査定を取って比較することに加え、内覧前の清掃や修繕箇所の整理が効果を持ちます。仲介手数料の上限は宅地建物取引業法の告示で決まっています。

仲介手数料の上限早見表
売買価格(総額)仲介手数料の上限(税別)
200万円以下5%
200万円超400万円以下4%+2万円
400万円超3%+6万円

出典:国土交通省告示(宅地建物取引業法に基づく報酬額)をもとに作成

マンション売却で利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。所有期間が5年を超えるかどうかで税率が変わるため、不動産売却の譲渡所得税とは?税率と特例で、税率の詳細と特例の条件を解説しています。

仲介手数料は売買契約時と引き渡し時に半額ずつ支払う取り決めが一般的です。

相続した不動産を売却する際の相談先と注意点

相続した家や土地を売る場合、売却の前に相続登記を済ませておく必要があります。相続登記とは?期限と不動産売却の関係で、登記の期限と手続きの流れを解説しています。

相続人が複数いて不動産を現金化してから分ける場合は換価分割という方法を使います。換価分割とは?不動産売却の税金と手続きで、具体的な進め方を解説しています。また、負債を含めて相続したくない場合は相続放棄という選択肢もあり、相続放棄とは?不動産売却との関係と期限で期限を解説しています。

相続登記は2024年4月から義務化されているため、売却前に名義を確認してください。

よくある質問

査定を依頼したら売却しないといけませんか

いいえ、査定は価格の見積もりであり、媒介契約を結ぶまでは不動産売却を断っても問題ありません。

不動産売却の相談はどこがいいですか。複数の会社に頼むべきですか

まず2〜3社に査定を依頼し、宅地建物取引業の免許や担当者の対応を比較してから、媒介契約を結ぶ1社を決める進め方が一般的です。

媒介契約を結んだ後に他の不動産会社に乗り換えられますか

一般媒介契約は複数社へ依頼できますが、専任媒介契約と専属専任媒介契約は契約期間中、原則として他社へ乗り換えられません。契約期間は3カ月以内と定められています。

相続した家の売却もこの記事の流れで進められますか

基本的な査定から売買契約までの流れは同じですが、不動産売却の前に相続登記を済ませておく点が加わります。

仲介手数料はいつ、いくら払いますか

一般的には売買契約時に半額、引き渡し時に残り半額を支払い、金額は宅地建物取引業法で定められた上限の範囲内で不動産会社ごとに設定されます。

不動産売却のおすすめの相談先を見極めるポイントのまとめ

不動産売却の相談先は、査定の段階で複数社を比較し、宅地建物取引業の免許や行政処分歴、媒介契約の種類、仲介と買取の違いを確認して選びます。ぜひ本記事の5つのポイントを参考に、ご自身の状況に合う不動産会社を見つけてください。

出典

  • 国土交通省「宅地建物取引業法」
  • 国土交通省「宅地建物取引不動産会社の媒介報酬額に関する告示」
  • 大阪府「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(建設省告示、令和6年6月21日改正)
  • 国土交通省「ネガティブ情報等検索システム」
  • 国税庁「譲渡所得税の税率に関する情報」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 公益社団法人全日本不動産協会「宅地建物取引業法第34条の2(媒介契約の規定)」解説
あなたへのおすすめ