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マンションの住み替えを成功させる手順と注意点

転勤の辞令を受け取り、10年住んだマンションを売って新しい住まいへ住み替えることが決まりました。不動産会社に査定を依頼した経験もなく、売却と購入をどの順番で進めるのかも分かりません。媒介契約(ばいかいけいやく)には専属専任・専任・一般の3種類があり、専属専任媒介契約と専任媒介契約の有効期間は宅地建物取引業法で3か月以内と定められています。

マンションの住み替えは、売却相場の確認、不動産会社への査定依頼、媒介契約の締結、売却活動、引き渡しという順番で進み、同時に購入先の住まいを探す必要があります。不動産売却と購入のタイミングを合わせる方法には「売り先行」と「買い先行」の2つがあり、どちらを選ぶかで必要な資金やリスクが変わります。

本記事では、マンションの住み替えを進める手順と、売却と購入のタイミングを合わせる際の注意点を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 子どもの独立を機に今のマンションが広すぎると感じ、住み替えの手順が分からず何から始めればいいか迷っている方
  • 通勤の負担を減らすために住み替えを考えているが、売却と購入のタイミングをどう合わせるべきか不安を感じている方
  • 査定に出したら売却なければならない気がして身構えており、住み替えの流れを先に把握して安心したいと考えている方

マンションの住み替えとは|売却と購入を同時に進める流れ

マンションの住み替えとは、今住んでいるマンションを売却し、代わりの住まいを購入または賃貸で確保して移る一連の行動を指します。単なる売却と違い、売る側と買う(または借りる)側の2つの契約を同時進行で動かす点が特徴です。

不動産の査定を依頼しても、その時点で売却が確定するわけではありません。不動産の査定は不動産会社が物件の価値を算出する作業であり、査定額を見てから媒介契約を結ぶかどうか、どの不動産会社に任せるかを判断できます。まずは売却相場を知ることから始め、売却を進めるかどうかはそのあとで決めてかまいません。

マンションの査定の申し込み自体に費用はかからないので、まずは売却相場を知る目的で依頼して問題ありません。

住み替えマンションを売却する手順|売却相場確認から引き渡しまで

住み替えマンションの売却は、大きく6つの段階に分けて進みます。それぞれの段階でかかる期間を把握しておくと、新居探しのスケジュールも立てやすくなります。

  1. 売却相場を調べる:匿名査定や近隣の成約事例で目安を把握
  2. 不動産会社に査定を依頼する:複数社の査定額と提案内容を比較
  3. 媒介契約を結ぶ:専属専任・専任・一般から契約タイプを選ぶ
  4. 売却活動・内覧対応:ポータル掲載・内覧スケジュールの調整
  5. 売買契約を締結する:手付金の受領と契約条件の確認
  6. 引き渡し・住み替え先への入居:残代金の受領と鍵の引き渡し

この手順は上から順に進み、3の媒介契約の種類によって4の売却活動の自由度が変わる点が、住み替えマンションの売却ならではの分岐点です。

査定から引き渡しまでの期間は物件や市況によって変わりますが、媒介契約を結んでから3〜6か月程度を見込んでおくと、新居探しの計画を立てやすくなります。

転勤など期限が決まっている住み替えでは、媒介契約を結ぶ段階で希望の引き渡し時期を不動産会社に伝えておくと計画が立てやすくなります。

住み替えで売却と購入、どちらを先に進めるか|売り先行と買い先行

マンションの住み替えでは、売却と購入のどちらを先に進めるかで、資金の流れとリスクの種類が変わります。

売り先行のメリットと注意点

売り先行は、今のマンションの売却を先に決め、その代金を新居の購入資金に充てる進め方です。売却代金が確定してから購入予算を決められるため、資金計画が立てやすくなります。一方で、売却が先に決まってしまうと、新居が見つかるまでの仮住まいが必要になる場合があります。

買い先行のメリットと注意点

買い先行は、新居を先に決めてから今のマンションを売却する進め方です。仮住まいを挟まずに引っ越せる一方、今のマンションの売却が長引くと、新居のローンと今のマンションのローンを同時に抱える「ダブルローン」の状態になる可能性があります。

売り先行買い先行
資金計画売却代金を見てから購入予算を決められる新居の予算を先に決める必要がある
仮住まい必要になる場合がある不要な場合が多い
ローンの負担原則どちらか1本一時的にダブルローンの可能性

転勤のように入居日が決まっている住み替えでは、仮住まいの可能性を前提に売り先行で計画を立てる方が安全です。

50代のマンション買い替えで資金計画をどう立てるか

50代のマンション買い替えでは、残っている住宅ローンの金額と、新居購入に使える自己資金のバランスを早い段階で確認しておく必要があります。

住み替えローンの仕組み

今のマンションの売却代金だけでは住宅ローンを完済できない場合、不足分を新居の購入資金に組み込んで借りる「住み替えローン」という仕組みがあります。審査基準や利用条件は金融機関ごとに異なり、住み替えローンとは?審査基準と家の売却で解説しています。

売却代金で完済できない場合の選択肢

住み替えローンを使わない場合は、自己資金で不足分を補う、または今のマンションの売却を待ってから新居探しを再開するという選択肢があります。どちらを選ぶにせよ、売却で手元にいくら残るかを先に把握しておくことが欠かせません。手元に残る金額の計算方法は、マンション売却で手元に残る金額の計算方法で解説しています。

50代の買い替えでは、新居のローンを何歳までに完済する計画かを先に決めておくと、借入額の判断がしやすくなります。

不動産会社の選び方|媒介契約とレインズの基礎

マンションの住み替えを進める不動産会社は、媒介契約の種類と、レインズ(指定流通機構が運営する不動産情報のネットワークシステム)への登録状況で選び方が変わります。

専属専任媒介契約はレインズへの登録が契約から5営業日以内、専任媒介契約は7営業日以内と宅地建物取引業法で義務づけられており、一般媒介契約には登録義務がありません。レインズに登録されると、他の不動産会社の顧客にも物件情報が共有され、買い手の母数が増えます。複数の不動産会社に査定を依頼して比較する際は、匿名査定と一括査定の違いを把握しておくと営業電話の負担を抑えられます。両者の使い分けは匿名査定と一括査定の違い|営業電話なしで相場を知る使い分けで解説しています。

マンション特有の相場の調べ方については、マンションの匿名査定は当たる?精度が高い理由と相場の調べ方で解説しています。

媒介契約を1社に絞る専任系は販売活動に力を入れてもらいやすく、一般媒介は複数社を比較しやすいという違いがあります。

高く売るコツ|マンションの住み替えで意識したいポイント

住み替えマンションを少しでも高く売るには、売却相場を正確に把握することが前提になります。複数の不動産会社から査定を取り、提示された根拠を比較すると、売却相場より低い査定額や、販売実績を伴わない高すぎる査定額に気づきやすくなります。

内覧対応では、住んだまま売却活動を続けるケースが多く、水回りの清掃や荷物の整理といった基本的な準備が成約価格に影響します。また、転勤のように退去期限が決まっている場合は、不動産会社に事情を伝えたうえで、売却開始から成約までの期間を逆算してスケジュールを組むことが重要です。

内覧前の清掃や照明の調整だけで印象が変わり、同じ価格でも成約までの期間が短くなる場合があります。

住み替えで注意したい落とし穴|ダブルローンと仮住まい

マンションの住み替えで最も多い落とし穴は、資金とスケジュールのずれです。買い先行で今のマンションの売却が長引くと、新居のローンと今のマンションのローンを同時に支払うダブルローンの状態が続き、生活費を圧迫します。売り先行でも、売却が早く決まりすぎると、新居が見つからず仮住まいの費用がかさむことがあります。

購入側で住宅ローンの事前審査が通らなかった場合に契約を解除できる「ローン特約」の有無も、新居の売買契約を結ぶ前に確認しておきたい条件です。税金については、マイホームを売却した際の譲渡所得の特例など利用できる制度が条件によって変わるため、2026年9月時点の制度を税理士や不動産会社に確認することをおすすめします。

ダブルローンの期間が長くなりそうな場合は、早めに不動産会社へ相談し、価格の見直しを検討することをおすすめします。

よくある質問

マンションの住み替えで査定を依頼したら、売却しないといけませんか?

査定の依頼だけでマンション売却が確定することはありません。査定額を確認したうえで、媒介契約を結ぶかどうかを判断できます。

マンションの住み替えにかかる期間はどれくらいですか?

売却相場確認から引き渡しまで、媒介契約を結んでから3〜6か月程度を目安にする方が多く、物件の条件や市況によって前後します。

50代でのマンション買い替えでも住宅ローンは組めますか?

年齢や健康状態、完済時期の条件によって審査内容が変わります。借入可能額や完済年齢の見込みは、金融機関や不動産会社に早めに相談しておくと計画を立てやすくなります。

住み替えマンションの売却と購入、どちらを先に進める人が多いですか?

資金計画を優先する場合は売り先行、仮住まいを避けたい場合は買い先行を選ぶ傾向があります。転勤のように引っ越し期限が決まっている場合は、売り先行で仮住まいを前提に計画する方が安全です。

仮住まいが必要になるのはどんな場合ですか?

売り先行で今のマンションの売却が先に決まり、新居がまだ見つかっていない場合に仮住まいが必要になります。賃貸契約や家具の保管費用もかかるため、あらかじめ予算に含めておくと安心です。

マンションの住み替えを成功させるために

マンションの住み替えは、売却相場確認から引き渡しまでの手順を把握し、売却と購入のタイミングを早い段階で決めることで計画が立てやすくなります。50代のマンション買い替えでは、住み替えローンの利用可否や完済年齢の見込みも含めて資金計画を確認しておく必要があります。ぜひ本記事の手順と注意点を参考に、売却と購入の順番を決めてから不動産会社への相談を進めてください。

出典

  • e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
  • 国土交通省「指定流通機構(レインズ)について」
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