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位置指定道路とは?売却時の注意点と確認方法を解説

戸建てやマンションの売却を進める中で、前面道路が「位置指定道路」だと不動産会社から告げられ、売買契約の前に道路の種別を確認する作業が発生している方がいます。位置指定道路は建築基準法第42条1項5号に基づき特定行政庁が指定した私道で、申請図面が見つからないと再建築の可否を説明できません。

位置指定道路は幅4m以上の私道でありながら建築基準法上の道路として認められ、接道義務(同法第43条)を満たす根拠になります。道路位置指定図は市区町村の建築指導課で確認でき、幅や指定年月日は売却前に確認しておきたい項目です(2026年9月時点)。本記事では、位置指定道路の仕組みと他の道路との違い、申請図面の確認方法、売却時に不動産会社へ伝えるべき点を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 家の老朽化を機に自宅を売却したいが、前面道路が位置指定道路だと聞き売却への影響を初めて調べている45歳会社員の方
  • 再建築の可否にかかわる道路の種別が分からず、契約前に自分の土地の道路種別を確認したい方
  • 資金需要から早く売りたいが、位置指定道路の申請図面が見つからず不動産会社への説明に不安がある方

位置指定道路とは|不動産売却に関わる道路の種別

位置指定道路とは、建築基準法第42条1項5号に基づき、特定行政庁(市区町村長や都道府県知事など、建築確認の権限を持つ行政機関)から指定を受けた私道のことです。土地を分割して複数の戸建てを建てる際、開発する不動産会社や個人が新たに道をつくり、幅4m以上であることなどの条件を満たしたうえで行政の指定を受けると、その道は建築基準法上の「道路」として扱われます。

位置指定道路は所有権としては私道であり、道路を造った開発者や、そこに面する複数の土地所有者が共有、または分割して所有しているケースが一般的です。公道のように市区町村が管理しているわけではないため、舗装の補修や排水設備の維持管理は所有者側で対応する必要があります。

売却の対象になる土地が位置指定道路に接している場合、道路の指定内容が建物の再建築や売却価格に直結します。次の見出しで、位置指定道路と他の道路の違いを具体的に確認します。

位置指定道路かどうかは物件概要書だけでは分からないことが多く、現地の道路標識や役所確認で裏付けを取ります。

公道・42条2項道路との違い|不動産売却前に知りたい位置指定道路の特徴

公道・私道との違い

公道は道路法に基づき国や都道府県、市区町村が管理する道路で、建築基準法第42条1項1号の道路として扱われます。位置指定道路は同じ42条1項の道路でありながら、所有と管理の主体が個人や複数の土地所有者である点が異なります。どちらも幅4m以上であれば接道義務を満たすため、建築確認の上では同じ扱いを受けます。

42条2項道路(みなし道路)との違い

42条2項道路は、建築基準法が施行された時点ですでに建物が建ち並んでいた幅4m未満の道で、行政が「道路とみなす」ことで接道義務を満たせるようにした道です。幅が4m未満のため、再建築のときに道路の中心線から2m後退する「セットバック」が必要になります。位置指定道路は新たに指定を受ける際に幅4m以上を確保するのが原則で、セットバックが必要になるケースは限られます。

建築基準法上の道路の種別
種別根拠幅特徴
公道(1号道路)建築基準法42条1項1号4m以上道路法の道路。市区町村などが管理
既存道路(3号道路)建築基準法42条1項3号4m以上法施行時から存在する道路
位置指定道路(5号道路)建築基準法42条1項5号4m以上特定行政庁の指定を受けた私道
2項道路建築基準法42条2項4m未満セットバックで4mを確保

出典:e-Gov法令検索「建築基準法」第42条をもとに作成

道路種別の呼び方は重要事項説明書に記載される表現と役所の呼び方で微妙に違うことがあり、号数で確認すると誤解が減ります。

土地や戸建ての売却で位置指定道路が影響する再建築の可否

建築基準法第43条は、建物を建てる土地が幅4m以上の道路に2m以上接していることを求めています。これが接道義務です。位置指定道路に正しく接道していれば、再建築の確認は通常どおり進められます。

一方で、指定後に幅が4m未満へ狭まっていたり、指定自体が取り消されていたりすると、接道義務を満たせず再建築ができない土地と判断される場合があります。買主が住宅ローンを利用する際、金融機関は再建築の可否を融資の条件に含めることが多く、位置指定道路の確認が取れないまま売却を進めると、契約直前で融資が通らず話が止まる可能性があります。

土地の価格を査定する段階でも、位置指定道路の幅や指定状況は不動産会社が確認したい情報です。

再建築不可の土地は金融機関の融資対象から外れることがあり、現金購入前提の買主に限られる場合があります。

役所と法務局で確認する位置指定道路の申請図面

役所の建築指導課で確認する方法

位置指定道路の申請図面は、道路がある市区町村の建築指導課や道路管理課で保管されています。「道路位置指定図」や「道路台帳」の閲覧を窓口で申請すると、指定を受けた幅・長さ・指定年月日を確認できます。閲覧や写しの取得には、申請書の提出から交付まで数日かかる役所もあります。

法務局で確認する方法

法務局では、位置指定道路そのものの指定図は保管されていません。ただし、私道部分の地番や所有者、公図上の形状は法務局で取得できる公図や地積測量図で確認できます。位置指定道路の敷地が誰の名義になっているかを確認する際に使う資料です。

役所窓口は担当課が建築指導課・道路課など自治体ごとに名称が違うため、事前に電話で取得窓口を確認すると二度足を防げます。

申請図面が見つからないときに取るべき対応

指定から数十年が経過した位置指定道路では、申請図面が役所で破棄されていたり、紙の資料が劣化して判読できなくなっていたりするケースがあります。その場合は、役所に「道路位置指定の有無に関する証明書」の交付を申請し、台帳の記載内容で指定の事実だけを確認する方法があります。

証明書でも詳細な図面が得られない場合は、土地家屋調査士や建築士に依頼し、過去の建築確認の記録や現地の測量から道路の位置と幅を再確認する方法が取られます。売却までの期間に余裕を持ち、早い段階で役所への確認を始めることが、契約直前のトラブルを避けることにつながります。

証明書の取得だけで数週間かかる自治体もあるため、売却の相談を始める時点で並行して申請しておくと手続きが遅れません。

不動産会社へ伝えるべき位置指定道路の情報と売却時の注意点

位置指定道路に接する土地を売却するときは、不動産会社に次の情報を伝えておくと、売却活動の準備が進みやすくなります。

  • 位置指定道路の幅・指定年月日・指定番号
  • 私道部分の所有者や共有者の名義
  • 通行・掘削に関する同意書の有無
  • 過去にセットバックを行った記録の有無

これらの情報が不足したまま匿名査定だけで売却価格を把握すると、位置指定道路特有の事情が反映されない場合があります。匿名査定には匿名査定のデメリットと注意点があり、合わせて匿名査定・AI査定の精度の限界も参考にしながら、訪問査定や不動産会社への直接確認を進めることが望ましい進め方です。

複数の所有者が関わる私道部分を整理する場面では、査定書の内容を正確に示す必要が出てきます。相続や離婚に伴う財産分与でも同様に、正確な査定書が求められる場面があり、離婚で不動産の査定書が必要なときの取り方で解説しています。

私道の名義が古い場合、相続登記が済んでいない共有者がいることもあり、売却の交渉が長引く原因になります。

セットバックと私道負担|位置指定道路の土地にあるトラブルの芽

位置指定道路の幅が4m未満のまま残っている土地では、再建築の際に指定時の幅員(4m等)まで道路を復元する必要があり、建物を建てられる範囲が狭くなります。セットバック済みの部分は道路として扱われ、所有していても建物や塀を建てられません。

私道部分には固定資産税がかかる場合がありますが、公共の用に供する道路として非課税の扱いを受けられることもあります。扱いは市区町村の判断によって異なるため、固定資産税の課税状況は売却前に役所へ確認しておきたい点です。

水道やガスの配管を私道部分に通す際は、他の所有者から掘削や使用の同意を得る必要があります。同意書が過去に取得されているかどうかも、買主にとって重要な確認事項になります。

掘削同意書が見つからないと工事会社が着工できないことがあり、売却後に買主側でトラブルになりやすい点です。

位置指定道路に接する土地を売却するまでの確認手順を整理すると、次のような流れになります。

1
前面道路の種別を確認する
重要事項説明書や物件概要で道路種別を確認
2
役所で道路位置指定図を取得する
建築指導課・道路管理課で閲覧・写しを申請
3
幅・指定年月日・所有関係を確認する
私道部分の名義と共有者を公図・登記で確認
4
再建築の可否とセットバックを確認する
接道義務を満たすか、セットバックの範囲を確認
5
不動産会社へ情報を共有し売却活動を始める
確認済みの資料を渡し、買主への説明に備える

図は上から下へ、道路種別の確認から売却活動の開始までの順序を示しています。番号が進むほど手続きに必要な資料がそろっていく流れです。

よくある質問

位置指定道路に接する土地や戸建ては売却できますか?

不動産売却できます。位置指定道路は建築基準法上の道路として認められているため、接道義務を満たしていれば通常の売却と同じ手続きで進められます。ただし、道路の幅や指定内容を示す資料をそろえておくと、買主や不動産会社への説明がスムーズになります。

位置指定道路の幅が4m未満だと再建築できませんか?

指定後に現況幅員が指定時の幅(4m等)より狭くなっている場合、再建築の際に指定幅員への復元が必要になることがあります。セットバックの範囲を確保できれば再建築は可能ですが、建築可能な面積が狭くなるため、売却価格に影響する場合があります。

位置指定道路の申請図面はどこで取得できますか?

道路がある市区町村の建築指導課や道路管理課で、道路位置指定図や道路台帳の閲覧・写しの交付を申請できます。古い指定の場合は図面が残っていないこともあり、その際は指定の有無を示す証明書で確認します。

位置指定道路の私道部分にも固定資産税はかかりますか?

私道部分でも固定資産税がかかる場合がありますが、公共の用に供する道路として非課税になる自治体もあります。課税の扱いは市区町村ごとに判断が異なるため、売却前に役所へ確認しておきたい点です。

位置指定道路であることは売買契約書に記載されますか?

記載されます。不動産売買契約書や重要事項説明書には、前面道路の種別や幅、私道負担の有無を記載する項目があり、位置指定道路に接する土地であれば指定の内容が説明されます。

位置指定道路とはを理解して進める不動産売却の準備

位置指定道路とは、建築基準法第42条1項5号に基づき特定行政庁が指定した私道で、幅4m以上であれば公道と同じく接道義務を満たす道路として扱われます。申請図面の確認、私道部分の所有関係、セットバックの有無を売却前に整理しておくと、不動産会社への説明や買主の住宅ローン審査がスムーズに進みます。ぜひ本記事で解説した位置指定道路の確認方法と注意点を参考に、売却の準備を進めてください。

出典

  • e-Gov法令検索「建築基準法」
  • 法務省「登記情報提供制度」
  • 横浜市「道路Q&A」1項5号道路(位置指定道路)について
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