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建築面積とは?延べ床面積・建坪との違いと不動産売却での使われ方

自宅の売却を進めようとして、固定資産税の課税明細書や建築確認済証を開くと、「建築面積」「延べ床面積」「建坪」という3つの数字が並んでいて、どれも違う値になっていることに気づきます。建築面積とは、建築基準法で定められた建物を真上から見たときの面積(外壁や柱の中心線で囲まれた部分)を指し、延べ床面積や建坪とは算定方法が異なります。本記事では、建築面積の定義と延べ床面積・建坪との違い、不動産売却の場面での使われ方を解説します。

増改築を重ねた家では、建築確認申請時の建築面積と現況の面積が食い違っていることも少なくありません。この差を放置したまま査定や契約を進めると、後から不動産会社や買主との間で説明のずれが起こります。

この記事はこんな方に向いています

  • 家の老朽化を理由に自宅の売却を検討し、建築面積と延べ床面積の違いが分からず査定前に確認しておきたい45歳会社員の方
  • 増改築を重ねた自宅の建坪と建築面積の数字が異なり、売却時の説明に誤りがないか不安な方
  • 住み替え先の物件と広さを比較する際に、建築面積という言葉の意味を初めて調べている方

不動産売却前に知りたい「建築面積とは」の基本

建築面積とは、建物を真上から見下ろしたときに地面に投影される面積のことで、建築基準法施行令第2条第1項第2号に定義があります。外壁または柱の中心線で囲まれた部分の面積を指し、バルコニーや軒(のき)、庇(ひさし)のうち一定の長さを超えて外に突き出た部分も含めて計算します。

不動産売却の場面では、この建築面積が「建蔽率(けんぺいりつ)」という土地の利用制限を確認する際の基準になります。土地に対してどれだけの大きさの建物を建てられるかを示す数字であり、売却後に建て替えを考える買主にとっても重要な情報です。

建築面積は「床の広さ」ではなく「建物が占める土地の面積」を表す数字だと考えると誤解が減ります。

建築面積と延べ床面積・建坪の違い|マンション・戸建ての広さ表記

延べ床面積との違い

延べ床面積は、建物の各階の床面積を合計した数字です。2階建ての戸建てであれば、1階の床面積と2階の床面積を足したものが延べ床面積になります。建築面積は1階部分(または最も広い階)の投影面積だけを表すため、2階建て以上の家では延べ床面積が建築面積より大きくなるのが一般的です。

建坪との違い

建坪は建築面積を坪単位で表した呼び方で、数字自体は建築面積とほぼ同じ意味です。「建坪20坪」という表記を見かけたら、建築面積を坪(約3.3平方メートル)に換算した値だと理解すれば混同しません。一方で、不動産会社によっては延べ床面積を建坪と呼ぶ慣行が残っている地域もあり、物件概要書に記載された数値がどちらを指すのか、確認が必要な場面もあります。

「建坪」という言葉は地域や会社によって指す数字が違うことがあるため、書面に残る正式な面積で確認するのが安全です。

建築面積・延べ床面積・建坪の違い
用語算定の範囲主な使われ方
建築面積建物を真上から見た投影面積建蔽率の判定、建築確認
延べ床面積各階の床面積の合計容積率の判定、住宅ローンの査定
建坪建築面積を坪換算した呼び方(地域差あり)物件概要書・広告表記

出典:国土交通省、e-Gov法令検索「建築基準法施行令」(2026年9月時点)をもとに作成

建築基準法における建築面積の算定方法

壁・柱の中心線で測る原則

建築面積は、外壁または柱の中心線を基準に測った面積で計算します。壁の厚みの中心を結んだ線で囲まれた範囲が対象になるため、壁の外側で測る土地の実測面積とは数字が一致しません。

軒・庇・バルコニーの扱い

軒や庇、バルコニーなどが外壁から1メートルを超えて突き出している場合、その先端から1メートル後退した部分までが建築面積に加算されます。1メートル以内の突き出しであれば、建築面積には含みません。この算定ルールのため、同じ延べ床面積の家でも、軒の長さによって建築面積が異なることがあります。

軒やバルコニーの出寸は図面で確認しないと分からないため、気になる場合は建築確認申請書の写しを探してみてください。

建蔽率と容積率からみる建築面積の役割

建蔽率は「敷地面積に対する建築面積の割合」を示す数字で、都市計画で定められた上限を超えて建物を建てることはできません。住居系の用途地域では30〜80%の範囲で指定され、第一種・第二種低層住居専用地域や中高層住居専用地域といった戸建て住宅地では30〜60%、第一種・第二種住居地域や準住居地域などでは50〜80%になることが多いです。一方の容積率は「敷地面積に対する延べ床面積の割合」を示し、建物の高さや階数の目安になります。

不動産売却の際、この2つの数字は買主が建て替えや増築を検討する判断材料になります。建蔽率の上限に近い建築面積の家は、同じ敷地にこれ以上の建物を建てにくいことを意味し、逆に余裕のある家は将来の増築余地があることを意味します。土地の売却を進める場合も、建蔽率と建築面積の関係は買主からよく質問される項目です。

建蔽率の上限いっぱいに建っている家は「既存不適格」になっていないかも併せて確認しておくと安心です。

売却時の物件概要書・広告での建築面積の使われ方

物件概要書に記載される面積

不動産会社が作成する物件概要書には、土地の面積、建築面積、延べ床面積の3つが別々の項目として記載されます。不動産の査定を依頼すると、この3つの数字をもとに取引価格の相場が検討されるため、現況と登記簿上の数字が異なる場合は不動産会社に早めに伝える必要があります。

売買契約書・重要事項説明書での扱い

売買契約書や重要事項説明書にも建築面積と延べ床面積が記載されます。これらの数字は登記簿や建築確認申請書に基づくため、増改築によって現況と異なっている場合は、契約前に測量や調査が必要になることもあります。数字の不一致を知らずに契約を進めると、引き渡し後に買主との間でトラブルになる可能性があります。

重要事項説明書の面積表記は宅地建物取引士が確認する項目なので、気になる点はその場で質問してください。

増改築で建坪と建築面積がずれている家の確認方法

増築や離れの建築を行った家では、建築確認申請を行っていないケースや、申請内容と現況が異なるケースがあります。この場合、登記簿上の床面積(または建物図面・各階平面図)と実際の建物の大きさが一致しません。

確認する方法としては、建築確認済証や検査済証の有無を調べる、法務局で登記簿の建物図面を取得する、必要に応じて建築士や不動産会社に現地調査を依頼する、といった手順があります。未申請の増築部分が見つかった場合、既存不適格や違反建築に該当する可能性もあり、売却価格や買主の融資審査に影響することがあります。

未申請の増築が見つかっても、必ず売却できなくなるわけではありません。ただ、早めに不動産会社へ相談したほうが対応の選択肢が増えます。

建築面積を確認してから不動産売却を進める手順

建築面積の確認は、不動産売却の査定や媒介契約の前に済ませておくと話がスムーズです。次の図は、建築面積を確認してから売却活動に入るまでの流れを示したものです。

1
建築確認済証・登記簿で建築面積を確認する
建築面積・延べ床面積・建蔽率の数字を控える
2
建坪との表記の違いを整理する
物件概要書に載せる数字の呼び方を統一する
3
増改築による現況との差を確認する
未申請の増築や違反建築の可能性を調べる
4
不動産会社に相違点を伝える
査定・物件概要書の作成前に共有する
5
媒介契約を結び売却活動を開始する
面積の確認が済んだ状態で契約内容を確認する

この5段階は、建築面積に関する確認を不動産売却の査定より前に済ませる順番で並んでおり、後工程で面積のずれが見つかって話が止まる事態を避けるための流れです。

建築確認済証や登記簿の確認に不安がある場合は、匿名査定・AI査定はどこまで正確?精度の限界と賢い使い方で査定の仕組みを確認したうえで、不動産会社に直接相談する方法もあります。媒介契約の種類によって面積調査の進め方が変わることもあるため、媒介契約の種類|専属専任・専任・一般の違いと選び方も参考になります。売却全体の流れを先に把握したい場合は、不動産売却の流れ|査定から引き渡しまでの7ステップで確認してください。増改築部分の扱いに迷う場合、仲介での売却が難しいと感じたら仲介と買取どっちがいい?違いとメリット・デメリットも検討材料になります。

面積の確認は査定依頼の前に済ませておくと、不動産会社とのやり取りが一度で済みます。

よくある質問

建築面積と敷地面積はどう違いますか

敷地面積は土地そのものの面積で、建築面積は土地の上に建つ建物を真上から見た投影面積です。敷地面積に対する建築面積の割合が建蔽率になります。

マンションにも建築面積という考え方はありますか

マンション全体としての建築面積は建物全体を指しますが、売却時に確認する個別の部屋の広さは「専有面積」という別の数字で表記されます。専有面積と建築面積は異なる概念のため、混同しないようにしてください。

建築面積が登記簿と現況で違う場合、売却できませんか

違いがあっても売却自体ができなくなるとは限りません。ただし、増改築部分が未申請だったり違反建築に該当する場合は、買主への説明や価格交渉に影響することがあるため、早めに不動産会社へ相談することをおすすめします。

建築面積はどこを見れば分かりますか

建築面積は、建築確認済証や建築確認申請書の副本で確認できます。なお、法務局で取得できる建物の登記簿(表題部)には各階の床面積が記載されますが、建築面積そのものは記載されない点に注意が必要です。これらの書類が見つからない場合、不動産会社や建築士に相談して調査を依頼する方法もあります。

建坪と延べ床面積はどちらを基準にすればよいですか

一般的に建坪は建築面積に近い数字を指しますが、地域や会社によって延べ床面積を指す場合もあります。査定書や物件概要書に載せる数字は、誤解を避けるためにどちらの定義で記載されているかを明記してもらうことが大切です。

建築面積とは何かを理解して不動産売却の準備を進める

建築面積とは、建物を真上から見た投影面積のことで、延べ床面積や建坪とは算定の範囲が異なります。建蔽率や容積率の判断材料になるほか、物件概要書や売買契約書にも記載される項目のため、売却前に登記簿や建築確認済証で数字を確認しておくと、不動産会社とのやり取りがスムーズになります。ぜひ本記事の建築面積の定義と確認手順を参考に、売却準備を進めてください。

出典

  • 国土交通省「建築基準法に関する資料」
  • e-Gov法令検索「建築基準法」「建築基準法施行令」
  • 法務局「不動産登記制度の概要」
  • e-Gov法令検索「不動産登記法」「不動産登記規則」
  • 国土交通省 用途地域別建蔽率一覧(建築基準法第53条第1項関連資料)
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