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仲介と買取どっちがいい?違いとメリット・デメリット

不動産を売る方法は、大きく2つあります。不動産会社に買主を探してもらう「仲介」と、不動産会社そのものに買い取ってもらう「買取」です。

どちらがよいかは、何を優先するかで変わります。

価格を優先するなら仲介、早さや確実性を優先するなら買取。

ただし、それぞれに向く物件・向かない物件があり、単純に「高く売れるほうがいい」とも言い切れません。

この記事では両者の違いを整理し、判断の材料を示します。

仲介と買取の違い|価格・期間・手数料を比較

仲介と買取の比較

仲介 買取
買主一般の個人不動産会社
価格市場価格に近い市場価格より低くなる傾向
期間3か月〜半年程度数日〜1か月程度
仲介手数料かかるかからない
販売活動広告・内見あり不要
近所に知られる可能性があるほぼない
売れる確実性買主が現れるまで不確定価格に合意すれば成立
契約不適合責任売主が負う免責となる場合が多い

出典:宅地建物取引業法、民法(契約不適合責任)等にもとづく一般的な整理。買取価格の水準や契約条件は会社・物件により異なります。

買取のデメリットは価格|なぜ仲介より安くなるのか

「手数料がかからないなら買取のほうが得では」と思うかもしれませんが、多くの場合そうはなりません。理由は買取価格の仕組みにあります。

不動産会社は買い取った物件をリフォームして再販売し、その差額で利益を得ます。つまり買取価格には、リフォーム費用、再販売までの保有コスト、会社の利益があらかじめ差し引かれています。

一般に、買取価格は市場価格の7〜8割程度になることが多いとされます。物件の状態や再販のしやすさによって変わりますが、仲介手数料(売却価格の約3.3%)が浮く分より、価格の下落幅のほうが大きくなるのが通常です。

仲介売却2,000万円 - 手数料72.6万円 = 約1,927万円
買取(市場価格の8割)売却1,600万円 - 手数料0円 = 約1,600万円

この例では約327万円の差。

手数料が浮いても、手取りは仲介のほうが多くなります。

価格を重視するなら、まず仲介を検討するのが基本です。

買取のメリットが上回る5つのケース

ただし、価格だけがすべてではありません。次のような場合、買取が現実的な選択になります。

1. 近所に知られたくない

買取なら看板やのぼりを出さず、ポータルサイトにも掲載せず、内見もありません。媒介契約の種類による違いは「媒介契約の種類|専属専任・専任・一般の違いと選び方」もご参照ください。

売却の事実が周囲に伝わる経路がほぼないため、地域のつながりが濃い地方では、この点を重視する方が少なくありません。

2. 期限が決まっている

転勤の期日が迫っている、相続税の納付期限がある、離婚の財産分与を急いでいる。

こうした場合、仲介で「いつ売れるか分からない」状態は困ります。

買取なら数日〜1か月程度で現金化できます。

3. 買い手が付きにくい物件

再建築不可、市街化調整区域、事故物件、極端な築古、ゴミ屋敷状態、借地権付き。

こうした物件は仲介に出しても買主が現れず、長期間売れ残ることがあります。

専門の買取業者なら、そうした物件でも取り扱えることがあります(借地権については「借地権付き建物は売れる?地主の承諾と裁判所の許可」)。

4. 契約不適合責任を避けたい

これは見落とされがちですが重要です。仲介で個人に売った場合、引き渡し後に雨漏りやシロアリなどが見つかると、売主が契約不適合責任を負い、修補や損害賠償を求められることがあります。

買取では、不動産会社がプロとして物件の状態を承知のうえで買うため、この責任が免責されることが多くなります。古い物件で「後から何か出てくるかもしれない」と不安な場合、この安心感は価格差に見合うこともあります。

5. 空き家の維持費がかさんでいる

遠方の実家が空き家のまま、固定資産税と管理費だけがかかり続けている。仲介で1年売れ残るより、多少安くても早く手放したほうが、トータルでは負担が軽くなる場合があります。

買取の流れ|仲介との手続きの違い

手続きの面でも、仲介とは進み方が違います。

仲介と買取の進み方

仲介買取
1査定を依頼する査定を依頼する
2媒介契約を結ぶ買取価格の提示を受ける
3売り出し・販売活動・内見対応条件を交渉して合意する
4買主が現れるのを待つ売買契約を結ぶ
5売買契約を結ぶ決済・引き渡し
6決済・引き渡し

違いは太字の部分です。

買取では販売活動と買主待ちの工程がまるごと無くなります

仲介で最も時間が読めないのはこの部分なので、期間が短くなるのは手続きの構造上の結果といえます。

仲介の各ステップは「不動産売却の流れ|査定から引き渡しまでの7ステップ」で詳しく扱っています。

売主の手間という点でも差があります。

仲介では内見のたびに掃除と立ち会いが必要になりますが、買取では現地調査が1回で済むことが多くなります。

ただし物件の状態を正確に伝える責任は買取でも変わりません。

告知書(物件状況等報告書)には、知っている不具合を記載してください。

買取業者の選び方|免許番号と実績を確認する

買取は不動産会社が直接の買主になるため、相手選びがそのまま条件を左右します。

まず確認したいのが宅地建物取引業の免許です。

免許番号は「国土交通大臣(○)第○号」または「○○県知事(○)第○号」の形で表示され、カッコ内の数字は免許の更新回数を示します。

宅建業の免許の有効期間は5年(宅地建物取引業法第3条第2項)なので、数字が大きいほど長く営業していることになります。

免許番号は会社の店舗や広告、名刺に表示する義務があります。

次に見るのが、その地域・その種類の物件を扱った実績です。

地域の相場を把握していない会社だと、安全側に寄せた低い価格が出やすくなります。

再建築不可や借地権のような専門性の高い物件では、扱い慣れているかどうかで価格が変わることもあります。

契約前に確認しておきたい点も挙げておきます。

確認すること理由
契約不適合責任の免責範囲「免責」と聞いていても、契約書の記載が実際の条件になる
残置物の扱いと費用負担買取価格から差し引かれるのか、別途請求されるのか
決済までの期間「すぐ現金化」の中身は会社により異なる
仲介手数料の有無仲介会社を介して買取業者に売る場合は手数料がかかる

複数社に査定を依頼して比べるのは、仲介と同じです。

比較の考え方は「不動産査定は複数社に頼むべき?金額より根拠を見る」もご参照ください。

買取保証という中間の選択肢|仲介と買取を組み合わせる

両方のよいところを取る方法として「買取保証」があります。まず仲介で売り出し、一定期間(3か月など)内に売れなければ、あらかじめ決めた価格で不動産会社が買い取る、という仕組みです。

市場価格で売れる可能性を残しつつ、売れ残るリスクも回避できます。ただし取り扱っている会社は限られ、保証価格は通常の買取価格と同程度になることが一般的です。

仲介と買取どっちがいいか|判断の順序

迷った場合、次の順で考えると整理しやすくなります。

まず仲介でいくらで売れそうかを査定で確認します。

次に買取ならいくらかを確認します。

この2つの差額が、「早さ・見通しの立てやすさ・秘密が守られること」の対価だと考えてください。

その差額を払ってでも早く手放したいのか、時間をかけてでも高く売りたいのか。

ご自身の事情に照らして判断します。

差額が想像より小さければ買取、大きければ仲介、という決め方も現実的です。

なお、買取業者に直接依頼すれば仲介手数料はかかりませんが、仲介会社を介して買取業者に売る場合は手数料が発生します。契約の形態を確認しておいてください。

仲介と買取のよくある質問

Q. 買取価格は交渉できますか?

交渉の余地はあります。

複数の買取業者に査定を依頼すれば、価格に差が出ることもあります。

ただし業者側も再販時の利益から逆算しているため、大幅に上がることは多くありません。

それでも比較する価値はあります。

Q. 仲介で売り出してから買取に切り替えられますか?

できます。

一定期間売れなければ買取に切り替える、という進め方は現実的です。

ただし媒介契約の期間中は他社への切り替えに制約があるため、契約内容を確認してください。

最初から買取保証を付けておく方法もあります。

Q. 買取なら税金はかかりませんか?

売却方法にかかわらず、売却益が出れば譲渡所得税がかかります。

ただしマイホームなら3000万円特別控除が使え、買取でも適用されます。

詳しくは「3000万円特別控除とは|マイホーム売却で使える節税制度」をご覧ください。

Q. 残置物があっても買い取ってもらえますか?

家財が残ったままでも買い取る業者はあります。

処分費用が買取価格から差し引かれる形になりますが、ご自身で片付ける手間は省けます。

詳しくは「残置物があっても家は売れる?処分費用と現状渡しの注意点」をご覧ください。

Q. 買取業者はどう選べばいいですか?

価格だけでなく、その業者がその地域・その種類の物件を扱った実績があるかを見てください。

地域の相場を知らない業者だと、価格が安く出ることもあります。

宅建業の免許番号を確認し、複数社を比較するのが基本です。

Q. まず何を確認すればいいですか?

仲介での査定額と、買取での査定額の両方です。

その差額を見れば、判断の材料になります。

売却全体の流れは「不動産売却の流れ|査定から引き渡しまでの7ステップ」、手取り額の計算は「マンション売却で手元に残る金額の計算方法」をご覧ください。

まとめ|仲介と買取は価格と期間のどちらを優先するかで決まる

仲介は市場価格に近い金額で売れる可能性がある一方、買主が現れるまで時間がかかります。買取は数日〜1か月で現金化でき、周囲に知られる心配も少ない反面、価格は市場価格の7〜8割程度になるのが一般的です。

仲介手数料が浮いても、価格の下落幅のほうが大きいため、手取りは仲介のほうが多くなるのが通常です。それでも、期限がある場合、近所に知られたくない場合、買い手が付きにくい物件、契約不適合責任を避けたい場合には、買取が合理的な選択になります。

判断のためには、仲介と買取の両方の査定額を知ることが出発点です。その差額が「早さと見通しの立てやすさの対価」として納得できるかどうかで、決めてみてください。

出典・参考情報

  • 宅地建物取引業法 第3条第2項(免許の有効期間5年)、第34条の2(媒介契約)、第37条(書面の交付)
  • 民法 第562条〜第564条(契約不適合責任)
  • 昭和45年建設省告示第1552号「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」
  • 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方
  • 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(市場価格の参考)

※買取価格の水準(市場価格の7〜8割程度)は一般的な傾向であり、物件の状態・立地・再販のしやすさにより異なります。実際の価格は各社の査定でご確認ください。

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