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法定相続情報一覧図を自分で作る手順と必要書類

実家の相続登記を進めようとすると、法務局の窓口や金融機関の相続手続きのたびに、父の出生から死亡までの戸籍謄本一式を何度も提出するよう求められます。

法定相続情報一覧図(ほうていそうぞくじょういちらんず)は、この戸籍謄本の束を法務局が1通の証明書にまとめる制度で、2017年5月から全国の登記所で運用されています。交付申出書に必要事項を記入し、戸籍謄本一式を添えて登記所へ提出すれば、専門家に依頼しなくても自分で作成できます。

本記事では、必要書類の集め方から法務局への申出手続き、交付後の使い道までを解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 2年前に父を亡くし地方の実家を相続する手続きで、法定相続情報一覧図を自分で作れるか調べている58歳長男の方
  • 兄弟との相続登記を進めるにあたり、専門家に頼まず必要書類を集めて一覧図を作成したい方
  • 複数の相続手続きで戸籍謄本を何度も提出する手間を減らすため、一覧図の作成方法を知りたい方

法定相続情報一覧図とは|実家の相続登記で必要になる証明制度

法定相続情報一覧図は、被相続人(ひそうぞくにん)と相続人の関係を1枚の図にまとめ、法務局の登記官が内容を確認したうえで発行する証明書です。2025年6月時点では、相続登記のほか、預貯金の払い戻しや相続税の申告でも戸籍謄本の代わりとして使えます。1度交付を受ければ、必要な通数を無料で複数枚発行できるため、実家の不動産の名義変更と銀行の手続きを同時に進める際の負担が軽くなります。

戸籍謄本の原本は手続きのたびに返却されますが、金融機関によっては日数がかかるため、一覧図があると同時並行で進められます。

実家を相続した家族が自分で作成できるケースとできないケース

相続人が被相続人の子のみで、戸籍関係が単純な場合は、相続人本人が自分で一覧図を作成して申出をすることに問題はありません。一方で、相続人の数が多かったり、相続関係が複数の世代にまたがったりする場合は、書類集めの時点でつまずきやすくなります。

代襲相続や数次相続がある場合の注意点

相続人の中に、被相続人より先に亡くなった子の代わりにその孫が相続する代襲相続(だいしゅうそうぞく)が含まれる場合や、相続手続きの途中で相続人自身が亡くなる数次相続(すうじそうぞく)が発生している場合は、必要な戸籍謄本の範囲が広がります。自分で集めるには時間がかかるため、司法書士への依頼も選択肢になります。

相続放棄をした相続人がいる場合の扱い

相続放棄をした人がいても、一覧図には法定相続人として一旦記載します。放棄の事実は一覧図には反映されません。なお、相続登記の申請時には、別途相続放棄申述受理証明書の提出が必要になる場合があります。

相続関係が複雑だと感じたら、無理に自分で進めず、早めに専門家へ相談したほうが結果的に早く終わることもあります。

必要書類の集め方|戸籍謄本と住民票、相続関係説明図

一覧図の申出には、被相続人と相続人全員分の戸籍関係書類をそろえる必要があります。実家が遠方にある場合は、本籍地の市区町村役場への郵送請求を使うと、帰省の回数を減らせます。

被相続人の戸籍謄本一式の集め方

被相続人については、出生から死亡までの連続した戸籍謄本と、最後の住所を確認できる住民票の除票が必要です。本籍地を転々としている場合、複数の役場に請求することになるため、1通ずつ順番に取り寄せていく必要があります。

相続人全員の戸籍謄本と住民票

相続人については、現在の戸籍謄本と住民票が必要です。申出人の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードの写しなど)を添付します。

戸籍謄本の取り寄せは1〜2週間ほどかかることが多いため、申出の2週間前には請求を始めておくと安心です。

法定相続情報一覧図の記載方法と作成の流れ

一覧図は、法務局のホームページで配布されている様式を使って作成します。被相続人の氏名・最後の住所・生年月日・死亡年月日、相続人全員の氏名・続柄・住所を正確に記載し、手書きでもパソコン作成でもかまいません。作成から申出までの流れを図にすると、次のようになります。

1
必要書類を集める
被相続人と相続人全員の戸籍謄本・住民票
2
一覧図の様式に記載する
法務局の様式に氏名・住所・続柄を記入
3
申出書とあわせて登記所へ提出する
管轄の登記所の窓口または郵送で申出
4
登記官の確認後に一覧図の写しが交付される
必要通数を無料で受け取れる

戸籍謄本の収集から交付までを5段階で区切ると、どこまで進んだかを自分で把握しやすくなります。

記載に誤りがあると差し戻されて日数がかかるため、提出前に様式の記入例と見比べて確認してください。

法務局への申出手続きと必要な持ち物

申出先は、被相続人の本籍地、被相続人の最後の住所地、申出人の住所地、相続する不動産の所在地のいずれかを管轄する登記所から選べます。窓口のほか郵送でも申出でき、一覧図の申出や交付にかかる仲介手数料はかかりません。持ち物は、戸籍謄本一式、住民票、作成した一覧図、申出人の本人確認書類です。

平日に窓口へ行く時間が取れない場合は、郵送での申出を選ぶと遠方の実家との往復を減らせます。

交付までの期間と発行後の使い道|相続登記や預貯金の払い戻し

申出から一覧図の写しが交付されるまで、登記所の混み具合にもよりますが1〜2週間程度が目安です。交付後は、実家の相続登記、預貯金口座の解約や払い戻し、相続税の申告など、複数の手続きに同じ写しを使い回せます。実家を将来的に売却する予定がある場合も、登記名義の変更にこの一覧図を使うことになるため、先に手元へそろえておくと後の手続きがまとまります。売却自体を検討する段階では、不動産を自分で査定する方法で売却相場の調べ方を解説しています。

申出時に提出した法定相続情報一覧図(原本)は、申出日の翌年から5年間法務局で保管され、その間であれば一覧図の写しの再交付を申し出られます。

兄弟との相続登記を進める際の注意点

法定相続情報一覧図は、誰が相続人であるかを示す書類であり、実家をどのように分けるかまでは決めません。登記を進めるには、一覧図とは別に遺産分割協議書を作成し、兄弟全員の実印と印鑑証明書を添える必要があります。実家を将来売却して代金を分ける方針が固まっている場合は、先に売却相場の目安を共有しておくと、分け方の話し合いが進みやすくなります。おおまかな目安を自分でつかみたい場合は、不動産の価値を自分で調べる方法で、匿名査定や公的データの使い分けを解説しています。

遺産分割協議がまとまらないまま放置すると、空き家の管理責任があいまいになり、固定資産税の負担が長引きます。

自分で一覧図を作る場合によくあるつまずきと対処法

戸籍謄本の取り寄せに時間がかかることが、自分で進める場合に最も多いつまずきです。本籍地が遠方の役場にある場合は、郵送請求の書式をそろえるだけでも数日かかります。また、様式への記載内容に誤りがあると、登記所から訂正を求められて交付までの期間が延びます。実家の価値をおおまかに知りたいだけで、まだ売却を決めていない段階であれば、匿名査定・AI査定の精度と使い方で、個人情報を出さずに相場感をつかむ方法を解説しています。

書類の不備で何度も役場に足を運ぶのを避けたいなら、最初に登記所の窓口で必要書類の一覧を確認しておくと手戻りが減ります。

よくある質問

法定相続情報一覧図の作成を自分で行う場合、費用はかかりますか

法定相続情報一覧図の申出や交付自体に手数料はかかりません(無料です)。戸籍謄本など必要書類の発行にかかる1通あたりの交付手数料(発行手数料)のみ、役場に支払う必要があります。

一覧図の写しは何通もらえますか

必要な通数を無料で複数枚発行してもらえます。相続登記、預貯金の払い戻し、相続税の申告など、提出先の数だけ用意しておくと手続きがまとまります。

相続人の中に未成年がいる場合も自分で作成できますか

未成年の相続人がいる場合は、原則として法定代理人(親権者)または特別代理人が手続きに関わります。書類の内容が複雑になりやすいため、司法書士への相談も検討してください。

古い戸籍謄本が読みにくく、自分で内容を確認できません

旧字体や手書きの戸籍は役場の窓口で読み方を確認できます。郵送請求の場合も、役場に電話で問い合わせれば記載内容の確認に応じてもらえることがあります。

一覧図の写しに有効期限はありますか

一覧図の写しそのものに有効期限は設けられていませんが、提出先の金融機関や行政機関によっては、発行から一定期間内のものを求められる場合があります。提出前に確認しておくと安心です。

法定相続情報一覧図を自分で作成するために押さえておきたいこと

法定相続情報一覧図は、戸籍謄本一式などの必要書類をそろえ、法務局の様式に記載して申出をすれば、専門家に依頼しなくても自分で作成できます。相続関係が単純であれば負担は大きくありませんが、代襲相続や数次相続が絡む場合は書類集めに時間がかかり、交付後も実家の名義変更や兄弟間の分け方の話し合いが残ります。ぜひ本記事の手順と必要書類を参考に、実家の相続登記を無理のない範囲で進めてください。

出典

  • 法務局「法定相続情報証明制度について」
  • 法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」
  • 総務省「申請手続等の見直しに関する調査結果報告書」
  • 税理士法人チェスター「法定相続情報一覧図の保管期間と再交付について」
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