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登記簿謄本はオンラインで取得できる?申請方法と手数料

親から引き継いだ土地の権利関係を確認しようと法務局へ向かったものの、平日の開庁時間に窓口へ行けず、登記簿謄本(とうきぼとうほん、正式名称は登記事項証明書)を取れずに帰る方は少なくありません。全国の法務局は平日8時30分から17時15分までしか開いていないためです。

登記簿謄本は、法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム」を使えば、パソコンやスマートフォンから請求できます。交付手数料は窓口請求の600円に対し、オンライン請求で郵送受取なら500円、窓口受取なら480円に下がります(2026年9月時点)。

本記事では、登記謄本をオンラインで取得する申請方法と手数料、申請書の書き方や取得後に確認したい点を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 親から引き継いだ土地の登記簿を確認したいが、法務局に行く時間が取れずオンライン取得の方法を知りたい62歳の方
  • 共有名義や境界未確定の土地の権利関係を専門家に相談する前に、自分で謄本を取って把握しておきたい方
  • 手数料がどの程度かかるのか分からず、オンライン申請と窓口申請のどちらが安いのか比較したい方

登記簿謄本とは|土地や家の権利を証明する書類の種類

登記簿謄本は、法務局が管理する登記簿に記録された土地や建物の権利関係を、法務局が証明する書類です。現在は登記情報がコンピューター化されているため、正式名称は「登記事項証明書」に統一されていますが、紙の時代の呼び方が広く使われ続けています。

全部事項証明書と一部事項証明書の違い

登記簿謄本には複数の種類があり、記載範囲によって呼び方が変わります。表題部・甲区・乙区をすべて記載する「全部事項証明書」が最も一般的で、現に効力を有する全事項(抵当権等含む)を示す「現在事項証明書」、指定した一部の事項(特定の共有者の持分等)を抽出して示す「一部事項証明書」、閉鎖された登記記録を示す「閉鎖事項証明書」もあります。相続や不動産売却の確認が目的であれば、全部事項証明書を選んでおけば足ります。

土地と建物で分かれる登記簿

登記簿は土地と建物で別々に作成されています。親から引き継いだ土地に家が建っている場合、土地の登記簿謄本と建物の登記簿謄本を両方取得しないと、権利関係の全体が分かりません。土地は地番、建物は家屋番号という番号で管理されており、住所(住居表示)とは一致しない場合があります。

地番や家屋番号が分からない場合、法務局の「地番検索サービス」か固定資産税の納税通知書で確認できます。

オンラインで土地の登記謄本を取得する方法|登記・供託オンラインシステムの使い方

登記・供託オンライン申請システムは、法務省が運営する公式サービスです。利用には利用者登録が必要で、登録後はパソコンのほか対応するスマートフォンからも請求できます。

申請の流れは、利用者登録、交付請求メニューからの不動産の特定、請求通数の入力、支払い方法の選択、受け取り方法の選択という順番です。支払いはインターネットバンキングやペイジー対応のATMから行い、手続き完了後に受け取り方法に応じて郵送または窓口で証明書が届きます。

利用者登録は通常その場で完了し、すぐに申請を始められます。初めて利用する場合は、事前に登録を済ませておくとスムーズです。

窓口申請との違いと手数料の比較|土地の登記謄本をオンラインで取る場合の費用

オンライン請求と窓口請求では、交付手数料そのものに差があります。オンライン請求は法務局の事務コストが下がるため、窓口請求より交付手数料が低く設定されているためです。

登記事項証明書の交付手数料(2026年9月時点)
請求方法受け取り方法交付手数料
窓口請求窓口で受け取り600円
オンライン請求郵送で受け取り500円
オンライン請求窓口で受け取り480円

出典:法務局「登記事項証明書等の請求にかかる費用について」(2026年9月時点)をもとに作成

なお、証明書としての公的な効力を持たない確認用のデータであれば、一般財団法人民事法務協会が運営する「登記情報提供サービス」を使う方法もあります。利用料は窓口の登記事項証明書より低く設定されていますが、印鑑登録証明と同じような公印付きの証明書ではないため、相続登記や不動産の売買契約では使えません。利用する前に目的を確認しておくと無駄になりません。

権利関係を自分で把握したいだけなら登記情報提供サービス、提出用の証明書が必要なら登記事項証明書を選んでください。

登記事項証明書交付申請書の書き方|オンライン申請で入力する項目

不動産を特定する項目(所在・地番・家屋番号)

オンライン申請でも窓口申請でも、不動産を特定する項目は共通です。土地であれば「所在」と「地番」、建物であれば「所在」と「家屋番号」を正確に入力する必要があります。地番や家屋番号を間違えると、別の不動産の証明書が交付されてしまうため、固定資産税の納税通知書や過去の登記簿謄本で確認してから入力してください。

請求者情報と請求通数

請求者の氏名・連絡先と、必要な証明書の通数も入力します。オンラインシステムでは、証明書の種類(全部事項証明書か現在事項証明書か)や、受け取り方法(郵送か窓口か)も画面上で選択する仕組みになっています。

複数の土地や建物を同時に確認したい場合は、不動産ごとに項目を追加して一度に請求できます。

登記申請書はどこでもらえる?窓口・郵送・オンラインの違い

「登記事項証明書交付申請書」という紙の申請書は、各地の法務局の窓口に置かれているほか、法務局のホームページからPDF形式でダウンロードして自分で印刷することもできます。窓口に行く時間がなくても、自宅で印刷して郵送請求用に使う方法です。

一方、登記・供託オンライン申請システムを使う場合は、画面上で項目を入力する形式のため、紙の申請書そのものは不要です。郵送請求では切手を貼った返信用封筒を同封する必要があり、オンライン請求ではその手間がかからない点が大きな違いです。

郵送請求は管轄外の法務局でも受け付けてもらえますが、到着までに数日かかる点を見込んでおいてください。

建物の登記簿謄本を取得するときの注意点

建物の登記簿謄本を取得する際は、未登記建物である可能性に注意が必要です。古い家屋や増築部分では、建物が登記されておらず、家屋番号がそもそも存在しないため証明書が出ません。この場合は固定資産税の課税台帳で所有者を確認するか、土地家屋調査士に建物登記を依頼する必要があります。

また、建物の登記簿の甲区には所有者、乙区には抵当権(ていとうけん、借入れの担保として設定される権利)などが記載されています。親の代でローンを完済していても、抵当権の抹消登記がされていないまま残っているケースもあり、売却前に確認しておく価値があります。

抵当権の抹消登記が残っている場合は、司法書士に相談すれば手続きの見通しが分かります。

相続した土地の権利関係を確認する前に|共有名義と境界未確定のチェックポイント

共有名義になっている場合に分かること

登記簿謄本の甲区を見れば、土地が共有名義かどうか、共有者が誰で持分がどの割合かが分かります。相続人が複数いる土地では、相続登記がされていない場合、故人の名義がそのまま残っていることもあります。

親から引き継いだ土地と相続人であるあなたの関係は、下の図のように整理できます。

先代(故人)
登記簿上の所有者
←相続登記→
あなた(相続人)
登記簿で確認する共有持分

登記簿謄本の甲区の記載が「先代の名義のまま」になっているか、「あなたを含む相続人の共有名義」になっているかで、相続登記が済んでいるかどうかを判断できます。

境界未確定の土地で登記簿だけでは分からないこと

登記簿謄本には土地の面積や地番は記載されますが、隣地との筆界(ひっかい、土地の境界線)が確定しているかどうかは分かりません。筆界が未確定のまま売却や分割を進めると、後から隣地の所有者とのトラブルに発展する場合があります。登記簿謄本で権利関係を確認したあとは、法務局で「地図(公図)」や「地積測量図」も合わせて取得し、境界の記録が残っているか確認しておくと安心です。

地積測量図が法務局に保管されていない土地は少なくなく、境界確定には土地家屋調査士の測量が必要になることもあります。

取得した土地の登記簿謄本を見てから専門家へ相談する判断基準

登記簿謄本を取得し、甲区に複数の共有者がいる、乙区に抵当権や差押えの記載が残っている、といった状態が分かった場合は、司法書士に相続登記や抹消登記の手続きを相談する目安になります。一方、地番や面積の記載だけでは隣地との筆界が分からないため、境界が不明な土地は土地家屋調査士への相談が必要です。

権利関係を整理した上で土地を売却する場合は、仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を結ぶ前に、契約の種類による違いを把握しておくと判断しやすくなります。媒介契約の種類については不動産の媒介契約の種類と期間で解説しています。また、売却が決まったら、手元に残る金額を見積もるために、不動産売却にかかる税金や費用の全体像も不動産売却にかかる税金と費用の全体像で解説しているので、あわせて確認してください。

相続登記と境界確定の両方が必要な土地は、司法書士と土地家屋調査士が連携して進めてくれる事務所を探すと手間が減ります。

よくある質問

登記簿謄本と登記事項証明書は何が違いますか?

指している内容は同じです。登記情報がコンピューター化される前は紙の登記簿を謄写した「謄本」として交付されていたため、その呼び方が今も使われていますが、正式名称は登記事項証明書です。

オンライン請求の支払い方法は何がありますか?

登記・供託オンライン申請システムでは、インターネットバンキングやペイジー対応のATMから電子納付する方法が用意されています。クレジットカードには対応していないため、事前に利用する金融機関を確認しておいてください。

相続した土地の登記簿謄本を取ったら次に何をすればいいですか?

甲区の所有者名義が先代のままになっていれば、相続登記が済んでいない状態です。2024年4月からは相続登記の義務化が始まっているため、名義がそのままの場合は早めに司法書士へ相談しておくと安心です。

登記情報提供サービスと登記・供託オンラインシステムはどう違いますか?

登記情報提供サービスは画面やPDFで内容を確認するためのサービスで、法務局の公印は付きません。登記・供託オンラインシステムで請求する登記事項証明書は公印付きの正式な証明書で、不動産の売買契約や相続登記の提出先に使えます。

法務局が遠い場合、郵送請求はできますか?

できます。申請書に必要事項を記入し、交付手数料分の収入印紙と切手を貼った返信用封筒を同封して、管轄外の法務局でも郵送で請求できます。ただし到着までに数日かかるため、提出期限がある場合はオンライン請求との兼ね合いを考えて選んでください。

登記謄本をオンラインで取得する流れのまとめ

登記簿謄本は、法務省の登記・供託オンライン申請システムを使えば、法務局へ行かずに自宅から請求でき、交付手数料も窓口請求の600円より安く済みます。取得した証明書の甲区・乙区を見れば、共有名義や抵当権の有無が分かり、相続登記や売却の前に確認しておくべき点を把握できます。ぜひ本記事の申請方法と手数料の比較を参考に、ご自身の土地や建物の登記簿謄本を取得してください。

出典

  • 法務省「登記・供託オンライン申請システム」
  • 法務局「登記事項証明書等の請求にかかる費用について」
  • 一般財団法人民事法務協会「登記情報提供サービス」
  • 不動産登記規則第196条(e-Gov法令検索)
  • 法務省「初めてご利用になる方へ」(登記・供託オンライン申請システム)
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