SHARE:

地積測量図の取得方法|法務局での申請手順を解説

親から引き継いだ土地を売却しようとして法務局へ地積測量図を取りに行くと、登記されていない、または数十年前の測量のままで現況の境界と食い違っているという土地が少なくありません。地積測量図は不動産登記規則第77条に基づいて登記所に備え付けられる図面で、土地の所在・地番・地積・境界点の座標が記載され、全国の法務局窓口のほか登記情報提供サービスを使ってオンラインでも取得できます。地積測量図の交付手数料は1事件につき500円です(2025年4月1日時点)。本記事では地積測量図の取得方法、法務局での申請手順、見つからない場合や古い場合の対応を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 62歳、親から引き継いだ土地の境界が未確定で、法務局で地積測量図を取得する手順が分からず困っている方
  • 共有名義の土地を売却する前に、専門家に依頼する費用を抑えるため自分で取得方法を調べたい方
  • 借地権付きの土地の権利関係を整理するため、地積測量図が発行された年代を確認したい方

土地の売却前に知っておきたい地積測量図の基礎知識

地積測量図とは、土地の面積(地積)や境界点の位置を示すために作成され、法務局の登記所に保管されている図面です。土地の売却を検討する際、買主や不動産会社から境界の確認を求められる場面が多く、地積測量図の有無は売却のしやすさに直結します。

地積測量図に記載される内容

地積測量図には、土地の所在・地番、地積(面積)、求積の方法、境界点の座標値、隣接する土地との筆界(ひっかい、登記上の境界線のこと)などが記載されます。土地家屋調査士が測量した結果をもとに作成され、地積の更正登記や分筆登記の際に法務局へ提出された図面が、そのまま登記所に保管される仕組みです。

すべての土地にあるとは限らない理由

地積測量図は、分筆登記や地積更正登記など一定の登記手続きが行われた土地にしか備え付けられていません。古くから一度も分筆や測量をしていない土地では地積測量図が存在しないことも珍しくなく、特に昭和40年代以前から所有者が変わっていない土地では、図面自体が作成されていない場合があります。土地の売却全体の流れを確認したい場合は、不動産売却の完全ガイドで解説しています。

地積測量図がない土地でも売却自体は可能ですが、境界確定測量を求められるケースが多いです。

自分の土地に地積測量図が備え付けられているか確認する方法

地積測量図があるかどうかは、取得を申請する前に確認できます。法務局の窓口や登記情報提供サービスの地番検索の仕組みで地番を指定すると、その土地に地積測量図が備え付けられているかどうかが画面上に表示されます。

登記事項証明書を取得して「地積」の欄に記載された数値を確認する方法もありますが、登記事項証明書そのものには地積測量図の有無は明記されないため、別途、法務局窓口への照会か登記情報提供サービスでの確認が必要です。

匿名査定やAI査定で土地のおおまかな売却価格を把握する段階であれば地積測量図まではまだ不要ですが、実際に土地売却に必要な書類を揃える段階に入ったら、早めに地積測量図の有無を確認しておくと手続きがスムーズに進みます。匿名査定の精度については匿名査定・AI査定の精度と使い方で解説しています。

地番が分からない場合は、固定資産税の納税通知書や名寄帳(なよせちょう、所有する不動産の一覧)で確認できます。

法務局での地積測量図取得手順|登記所での申請から交付まで

地積測量図は土地の所有者でなくても、誰でも法務局の窓口で交付を請求できます。土地を管轄する登記所であれば、どの申請方法でも地番さえ分かれば手続きを進められます。

交付申請書の記入事項

窓口には「地図・地積測量図等の証明書交付申請書」が備え付けられており、申請人の氏名・住所、対象の土地の所在・地番を記入して窓口に提出します。印紙は窓口で購入するか、あらかじめ収入印紙を用意しておくと手続きがスムーズです。

窓口で交付を受けるまでの流れ

申請書を提出すると、登記官が地番をもとに図面を検索し、備え付けがあれば即日交付されます。窓口の混雑状況にもよりますが、受付から交付まで30分前後で完了することが多く、地積測量図が備え付けられていない土地の場合は、その場で「地積測量図なし」と案内されます。

申請書の書式は法務局の窓口に用意されているほか、法務省のサイトからも印刷できます。

オンラインで地積測量図を取得する方法|登記情報提供サービスの活用

法務局の窓口に行く時間が取れない場合は、登記情報提供サービスを使ってインターネット上で地積測量図を閲覧できます。利用者登録をすれば、パソコンから地番を指定して申請し、PDF形式で画面に表示された図面を確認できます。

登記情報提供サービスで取得した図面は、証明文の付いた正式な証明書ではなく、あくまで内容を確認するための閲覧用データです。売買契約や融資の審査など、証明書としての提出が必要な場面では、法務局窓口や郵送請求で正式な交付を受ける必要があります。

郵送で請求する場合は、申請書と収入印紙、返信用封筒を管轄の登記所へ送付し、数日から1週間程度で返送されます。

オンラインの地積測量図は証明書ではなく閲覧用のため、提出先が証明書を求めているか事前に確認してください。

土地の測量図が見つからない・古い場合の対応と再発行の手続き

地積測量図がそもそも作成されていない土地では、法務局に請求しても交付を受けられません。この場合、土地の境界を確定するには土地家屋調査士に依頼して確定測量を行い、新たに地積測量図を作成したうえで登記する方法が一般的です。

地積測量図が存在していても、古い図面には現在の精度基準と異なる求積方法で作成されたものがあり、境界点の座標値が記載されていないケースもあります。測量技術の基準は時代とともに見直されており、昭和や平成初期に作成された図面では、現況の境界と数センチから数十センチのずれが生じることも珍しくありません。

古い地積測量図しかない土地を売却する際は、不動産会社から確定測量をすすめられることが多く、境界確定測量には隣接地の所有者の立ち会いが必要になるため、数週間から数か月の期間を見込んでおく必要があります。

古い測量図しかない土地は、売買契約の前に確定測量を求められることが多いです。

土地の地積測量図を取得する費用と日数|窓口とオンラインの違い

地積測量図の交付手数料は、法務局窓口と郵送請求のいずれも1事件につき500円です(2025年4月1日時点)。土地が複数の地積測量図に分かれて記録されている場合は、その件数分の交付手数料がかかります。

地積測量図の取得方法ごとの交付手数料と日数の目安
取得方法交付手数料日数の目安
法務局窓口1事件500円即日
郵送請求1事件500円数日〜1週間
登記情報提供サービス(閲覧)窓口とは別の料金体系即時(閲覧のみ)

出典:法務省「登記手数料令」(2025年4月1日時点)をもとに作成

複数筆にまたがる土地は、地番ごとに交付手数料がかかる点に注意してください。

共有名義・借地権の土地で地積測量図を確認するときの注意点

共有名義の土地であっても、地積測量図の交付請求に他の共有者の同意は必要ありません。地積測量図は登記所が保管する公開情報であり、所有者本人でなくても誰でも取得できるためです。

借地権付きの土地を所有している場合も同様で、土地の所有者である地主ではなく、借地権者であっても地積測量図を取得して境界や面積を確認できます。下の図のように、地主と借地権者はそれぞれ別の権利を持ちますが、どちらの立場からでも地積測量図の交付を請求できます。

地主
土地の所有権
←地代→
借地権者(あなた)
借地権+建物

地主と借地権者はそれぞれ独立した権利を持ちますが、地積測量図の交付請求には所有者であることの証明は不要で、借地権者でも取得できます。借地権を整理する際には、地積測量図が作成された年代を確認し、建物の登記や賃貸借契約書に記載された面積と食い違いがないかを照らし合わせておくと、後のトラブルを防げます。

借地権の土地を売却する際は、地積測量図に加えて地主の承諾書が必要になる場合があります。

よくある質問

地積測量図は誰でも取得できますか?

はい。地積測量図は法務局に備え付けられた公開情報のため、土地の所有者でなくても、地番さえ分かれば誰でも窓口やオンラインで取得できます。

地積測量図がない土地は売却できませんか?

地積測量図がなくても土地の売却自体は可能です。ただし境界が不明確な場合は、買主や不動産会社から確定測量を求められることが多く、売却までの期間が延びることがあります。

地積測量図と公図(こうず、土地のおおまかな位置・形状を示す図面)は何が違いますか?

公図は土地のおおまかな位置や形状を示す図面で、地積測量図は個々の土地の面積や境界点の座標まで正確に示す図面です。公図だけでは境界の正確な位置を確認できません。

オンラインで取得した地積測量図は売買契約に使えますか?

登記情報提供サービスで取得したデータは証明文のない閲覧用のため、売買契約や金融機関への提出には法務局窓口や郵送で交付を受けた正式な証明書が必要です。

地積測量図の内容が実際の境界と違う場合はどうすればよいですか?

土地家屋調査士に依頼して境界確定測量を行い、必要に応じて地積更正登記を申請することで、現況に合った地積測量図へ更新できます。

地積測量図の取得方法を押さえて土地の売却準備を進めましょう

地積測量図は法務局の窓口、郵送、登記情報提供サービスのいずれでも取得でき、交付手数料は1事件500円です(2025年4月1日時点)。土地に地積測量図が備え付けられているかどうかは、売却の難易度や準備にかかる期間に直結します。ぜひ本記事の取得方法を参考に、まずは自分の土地の地積測量図の有無を確認してみてください。

出典

  • 法務省「不動産登記規則」
  • 法務省「登記手数料令」
  • 法務局「登記情報提供サービス」
  • 熊本地方法務局「地図,地積測量図等の写し交付の郵送請求について」
あなたへのおすすめ