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敷地面積とは?土地面積との違いと売却価格への影響を解説

自宅の売却を不動産会社に依頼すると、物件概要書や査定書に「敷地面積120.35㎡」のような数字が記載されます。この数字は、登記簿に記載された土地面積や、固定資産税の課税明細書に書かれた面積と一致しない場合があります。

敷地面積とは、建築基準法の規定にもとづいて建物を建てられる土地の面積を指し、登記簿上の面積(公簿面積)や、境界を確定して測量した実測面積とは算出の根拠が異なります。道路に面する部分を後退させる「セットバック」が必要な土地では、敷地面積が登記簿の面積より小さくなることもあります。

本記事では、敷地面積と土地面積の違い、売却価格への影響、測量図と登記簿の数字が異なるときの売却前の対応を解説します(2026年9月時点の制度にもとづきます)。

この記事はこんな方に向いています

  • 家の老朽化を機に自宅の売却を検討し、敷地面積と土地面積の違いが査定額にどう影響するのか調べている45歳会社員の方
  • 測量図と登記簿の敷地面積の数字が異なることに気づき、売却前にどちらを基準にすべきか知りたい方
  • 住み替え先の広さを比較する際に、敷地面積という言葉の意味を初めて調べている方

敷地面積とは|不動産売却の査定書に出てくる面積の意味

敷地面積とは、一区画の土地を上から見たときの面積のことで、建築基準法施行令にもとづき、建物を建てるための土地として扱える広さを示します。不動産会社が作成する査定書や物件概要書に記載される敷地面積は、この定義に沿った数字です。

ただし、土地の一部が幅4m未満の道路に接している場合、道路の中心線から2m後退した部分(セットバック部分)は敷地面積に含められません。古い住宅地の土地では、見た目の広さより敷地面積が小さく算出されることがあります。不動産売却の全体的な流れは不動産売却の流れ|査定から引き渡しまでの7ステップで解説しています。

査定書に書かれた敷地面積は、物件概要の土地面積の列を見ると確認できます。登記簿の面積と違っていても、誤記ではないことが多いです。

登記簿面積・実測面積との違い|敷地面積と土地面積の算出方法

敷地面積と同じ意味で「土地面積」という言葉も使われますが、どの資料に書かれた面積を指すかによって数字が変わります。

登記簿に記載された土地面積(公簿面積)

登記簿に記載された面積は「公簿面積」と呼ばれ、過去に測量された時点のデータが引き継がれています。古い地域では明治期の測量をもとにした記録が更新されずに残っている場合があり、現況の広さと数十センチから数メートル単位でずれることもあります。

測量して確定する実測面積

実測面積は、隣地との境界を確認したうえで測量した面積で、公簿面積より正確性が高いとされます。境界確認を経て作成された確定測量図があれば、その面積が実測面積として扱われます。

匿名査定やAI査定のサービスでは、登記簿の公簿面積をそのまま入力して査定額を算出することが多く、実際の敷地面積と差があると査定額もずれます。精度の限界については匿名査定・AI査定はどこまで正確?精度の限界と賢い使い方で解説しています。

登記簿の面積と実測面積のどちらが正しいか迷ったら、まず確定測量図の有無を不動産会社に確認してください。

土地の売却価格に敷地面積が与える影響

敷地面積が大きいほど土地全体の評価額は高くなる傾向がありますが、1㎡あたりの単価は面積が大きくなるほど下がりやすくなります。広い土地は購入できる層が限られ、総額が大きくなるぶん買い手が見つかりにくくなるためです。

一方、同じ敷地面積でも、旗竿地(はたざおち)と呼ばれる道路に接する部分が狭く奥に広がる形の土地や、三角形などの不整形地は、整った正方形・長方形の土地より評価が下がります。建物を建てやすい形かどうかが、敷地面積の数字そのものより価格に影響する場合もあります。

戸建ての売却価格は、土地の価格と建物の価格に分けて考えると整理しやすくなります。

土地の価格 約70%
建物の価格 約30%

※敷地面積120㎡・売却価格3000万円の概算例(2026年9月時点)です。これに加えて、仲介手数料や登記費用などの諸費用が売却価格の10%程度、別途必要になります。

築年数が古い戸建てでは、売却価格の大半が敷地面積にもとづく土地の価格で占められ、建物の価格はわずかになる場合が多いと考えられます。

築古の戸建ては建物価値がほぼゼロと評価されることも多く、売却価格は土地の敷地面積と形で決まりやすくなります。

建ぺい率・容積率と敷地面積の関係|建てられる建物の規模

敷地面積は、その土地にどれくらいの規模の建物を建てられるかを決める基準にもなります。建てられる建物の規模は、買主が住宅ローンを組んで新築を検討する際の判断材料になり、土地の売却価格に影響します。

建ぺい率で決まる建築面積の上限

建ぺい率は、建築基準法第53条で規定される「建築面積の敷地面積に対する割合」です。敷地面積に建ぺい率を掛けた数字が、建物を上から見たときの面積(建築面積)の上限になります。

容積率で決まる延べ面積の上限

容積率は、建築基準法第52条で規定される「延べ面積の敷地面積に対する割合」です。敷地面積に容積率を掛けた数字が、各階の面積を合計した延べ面積の上限になります。同じ敷地面積でも、都市計画で定められた用途地域によって建ぺい率・容積率は異なります。

建ぺい率・容積率は自治体の都市計画課で確認できます。査定前に調べておくと、土地の価格の目安がつかみやすくなります。

測量図と登記簿の面積が違うときの不動産売却での対応

測量図の面積と登記簿の面積が異なる場合、不動産の売買契約を公簿面積で結ぶか、実測面積で結ぶかを決める必要があります。

公簿面積で契約する「公簿売買」は、登記簿の面積をもとに売買代金を確定し、後から測量しても代金を調整しません。実測面積で契約する「実測売買」は、引き渡し前に確定測量を行い、実測面積と登記簿面積の差分を1㎡あたりの単価で精算します。どちらの方式を選ぶかは、土地の形や隣地との関係によって不動産会社と相談しながら決めることになります。媒介契約を結ぶ前に、この点を不動産会社に確認しておくと話が早く進みます。媒介契約の種類は媒介契約の種類|専属専任・専任・一般の違いと選び方で解説しています。

公簿売買か実測売買かは、契約書に明記されているか必ず確認してください。記載がないまま進めると、引き渡し後に認識の違いで揉めることがあります。

確定測量と現況測量|敷地面積を正確に把握する方法

敷地面積を正確に把握するには、土地家屋調査士に測量を依頼します。測量には、隣地との境界(筆界、ひっかい)を所有者どうしで確認する確定測量と、境界確認を行わず現状の外形だけを測る現況測量があります。

確定測量は、隣地所有者全員の立ち会いと合意が必要なため、合意形成に時間がかかり、費用も現況測量より高くなる傾向があります。境界標が失われている土地や、隣地との境界が過去から曖昧なままになっている土地では、売却前に時間的な余裕を持って測量を依頼する必要があります。

確定測量は隣地所有者の立ち会いが必要なため、売却のスケジュールが決まったら早めに依頼先を探しておくと安心です。

敷地面積が広い土地・狭い土地を売る際の注意点

敷地面積が広い土地は、土地を分けて売る「分筆(ぶんぴつ)」による分割売却を検討できる場合があります。ただし、分筆後の各区画が建築基準法の接道義務を満たすか、自治体の条例で定める最低敷地面積を下回らないかを確認する必要があります。

敷地面積が狭い土地では、建築基準法第43条が定める接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接する)を満たしていない場合、建て替えができない「再建築不可」の土地として扱われます。再建築不可の土地は仲介で買主を見つけにくいことがあり、不動産会社による買取を選ぶ方が早く売却を進められる場合もあります。仲介と買取の違いは仲介と買取どっちがいい?違いとメリット・デメリットで解説しています。

再建築不可かどうかは、不動産会社に接道状況を確認してもらうと早く分かります。自分で道路台帳を見ても判断しにくい部分です。

よくある質問

敷地面積と建築面積はどう違いますか?

敷地面積は土地全体の面積で、建築面積は建物を上から見たときの面積です。敷地面積に建ぺい率を掛けた数字が、建築面積の上限になります。

固定資産税の課税地積と敷地面積は同じですか?

固定資産税の課税明細書に記載された地積は、原則として登記簿の公簿面積にもとづいています。建築基準法上の敷地面積と必ずしも一致しないため、別の資料として確認が必要です。

敷地面積が登記簿より大きいと分かったらどうすればいいですか?

確定測量で実測面積が登記簁の面積より大きいと判明した場合、土地の価格が上がる可能性がありますが、地積測量図を添付して法務局に地積更正登記を申請するには別途手続きと費用がかかります。不動産会社や土地家屋調査士に、売却への影響を含めて相談してください。

マンションの敷地面積はどう考えればいいですか?

マンションの場合、建物全体が建つ敷地全体の面積を、各住戸の専有面積の割合に応じて「敷地権」として分け持つ形になります。戸建てのように自分だけの敷地面積という考え方とは異なります。

敷地面積を自分で測ることはできますか?

メジャーなどで概算を測ることはできますが、売買契約に使える正式な面積としては扱えません。売却時に正確な面積が必要な場合は、土地家屋調査士による測量を依頼してください。

敷地面積とは何かを理解して進める不動産売却

敷地面積は、建築基準法にもとづいて建物を建てられる土地の広さを示す数字で、登記簿の公簿面積や測量による実測面積とは算出の根拠が異なります。建ぺい率・容積率と組み合わせることで、その土地に建てられる建物の規模が決まり、売却価格にも影響します。測量図と登記簿の数字が違う場合は、公簿売買か実測売買かを不動産会社と確認し、必要に応じて確定測量を依頼することになります。ぜひ本記事の敷地面積とはという基本の整理を参考に、売却前の面積確認を進めてください。

出典

  • 法務省「不動産登記法」
  • e-Gov法令検索「建築基準法」
  • 国土交通省「地籍調査Webサイト」
  • 不動産売却にかかる諸費用の目安(販売価格の5〜10%、物件価格とは別枠)に関する解説(https://shiro.housedo.co.jp/column/9199/)
  • 土地地積更正登記の解説(法務局への申請、地積測量図の添付)(https://www.sokuryoutouki.com/120/12045/)
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