坪単価とは?不動産売却価格の目安の出し方
近隣で売れたマンションの価格を不動産会社から伝えられたとき、「坪単価180万円」のような数字だけが並び、自分の家の価格にどう結びつくのか分からないまま説明が進むことがあります。
坪単価とは、売却価格を専有面積や土地面積の坪数で割った、1坪(約3.3058平方メートル)あたりの価格を示す指標です。売却価格÷面積(坪)=坪単価という式で求められ、広さの異なる物件どうしを公平に比較する目安として使われます。本記事では、坪単価の計算方法と、坪単価を使って自宅マンションや戸建ての売却価格の目安を出す手順を解説します。
この記事はこんな方に向いています
- 子の独立を機に自宅を売却する準備を始め、坪単価という言葉から価格の目安をどう出すのか知りたい45歳会社員の方
- 近隣の売却事例と自宅を比較する際に、坪単価の計算方法が分からず不動産会社の説明に戸惑っている方
- 住み替え先の物件と価格を比較検討する際に、坪単価の目安を自分で算出したい方
坪単価とは|不動産売却価格を比較するときの目安
坪単価とは、不動産の売却価格を面積の坪数で割って求める、1坪あたりの価格を示す指標です。1坪はおよそ3.3058平方メートルで、マンションの専有面積や土地の面積をこの単位に換算してから計算します。
たとえば専有面積70平方メートル(約21.2坪)のマンションが3,000万円で売れた場合、坪単価は3,000万円÷21.2坪で約141万円になります。坪単価は、広さの異なる物件どうしを同じ基準で比較するための目安であり、売却価格そのものを直接決める数値ではありません。
近隣で売れたマンションの坪単価に自宅の面積を掛け合わせれば、売却価格のおおよその目安を自分で計算できます。ただし、同じ坪単価でも階数や方角、リフォームの有無によって実際の売却価格は変わります。
坪単価はあくまで目安の数値なので、査定を受ける前の下調べとして使うのが安全です。
マンション・戸建て・土地での坪単価の計算方法
坪単価の計算方法は、マンション・戸建て・土地で少しずつ異なります。どの面積を基準に計算するかを誤ると、比較の目安がずれてしまいます。
マンションの坪単価の出し方
マンションの坪単価は、売却価格を専有面積の坪数で割って求めます。専有面積の表示には、壁の中心線で測る壁芯(へきしん)面積(広告やパンフレットで使われる面積)と、壁の内側で測る内法(うちのり)面積(不動産登記規則第115条に基づき登記簿に記載される面積)の2種類があり、広告の面積と登記簿上の面積がわずかに異なることもあります。坪単価を比較するときは、どちらの面積を基準にした数値かを確認してください。
戸建てと土地の坪単価の出し方
戸建ての坪単価は、建物の価格を延床面積の坪数で割る方法と、土地の価格を土地面積の坪数で割る方法があり、通常は建物と土地を分けて計算します(総額を土地面積だけの坪数で割って概算する場合もあります)。土地だけを売却する場合は、売却価格を土地面積の坪数で割るだけなので、マンションより計算はシンプルです。
戸建ての坪単価は建物と土地の割合で大きく変わるので、どちらの面積で割った数値か不動産会社に確認しましょう。
売却相場を調べる方法|国土交通省のデータと不動産会社の査定
坪単価の計算方法が分かっても、比較する元の数値がなければ目安は出せません。近隣の売却相場を調べる方法を知っておく必要があります。
不動産情報ライブラリで類似物件の坪単価を確認する方法
国土交通省が公開する不動産情報ライブラリでは、実際に取引された不動産の価格情報を住所や面積から検索できます。過去に成約した事例の売却価格と面積が分かれば、自分で坪単価を計算して近隣の売却相場と比較できます。
不動産会社の査定で分かる坪単価との違い
不動産情報ライブラリの数値は過去の成約価格のため、建物の状態や周辺環境の変化を反映しきれません。実際に売却する際の坪単価に近い数値を知りたい場合は、不動産会社の査定を受けると、より実態に近い数値が分かります。売却相場をおおまかにつかみたい段階では、匿名査定を使って複数の見立てを比べる方法もあります。
不動産情報ライブラリの数値はあくまで過去の成約実績なので、現在の相場とずれている場合もあります。
坪単価を使った自宅マンションの価格目安の算出例
自宅マンションの売却価格の目安は、近隣で成約した事例の坪単価に、自宅の専有面積の坪数を掛けて求めます。
たとえば、近隣で成約した同じ築年数のマンションの坪単価が150万円で、自宅の専有面積が70平方メートル(約21.2坪)だとすると、150万円×21.2坪で約3,180万円が目安になります。この数値はあくまで出発点で、階数や方角、リフォーム歴を加味して不動産会社が査定価格を提示します。
坪単価の計算方法をさらに詳しい事例で確認したい場合は、坪単価とは?計算方法と売却相場の目安で解説しています。
同じ建物内でも階数や方角で坪単価は変わるので、複数の事例を比較してから目安を出しましょう。
坪単価だけで売却価格を判断してはいけない理由
坪単価で出した目安価格と、実際に不動産を売却して手元に残る金額は同じではありません。坪単価はあくまで売却価格の目安であり、そこから仲介手数料や税金などの諸費用が差し引かれます。
長期譲渡所得(所有期間5年超)にかかる税金は、売却価格そのものではなく、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた「譲渡所得(利益部分)」に対して課されます。税率は所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%を合わせた約20.315%です(国税庁「土地や建物を売ったときの税金」より)。取得費が分からない場合は、売却価格の5%を概算取得費とみなして計算することができます。下記は、取得費が不明なため概算取得費(売却価格の5%)を用いた試算で、所有期間が5年を超える長期譲渡に該当し、特別控除の適用がない場合に、税金と仲介手数料などの諸費用を差し引いた後に手元へ残る金額の一例です。
※不動産を3,000万円で売却し、取得費が不明なため概算取得費(売却価格の5%)を用いた場合の、長期譲渡・控除適用なしの概算例です(2026年9月時点)。実際の税額は譲渡所得(売却価格-取得費-譲渡費用)に対して約20.315%の税率を掛けて計算するため、取得費や譲渡費用の条件によって手取り額の割合は大きく変わります。
このように、坪単価から出した価格の目安と、税金や諸費用を引いた後に手元に残る金額とは別の数字だと分かります。
坪単価の目安価格を見たら、そこから税金と仲介手数料を引いた後の金額まで確認しておくと安心です。
坪単価を比較するときに注意したい土地と建物の条件
坪単価が近い物件どうしでも、土地や建物の条件によって実際の売却価格は変わります。
建物の古さ(経年劣化)
築年数が古い建物は、同じ面積でも坪単価が下がる傾向があります。経年劣化(けいねんれっか)によって設備や内装の価値が下がるためで、リフォーム済みかどうかでも坪単価の目安は変わります。
土地の形状と接道条件
正方形に近い土地と、旗竿地(はたざおち)のように道路に接する部分が狭い不整形な土地では、面積が同じでも坪単価に差が出ます。接道条件や土地の形状は、坪単価だけでは分かりません。
土地の形状や接道条件は現地を見なければ分からないことが多いので、早めに不動産会社に確認しておきましょう。
不動産売却の相談から不動産会社までの流れ
坪単価で出した目安価格を把握したら、次は不動産会社に相談する段階に入ります。不動産の査定を申し込むことがそのまま売却を決める約束にはならず、価格を確認したうえで売却するかどうかを選べます。
不動産売却は、査定の依頼から媒介契約の締結、売却活動、引き渡しまでの流れで進みます。不動産売却の流れを先に押さえておくと、坪単価で出した目安価格が、どの段階で査定価格として確定するのかが分かりやすくなります。
不動産会社に売却を依頼する際には、媒介契約の種類を選ぶ必要があります。専属専任・専任・一般のいずれを選ぶかによって、レインズ(不動産会社間の情報共有システム)への登録義務や売却活動の進め方が変わります。
媒介契約の種類によって売却活動の進め方が変わるので、契約前に特徴を比較しておきましょう。
よくある質問
坪単価が高いほど良い物件と言えますか?
坪単価が高いことは、立地や築年数などの条件が良い評価を受けている結果である場合が多いものの、坪単価の高さだけで物件の良し悪しを判断することはできません。周辺の売却相場や建物の状態と合わせて確認してください。
坪単価はどこで調べられますか?
国土交通省の不動産情報ライブラリで、近隣の取引価格情報を確認できます。実際の売却価格に近い坪単価を知りたい場合は、不動産会社の査定を受ける方法があります。
マンションと戸建てで坪単価の計算方法は違いますか?
マンションは専有面積の坪数で割り、戸建てや土地は、建物の延床面積の坪数、または土地面積だけの坪数で割ります。どの面積を基準にした坪単価かを確認したうえで比較してください。
坪単価の目安価格は、不動産会社の査定価格と同じになりますか?
同じにはなりません。坪単価の目安価格は近隣の成約事例をもとにした概算で、査定価格は建物の状態や方角、リフォーム歴などを反映して不動産会社が算出します。
坪単価の目安から実際の売却価格はどれくらいずれますか?
条件によってずれ方は異なり、一律の数値は示せません。坪単価の目安と実際の査定価格を見比べて、差が大きい場合はその理由を不動産会社に確認してください。
坪単価とはどんな指標かを踏まえた売却価格の目安の立て方
坪単価とは、売却価格を面積の坪数で割った1坪あたりの価格で、近隣の成約事例や不動産情報ライブラリの取引価格情報から自分で計算できます。ただし、坪単価はあくまで比較のための目安であり、建物の古さや土地の形状、税金や仲介手数料を含めた手取り額までは示しません。ぜひ本記事の坪単価の計算方法と算出例を参考に、不動産会社の査定を受ける前の目安として活用してください。
出典
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
- 国税庁「土地や建物を売ったときの税金」
- 不動産登記規則第115条(区分建物の床面積の算定方法に関する規定)
- おうちの色(ouchi-iroha.jp)「不動産の坪単価の計算方法」(建物の坪単価=建物の本体価格÷延床面積、土地の坪単価=土地価格÷敷地面積)
