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不動産登記の住所変更は自分でできる?手続きと必要書類

親から引き継いだ土地の登記簿を法務局で取得すると、所有者欄の住所が何十年も前の実家の住所のまま、または亡くなった親の古い住所のまま記載されていることがあります。不動産登記法の改正により、住所変更登記は2026年4月1日から義務化され、住所が変わった日から2年以内に申請しないと5万円以下の過料の対象になります。

住所変更登記は、所有者本人が単独で法務局に申請できる手続きで、必要な書類をそろえれば司法書士に頼らず自分で完了させられる場合がほとんどです。

本記事では、不動産登記の住所変更を自分で行う条件と必要書類、申請から完了までの流れを解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 親から引き継いだ土地の登記簿の住所が古いままで、売却前に自分で住所変更登記ができるか知りたい方
  • 62歳で法律用語に不慣れなまま、専門家に頼む前にまず必要書類だけでも自分で揃えられるか確認したい方
  • 境界が未確定な土地を相続し、住所変更の手続きだけでも自分で進められるものか手順を把握したい方

不動産登記簿の住所が古いままだと起きること

親から引き継いだ土地の登記簿を取得すると、所有者欄の住所が実家のあった地名のまま、または亡くなった親の古い住所のまま残っていることがあります。登記簿上の住所と現在の住民票の住所が一致していないと、固定資産税の通知が届かなくなったり、不動産を売却する際の所有権移転登記で本人確認が取れず、先に住所変更登記を求められたりします。

不動産登記法の改正により、2026年4月1日からは住所が変わった日から2年以内に登記しないと、5万円以下の過料が科される可能性があります(2026年9月時点)。すでに古い住所のまま放置している土地も、過料の対象になる前に変更しておくと安心です。

登記簿上の住所は、法務局や郵送、オンラインで取得できる登記事項証明書で確認できます。

不動産登記の住所変更を自分で行える条件

住所変更登記は、所有権移転登記のように売主と買主が共同で申請する手続きとは異なり、所有者本人が単独で法務局に申請できます。相手方の署名や承諾を取る必要がなく、必要書類がそろえば1人で登記変更を進められます。

土地が共有名義になっている場合も、共有者それぞれが自分の住所変更分だけを申請すればよく、他の共有者の住所変更には関与できません。住所の移転が複数回にわたっている場合でも、戸籍の附票や住民票の除票でその経緯を証明できれば、自分で登記変更を完了させられます。

共有名義の土地では、自分の住所分だけを申請すれば足り、他の共有者の分まで代わりに申請することはできません。

必要書類|不動産登記の住所変更で揃えるもの

不動産登記の住所変更に必要な書類は、申請する人が本人か、相続人や代理人かによって内容が変わります。どちらの立場で申請するかを先に確認しておくと、取得する書類の抜け漏れを防げます。

本人が申請する場合の書類

  • 登記申請書(法務局が公開している記載例をもとに自分で作成)
  • 現在の住所が記載された住民票の写し(発行から3か月以内が望ましい)
  • 対象の土地の登記事項証明書(現在の登記内容を確認するために取得)
  • 住所の移転が複数回ある場合は、戸籍の附票や住民票の除票で移転の経緯をつなぐ書類

相続人や代理人が申請する場合の書類

所有者本人が亡くなっている場合、相続人が住所変更登記だけを自分で行うことはできません。亡くなった所有者の住所変更は、相続登記を行う際に新しい所有者の現在の住所がそのまま反映されるためです。相続登記をしないと不動産は売れない?義務化と手続きで、相続登記そのものの進め方を解説しています。

家族以外の代理人に住所変更登記を依頼する場合は、委任状(認印で可)を用意します。印鑑証明書は原則不要です。委任状には不動産の所在や申請の内容を具体的に記載します。

住民票の除票や戸籍の附票の除票は、令和元年6月20日の制度改正で保存期間が150年に延長されていますが、改正前に保存期間が過ぎて廃棄されたものは取得できない場合があるため、古い住所の履歴は早めに確認しておきます。

申請から完了までの流れと法務局への提出方法

不動産登記の住所変更は、書類の準備から登記完了まで、おおむね次の順番で進みます。

窓口・郵送・オンライン申請の選び方

法務局の窓口に直接出向いて申請する方法のほか、必要書類を郵送で送る方法、登記・供託オンライン申請システムを使う方法があります。窓口や郵送は書き方に不安があっても職員に確認しながら進められ、オンライン申請はマイナンバーカードなどの電子証明書を使える方に向いています。

登録免許税と必要な費用

住所変更登記にかかる登録免許税は、不動産1個につき1,000円です(2026年9月時点)。複数の土地や建物をまとめて変更する場合は、対象の不動産の数に応じて税額が加算されます。不動産売却にかかる税金と費用の全体像|いくら手元に残る?で、売却時にかかる税金の全体像を解説しています。

申請者と法務局の間で住所変更登記がどのように処理されるかを図にすると、次のようになります。

登記簿上の所有者
古い住所のまま記録
←住所変更登記を申請→
法務局(登記官)
登記簿の住所を更新

申請者が法務局に書類を提出すると、登記簿の住所欄が現在の住所に書き換わるという一方向の流れになります。

申請から登記完了まではおおむね1〜2週間ですが、管轄の法務局が混み合う時期は前後します。

共有名義・境界未確定の土地で注意したいこと

親から引き継いだ土地が共有名義になっている場合、住所変更登記は自分の持分にかかる住所分だけを申請すればよく、他の共有者の住所変更まで代わりに済ませることはできません。それぞれの共有者が自分の住所変更を済ませる必要があります。

土地の境界が未確定の場合でも、住所変更登記そのものは筆界(ひっかい、法律上の土地の境界線)の確定とは関係なく進められます。ただし将来その土地を売却する際には、買主や隣地所有者との間で筆界を確認する手続きが別途必要になるため、住所変更登記を済ませたからといって境界の問題が解決するわけではありません。

境界確定の作業は土地家屋調査士の専門分野で、住所変更登記とは別の手続きとして考えておきます。

不動産売却前に住所変更登記を済ませておく理由

不動産の売却では、所有権移転登記の際に登記簿上の住所と現在の住民票の住所が一致していることが求められます。不一致があると、売買契約の前に住所変更登記をまず済ませるよう不動産会社や司法書士から求められ、売却のスケジュールが後ろにずれることがあります。

相続した土地を売却する場合は、相続登記と住所変更登記が絡み合う場面も出てきます。相続登記を済ませた時点で所有者の住所は最新のものが反映されるため、売却前に改めて住所変更登記をする必要がないケースがほとんどです。相続した不動産を売却する流れ|手続き・税金・注意点で、相続した土地を売るまでの流れを解説しています。

土地売却を考え始めた時点で登記簿の住所を確認しておくと、契約直前になって手続きが止まる事態を避けられます。

よくある質問

住所変更登記を自分でせずに放置するとどうなりますか?

2026年4月1日の義務化以降、住所が変わった日から2年以内に住所変更登記をしないと、5万円以下の過料の対象になる可能性があります。過料を避けるためにも、早めに登記簿上の住所を更新しておく必要があります。

不動産登記の住所変更にかかる期間はどれくらいですか?

書類がそろっていれば、法務局への申請から登記完了まで1〜2週間程度が目安です。管轄の法務局の混雑状況によって前後します。

住民票を何度も移している場合、どの書類が必要ですか?

戸籍の附票や住民票の除票を取得し、登記簿上の住所から現在の住所までの移転の経緯を1つずつつなげる書類をそろえます。移転回数が多いほど取得する書類も増えます。

不動産登記の住所変更はオンラインでも自分でできますか?

法務局の登記・供託オンライン申請システムを使えば、マイナンバーカードなどの電子証明書があれば自分で申請できます。慣れない場合は窓口や郵送での申請の方が進めやすいこともあります。

相続した土地では、住所変更登記と相続登記を別々に自分で行う必要がありますか?

相続登記を行う際には新しい所有者の現在の住所がそのまま登記簿に反映されるため、相続登記より前に古い所有者の住所変更登記を別途行う必要はないケースがほとんどです。

自分で行う住所変更登記で押さえておきたいこと|不動産登記のまとめ

不動産登記の住所変更は、所有者本人が単独で法務局に申請できる手続きで、住民票や戸籍の附票などの必要書類をそろえれば自分で完了させられる場合が多くあります。共有名義や相続が絡む土地では取得する書類が増え、相続登記との前後関係に迷う場面も出てきます。2026年4月1日からの義務化で過料のリスクも生じるため、ぜひ本記事の必要書類と申請の流れを参考に、登記簿の住所を早めに更新してください。

出典

  • 法務省「不動産登記法の改正(令和3年法律第24号)に関するQ&A」
  • 法務局「所有権の登記名義人の氏名・住所の変更登記」
  • e-Gov法令検索「不動産登記法」
  • 総務省「住民基本台帳法施行令の一部改正(除票の保存期間の延長)について」
  • e-Gov法令検索「不動産登記令」第16条・「不動産登記規則」第47条(代理人による申請時の委任状・印鑑証明書に関する規定)
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