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土地売買に必要な書類一覧|売主が準備すべきもの

親から引き継いだ土地を売ろうとすると、登記識別情報通知(権利証)や固定資産税の納税通知書、境界を示す地積測量図など、求められる書類は十数種類に及びます。

土地売買で売主が準備する書類は、所有権を証明するもの、土地の状況を示すもの、本人確認に関わるものの3つに大きく分かれ、相続した土地や共有名義の土地では、遺産分割協議書や名義人全員分の印鑑証明書がさらに必要になります。

本記事では、土地の売買に必要な書類の一覧と取得方法、相続・共有名義の土地で追加になる書類、書類をそろえる際の注意点を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 親から引き継いだ土地を売却するにあたり、境界確認書や測量図など何を揃えればよいか分からず困っている方
  • 共有名義の土地を売る際、名義人全員分の書類をどう集めればよいか手順が見えず不安な方
  • 専門家に依頼する前に、自分で土地売買に必要な書類の全体像を把握しておきたい62歳の方

土地売買に必要な書類の全体像|売主が準備するもの一覧

土地売買で売主が準備する書類は、大きく分けて「所有権を証明する書類」「土地の状況を示す書類」「本人確認に関わる書類」の3種類です。どれか1つでも欠けると、売買契約や決済の日程がずれ込むことがあります。インターネットで「土地の売買 必要書類」と検索すると一覧が出てきますが、相続や共有名義が絡む土地では、一般的なリストだけでは足りない場合があります。

所有権を証明する書類

登記識別情報通知(いわゆる権利証)は、法務局に提出された登記の際に発行される書類で、再発行はできません。紛失している場合は、司法書士に本人確認情報を作成してもらうなど、別の手続きが必要になります。固定資産税の納税通知書や評価証明書は毎年春ごろに市区町村から送られてくる書類で、土地の評価額や課税状況を買主に示す際に使います。

土地の状況を示す書類

地積測量図や登記事項証明書は法務局で取得でき、土地の形状や登記上の所有者を確認する際に欠かせません。登記事項証明書は1枚600円、地積測量図は1枚500円の手数料で取得できます。古い土地では測量図が存在しない、あるいは現況と合わないケースも多く、その場合は土地家屋調査士による測量をあらためて行う必要があります。

書類名取得先備考
登記識別情報通知(権利証)自宅で保管再発行不可。紛失時は司法書士に相談
登記事項証明書法務局土地の現在の所有者・権利関係を確認
地積測量図法務局登録されていない土地もある
固定資産税納税通知書・評価証明書市区町村役場毎年4〜6月ごろに送付
境界確認書(筆界確認書)土地家屋調査士に依頼隣接地所有者の立会い・押印が必要
印鑑証明書市区町村役場発行から3か月以内が目安
本人確認書類運転免許証・マイナンバーカードなど売買契約時に提示
住民票市区町村役場登記簿上の住所と現住所が違う場合に必要

書類ごとの取得方法をさらに詳しく知りたい場合は、土地売却に必要な書類一覧と取得方法で解説しています。

権利証は見当たらないまま放置せず、再発行できない書類だと分かった時点で早めに司法書士へ相談してください。

相続した土地を売却するときに追加で必要になる書類

親から相続した土地を売却する場合、被相続人の名義のままでは売買契約を結べません。まず相続登記を済ませ、名義を相続人に変更する必要があります。

相続登記が済んでいない場合に必要な書類

相続登記は、不動産登記法第76条の2により相続人の法律上の義務とされ、正当な理由なく期限内に済ませないと10万円以下の過料(行政上の制裁)の対象になります。相続登記の手続きには、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本と、不動産を取得する相続人の住民票、固定資産評価証明書などが必要です。

遺産分割協議書と相続人全員の実印

相続人が複数いる場合は、誰がどの土地を相続するかを記した遺産分割協議書を作成し、相続人全員が実印を押して印鑑証明書を添付します。1人でも協議に応じない相続人がいると、相続登記も土地の売却も進められません。

相続登記の義務化は2024年4月から始まっており、過去に相続した土地もさかのぼって対象になる点に注意してください。

共有名義の土地を売却するときの書類の集め方

親から兄弟姉妹で土地を引き継いだ場合など、共有名義になっている土地を売却するには、持分の割合にかかわらず名義人全員の書類がそろって初めて売買契約を結べます。

共有名義の土地では、名義人同士の持分と必要書類の関係を図にすると次のようになります。

共有者A
持分1/2・実印と印鑑証明書
←書類は全員分→
共有者B
持分1/2・実印と印鑑証明書

図のとおり、持分の大きさにかかわらず、共有者それぞれが実印と印鑑証明書を用意しない限り、土地の売買契約は成立しません。名義人の1人が遠方に住んでいる、あるいは体調面で立ち会えない場合は、実印を押した委任状を用意すれば、代表者が手続きを進められます。共有名義の土地を売却して得た代金を持分に応じて分ける方法は換価分割(かんかぶんかつ)と呼ばれ、遺産分割協議書にその旨を明記しておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。

共有者の中に連絡の取りにくい人がいるなら、書類集めを始める前に早めに連絡先を確認しておくと手戻りが減ります。

境界確認書と地積測量図|筆界が未確定な土地の対応

土地の境界には、登記簿上の公法上の境界である筆界(ひっかい)と、所有者同士が実際に取り決める所有権界があり、両者が食い違っている土地も珍しくありません。筆界が未確定のまま売却すると、買主への引き渡し後に隣接地所有者とのトラブルに発展しかねません。

筆界を確定させるには、土地家屋調査士に依頼して隣接地の所有者全員の立会いを得たうえで境界確認書(筆界確認書)を作成します。他の土地に囲まれて公道に出られない袋地(ふくろち)にあたる土地では、通行に関する取り決めを示す書類が別途必要になる場合もあります。

境界確認書の作成は隣接地所有者の都合も関わるため、売却を決めたらできるだけ早く依頼しておいてください。

取得費用の目安|土地売買に必要な書類と手数料(2025年4月時点)

書類の多くは、法務局や市区町村役場の窓口、あるいはオンラインで取得でき、費用は書類の種類によって異なります。

土地売買に必要な主な書類の取得費用
書類名取得先手数料
登記事項証明書法務局1枚600円
地積測量図法務局1枚500円

出典:法務省「登記手数料令」をもとに作成

印鑑証明書や住民票の手数料(交付手数料)は市区町村ごとに異なるため、役場の窓口やホームページで確認してください。書類の有効期限にも注意が必要で、印鑑証明書は発行から3か月以内のものを求められるのが一般的です。

印鑑証明書は有効期限切れで出し直しになることが多いため、決済日の直前に取得し直すと安心です。

書類をそろえる際に注意したいポイント|土地売買の準備

書類をそろえる順番を誤ると、測量や相続登記に時間がかかり、売買契約の予定が後ろ倒しになります。境界確認書の作成だけでも、隣接地所有者との調整に数か月かかることがあり、早めに土地家屋調査士へ相談しておくと安心です。

税制や登記に関する制度は改正されることがあるため、2026年9月時点の情報をもとに手続きを進める場合は、最新の内容を司法書士や法務局などの公的機関で確認してください。土地売買を含めた不動産売却全体の流れと費用は、不動産売却の完全ガイドで解説しています。

書類の不備は決済直前に発覚しがちなので、契約前の早い段階で一度専門家に見てもらうと手戻りを防げます。

土地家屋調査士・司法書士・不動産会社|書類が整わないときの相談先

境界が未確定、相続登記が済んでいない、共有名義人の1人と連絡が取れないなど、書類がそろわない事情はさまざまです。問題の種類によって頼る専門家が異なります。

  • 境界が未確定な場合:土地家屋調査士に境界確定測量と境界確認書の作成を依頼します
  • 相続登記が済んでいない場合:司法書士に名義変更の手続きを依頼します
  • 土地が売れるかどうかを知りたい場合:不動産会社に土地の査定を依頼します

本格的に書類をそろえる前に、売却相場のおおよその感触をつかみたい場合は、匿名査定で土地の売却相場を調べる方法もあります。

どの専門家に相談すべきか迷う場合は、まず不動産会社に状況を伝え、必要な専門家を紹介してもらう方法もあります。

よくある質問

土地売買に必要な書類はいつから準備を始めればいいですか?

相続登記や境界確定が済んでいない土地では、測量や名義変更に数か月かかることもあるため、売却を決めたらできるだけ早く準備を始めるのが安心です。

権利証(登記識別情報通知)をなくした場合はどうすればいいですか?

権利証は再発行できません。紛失した場合は、司法書士に本人確認情報を作成してもらうか、法務局の事前通知制度を利用する方法があります。

共有名義の土地で、名義人の1人が認知症などで判断能力がない場合はどうなりますか?

本人の意思確認ができない場合、原則としてそのままでは土地を売却できず、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てる必要があります。

境界確認書の作成にはどのくらい費用と期間がかかりますか?

隣接地の数や境界の状況によって幅があるため、本記事では一律の金額を示していません。土地家屋調査士に見積もりを依頼して個別に確認してください。

土地の売買契約書は売主が用意する書類に含まれますか?

売買契約書は売主と買主、仲介する不動産会社が合意した内容をもとに作成するもので、売主が単独で事前に用意しておく書類ではありません。

土地売買に必要な書類の一覧を押さえて早めの準備を

土地の売買に必要な書類は、所有権を証明するもの、土地の状況を示すもの、本人確認に関わるものの3種類に分かれ、相続した土地や共有名義の土地では遺産分割協議書や名義人全員分の印鑑証明書が加わります。境界が未確定な土地では、土地家屋調査士による境界確認書の作成にも時間がかかります。ぜひ本記事の土地売買に必要な書類の一覧を参考に、早めに書類の準備を進めてください。

出典

  • 法務省「登記手数料令」
  • e-Gov法令検索「不動産登記法」
  • 法務局「筆界特定制度のご案内」
  • 法務省「登記手数料について」(https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/)
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