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不動産の告知義務とは?売却時の対象事実と伝え方

不動産の告知義務とは?売却時の対象事実と伝え方
告知義務こくちぎむ契約・手続き

雨漏り・シロアリ・過去の事件事故など、買主の判断に影響する事実を伝える義務です。黙って売ると契約不適合責任や損害賠償を問われます。伝えたうえで売却価格に織り込むほうが安全です。

雨漏りを直した跡がある家や、以前に近隣トラブルがあった土地を売ろうとして、「黙っていても分からないのでは」と迷う場面があります。

告知義務とは、買主の判断に影響する事実を売主が伝える義務のことで、隠して売ると引き渡し後に契約不適合責任や損害賠償を問われることがあります。

本記事では、告知義務の対象や手続き、家・マンション・土地の売却への影響を解説します。

告知義務の意味と読み方

告知義務は「こくちぎむ」と読みます。

民法の契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)や、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明の考え方が土台になっており、売主が知っている不具合や事故歴を黙っておくと、引き渡し後に買主から契約解除や損害賠償を求められることがあります。

「知らなかった」ことは免責の理由になりますが、「知っていたのに書かなかった」場合は責任を問われやすくなります。

告知義務はこんな場面で出てきます

担当者

過去に2階の天井から雨漏りしたことはありませんか。修理履歴があれば教えてください。

あなた

3年前に一度、台風のあとに雨漏りして、業者に直してもらったことがあります。

担当者

それは告知書に書いておきましょう。書かずに売ると、後で買主から責任を問われる可能性がありますので。

あなた

書くと売却価格が下がってしまうんでしょうか。

担当者

多少交渉材料にはなりますが、隠して売って後からトラブルになるより、先に伝えて価格に織り込むほうが安全ですね。

あなた

分かりました。修理した業者の書類も一緒に出したほうがいいですか。

担当者

はい、直した記録があれば買主も安心されますので、一緒に添付しておきましょう。

告知義務と契約不適合責任の違い

告知義務と契約不適合責任は、同じ場面で語られることが多いものの、タイミングと役割が異なります。

告知義務と契約不適合責任の違い

項目告知義務契約不適合責任
タイミング売買契約の前に伝える引き渡し後に不具合が判明したとき
主体売主が自分から開示する買主が売主に責任を追及する
対象雨漏り・シロアリ・事件事故など知っている事実売買契約の内容と異なる欠陥全般
関係きちんと告知していれば責任を免れやすい告知不足があると追及されやすい

告知義務は不動産を売るときにどう関わるか

不動産会社と媒介契約を結ぶと、多くの場合「告知書(物件状況等報告書)」への記入を求められます。

ここに書くのは、不動産会社が見ても分からない、売主本人しか知らない事実です。

雨漏りの修理履歴、シロアリ被害、水漏れ、近隣とのトラブル、過去の事件・事故などが対象になります。

専任媒介契約でも一般媒介契約でも、この義務がなくなるわけではありません。

仲介で売る場合は、宅地建物取引士が重要事項説明のなかで買主に伝えます。

買取で売る場合も告知義務は同様に発生し、事実を伝えたうえで、買取業者がその内容をふまえた買取価格を提示することが一般的です。

告知義務の告知から引き渡しまでの流れ

告知義務を果たすまでの流れ

1
告知書の作成
雨漏り・シロアリ・事故歴など、知っている事実を書面で解説しています。
2
重要事項説明
宅地建物取引士が売買契約の前に買主へ説明します。
3
売買契約書への明記
告知した内容を特約として売買契約書に残します。
4
引き渡し・その後
告知済みであれば、後から契約不適合責任を問われにくくなります。

告知書の作成は、売却の依頼する不動産会社を決めたあと、売買契約の前に進めます。

告知義務の迷ったときの判断の目安

「これは伝えるべきか」と迷う事実があれば、書いておくほうが安全です。

告知しておけば売却価格に織り込んで交渉でき、隠して売って後から発覚するより、金額面でも精神面でも負担が小さく済みます。

特に事件・事故があった物件や、火事・浸水の履歴がある物件は、どこまで・いつまで告知すべきかの考え方が別に整理されています。

詳しくは「事故物件の告知義務はいつまで」「火事・浸水履歴のある物件」で解説しています。

個別の事情によって判断が分かれる部分もあるため、迷う場合は弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

告知義務についてよくある質問

Q 告知書には何を書けばいいですか。


A 雨漏りやシロアリ被害の修理履歴、水漏れ、過去の事件・事故、近隣とのトラブルなど、買主の判断に影響する事実を書きます。判断に迷う内容は、不動産会社に相談しながら記入すると安心です。

Q 告知すると売却価格が下がりますか。


A 内容によっては価格交渉の材料になることがあります。ただし、隠して売って後から契約不適合責任を問われるより、事前に価格へ織り込むほうが結果的に負担は小さく済みます。

Q 事故物件の場合、いつまで告知すればいいですか。


A 事故物件の告知が必要な期間の考え方は「事故物件の告知義務はいつまで」で解説しています。

Q 火事や浸水の履歴も告知が必要ですか。


A 対象になります。詳しくは「火事・浸水履歴のある物件」で解説しています。

告知義務のまとめ

告知義務は、雨漏りやシロアリ被害、過去の事件・事故など、買主の判断に影響する事実を売主が伝える義務です。

媒介契約の種類にかかわらず発生し、仲介でも買取でも避けられません。

黙って売ると契約不適合責任や損害賠償につながる一方、伝えたうえで売却価格に織り込めば、トラブルを避けながら進められます。

ぜひ本記事の告知義務の考え方を参考に、不動産の売却に向けた準備を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
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