SHARE:

ホームインスペクションとは?家の売却前の費用

ホームインスペクションとは?家の売却前の費用
ホームインスペクションほーむいんすぺくしょん契約・手続き

建築士などの専門家が住宅の劣化や不具合を調べる建物状況調査です。不動産の売却前に実施すると買主の不安が減り、引き渡し後のトラブルも起きにくくなります。費用は5万円前後からが目安です。

マンションや戸建ての売却を仲介業者に相談すると、「ホームインスペクションを使いますか」と聞かれる場面があります。

これは建築士などの専門家が建物の劣化や不具合を調べる仕組みで、実施の有無は買主の判断や重要事項説明の内容に直結します。

本記事では、ホームインスペクションの読み方や、家の売却の中でどう関わるかを解説します。

ホームインスペクションの意味と読み方

ホームインスペクション(ほーむいんすぺくしょん)は、建築士などの資格を持つ調査員が、住宅の構造部分や雨漏り、設備の劣化状況を目視や器具で確認する仕組みです。

宅地建物取引業法では「建物状況調査」という名称で定められていて、2018年4月に施行された改正宅地建物取引業法によって、仲介業者は媒介契約を結ぶ際にホームインスペクションをあっせんできるかどうかを説明する義務を負うようになりました。

実施を希望する場合は、この説明を受ける時点で依頼を伝えます。

調査の結果は報告書としてまとまり、買主への重要事項説明で概要を伝える材料になります。

ホームインスペクションはこんな場面で出てきます

担当者

この物件は築32年の木造住宅なので、ホームインスペクションを使ってみませんか。

あなた

それを受けると何が変わるんでしょうか。

担当者

建築士が構造や雨漏りを調べて報告書を作りますので、買主さんへの説明がしやすくなりますね。

あなた

費用はどれくらいかかりますか。

担当者

5万円前後からですが、このお宅の規模だと6万円ほどになる見込みです。

あなた

受けないまま売った場合、後で問題になったりしますか。

担当者

引き渡し後に不具合が見つかると、契約不合致の責任を問われることがありますので、受けておくと安心ですね。

あなた

わかりました、それでお願いします。

ホームインスペクションの仲介と買取での位置づけの違い

ホームインスペクションは、家の売却をどの方法で進めるかによって位置づけが変わります。仲介で売る場合と、不動産会社に買取を依頼する場合とで、実施の目的や費用の負担が異なります。

仲介と買取でのホームインスペクションの違い

項目仲介で売る場合買取で売る場合
実施の目的買主の不安を減らし、売買契約の交渉を有利に進める不動産会社が自社で建物の状態を確認するため、個人での実施は基本的に不要
費用の負担売主が負担することが多い発生しない

ホームインスペクションは家を売るときにどう関わるか

仲介業者に家やマンションの売却を依頼すると、専属専任媒介契約や専任媒介契約、一般媒介契約のいずれを結ぶ場合でも、契約時にホームインスペクションのあっせんの有無について説明を受けます。

ここで実施を希望すると、調査会社を紹介してもらい、劣化状況や不具合の概要をまとめた報告書ができます。

この報告書があると、買主への重要事項説明で建物の状態を具体的に伝えられるため、購入後に「思っていた状態と違う」という不満が生まれにくくなります。

反対に、ホームインスペクションを実施しないまま引き渡した後に雨漏りや構造の不具合が見つかると、売買契約書に定めた契約不合致の責任を売主が問われる可能性があります。

契約不合致の責任についてはケースごとに判断が分かれるため、不安がある場合は弁護士に相談すると具体的な対応を確認できます。

築年数が古い住宅ほど、買主はこうした不具合を気にするため、実施しておくと交渉や引き渡し後のやり取りが落ち着きやすくなります。

築年数が古い家の売却については「築40年・築50年の古い家は売れる?」で解説しています。

ホームインスペクションの費用・手続きの流れ

ホームインスペクションの費用は、2026年9月時点で5万円前後からが目安です。

調査する建物の規模や調査項目の範囲によって金額は変わります。

手続きの流れは、媒介契約を結ぶ際に仲介業者へあっせんを希望する意思を伝え、紹介された調査不動産会社に依頼し、調査を受けて報告書を受け取るという順番になります。

ホームインスペクションを売却に使う流れ

1
媒介契約時に意思を伝える
あっせんを希望する旨を仲介業者に伝えます。
2
調査会社を紹介してもらう
仲介業者から調査会社を紹介されます。
3
建物状況調査を実施
建築士などが構造や雨漏りを確認します。
4
報告書を重要事項説明に反映
買主への説明の材料になります。

調査項目や日数は依頼する調査会社によって異なります。

ホームインスペクションの実施を判断する目安

ホームインスペクションを実施するかどうかは、住宅の築年数や買主の反応を見て判断します。

木造住宅で築年数が古く、構造や雨漏りへの不安が大きいと想定される場合は、実施しておくと安心材料になります。

一方、不動産会社に買取を依頼する場合は、会社側が独自に建物の状態を確認するため、個人でホームインスペクションを実施する必要は基本的にありません。

買取保証を付けて仲介からスタートする場合も、買取に切り替わった段階で調査の位置づけが変わる点を担当者に確認しておくと安心です。

ホームインスペクションについてよくある質問

Q ホームインスペクションは必ず受けないといけませんか。


A 実施自体は任意です。仲介業者から媒介契約の時点であっせんの有無について説明を受けたうえで、実施するかどうかは売主が判断します。

Q 費用はいつ払いますか。


A 一般的には調査を依頼した際に売主が負担します。契約前にどちらが負担するかを仲介業者に確認しておくと安心です。

Q 古い家でも受けられますか。


A 築年数が古い住宅でも実施できます。買主の不安が大きい住宅ほど、実施しておくと交渉が進めやすくなります。

Q 調査で不具合が見つかったら売れなくなりますか。


A 不具合が見つかっても、その内容を重要事項説明で伝えれば売却は可能です。内容によっては修繕や価格の調整で交渉を進めます。

ホームインスペクションのまとめ

ホームインスペクションは、建築士などの専門家が住宅の劣化や不具合を確認し、買主の不安を減らして引き渡し後のトラブルを防ぐための調査です。

仲介で売る場合は媒介契約の時点であっせんの有無を確認でき、買取を選ぶ場合は会社側が状態を確認するため個人での実施は基本的に不要です。

ぜひ本記事のホームインスペクションの内容を参考に、家やマンションの売却に向けた準備を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
あなたへのおすすめ