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不動産の取得費とは?減価償却と5%ルール

不動産の取得費とは?減価償却と5%ルール
取得費しゅとくひ税金・費用

その不動産を買ったときの購入代金に、仲介手数料や登記費用などを加えた金額です。建物は保有期間ぶんの減価償却費を差し引きます。買った金額が分からない場合は売却価格の5%を取得費とみなす扱いがあります。

家や土地の売却価格を不動産会社に見積もってもらったとき、「取得費は分かりますか」と聞かれて戸惑う方に向けて書きます。

取得費は、その不動産を買ったときの購入代金に仲介手数料や登記費用などを加え、建物であれば減価償却費を差し引いた金額です。

この金額が、譲渡所得税を計算する土台になります。

本記事では、取得費の考え方と、家やマンション、土地の売却でどのように使うのかを解説します。

取得費の意味と読み方

取得費は「しゅとくひ」と読みます。

譲渡所得の計算上、不動産を買ったときの購入代金に、購入時の仲介手数料や登記費用などの費用を加えた金額です。

建物がある場合は、購入後に経過した年数ぶんの減価償却費を差し引きます。

土地は減価償却の対象外なので、購入代金と諸費用の合計がそのまま取得費になります。

この取得費を売却価格から差し引くことで、譲渡所得を求める仕組みです。

取得費はこんな場面で出てきます

担当者

査定額は2,800万円ですが、この物件を買われたときの契約書はお持ちですか。

あなた

15年前に2,300万円で買いましたが、契約書は見当たりません。

担当者

見当たらない場合、売却価格の5%を取得費とみなす扱いになりますね。

あなた

それだと2,800万円の5%、140万円しか取得費にならないんですか。

担当者

そうですね。契約書が見つかると取得費が上がって税額が下がる可能性がありますので、一度探してみてください。

あなた

実家に置いてあるかもしれないので、探してみます。

取得費と譲渡費用の違い

不動産の売却でよく混同されるのが取得費と譲渡費用です。取得費は買ったときにかかったお金、譲渡費用は売るときにかかったお金という違いがあります。

取得費と譲渡費用の違い

項目取得費譲渡費用
発生タイミング購入時売却時
含まれるもの購入代金、仲介手数料、登記費用など仲介手数料、測量費、解体費など
建物の扱い減価償却費を差し引く対象外

取得費は不動産を売るときにどう関わるか

不動産を売却すると、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が譲渡所得となり、この譲渡所得に対して譲渡所得税がかかります。

取得費が大きいほど譲渡所得は小さくなり、税額も下がります。

購入時の売買契約書、仲介手数料の領収書、登記費用の記録などが残っている場合は、これらが取得費を証明する資料になります。

まとめて不動産会社や税理士に渡しておくと、譲渡所得税の計算がスムーズに進みます。

取得費が分からないときの扱い

古い家や親から相続した土地では、購入時の売買契約書が残っておらず、取得費が分からないケースがあります。

2026年9月時点、取得費が分からない場合は、売却価格の5%を取得費とみなす扱いがあります。

実額で計算するより低くなることが多いため、譲渡所得が大きくなり、税額も高くなる傾向があります。

契約書が見つからないか、購入時の記録が残っていないかを確認してから、売却の進め方を決めることが大切です。

取得費の減価償却費の計算と必要な資料

建物の取得費を求める際は、購入代金から保有期間ぶんの減価償却費を差し引きます。

減価償却費の計算には、建物の構造や取得日、取得価額といった情報が必要です。

売買契約書に加えて、建築時の請負契約書や増改築の記録が残っている場合は、あわせて保管しておきます。

相続で取得した不動産の場合、前の所有者が買ったときの資料を引き継いで使うため、実家や親族の書類を早めに探しておくと安心です。

取得費の証明方法や特例の適用については、税理士に相談することをおすすめします。

取得費についてよくある質問

Q 取得費に含められるものは何ですか


A 購入代金のほか、購入時にかかった仲介手数料、登記費用、印紙代、購入のための借入金の利子の一部などが含まれます。売却時にかかる費用は譲渡費用として別に扱います。

Q 取得費が分からない場合は必ず5%になりますか


A 実際にかかった金額が分かる資料が見つかれば、そちらを使うことができます。契約書や領収書が一部でも残っている場合は、不動産会社や税理士に相談してから判断することをおすすめします。

Q 相続した不動産の取得費はどう考えますか


A 相続した不動産は、前の所有者が買ったときの取得費と取得日を引き継ぎます。

相続税を納めている場合は、取得費加算の特例を使える可能性があります。

詳しくは「相続税の取得費加算の特例」で解説しています。

Q 取得費は譲渡所得税の計算のどこで使いますか


A 売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡所得を求め、その譲渡所得に税率をかけて譲渡所得税を計算します。詳しい計算の流れは「譲渡所得税の計算方法」で解説しています。

取得費のまとめ

取得費は、不動産を買ったときの購入代金と諸費用から減価償却費を差し引いた金額で、譲渡所得税の計算の土台になります。

売買契約書や領収書が残っているかどうかで税額が変わることもあるため、早めに資料を確認しておくと安心です。

ぜひ本記事の取得費の考え方を参考に、不動産の売却に向けた資料の整理を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
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