土地の縄延び・縄縮みとは?売却時の精算と確認方法

登記簿の面積より実測の面積が広い状態が縄延び、狭い状態が縄縮みです。明治期の測量が元になっている土地で起きます。実測売買では精算の対象になるため、売却前の測量で確認してください。
登記簿に書かれた土地の面積と、実際に測った面積が違うことがあります。
登記簿より広ければ縄延び、狭ければ縄縮みと呼び、明治時代の測量をもとにした登記が今も使われている土地で起きやすい現象です。
本記事では、縄延び・縄縮みの意味と、不動産の売却でどう扱われるかを解説します。
縄延び・縄縮みとは(意味と読み方)
「縄延び(なわのび)」「縄縮み(なわちぢみ)」は、登記簿に記載された土地の面積(公簿面積)と、実際に測量した面積(実測面積)に差がある状態を指す言葉です。実測面積が公簿面積より広ければ縄延び、狭ければ縄縮みと呼びます。
明治時代の地租改正のときに人力で行われた測量が元になっている登記が、今も使われている土地で起こりやすい現象です。当時は測量の技術に限界があったうえ、山林や田畑では年貢を抑えるために面積を小さく申告した記録も残っているため、都市部より郊外や地方の土地で差が出やすい傾向があります。
縄延び・縄縮みはこんな場面で出てきます
現地を測量したところ、登記簿は120平米ですが実測では128平米ありました。
8平米も違うんですね。これが縄延びっていうことですか。
そうですね、縄延びです。実測売買にすると、この差額分を売買代金に上乗せできますよ。
逆に登記簿より狭かったら、どうなるんですか。
その場合は縄縮みで、代金を減らして精算することになりますね。
うちの土地は明治から登記が変わっていないので、少し心配です。
土地家屋調査士に確定測量を依頼して、先に正確な面積を出しておきましょう。
縄延び・縄縮みの公簿売買と実測売買の違い
縄延び・縄縮みが分かったときの扱いは、売買契約をどちらの方式で結ぶかによって変わります。
公簿売買と実測売買の違い
| 項目 | 公簿売買 | 実測売買 |
|---|---|---|
| 面積の基準 | 登記簿の面積 | 実際に測量した面積 |
| 差が出たときの精算 | 行わない | 差額分を売買代金で精算する |
| 向いている土地 | 境界や面積の差が小さい土地 | 縄延び・縄縮みの可能性がある土地 |
縄延び・縄縮みは売却時にどう関わるか
縄延び・縄縮みは、売却の契約方式を決める場面で関わってきます。
登記簿の面積のまま公簿売買を選ぶと、実測との差があっても代金の精算は行われません。
一方、買主から実測売買を求められた場合や、売主自身が正確な面積を示したい場合は、確定測量を行ってから売買代金を確定させることになります。
縄延びだった場合は実測面積の方が広いため売主に有利な精算になりますが、縄縮みだった場合は代金を減額して精算することになり、手取りが想定より減る可能性があります。登記簿の面積だけをもとに単価を計算して売り出し価格を決めていると、契約直前になって縄縮みが判明し、価格の見直しが必要になることもあります。
境界が確定していない土地では、そもそも確定測量そのものが進められないケースがあります。
境界の状況については「境界が確定していない土地は売れる?」で解説しています。
縄延び・縄縮みの確認の流れと相談先
縄延び・縄縮みは、土地家屋調査士に依頼して確定測量を行うことで確認できます。
確定測量には、隣接する土地の所有者全員の立会いと境界の確認が必要になるため、着手から完了までまとまった期間を見ておく必要があります。
古い測量図しか残っていない土地や、明治期からの登記がそのまま続いている土地は、縄延び・縄縮みが疑われやすい土地といえます。
境界の食い違いが大きい場合や、隣地との境界について争いがある場合は、土地家屋調査士や弁護士に相談すると安心です。
縄延び・縄縮みについてよくある質問
Q 縄延びと縄縮み、どちらが多いですか?
A 山林や田畑など地方の土地では、明治期の測量の際に年貢を抑える目的で面積を小さく申告した記録が残っており、縄延びになるケースが目立ちます。ただし土地ごとに事情が異なるため、実際に測量してみないと分かりません。
Q 公簿売買のままでも売却できますか?
A できます。
登記簿の面積をもとに契約し、実測との差があっても代金を精算しない方法で、測量にかかる手間を抑えられます。
ただし買主から実測売買を求められることもあります。
Q 縄縮みが分かったら、売り出し価格はどうなりますか?
A 実測面積に基づいて単価を計算し直すことになり、登記簿の面積のままで算出していた売り出し価格より下がることがあります。
Q 境界が確定していない土地でも測量できますか?
A 隣接する土地の所有者との境界確認が前提になるため、境界が定まっていない土地では測量そのものが進められないことがあります。
縄延び・縄縮みのまとめ
縄延び・縄縮みは、登記簿の面積と実測の面積のずれを表す言葉で、明治期の測量が元になっている土地では珍しくありません。
公簿売買にするか実測売買にするかによって、精算の有無や売り出し価格の見直しが変わってきます。
ぜひ本記事の縄延び・縄縮みの意味や売却時の扱いを参考に、不動産の売却に向けた測量や契約方式の検討を進めてください。
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