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取得費加算の特例とは?不動産売却と適用期限

取得費加算の特例とは?不動産売却と適用期限
取得費加算の特例しゅとくひかさんのとくれい税金・費用

相続した不動産を売るときに、支払った相続税の一部を取得費に足せる特例です。使えるのは相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで、つまり相続開始からおよそ3年10か月以内です。

相続した実家やマンションを売ろうとして、相続税の申告書を眺めながら「この税金は売却の計算に関係あるのだろうか」と考えている方に向けた内容です。

取得費加算の特例を使うと、支払った相続税の一部を取得費に足すことができ、譲渡所得税を軽くできます。

本記事では、取得費加算の特例の仕組みと、相続した不動産を売るときの関わり方を解説します。

取得費加算の特例とは

取得費加算の特例(しゅとくひかさんのとくれい)は、相続した不動産を売るときに、支払った相続税のうち一定額を取得費に加算できる制度です。

譲渡所得は「売った金額」から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて計算するため、取得費が増えれば譲渡所得が減り、その分だけ譲渡所得税も抑えられます。

使えるのは相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで、つまり相続開始からおよそ3年10か月以内という期限が決められています(2026年9月時点)。

相続税を納めた人が、その後に相続した不動産を手放す場面を想定した仕組みです。

取得費加算の特例はこんな場面で出てきます

担当者

相続されたご実家、査定額は2,800万円でした。取得費加算の特例は使えそうですか。

あなた

父が亡くなったのが2023年5月なので、まだ期限内でしょうか。

担当者

はい、相続開始からおよそ3年10か月以内なら大丈夫ですので、今の時期なら間に合いますね。

あなた

相続税は600万円ほど納めたんですが、その分が取得費に足せるんですか。

税理士

全額ではなく、売る不動産に対応する分だけ加算できますので、金額は計算してご案内しますね。

あなた

分かりました。確定申告のときに忘れず申請するようにします。

取得費加算の特例と似た言葉の違い

取得費、3000万円特別控除と混同されやすいですが、それぞれ対象や効果が異なります。

取得費加算の特例と似た制度の違い

項目取得費加算の特例取得費3000万円特別控除
対象相続した不動産を売る人すべての売主マイホームを売る人
効果相続税の一部を取得費に加算購入代金や仲介手数料など元の取得費譲渡所得から3000万円を控除
期限相続開始からおよそ3年10か月以内なし要件を満たせば期限の定めはなし

取得費加算の特例は取得費を増やす仕組みで、3000万円特別控除は譲渡所得そのものから一定額を差し引く仕組みです。要件を満たせば両方を併用できる場合もあるため、対象になるかどうかは個別に確認が必要です。

取得費加算の特例は不動産を売るときにどう関わるか

相続した家や土地、マンションを売る売主にとって、取得費加算の特例は譲渡所得税の負担を左右する重要な選択肢です。

相続税を納めていても、それを取得費に加算しないまま確定申告をしてしまうと、本来より高い譲渡所得税を支払うことになりかねません。

特例は自動的に適用されるものではなく、確定申告の際に売主自身が選択して申請する必要があります。

また、期限が相続開始からおよそ3年10か月以内と決まっているため、相続した不動産をいつ売るかという判断にも影響します。

相続後すぐに売らず時間を置いてしまうと、期限を過ぎて特例が使えなくなる可能性があります。

相続した不動産の売却を検討する段階で、期限を意識してスケジュールを立てることが大切です。

取得費加算の特例の期限・手続き・判断の目安

取得費加算の特例を使える期限は、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。

相続開始からおよそ3年10か月以内という数字を目安に、逆算して売却の計画を立てる必要があります。

特例を受けるには、確定申告書に必要事項を記載し、相続税の申告書の写しなど求められる書類を添付します。

取得費に加算できる金額は、支払った相続税の全額ではなく、売却した不動産に対応する部分に限られます。

相続税の申告状況や不動産の評価額によって加算できる金額は変わるため、個別の計算や適用の可否については税理士への相談をおすすめします。

取得費加算の特例についてよくある質問

Q 相続税を払っていなければ取得費加算の特例は使えませんか。


A 相続税を納めていない場合は、加算する相続税の負担額自体がないため、この特例による効果は生まれません。

Q 相続税の申告をしていない場合でも使えますか。


A 取得費加算の特例は相続税の申告を前提とした制度のため、申告をしていない場合は適用を受けられません。まずは相続税の申告状況を確認する必要があります。

Q 期限を過ぎて売った場合はどうなりますか。


A 相続開始からおよそ3年10か月の期限を過ぎて売却すると、取得費加算の特例は使えなくなります。相続税分を取得費に加えられないため、譲渡所得税の負担が重くなる可能性があります。

Q 3000万円特別控除と同時に使えますか。


A 要件を満たせば併用できる場合がありますが、対象となる不動産や譲渡の状況によって判断が分かれるため、税理士に確認しながら進めることをおすすめします。

取得費加算の特例のまとめ

取得費加算の特例は、相続した不動産を売るときに支払った相続税の一部を取得費に加算し、譲渡所得税の負担を抑えられる制度です。

使える期限は相続開始からおよそ3年10か月以内と決まっており、確定申告での選択適用が必要になります。

ぜひ本記事の内容を参考に、相続した不動産の売却に向けた申告の準備を進めてください。

詳しくは「相続税の取得費加算の特例」で解説しています。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
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