相続空き家の3000万円特別控除とは?要件と期限

相続した親の家を売ったときに、譲渡所得から最大3000万円を差し引ける特例です。1981年5月31日以前に建てられた戸建てであることや、相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたことなど、要件が細かく定められています。適用期限があるため、売却時期は早めに確認してください。
親から譲り受けた実家をそのままにしていると、売ったときの譲渡所得税が思いのほか高くなることがあります。
相続空き家の3000万円特別控除は、一定の要件を満たす相続した戸建てを売却したときに、譲渡所得から最大3000万円を差し引ける制度です。
本記事では、この特例の要件と、家の売却でどう関わってくるかを解説します。
相続空き家の3000万円特別控除の意味と読み方
読み方は「そうぞくあきやのさんぜんまんえんとくべつこうじょ」です。
相続した空き家が売られずに放置され、老朽化していくことを防ぐ目的でつくられた制度で、譲渡所得から最大3000万円を差し引くことができます。
2026年9月時点で、対象となるのは昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた戸建てで、相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたことなど、複数の要件を満たす必要があります。
要件は細かく、建物の状態や売却のタイミングによって適用できるかどうかが変わってきます。
相続空き家の3000万円特別控除はこんな場面で出てきます
このご実家は昭和53年に建てられていますので、相続空き家の3000万円特別控除の対象になりそうですね。
父が亡くなる前は一人で住んでいたんですが、それも条件に入りますか。
はい、そこも要件のひとつです。譲渡所得から3000万円を差し引けるので、税額をかなり抑えられますよ。
今は空き家のままなんですが、売る前に何かしないといけないことはありますか。
登記事項証明書などの書類を揃えて、確定申告のときに申告する形になりますね。
期限があると聞いたんですが、いつまでに売ればいいんでしょうか。
適用には期限が定められていますので、契約を進める前に税理士にも一度確認しておきましょう。
相続空き家の3000万円特別控除とマイホーム特例の違い
同じ「3000万円特別控除」という名前の制度に、自分が住んでいた家を売ったときに使えるマイホームの3000万円特別控除があります。対象となる不動産や要件が異なるため、混同しないよう整理しておく必要があります。
相続空き家の3000万円特別控除とマイホームの3000万円特別控除
| 項目 | 相続空き家の3000万円特別控除 | マイホームの3000万円特別控除 |
|---|---|---|
| 対象となる不動産 | 相続した戸建て | 本人が住んでいた家 |
| 主な要件 | 昭和56年5月31日以前築、被相続人が一人で居住 | 本人がその家に住んでいたこと |
| 控除額 | 最大3000万円 | 最大3000万円 |
相続空き家の3000万円特別控除は家の売却にどう関わるか
相続した実家を売る場面では、まずこの特例を使えるかどうかで、手元に残る金額が変わってきます。
譲渡所得から3000万円を差し引ければ、その分だけ譲渡所得税の課税対象が小さくなり、売却後の負担が軽くなります。
一方で、建物が昭和56年5月31日より後に建てられている場合は対象外になるため、築年数の古い実家ほど適用の可能性を確認しておく価値があります。
建物をそのまま売るか、解体して土地として売るかによっても進め方が変わるため、「築40年・築50年の古い家は売れる?」で解説している内容もあわせて確認しておくと、売却の方針を決めやすくなります。
相続空き家の3000万円特別控除を受ける要件と手続き
特例を使うには、建物や相続の状況に関する要件を満たしたうえで、確定申告の際に必要な書類を添えて申告する手続きが必要です。主な要件は次の3点です。
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた戸建てであること
- 相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと
- 定められた期限内に売却していること
適用には期限が定められているため、相続してからどのくらいの時間が経っているかによって、特例を使えなくなることもあります。
相続した不動産を売る際の全体の進め方は「相続した不動産を売却する流れ」で解説していますので、登記や書類の準備と合わせて確認しておくと段取りがつかみやすくなります。
要件の当てはめや税額の計算は複雑になりやすいため、個別の判断は税理士に相談することをおすすめします。
相続空き家の3000万円特別控除についてよくある質問
Q マンションでも使えますか?
A 対象は戸建てで、マンションなどの区分所有建物は含まれません。相続した家がマンションの場合は、この特例は使えません。
Q いつまでに売却すればいいですか?
A 適用には期限が定められています。売るタイミングによって特例を使えなくなることもあるため、早めに不動産会社や税理士に確認しておく必要があります。
Q 3000万円を差し引いても税金がかかることはありますか?
A 譲渡所得から3000万円を差し引いた後も所得が残る場合は、その分に譲渡所得税がかかります。取得費や譲渡費用も差し引けるため、正確な税額は税理士に相談すると確実です。
相続空き家の3000万円特別控除のまとめ
相続空き家の3000万円特別控除は、昭和56年5月31日以前に建てられた戸建てを、被相続人が一人で住んでいたなどの要件を満たして売ったときに、譲渡所得から最大3000万円を差し引ける制度です。
築年数や相続からの経過時間によって使える期限が変わってくるため、早めの確認が欠かせません。
ぜひ本記事の内容を参考に、家の売却に向けた準備を進めてください。


