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分筆とは?合筆との違いと売却時の関わり

分筆とは?合筆との違いと売却時の関わり
分筆ぶんぴつ法規制・土地

1つの土地を登記上で複数に分ける手続きです。境界確定測量を済ませてから土地家屋調査士が申請します。広い土地を一部だけ売るときや、現物分割で相続人ごとに分けるときに使います。

広い土地の一部だけ売りたいとき、あるいは相続した土地を兄弟で分けたいとき、不動産会社から「まず分筆が必要です」と言われることがあります。

分筆とは、登記上で1つになっている土地を複数の土地に分け、それぞれに新しい地番をつける手続きです。

本記事では、分筆が不動産の売却にどう関わるのか、手続きの流れと判断の目安を解説します。

分筆の意味と読み方

分筆は「ぶんぴつ」と読みます。

不動産登記法にもとづく登記上の手続きで、1つの土地(1筆)を複数の土地に分けて、それぞれに新しい地番をつけることを指します。

実際に分筆をするには、まず土地家屋調査士が境界確定測量を行い、隣接する土地の所有者との間で境界を確認したうえで、法務局に分筆登記を申請する必要があります。

境界が確定していない土地は分筆できないため、測量の段取りが最初のハードルになります。

測量の内容については「測量と筆界特定」で解説しています。

分筆はこんな場面で出てきます

担当者

この土地は300平米ありますが、道路側の半分だけを売りたいというご希望でしたね。

あなた

はい、奥のほうは自分の家として残したいんです。半分だけ売るってできますか。

担当者

登記が1つのままだと半分だけの売却はできないので、先に分筆登記をしていただきます。

あなた

分筆って何をするんですか。時間もかかりますか。

担当者

土地家屋調査士に境界確定測量をしてもらって、法務局で登記を分けます。2〜3か月ほどお時間をいただくことが多いですね。

あなた

分けた後の土地、ちゃんと家が建てられる形になるんでしょうか。

担当者

道路に面する幅は接道義務を満たす形で分けますので、その点は測量の段階で確認しますね。

分筆と合筆の違い

分筆と似た言葉に合筆(ごうひつ)があります。合筆は複数の土地を1つにまとめる手続きで、分筆とは逆の操作です。

分筆と合筆の違い

項目分筆合筆
操作1つの土地を複数に分ける複数の土地を1つにまとめる
地番新しい地番が増える地番が1つに統合される
使う場面一部売却・相続の現物分割隣接地を買い足して一体利用する場合など

分筆は不動産を売るときにどう関わるか

広い土地の一部だけを買主に引き渡す売買では、売買契約の前に分筆を済ませておく必要があります。

1筆のままでは土地の一部だけを登記上で分けて所有権を移すことができないためです。

また、相続した土地を兄弟で分けて、それぞれが自分の土地を自分の判断で売却する現物分割を選ぶ場合も、先に分筆をして各自の土地を独立させます。

分筆前の土地は、買主が金融機関から融資を受ける際の担保設定でも支障が出やすく、境界が未確定のままでは買主が購入をためらう要因になります。

土地の売却のタイミングと分筆の順序

分筆は測量から登記完了まで時間がかかるため、売買契約の交渉と並行して進めるより、契約前に完了させておくほうが後のトラブルを避けられます。買主との合意ができてから分筆に着手すると、引き渡しの時期がずれ込むこともあるため、不動産会社と早い段階でスケジュールを相談しておくことが大切です。

分筆の手続きの流れ

分筆登記までの流れ

1
境界確定測量
土地家屋調査士が隣接地の所有者と境界を確認します。
2
筆界の確定
境界標を設置し、隣接地所有者の立会いと承認を得ます。
3
分筆登記の申請
土地家屋調査士が法務局に登記を申請します。
4
登記完了
新しい地番が付き、それぞれの土地として登記が分かれます。

隣接地の所有者が境界確認に応じない場合、手続きが長引くことがあります。

分筆後に注意したい判断の目安

分筆で新しくできた土地は、それぞれが独立した土地として建築のルールを満たす必要があります。

道路に面する幅が足りず接道義務を満たせない土地ができると、その土地は再建築不可物件として扱われ、買主が住宅ローンを組みにくくなります。

道路づけが不十分な場合は「43条2項の認定・許可」の対象になるかどうかも確認しておく必要があります。

また、分筆後の土地にも建ぺい率・容積率用途地域の規制がそれぞれ適用されるため、分ける前に土地の使い方を想定しておくことが欠かせません。

市街化調整区域にある土地は、分筆自体や分筆後の建築に制限がかかることもあるため、事前に自治体への確認が必要です。

判断が分かれる点は、司法書士や土地家屋調査士に相談したうえで進めることをおすすめします。

分筆についてよくある質問

Q 分筆には測量が必ず必要ですか。


A 境界が確定していない土地は分筆登記を申請できないため、境界確定測量が必要になります。過去に測量済みで境界標が残っている場合は、確認作業だけで済むこともあります。

Q 分筆すると固定資産税はどうなりますか。


A 分筆後は土地ごとに評価と課税が行われるようになります。分けた土地の使い方によって評価が変わることもあるため、詳しい影響は税理士に確認しておくと安心です。

Q 相続した土地を分筆して、それぞれ別に売却できますか。


A 相続人同士で現物分割を選び、分筆によって各自の土地を独立させれば、それぞれが自分の土地を自分のタイミングで売却できます。

Q 分筆をせずに土地の一部だけ売ることはできますか。


A 登記上は1筆のままでは一部だけの所有権移転ができないため、一部を売却するには分筆が前提になります。

分筆のまとめ

分筆は、1つの土地を登記上で複数に分けて、一部だけの売却や相続人ごとの現物分割を可能にする手続きです。

境界確定測量から登記完了まで時間がかかるうえ、分けた土地が接道義務や建ぺい率・容積率の規制を満たすかどうかも確認が必要になります。

ぜひ本記事の分筆の流れと判断の目安を参考に、土地の売却に向けた準備を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
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