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家を売る時の注意点|失敗しないためのポイント

離婚の話し合いが進む中で、家をどう処分するか決めないまま調停の期日が近づいている方がいます。住宅ローンの残債が売却価格を上回るオーバーローンの家でも、査定の依頼先一覧には全国の不動産会社が並び、どこに相談すればよいか分からないまま時間だけが過ぎていきます。

家を売る時の注意点は、ローンの残債が残る場合の抵当権(ていとうけん)抹消の手続き、不動産会社との媒介契約の種類、そして周囲に知られずに進めるための販売方法の3点に集約されます。抵当権付きの家でも、売却代金で残債を完済するか、金融機関の承諾を得て任意売却に進めば手放せます。

本記事では、家を売る時の注意点を、離婚やローンの残債といった事情を抱えた方の立場から解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 離婚をきっかけに家を売ろうとしているが、周囲に事情を知られたくないため慎重に進め方を確認したい方
  • ローンの残債が残る家をどう売るべきか分からず、時間の切迫の中で失敗しないための注意点を知りたい方
  • 売れない家を抱えたまま精神的な余裕がなくなり、家を売る際に気をつけるべき点を先に整理しておきたい方

家を売る時の注意点|最初に確認したい全体の流れ

家を売る時の注意点は、売却の段階ごとに異なります。不動産の査定を依頼する段階、不動産会社と媒介契約を結ぶ段階、売買契約を結ぶ段階、引き渡しの段階で、それぞれ確認すべき点が変わります。離婚やローンの残債といった事情がある場合、一般的な家の売却の流れに加えて、財産分与や残債確認といった手続きが増える点も家の売却の注意点です。

1
売却理由と希望条件の整理
離婚の場合は財産分与の方針も確認
2
売却相場を調べる
匿名査定・公的データで目安を把握
3
不動産会社に査定依頼・媒介契約
ローン残債・財産分与の状況を伝える
4
売却活動・内覧対応
非公開での販売を希望する場合は事前に相談
5
売買契約・重要事項説明
不具合の告知内容を確認
6
決済・引き渡し・抵当権抹消登記
残債の完済と登記手続きを同日に実施

家を売る流れは大きく6段階に分かれ、離婚やローンの残債がある場合は特に2と3の間で財産分与や残債の確認を丁寧に行う必要があります。

売却の流れを把握しておくと、途中で想定外の書類や費用が出てきても慌てずに対応できます。

離婚で家を売却する時の注意点|周囲に知られずに進める方法

離婚を理由に家を売る場合、財産分与の対象になるか、住宅ローンの名義や連帯保証の扱いをどうするかを先に決めておく必要があります。不動産会社によっては、インターネット広告を使わず、問い合わせのあった顧客だけに個別に紹介する非公開での販売方法に対応しているところもあります。チラシのポスティングや近隣への声かけを避けたい場合は、査定の申し込み時点で「周囲に知られたくない」という希望を伝えておくと、販売方法を調整してもらいやすくなります。財産分与と税金の関係、住宅ローンが残っている場合の注意点は、離婚で家を売るには?財産分与の税金と住宅ローンの注意点で解説しています。

非公開での販売を希望する場合は、査定の申し込み段階で伝えておくと、広告の出し方を調整してもらえます。

ローン残債が残る家を売る注意点|抵当権抹消と残債の扱い

住宅ローンが残ったまま家を売るときに最も注意したいのは、抵当権の抹消です。抵当権は金融機関が住宅ローンの担保として設定する権利で、登記簿上に残ったままでも所有権移転登記自体は法律上可能ですが、買主や買主側の融資先金融機関は担保権のない状態を求めるため、実務上は決済と同日に抹消するのが一般的です。2026年9月時点で、抵当権抹消登記は売却代金の決済と同日に、司法書士が手続きを行うのが一般的です。

オーバーローンの場合の進め方

売却価格がローン残債を下回るオーバーローンの状態では、自己資金で不足分を補うか、金融機関の承諾を得て残債を残したまま売却する任意売却を検討します。任意売却は通常の家の売却と同じように不動産会社が仲介しますが、金融機関との調整が加わるため、対応実績のある不動産会社を選ぶことが注意点になります。抵当権抹消に必要な書類や手続きの流れは、抵当権抹消とは?家の売却時の書類と注意点で解説しています。

アンダーローンの場合の進め方

売却価格がローン残債を上回るアンダーローンの場合は、決済時に残債を一括返済し、残った金額を受け取れます。この場合も抵当権抹消登記の費用や司法書士報酬がかかる点は共通の注意点です。

オーバーローンかどうかは査定額とローン残高の比較で分かるので、売却を決める前に金融機関から残高証明を取り寄せておきましょう。

売れない家を抱えた時の家売却の注意点|査定と不動産会社選び

家を売る注意点の中でも、売却活動を始めてから数か月たっても買主が見つからない状態は精神的な負担になりやすい部分です。価格が売却相場より高すぎる、立地や建物の状態に見合った売り出し方になっていない、といった理由で売れ残るケースは少なくありません。複数の不動産会社に査定を依頼して売却相場を比較すると、価格設定の妥当性を確認しやすくなります。周囲に知られずに概算の売却相場を知りたい場合は、匿名査定・AI査定はどこまで正確?精度の限界と賢い使い方で解説しているように、インターネット上の匿名査定を使う方法もありますが、金額の精度には限界があります。より正確な売却価格を把握したい場合は、訪問査定とは?家を売る前の準備と依頼数で解説している訪問査定を依頼し、不動産会社の担当者から直接説明を受ける方法が確実です。どうしても期限までに売却を終えたい場合は、不動産会社が直接買い取る買取保証とは?家の売却期限と保証価格で解説している仕組みを利用すれば、売却価格は下がるものの、決まった期限内で現金化できます。

売れない期間が長引くほど値下げの判断が遅れがちになるので、査定時に売れなかった場合の対応方針まで相談しておくと安心です。

必要書類と費用の見落とし|家を売る注意点

家を売る注意点として、必要書類の準備不足と費用の見積もり漏れが挙げられます。

家の売却に必要な書類

家の売却には、登記済権利証または登記識別情報、固定資産税納税通知書、本人確認書類、住宅ローンの残高証明書などが必要です。離婚を理由に売却する場合は、財産分与の内容が分かる書類や、共有名義の場合は名義人全員の同意書も求められます。

見落としやすい売却にかかる費用

不動産売却にかかる費用には、仲介手数料、抵当権抹消登記の司法書士報酬、売買契約書に貼る印紙税などがあります。仲介手数料には宅地建物取引業法で定められた上限額があり、取引価格に応じて速算式が変わります。

仲介手数料の上限額(速算式)
売却価格仲介手数料の上限(税別)
200万円以下取引価格の5%
200万円超400万円以下取引価格の4%+2万円
400万円超取引価格の3%+6万円

なお、表中の「取引価格」はいずれも売買価格全体を指し、速算式は取引価格全体に対して適用します。

出典:国土交通省「宅地建物取引業法」(2026年9月時点)をもとに作成

仲介手数料は売買契約時と引き渡し時に半分ずつ支払う不動産会社が多いので、資金計画に組み込んでおきましょう。

家の売却で失敗しないための注意点|契約と引き渡しのトラブル防止

媒介契約には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があり、それぞれ不動産会社へ依頼できる社数や報告義務が異なります。専任系の媒介契約は不動産会社からの売却活動の報告を受けやすい一方、1社にしか依頼できません。売買契約を結んだ後は、建物の状態について契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)を負う可能性があるため、把握している不具合は事前に買主へ告知しておく注意点があります。引き渡し後に設備の故障などが見つかると、修理費用の負担をめぐってトラブルになることがあります。住み替え先の購入を同時に進めている場合は、売却と購入のタイミングを合わせる仕組みも関係してくるため、住み替えローンとは?審査基準と家の売却で解説している内容もあわせて確認しておくと安心です。

把握している不具合は小さなものでも契約前に伝えておくと、引き渡し後のトラブルを避けやすくなります。

売却のタイミングと税金|家を売る時の注意点

家を売って利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間に応じて税率が変わります。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える長期譲渡所得は税率が約20%、5年以下の短期譲渡所得は約39%です(2026年9月時点)。マイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があり、税負担を抑えられる可能性があります。離婚に伴う財産分与で家を渡す場合は、譲渡所得税の扱いが通常の売却と異なるため、事前に税理士や不動産会社へ確認しておくと安心です。税制は改正されることがあるため、最新の要件は国税庁や税理士に確認することが注意点です。

特例の適用には確定申告が必要なので、売却した翌年の申告時期を忘れないようにしましょう。

よくある質問

家を売ることを配偶者や会社に知られずに進められますか?

不動産会社によっては、インターネット広告を使わない非公開での販売に対応しており、査定の申し込み時に希望を伝えておけば配慮してもらいやすくなります。ただし近隣への内覧対応など、完全に誰にも気づかれない形を保証するものではありません。

ローンの残債が家の売却価格を上回っていても売れますか?

オーバーローンの状態でも、不足分を自己資金で補うか、金融機関の承諾を得てマイホームの任意売却を選べば売却は可能です。抵当権の抹消には金融機関との調整が必要になるため、早めに相談することが注意点です。

家がなかなか売れない場合はどうすればよいですか?

価格設定や販売方法を見直すほか、期限が決まっている場合は不動産会社による買取保証を利用する方法もあります。買取保証は通常の売却より価格が下がる傾向があるため、価格と期限のどちらを優先するかで判断します。

家を売る時に必要な書類はいつまでに準備すればよいですか?

登記済権利証や固定資産税納税通知書などは不動産会社への査定の依頼時点から順次確認しておくと、売買契約や決済の段階で慌てずに済みます。

家を売って利益が出た場合、必ず税金がかかりますか?

譲渡所得が発生しても、マイホームを売却した場合の3,000万円特別控除などの特例を使えば税負担が軽くなる場合があります。適用要件は改正される可能性があるため、国税庁や税理士に最新の内容を確認してください。

家を売る時の注意点を踏まえて動き出すために

家を売る時の注意点は、抵当権抹消の手続き、媒介契約の選び方、必要書類と費用の準備、そして周囲に知られずに進める方法まで、事情によって重なり方が変わります。離婚やローンの残債を抱えている場合でも、手順を一つずつ確認すれば売却を進められます。ぜひ本記事の家を売る時の注意点を参考に、ご自身の状況に合った進め方を不動産会社に相談してください。

出典

  • 国土交通省「宅地建物取引業法」
  • 国税庁「土地や建物を売ったときの税金(譲渡所得・居住用財産の3,000万円特別控除)」
  • 法務局「不動産登記の申請手続(抵当権抹消登記)」
  • 大阪府「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」告示(令和6年6月21日改正)、長谷工の仲介「不動産売却の仲介手数料とは?」
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