SHARE:

中古住宅が売れるまでの期間はどのくらい?

転勤が決まり、10年住んだ自宅マンションの査定を申し込んだものの、不動産会社との媒介契約(ばいかいけいやく、売却を任せる際に結ぶ契約)をどう結べばいいのかも分からないまま、引き渡しまでの見通しが立たない状態が続いています。

中古住宅が売れるまでの期間は、査定の申し込みから引き渡しまで平均して3〜6ヶ月程度が目安です。公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)が公表する季報「Market Watch」(2025年7〜9月期)でも、首都圏の中古マンション・中古戸建ての登録から成約までの期間に関する統計が示されており、本記事の目安はこれらのデータも参考にしています。

本記事では、査定から引き渡しまでの期間の内訳と、売却期間を左右する条件、期間を短くするための工夫を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 通勤時間の変化に合わせて自宅を初めて売ることになり、売れるまでどれくらいかかるのか見通しが立たず不安な方
  • 何から始めればいいか順番が分からず、売却期間の目安を知ってから査定に動き出したいと考えている方
  • 査定に出したら売却なければならない気がして身構えており、中古住宅が売れるまでの実際の期間を知りたい方

中古住宅売却が決まるまでの期間はどのくらい?平均3〜6ヶ月の内訳

仲介による中古住宅の売却では、不動産会社への査定依頼から引き渡しまでにかかる期間は、合計で3〜6ヶ月程度が目安です。この期間は、査定から媒介契約の締結までの準備期間、買主を探す販売活動の期間、売買契約から引き渡しまでの期間の3つに分けられます。

立地や価格設定によって期間は前後し、人気のエリアで売却相場に合った価格なら1〜2ヶ月で買主が見つかることもあれば、条件が合わず半年以上かかるケースもあります。

中古住宅の売却フェーズ別・期間の目安
フェーズ期間の目安
査定〜媒介契約の締結1〜2週間
販売活動〜売買契約1〜4ヶ月
売買契約〜引き渡し1〜2ヶ月

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構 季報「Market Watch」(2025年7〜9月期)をもとに作成

3〜6ヶ月はあくまで目安で、転勤など引き渡し時期が決まっている場合は、早めに不動産会社へ希望の時期を伝えておくと調整しやすくなります。

中古住宅の売却期間を左右する5つの条件|価格と立地

同じエリアの中古住宅でも、売却までの期間には数ヶ月単位の差が出ます。期間を左右する要因は、価格設定、立地と築年数、季節や市況、不動産会社の対応力の4つに大きく分かれます。

価格設定と売却相場のズレ

売却相場より高い価格で売り出すと、内覧の申し込み自体が減り、販売活動が長期化します。逆に売却相場より低く設定すれば早く売れますが、その分手元に残る金額が減ってしまいます。

立地・築年数・季節による需要の差

駅から近い物件や築浅の中古住宅は需要が高く、販売活動の期間が短くなる傾向があります。また、転勤や入学に合わせて住み替えを検討する人が増える1〜3月は、中古住宅の需要が高まりやすい時期とされています。

不動産会社の対応力と媒介契約の種類

媒介契約には専属専任媒介・専任媒介・一般媒介の3種類があり、それぞれ不動産会社の販売活動への力の入れ方や、他社への依頼の可否が異なります。契約の種類の違いについては媒介契約の種類|専属専任・専任・一般の違いと選び方で解説しています。

価格設定は売却期間に最も直結する要素なので、最初の査定額だけで決めず、複数社の査定を比較してから決めるのが安全です。

査定から引き渡しまで|売却期間別のスケジュール

中古住宅の売却は、査定・媒介契約・販売活動・売買契約・引き渡しという流れで進みます。どの段階にどれくらいの期間がかかるのかを知っておくと、転勤など期限がある場合の逆算がしやすくなります。

査定〜媒介契約締結までの期間

複数の不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結ぶまでは1〜2週間程度です。この段階ではまだ売却を確定させる必要はなく、売却相場を知るための情報収集として進めても問題ありません。

販売活動〜売買契約までの期間

媒介契約の締結後、不動産ポータルサイトへの掲載や、指定流通機構(レインズ)への登録を通じて買主を探す期間で、内覧対応を重ねながら1〜4ヶ月程度で買主が見つかるケースが多くみられます。

契約〜引き渡しまでの期間

売買契約の締結後は、買主の住宅ローン審査や登記の準備を経て引き渡しとなり1〜2ヶ月程度かかり、全体の流れは不動産売却の流れ|査定から引き渡しまでの7ステップで解説しています。

引き渡しの希望日がある場合は、媒介契約を結ぶ時点で不動産会社に伝えておくと、販売活動のスケジュールを逆算して組んでもらえます。

売れない中古住宅に共通する特徴と見直しポイント

販売開始から2〜3ヶ月を過ぎても内覧の申し込みが少ない中古住宅には、いくつか共通する特徴があります。価格が売却相場より高いまま放置されている、室内の写真が暗く魅力が伝わらない、競合する中古住宅が同じエリアに多く埋もれてしまっているといったケースで、こうした場合は不動産会社からの反響報告をもとに、価格や写真、広告の出し方を早めに見直すことが期間短縮につながります。

内覧の件数やサイトでの反応は、2週間に1回など定期的に不動産会社へ確認すると、見直しのタイミングを逃しにくくなります。

内覧対応と価格調整で縮める中古住宅の売却期間

売却期間を短くするには、販売開始から1ヶ月を目安に、内覧件数や問い合わせ数を確認しながら価格や見せ方を調整していくことが有効です。室内を整理して内覧時の印象を良くすることや、複数の不動産会社による査定を比較して売却相場からずれていないか確認することも効果があります。

査定の方法には、不動産会社が訪問して行う訪問査定のほかに、匿名で概算の価格を知る方法もあります。それぞれの違いは匿名査定・AI査定はどこまで正確?精度の限界と賢い使い方で解説しています。

価格を下げる判断は不動産会社に任せきりにせず、反響の数字を見ながら自分でも納得してから決めるようにしてください。

売却額よりローンが多い「オーバーローン」で売却期間が延びるケース

住宅ローンの残債が中古住宅の売却予想額を上回る状態をオーバーローンといい、この場合は売却代金だけでは抵当権(ていとうけん、ローンの担保として設定される権利)を抹消できず、自己資金での不足分の補填や、任意売却という方法の検討が必要になり、通常より売却期間が延びる傾向があります。

残債の額がはっきりしないまま販売活動を進めると、途中で資金計画が崩れることもあるため、早い段階でローンの残高を確認しておくことが大切です。

住宅ローンの残債は売却予想額より少ない?
YES ↓
通常の仲介売却で進められる(査定から引き渡しまで3〜6ヶ月が目安)
NO ↓
オーバーローン。任意売却や自己資金の用意を検討(期間が延びやすい)

住宅ローンの残債と中古住宅の売却予想額の大小関係によって、進められる売却の方法と見込める期間が変わるため、まずローンの残高を確認してから、どちらに当たるか判断してください。

オーバーローンかどうかは、売却を決める前に金融機関への確認で分かるので、査定額が出た時点で一度計算しておくと安心です。

中古住宅売却のスピードは仲介と買取で変わる

転勤までに期限があり、3〜6ヶ月の販売活動を待てない場合は、不動産会社が直接買い取る買取という方法もあります。買取は買主を探す期間が不要なため、1ヶ月前後で引き渡しまで進むことが多い一方、売却価格は仲介による売却相場より低くなる傾向があります。

期間を優先するか、価格を優先するかで選ぶべき方法が変わるため、両方の特徴を比較してから決めることが大切です。仲介と買取の違いは仲介と買取どっちがいい?違いとメリット・デメリットで解説しています。

転勤の時期が決まっている場合は、仲介で進めつつ、期限までに売れなければ買取に切り替える選択肢も不動産会社に相談しておくと安心です。

よくある質問

査定を受けたら必ず売却しないといけませんか?

いいえ、査定はあくまで現時点での売却相場を知るための手続きで、査定額を聞いたあとに売却をやめる判断をしても問題ありません。

売却期間中に内覧の予定はどれくらい入りますか?

物件や時期によって差はありますが、販売活動の最初の1〜2ヶ月は内覧の申し込みが集中しやすく、その後は落ち着いていく傾向があります。

冬や年度末など、売れやすい時期はありますか?

転勤や入学に合わせて住み替えを検討する人が増える1〜3月は、中古住宅の需要が高まりやすい時期とされています。反対に夏場は動きが鈍くなる傾向があります。

売却期間が半年を超えたらどうすればいいですか?

半年を超えても買主が見つからない場合は、価格設定や広告の見せ方が売却相場とずれている可能性があるため、媒介契約の見直しや不動産会社の変更も含めて検討してください。

媒介契約の種類で売却期間は変わりますか?

専属専任媒介や専任媒介は不動産会社が積極的に販売活動を行う傾向があり、一般媒介は複数社に依頼できる一方で販売活動が分散することもあります。契約の種類によって期間の傾向は変わります。

中古住宅が売れるまでの期間を踏まえた売却準備のまとめ

中古住宅の売却は、査定から引き渡しまで平均3〜6ヶ月が目安で、価格設定や立地、媒介契約の種類によって期間が前後します。オーバーローンに当たる場合や、期限までに売却を終えたい場合は、早い段階で残債の確認や買取との比較をしておくことで、選べる方法の幅が広がります。ぜひ本記事の期間の目安を参考に、自分の希望する引き渡し時期から逆算して売却の準備を進めてください。

出典

  • 国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」
  • 公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)「首都圏不動産流通市場の動向」
  • 公益財団法人東日本不動産流通機構 季報Market Watch(2025年7〜9月期)https://www.reins.or.jp/pdf/trend/sf/sf_202507-09.pdf
  • e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
あなたへのおすすめ