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売れない土地はどうする?原因別の対処法を解説

相続した土地を売りに出してから2年が経っても、不動産会社からの問い合わせが1件も届かないという状況は珍しくありません。離婚に伴う財産分与で現金化を急いでいるのに、接道義務(建築基準法第43条)を満たしていないことを理由に、複数の不動産会社から売却を断られるケースもあります。土地が売れない理由は、価格設定・接道や形状・境界の未確定・相続による名義の問題のいずれかに絞り込めることがほとんどで、原因ごとに取れる対処法も決まっています。本記事では、売れない土地をどうするか、原因別の見直し方と売却方法を解説します(2026年9月時点の法令にもとづきます)。

この記事はこんな方に向いています

  • 相続した郊外の土地を2年前から売りに出しているが一向に問い合わせがなく、どうすればよいか分からない方
  • 離婚に伴う財産分与で土地を早く現金化したいが、形状や接道条件が悪く売れにくいと言われ焦っている方
  • 固定資産税の負担が続く中で時間的な余裕もなく、原因別の対処法を具体的に知りたい方

土地が売れない原因とは|価格・接道・形状で変わる売却のしやすさ

土地が売れない場合、原因は大きく4つに絞り込めます。1つ目は売却価格が周辺の売却相場より高いこと、2つ目は接道や形状に問題があること、3つ目は境界が未確定で引き渡しに不安が残ること、4つ目は相続による名義の整理が終わっていないことです。接道については建築基準法第43条が、建物を建てる敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないと定めており、この接道義務を満たさない土地は再建築不可として買い手がつきにくくなります。

自分の土地がどの原因に当てはまるかを特定しないまま売り出し期間だけを延ばしても、状況は変わりません。まずは不動産会社から断られた理由や問い合わせが来ない理由を、価格・接道・形状・境界・名義のどこにあるのか整理することが、対処法を選ぶ出発点になります。

原因を1つに決めつけず、価格と接道の両方を同時に確認すると見直しが早く進みます。

価格設定が原因で土地が売れない場合の見直し方

売却相場の調べ方|路線価と査定の使い分け

土地が売れない場合、まず疑うべきは売却価格が売却相場より高く設定されていないかという点です。売却相場を調べる方法としては、国税庁が毎年公表する路線価を使って大まかな目安を把握したうえで、不動産会社による匿名査定を併用する方法があります。営業電話を避けたい場合は匿名査定と一括査定の違いを確認してから申し込むと、連絡の手間を抑えられます。

売り出し価格を下げるタイミングと下げ方

売り出してから3か月以上、問い合わせも内覧もない状態が続いているなら、価格の見直しを検討する時期です。一度に大きく下げるのではなく、周辺の取引事例と比較しながら5%前後ずつ段階的に下げると、売主側の値下げの理由を買主に不自然に受け取られにくくなります。値下げと同時に、土地の写真や現況をあらためて撮り直し、広告の情報を更新することも問い合わせ数に影響します。

売却相場より高い価格のまま3か月以上動きがない場合は、価格の見直しを検討する合図です。

接道条件や形状が悪い土地の売却方法

再建築不可の土地の売却方法

建築基準法第43条の接道義務を満たしていない再建築不可の土地は、住宅ローンが使いにくいことから買主が個人に限られにくく、売却までの期間が長引きがちです。対処法としては、隣接地の所有者に声をかけて買い取ってもらう方法、再建築不可の土地を扱う不動産会社に仲介を依頼する方法、不動産会社による買取を検討する方法の3つがあります。隣接地の所有者は、自分の敷地と合わせることで接道義務を満たせる場合があり、個人の買主よりも購入の動機を持ちやすい相手です。

旗竿地(はたざおち)・不整形地(ふせいけいち)の売却方法

旗竿地(細い通路の先に敷地が広がる形状の土地)や不整形地(三角形や台形など使いにくい形の土地)は、同じ面積の整形地と比べて利用しにくい分、売却価格が下がりやすい傾向にあります。駐車場や資材置き場としての利用を想定して売り出す、分筆して隣接地と一体利用できる形に整えるといった工夫で、買主の候補を広げられる場合があります。

再建築不可や旗竿地は、仲介と買取の両方に査定を依頼して価格差を比べると判断しやすくなります。

境界が未確定・越境がある土地の売却方法

境界が未確定のまま、あるいは塀や樹木が隣地に越境した状態の土地は、買主にとって後々のトラブルの種になりやすく、仲介を断る不動産会社も少なくありません。売却前に土地家屋調査士へ依頼して境界確定測量を行い、隣地所有者との間で境界確認書を取り交わしておくと、買主の不安を減らせます。越境がある場合は、越境の覚書を交わして将来の解消方法を明文化しておくことが有効です。越境の具体的な解消手順については越境とは?土地売却前の覚書と解消手続きで解説しています。

越境の覚書は売買契約前に取り交わしておかないと、引き渡し後にトラブルになりやすい点に注意してください。

相続した土地が売れない場合の対処法

相続した土地が売れない場合、売却自体に問題があるのではなく、名義の整理が終わっていないために売買契約まで進められないことがあります。相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産登記法第76条の2にもとづき、正当な理由なく相続の開始及び自己のために所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと10万円以下の過料の対象になります。遺産分割により法定相続分を超えて所有権を取得した場合は、遺産分割の日から3年以内に別途登記申請を行う必要があります。相続人が複数いる土地では、遺産分割協議がまとまらないまま共有名義になっているケースも多く、この場合は協議を先に進めないと売却に進めません。

登記簿上の地目(ちもく。土地の用途を示す区分)が現況と異なっている場合も、買主側の住宅ローン審査に影響することがあります。地目の調べ方や売却への影響については地目とは?土地売却との関わりと調べ方で解説しています。

相続登記が済んでいないと売買契約そのものを進められないため、早めに名義を確認してください。

売れない土地を売る方法|不動産会社の変更と買取の活用

価格や接道・境界・名義の見直しを済ませても売れない土地を売る方法としては、不動産会社を変更する方法と、不動産会社による買取に切り替える方法があります。媒介契約から一定期間が過ぎても反響がない場合、土地の売却実績が豊富な不動産会社に変更するだけで、広告の出し方や販売活動の範囲が変わり、状況が動き出すことがあります。

時間的な余裕がなく早期の現金化を優先する場合は、個人への仲介ではなく不動産会社による買取を検討する方法もあります。買取は不動産会社が直接買主になるため、売却までの期間を短縮できる一方、仲介による売却より価格が下がる傾向があります。買取と仲介の違いや売却までの流れは土地の買取とは?仲介との違いと売却の流れで解説しています。

買取は価格が下がる代わりに、短期間で現金化できる点が仲介と異なります。

保有コストと時間|土地が売れないまま放置するリスク

土地が売れないまま時間だけが過ぎると、固定資産税や都市計画税の負担が毎年発生し続けます。更地のまま所有し続けることで、建物がある土地に比べて固定資産税の軽減措置を受けられない場合もあり、保有コストはむしろ重くなりやすい点に注意が必要です。離婚や相続といった事情を抱えている場合は、調停や遺産分割の期限との兼ね合いもあるため、原因の切り分けと対処を後回しにしない方が、精神的な負担も軽くなります。

更地のまま所有し続けると固定資産税の負担が続くため、売却方針を決める時期を先延ばしにしない方が安心です。

ここまでの原因別の見直し方を踏まえると、土地が売れない場合に取るべき対処は次の順番で進めるのが実務的です。

1
売れない原因を特定する
価格・接道や形状・境界・名義のどれに当てはまるかを確認
2
売却相場を確認する
路線価と匿名査定で価格の妥当性を把握
3
価格と販売方法を見直す
段階的な値下げと広告内容の更新
4
不動産会社を変更する、または買取を検討する
媒介契約の見直しと買取価格の比較
5
境界・名義の問題を専門家に相談する
土地家屋調査士や司法書士への相談

どの段階で止まっているかを図の上から順に確かめると、次に取るべき対処がはっきりします。

よくある質問

土地が売れないとき、不動産会社を変えればすぐ売れますか

不動産会社を変えるだけで売れるとは限りません。原因が価格設定にあるのか、接道や形状にあるのかを先に特定したうえで変更すると、効果が出やすくなります。

再建築不可の土地はどうしても売れませんか

再建築不可の土地でも、隣接地の所有者への売却や、再建築不可の土地を扱う不動産会社への仲介依頼、不動産会社による買取といった選択肢があり、売却できないと決まっているわけではありません。

境界が未確定のままでも土地の売却はできますか

境界が未確定のままでも売買契約自体は可能ですが、買主が不安を感じて価格交渉の材料にされたり、仲介自体を断られたりすることがあります。境界確定測量を済ませてから売り出す方が、話がまとまりやすくなります。

相続した土地の名義が複数人のままでも売れますか

共有名義のままでは、共有者全員の同意がないと土地の売却を進められません。遺産分割協議を済ませて相続登記を行ってから売り出す必要があります。

買取を選ぶと価格はどれくらい下がりますか

買取価格は仲介による売却に比べて低くなる傾向がありますが、具体的な下落幅は土地の条件や依頼する不動産会社によって異なります。複数の不動産会社に査定を依頼して比較することをおすすめします。

売れない土地をどうするか迷ったときに取るべき行動

土地が売れない場合、価格・接道や形状・境界の未確定・相続による名義の問題のどこに原因があるかを特定し、それぞれに合った対処を1つずつ進めることで、動きが止まっていた売却が再び前に進むことがあります。離婚や相続といった事情で時間の余裕がない場合も、不動産会社に事情を伝えたうえで買取という選択肢を含めて検討すれば、現金化までの見通しを立てやすくなります。売却の流れ全体を確認したい場合は不動産売却の完全ガイドも参考になります。ぜひ本記事の原因別の対処法を参考に、自分の土地が止まっている段階を見極めて、次の一歩を進めてください。

出典

  • 国税庁「路線価図・評価倍率表」
  • e-Gov法令検索「建築基準法第43条」
  • e-Gov法令検索「不動産登記法第76条の2」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
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