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住み替えローンの審査基準と通過のポイントを解説

転勤が決まり、10年住んだマンションを売って新居を買う住み替えを進めようとしても、新居の住宅ローンの審査結果がまだ出ていません。

住み替えローンは、今の住宅ローンの残債を売却代金で完済できない場合に、不足分を新居の住宅ローンへ上乗せして借りる仕組みで、金融機関は年収に対する返済負担率や既存ローンの残債、新居の担保評価をあわせて審査します。

本記事では、住み替えローンの審査基準と通過のポイント、審査に落ちた場合の代替案を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 自宅の老朽化で建て替えを兼ねた住み替えを考えているが、新居のローン審査に落ちるのではと不安な方
  • 住み替えローンを利用するには年収や既存ローンの残債がどう影響するのか、事前に基準を知りたい方
  • 初めての住み替えで審査に通らなかった場合の代替案が分からず、資金計画全体が崩れることを心配している方

住み替えローンとは|マンション売却と新居購入を同時に進める仕組み

住み替えローンは、今のマンションを売却しても住宅ローンの残債を完済できない場合に、足りない金額を新居の住宅ローンへ上乗せして借りる商品です。抵当権(ていとうけん、住宅ローンの担保として不動産に設定される権利)は売却と同時に抹消され、新居には新しい抵当権が設定されます。

通常の住宅ローンとの違いは、審査の対象が新居の担保価値だけでなく、今のマンションの売却代金や残債の見込みまで含まれる点です。残債を上乗せする分だけ新居の借入額が増えるため、金融機関は将来の返済能力をより厳しく確認します。マンションの売却と新居の購入を同じ日に決済できれば、今のローンと新居のローンを同時に抱える期間がなくなり、審査でも評価されやすくなり、住み替えローンの仕組みと基本的な審査基準は住み替えローンの基礎知識で解説しています。

住み替えローンを使った住み替えは、マンション売却の準備から引き渡しまでおおむね次の手順で進みます。

1
マンション売却相場を把握する
匿名査定で相場感をつかむ
2
住宅ローンの残債を確認する
残債と売却見込み額を比較する
3
住み替えローンの事前審査を申し込む
複数の金融機関で条件を比較する
4
新居の売買契約を結ぶ
担保評価の対象となる物件を確定する
5
住み替えローンの本審査を受ける
売却契約書など必要書類を提出する
6
売却と新居の決済を同日に行う
ダブルローンを避けて引き渡す

住み替えローンでは、マンション売却と新居の決済を同じ日に合わせることでダブルローンを避けられます。

住み替えローンは残債をそのまま背負う形になるため、月々の返済額が増えることを前提に資金計画を立てましょう。

金融機関が住み替えローン審査でチェックする項目|物件評価と収入

住み替えローンの審査では、新居の担保評価に加えて、今のマンションの売却見込み額と残債のバランスが見られるうえ、確認される項目は大きく分けて二つあり、どちらか一方だけが良くても審査が通りやすくなるわけではありません。

年収と返済負担率

年収に対する年間の返済額の割合(返済負担率)は、新居の住宅ローンだけでなく、残債として上乗せされる金額も合わせて計算されます。年収が同じでも、残債が大きいほど返済負担率は上がり、審査のハードルも上がります。勤続年数や他のローンの有無なども、通常の住宅ローンと同じようにあわせて確認されます。

既存住宅ローンの残債と担保評価

今のマンションにいくら残債があり、売却でいくら回収できる見込みかは、不動産会社の査定額をもとに金融機関が確認します。新居の担保評価が残債の上乗せ分を含めた借入総額に見合わなければ、希望する満額での融資は難しくなります。査定額が市場の実勢よりかけ離れていると、金融機関の評価と合わず審査が長引くこともあります。

返済負担率や残債の内訳は金融機関ごとに基準が違うため、複数の金融機関で事前審査を受けて比較すると安心です。

ダブルローンで家を買う負担から住み替えローン審査が厳しくなる理由

住み替えローンは、マンションの売却と新居の購入を同じ日に決済することで、今のローンと新しいローンを同時に抱えるダブルローンの状態を避ける仕組みです。ただし、売却の決済日と新居の引き渡し日がずれると、一時的に二つの住宅ローンを返済する期間が生じます。

住み替えローンの審査が厳しいと言われる背景には、このダブルローンのリスクを金融機関が強く警戒していることがあります。マンション売却の見込みが不確実なままでは、金融機関は新居の融資額を抑えたり、連帯保証人を求めたりすることがあります。買い手が見つかっていない段階で住み替えローンの事前審査を申し込むと、売却代金の見込みが曖昧なまま審査が進み、結果として希望どおりの条件が出ないこともあります。

決済日がずれて一時的に二重ローンになると審査が厳しくなりやすいので、引き渡し日の調整は早めに相談しましょう。

審査を通過するために見直したい家計と物件の条件

住み替えローンの審査を通過しやすくするには、残債そのものを減らす方法と、新居の担保評価を高める方法の両方から準備を進めます。どちらか一方に偏らず、両方を並行して進めておくと審査の印象が安定します。

繰り上げ返済や頭金による残債の圧縮

貯蓄から繰り上げ返済をして残債を減らしたり、新居の購入時に頭金を多めに入れたりすると、借入総額に対する返済負担率が下がり、審査で評価されやすくなります。繰り上げ返済には事務手数料(繰上返済手数料)がかかる金融機関もあるため、事前に確認してから実行すると無駄がありません。

新居の資産価値を示す資料の準備

新築住宅のパンフレットや分譲マンションの価格表、周辺の取引事例など、新居の資産価値を裏づける資料をそろえておくと、担保評価の面で説明がしやすくなります。今のマンションの売却見込み額は、複数の不動産会社に査定を依頼して売却相場をつかんでおくと安心です。

頭金を増やすだけでなく、新居の資産価値を示す資料をそろえておくと担保評価の面で有利に働くことがあります。

マンション売却を先行させる住み替えローン審査落ちへの備え

住み替えローンの審査に落ちた場合でも、今のマンションの売却を先に済ませてから新居の住宅ローンを申し込む売却先行の方法に切り替えられます。残債が売却代金で完済できれば、新居のローンは通常の住宅ローンとして審査されるため、審査のハードルは下がります。

売却先行には、新居への入居までの間、仮住まいの家賃がかかるという負担もあります。不動産売却を急ぐあまり値下げ幅が大きくなると、残債を完済できなくなる場合もあるため、売却価格の下限はあらかじめ決めておくと安心です。中古住宅が売れるまでの期間は物件や地域によって差があり、中古住宅が売れるまでの期間の目安で解説しています。

住み替えローンの審査に落ちても、売却を先行させれば資金計画を立て直せます。焦らず代替案を検討してください。

新居入居までの売却スケジュールの立て方

住み替えローンを使う場合も、売却先行に切り替える場合も、マンション売却のスケジュールを早めに組んでおくことがダブルローンの回避につながります。売却の相談を始める時期は、新居の引き渡し希望日から逆算して決めます。

マンションの売り時は、築年数や市場の動向によって変わります。引き渡し希望日が決まっているなら、そこから逆算して売却活動の開始時期を決めておくと、価格を大きく下げずに期限内の売却を目指せます。売却のタイミングの判断基準はマンションの売り時を判断する基準で解説しています。

引き渡し日から逆算してスケジュールを組むと、ダブルローンの発生を避けやすくなります。

不動産会社選びと査定依頼のタイミング

住み替えローンの審査に向けては、今のマンションの売却見込み額をできるだけ早く把握することが欠かせません。不動産の査定には、周辺の取引事例から価格を算出する匿名査定と、担当者が物件を訪れて細かく確認する訪問査定があります。

まずは匿名査定で売却相場を把握し、金融機関への事前審査を申し込む段階で訪問査定を受けて精度を上げる進め方が無理がありません。査定方法の違いは匿名査定と一括査定の違いで解説しています。なお、媒介契約を結んで不動産会社に売却を依頼する際の仲介手数料は、売買価格が400万円を超える場合に「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が上限です。

査定額だけでなく、販売実績や対応の丁寧さも見て不動産会社を選ぶと、売却がスムーズに進みやすくなります。

よくある質問

住み替えローンの審査に通る年収の目安はありますか?

住み替えローンは金融機関ごとに基準が異なり、年収だけで一律の目安が決まっているわけではありません。年収に対する返済負担率や、今のマンションの残債と売却見込み額のバランスを総合的に見て判断されます。

既存ローンの残債が大きいと住み替えローンの審査は通りませんか?

残債が大きいほど新居の借入総額が増え、返済負担率が上がるため審査は厳しくなりやすい傾向があります。ただし、頭金を増やしたり繰り上げ返済で残債を減らしたりすれば、審査の印象は変わってきます。

住み替えローンの審査に落ちたらどうすればいいですか?

今のマンションの売却を先に済ませてから新居のローンを申し込む売却先行の方法に切り替えられます。残債を完済してからの申し込みであれば、通常の住宅ローンと同じ基準で審査されます。

住み替えローンの審査にはどのくらいの期間がかかりますか?

通常の住宅ローンより審査で確認する書類の数が多いため、審査に時間がかかりやすい傾向があります。正確な期間は金融機関ごとに異なるため、事前審査の申し込み時に確認しておくと安心です。

住み替えローン審査が厳しいと感じたら、どこに相談すればいいですか?

住宅ローンを扱う金融機関の窓口だけでなく、マンション売却を依頼する不動産会社にも相談できます。売却の進め方次第で審査の条件が変わる場合があるため、早めの相談が資金計画のずれを防ぎます。

住み替えローン審査を踏まえた資金計画のまとめ

住み替えローンの審査では、新居の担保評価だけでなく、今のマンションの残債と売却見込み額のバランスが見られます。残債を減らす工夫や新居の資産価値を示す資料をそろえておけば、審査の印象は変わります。審査に落ちた場合も、売却を先行させる方法に切り替えれば資金計画を立て直せます。ぜひ本記事の審査基準と通過のポイントを参考に、マンション売却と新居購入のスケジュールを早めに整えてください。

出典

  • 国土交通省「宅地建物取引不動産会社が宅地又は建物の売買等に関して受けることのできる報酬の額」
  • 三井住友銀行「住宅ローンの事務手数料とは」
  • 建設省告示第1552号(令和6年国交省告示第949号改正)
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