SHARE:

収益還元法とは?マンションの利回りと査定書

収益還元法とは?マンションの利回りと査定書
収益還元法しゅうえきかんげんほう査定・価格

その不動産が将来生む家賃収入から価格を逆算する方法です。投資用マンションや一棟アパートの評価に使われます。満室想定の家賃と経費、利回りをどう置くかで金額が変わります。

投資用マンションや一棟アパートの売却査定を依頼すると、住んでいる家の査定書とは違う言葉が並んでいて戸惑う人がいます。

収益還元法は、その不動産が生み出す家賃収入をもとに売却価格を逆算する査定方法で、自分が住む家の査定にはほとんど使われません。

本記事では、収益還元法の仕組みと、投資用不動産を売るときにこの方法がどう関わってくるかを解説します。

収益還元法の意味と読み方

収益還元法は「しゅうえきかんげんほう」と読み、その不動産が将来生む家賃収入から価格を逆算する査定方法です。

満室になったときの家賃収入から管理費や修繕費などの経費を引いた金額を、想定する利回りで割って価格を求めます。

この計算には、1年分の収益で価格を求める直接法と、将来の複数年の収益を見積もって現在の価格に置き換えるDCF法の2種類があります。

どちらも、対象の不動産そのものの見た目や築年数よりも「いくら稼げるか」を重視する点が特徴です。

収益還元法はこんな場面で出てきます

担当者

今回の査定は収益還元法で出していまして、買取価格は4,200万円になりました。

あなた

今住んでいる自宅とは査定の仕方が違うんですね。何を見て決まるんですか。

担当者

満室になった場合の家賃収入から管理費などを引いて、利回りで割って算出しています。

あなた

実は3階の部屋が半年ほど空室のままなんですが、それも関係しますか。

担当者

はい、その分家賃収入が減るので、満室の想定より低めの金額になっています。

あなた

入居者が決まれば、査定金額も上がるということでしょうか。

担当者

そうですね、安定した家賃収入が見込めれば評価も上がりますので、他社の査定書も一度比較してみてください。

収益還元法と取引事例比較法・原価法の違い

不動産の査定には、収益還元法のほかに取引事例比較法と原価法があります。

マイホームの査定でよく使われるのは取引事例比較法で、似た条件の売買事例を比較して価格を出します。

収益還元法は、家賃収入を生む投資用マンションや一棟アパートの査定に向いた方法です。

査定方法の違い

方法考え方向いている不動産
収益還元法家賃収入から逆算投資用マンション・一棟アパート
取引事例比較法似た売買事例と比較マイホーム・土地
原価法建て直す費用から算出戸建て・建物単体

売るときに収益還元法がどう関わるか

投資用マンションや一棟アパートを売るとき、売却査定の結果は収益還元法で出た金額が中心になります。

買い手も投資家であることが多く、「この家賃収入で、この利回りなら妥当な買取価格か」という視点で検討するため、売主が提示する家賃収入の実績や入居状況が価格に直結します。

空室が続いている部屋があると満室想定の家賃収入から割り引かれ、査定書の金額が下がる要因になります。

反対に、長期入居者がいて安定した家賃収入が見込める物件は、同じ築年数・同じ広さでも高めの評価につながることがあります。

売却を検討する段階では、家賃台帳や賃貸借契約書、直近の経費の記録を整理しておくと、査定の精度が上がります。

収益還元法の利回りの置き方で金額が変わる

収益還元法で使う利回りは、エリアや建物の種類、築年数によって不動産会社ごとに置き方が異なります。

同じ家賃収入の物件でも、想定する利回りが変われば逆算される買取価格も変わるため、複数の不動産会社に査定を依頼すると金額に差が出ることがあります。

1社だけの査定書で判断せず、投資用マンションの取引経験が豊富な会社を含めて比較することが目安になります。

収益還元法による査定書の見方と依頼の仕方

投資用マンションの売却査定を依頼する方法には、机上査定と訪問査定があります。

机上査定は家賃収入や周辺の取引データから概算を出す方法で、訪問査定は現地の状況も確認したうえで収益還元法を組み立てる方法です。

一括査定サイトを使う場合も、投資用不動産に対応している会社かどうかを確認しておくと、収益還元法での評価に慣れた不動産会社に依頼できます。

査定書を受け取ったら、想定家賃・空室率・経費・利回りのそれぞれがどう置かれているかを確認し、実際の家賃収入と大きくずれていないかを見ておくことが判断の目安になります。

投資用マンションの査定金額や相場の考え方は、「投資用マンションの査定と相場」で解説しています。

収益還元法についてよくある質問

Q 自分が住んでいるマンションを売るときも収益還元法で査定されますか


A 自分が住むためのマンションは、取引事例比較法で査定されることが多く、収益還元法が使われるのは主に人に貸している投資用マンションや一棟アパートです。

Q 空室があると査定金額はどれくらい下がりますか


A 空室の分だけ想定される家賃収入が減るため査定金額は下がりますが、下がり方は空室の期間や部屋数、不動産会社が置く利回りによって異なります。

Q 匿名査定でも収益還元法の金額は分かりますか


A 匿名査定でも家賃収入などの情報を入力すれば概算は出ますが、実際の入居状況や経費まで反映されないため、正確な金額は訪問査定や査定書で確認する必要があります。

収益還元法のまとめ

収益還元法は、投資用マンションや一棟アパートの家賃収入から価格を逆算する査定方法で、想定する家賃・経費・利回りの置き方によって金額が変わります。

マイホームの売却とは評価の考え方が異なるため、投資用不動産の売却を検討するときは、家賃台帳や賃貸借契約書を整理し、複数の不動産会社の査定書を比較することが大切です。

ぜひ本記事の収益還元法の内容を参考に、投資用不動産の売却に向けた準備を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
あなたへのおすすめ