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不動産の原価法とは?戸建て評価と売却時の使い方

不動産の原価法とは?戸建て評価と売却時の使い方
原価法げんかほう査定・価格

同じ建物をいま新築したらいくらかかるかを出し、そこから築年数ぶんの価値の目減りを差し引いて価格を求める方法です。戸建ての建物部分を評価するときに使われます。

戸建ての売却査定を受けたら、査定書に「原価法」という言葉が出てきて、何を根拠にした金額なのか分からず困っていませんか。

原価法は、いま同じ建物を新築したらかかる費用から、築年数ぶんの老朽化を差し引いて建物の価格を求める方法です。

本記事では、原価法の仕組みと、戸建ての売却でどのように使われるかを解説します。

原価法の意味と読み方

原価法(げんかほう)は、不動産鑑定評価基準に定められている評価手法のひとつです。

まず、いま同じ建物を新築した場合にかかる費用(再調達原価)を算出し、そこから築年数に応じた老朽化分を差し引く「減価修正」を行って、建物の価格を求めます。

土地の価格を求める方法には向かず、戸建ての建物部分を評価するときに使われる方法です。

マンションのように土地と建物を分けて評価しにくい不動産では、原価法が使われる場面は主に戸建てに限られます。

原価法はこんな場面で出てきます

担当者

今回の査定書では、建物部分を原価法で600万円、土地部分を取引事例比較法で1,800万円と出しています。

あなた

原価法って、どういう計算で600万円になったんですか。

担当者

今この建物を新築したらいくらかかるかを出して、築22年分の老朽化を差し引いた金額なんです。

あなた

うちは去年キッチンをリフォームしたんですが、その分は反映されますか。

担当者

はい、訪問査定でリフォーム歴を確認していますので、評価に加味していますよ。

あなた

別のサイトの匿名査定だと、建物の価値が0円と出たんですが違うんですね。

担当者

匿名査定は外観の情報だけで判断するので、実際に室内を見た今回の金額のほうが精度は高いですね。

あなた

なるほど、それなら今回の査定書の金額を基準に考えてみます。

原価法と似た言葉の違い

不動産の評価には原価法のほかに、取引事例比較法や収益分析法があります。どこに注目して価格を求めるかが異なるため、対象になる不動産のタイプも変わります。

原価法・取引事例比較法・収益分析法の違い

手法考え方主に使う場面
原価法新築費用から老朽化分を差し引く戸建ての建物部分
取引事例比較法似た条件の取引実績を比較する土地、マンション
収益分析法将来生み出す収益から逆算する賃貸用の不動産

原価法は売るときにどう関わるか

戸建ての売却で査定書を受け取ると、建物部分の価格が原価法で、土地部分の価格が取引事例比較法で、それぞれ別に算出されて合算されているケースが多くあります。

訪問査定を受けると、担当者が建物の構造や築年数、リフォームの履歴を確認し、再調達原価と減価修正の考え方をもとに建物の価格を説明してくれます。

一方、匿名査定やAI査定は外観や公開情報だけで金額を出すため、建物の内部状態まで確認できず、原価法にもとづく減価修正の精度が下がりやすくなります。

築年数の古い戸建ての売却を考えている場合は、匿名査定の結果だけで判断せず、訪問査定や不動産鑑定評価書で建物の状態を反映した金額を確認したほうがよいです。

戸建ての匿名査定の特徴については「戸建ての匿名査定は当たりにくい?」で解説しています。

原価法の費用・手続き・判断の目安

不動産会社による机上査定・訪問査定・一括査定は無料で受けられます。

原価法にもとづくより詳しい建物評価が必要な場合は、不動産鑑定士に不動産鑑定評価書の作成を依頼する方法があり、この場合は鑑定士への依頼料が発生します。

相続や離婚での財産分与など、金額の根拠を裁判所や税務署に示す必要がある場面で、この不動産鑑定評価書が使われます。

通常の売却であれば、複数の不動産会社の査定書を比較し、建物部分の評価に原価法がどう使われているかを確認する程度で十分です。

査定額の根拠に納得できない場合は、担当者に再調達原価や減価修正の計算根拠を質問してみてください。

原価法についてよくある質問

Q 原価法だけで戸建ての価格が決まりますか。


A いいえ、戸建ての売却では建物部分に原価法、土地部分に取引事例比較法を使い、両方を合算して価格を出すのが一般的です。

Q マンションの査定にも原価法は使われますか。


A マンションは建物と土地を分けて評価しにくいため、原価法ではなく取引事例比較法が中心に使われます。

Q 匿名査定でも原価法の計算はしてもらえますか。


A 匿名査定は外観や公開情報だけで金額を出すため、原価法に必要な建物の内部状態の確認が難しく、精度が下がりやすくなります。

Q 不動産鑑定評価書に原価法が使われるのはどんな場合ですか。


A 相続税の申告や裁判での財産分与など、金額の根拠を第三者に示す必要がある場面で、不動産鑑定士が作成する評価書に使われます。

原価法のまとめ

原価法は、戸建ての建物部分について、新築時の費用から老朽化分を差し引いて価格を求める方法です。

査定書のどこに原価法が使われているかを知っておくと、担当者への質問もしやすくなります。

ぜひ本記事の内容を参考に、家の売却に向けた査定額の見方を整理してください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
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