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一物四価・一物五価とは?土地の評価額の使い分け

一物四価・一物五価とは?土地の評価額の使い分け
一物四価・一物五価いちぶつしかいちぶつごか査定・価格

1つの土地に、実勢価格・公示地価・相続税路線価・固定資産税評価額という複数の価格がつくことを指す言い方です。基準地価を加えて五価と呼ぶこともあります。目的が違う価格なので、金額が食い違っていても誤りではありません。

不動産会社から届いた売却査定の金額と、固定資産税の通知書に書かれている金額が大きく違っていて、どちらを信じればいいのか分からなくなることがあります。

これは入力や算定の誤りではなく、1つの土地に複数の価格がつく仕組みそのものによるものです。

本記事では、一物四価・一物五価という言い方の意味と、家や土地の売却でどの価格を見ればいいかを解説します。

一物四価・一物五価の意味と読み方

読み方は「いちぶつしか・いちぶつごか」です。

1つの土地に、実際に取引される価格である実勢価格、地価公示法に基づき国土交通省が毎年発表する公示地価、国税庁が相続税・贈与税の算定のために公表する相続税路線価、市町村が固定資産税・都市計画税の算定のために出す固定資産税評価額という4種類の金額がつくことを指します。

これに、国土利用計画法に基づき都道府県が発表する基準地価を加えて呼ぶ場合を一物五価といいます。

基準地価を含めた考え方については、「一物五価とは」で解説しています。

一物四価・一物五価はこんな場面で出てきます

担当者

訪問査定の結果、こちらのお宅は2,600万円前後で売却できる見込みです。

あなた

でも固定資産税の通知書には1,900万円くらいと書いてあったんですが、違いすぎませんか。

担当者

それは固定資産税評価額といって、固定資産税を計算するための金額なんです。実際に売れる金額とは別のものですね。

あなた

そうなんですね。じゃあこの2,600万円の方が実際に売るときの目安になるということですか。

担当者

そうです。近くの取引事例をもとに出した実勢価格に近い金額ですので、こちらを基準に考えていただければと思います。

あなた

分かりました。安心しました。

一物四価・一物五価の4つ・5つの価格の違い

それぞれ決める機関と使われる場面が違うため、同じ土地でも金額が食い違って当然です。

一物四価・一物五価の内訳

種類決める機関主な用途
実勢価格実際の売主・買主実際の取引の目安
公示地価国土交通省地価の一般的な指標
基準地価都道府県公示地価を補完する指標
相続税路線価国税庁相続税・贈与税の算定
固定資産税評価額市町村固定資産税・都市計画税の算定

一物四価・一物五価は家や土地を売るときにどう関わるか

家や土地の売却を検討すると、不動産会社から机上査定や訪問査定という形で金額の提示を受けます。

この金額は実勢価格、つまり近隣の取引事例をもとに、実際に買い手がつきそうな範囲を示したものです。

一方で、毎年送られてくる固定資産税の課税明細書には固定資産税評価額が載っており、相続した土地であれば相続税の申告に相続税路線価を使っています。

これらの金額はもともと目的が違うので、同じ土地でも数百万円単位で差が出ることがあります。

売却査定額が固定資産税評価額より高いからといって過大な見積もりというわけではなく、逆に低いからといって不当というわけでもありません。

どの価格を見ているのかを確認したうえで、金額の意味を理解しておくことが必要です。

一物四価のうち不動産の売却で基準にする評価額

実際に売却の判断材料にするのは、実勢価格に近い売却査定額です。

公示地価や基準地価、相続税路線価、固定資産税評価額は、税金や公的な指標としての役割が中心で、そのままその土地の売却価格になるわけではありません。

特に机上査定は周辺の取引事例からおおまかな金額を出すもので、実際の建物の状態や設備、周辺環境までは反映していません。より実際の取引に近い金額を知りたい場合は、不動産会社が現地を見て金額を出す訪問査定を受ける必要があります。

複数の不動産会社の売却査定額を比べたいときは、一括査定を使って何社かの金額を並べて確認する方法もあります。

一物四価・一物五価のそれぞれの価格の調べ方

  • 公示地価・基準地価:国土交通省の標準地・基準地検索システムで確認できます
  • 相続税路線価:国税庁が公表する路線価図・評価倍率表で確認できます
  • 固定資産税評価額:毎年送られてくる固定資産税の課税明細書に記載されています
  • 実勢価格:不動産会社の売却査定を受けて確認します

相続した土地の相続税路線価をもとに相続税の計算をする場合や、固定資産税評価額の見直しに関わる判断は、税理士に相談したほうが確実です。

一物四価・一物五価についてよくある質問

Q 固定資産税評価額が売却査定額より低いのはおかしいのでしょうか。


A おかしくありません。固定資産税評価額は固定資産税・都市計画税の算定に使う金額で、実際に売却できる金額を示すものではないため、売却査定額と差が出るのは自然な結果です。

Q 相続税路線価をそのまま売却の目安にしてもいいでしょうか。


A 相続税路線価は相続税・贈与税の算定に使う金額なので、そのまま売却の目安にするのは避けたほうがよく、実際の取引を反映した実勢価格に基づく売却査定額を確認する必要があります。

Q 机上査定と訪問査定の金額が違うのはなぜですか。


A 机上査定は周辺の取引事例をもとにしたおおまかな金額で、訪問査定は現地を見て建物の状態や設備まで反映するため、金額に差が出ることがあります。より実際の取引に近い金額を知りたい場合は訪問査定を受ける必要があります。

Q 一物四価と一物五価はどちらが正しい言い方でしょうか。


A どちらも使われる言い方で、基準地価を含めるかどうかの違いです。基準地価まで含めて数える場合は一物五価と呼びます。

一物四価・一物五価のまとめ

1つの土地に実勢価格、公示地価、基準地価、相続税路線価、固定資産税評価額という複数の金額がつくのは、それぞれ目的が違うためで、金額が食い違っていても誤りではありません。

家や土地の売却を考えるときに基準にするのは、実勢価格に近い売却査定額です。

ぜひ本記事の一物四価・一物五価の考え方を参考に、家や土地の売却に向けた判断を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
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