離婚協議書とは?家の売却への関わりと流れ

離婚の条件を夫婦で取り決めて書面にしたものです。財産分与の対象と金額、支払い方法を記載します。不動産を含める場合は、評価額の根拠として査定書を添えることがあります。
離婚に伴って自宅を売る場面では、支払い条件や財産分与の金額を書面に残す離婚協議書を用意しておく必要があります。
この書面に不動産の評価額や売却後の分け方を明記しておくことで、後々のトラブルを防げます。
本記事では、離婚協議書の意味と、不動産の売却にどう関わるかを解説します。
離婚協議書の意味と読み方
離婚協議書は「りこんきょうぎしょ」と読みます。
夫婦が話し合って決めた離婚の条件を書面にまとめたもので、財産分与の対象となる財産の範囲、分ける割合や金額、支払いの方法や期限などを記載します。
不動産を財産分与に含める場合は、その評価額の根拠として売却査定書や不動産鑑定士の評価書を添えることがあります。
決まった書式はなく、夫婦が自由に作成できますが、後で内容を証明できるよう署名と押印を残しておく必要があります。
離婚協議書はこんな場面で出てきます
離婚に伴って売却されるとのことですが、査定額は2,800万円ほどになりそうです。
住宅ローンの残債が2,600万円あるので、思ったより手元に残らないですね。
差額の200万円をどう分けるか、離婚協議書に金額まで書いておくと安心ですよ。
査定書も一緒に添付した方がいいんでしょうか。
はい、評価額の根拠になりますので、この査定書を協議書に添えてお渡ししますね。
分かりました。念のため弁護士にも内容を確認してもらいます。
離婚協議書と公正証書の違い
離婚協議書と混同されやすいのが「公正証書」です。どちらも離婚の条件を記した書面ですが、作成方法と法的な効力が異なります。
離婚協議書と公正証書の違い
| 項目 | 離婚協議書 | 公正証書 |
|---|---|---|
| 作成方法 | 夫婦がまとめて作る私文書 | 公証人役場で公証人が作成 |
| 強制執行力 | ない(別途訴訟が必要) | 支払いが滞った場合に強制執行できる |
| 費用 | 作成自体は無料 | 公証人への仲介手数料がかかる |
離婚協議書は不動産の売却にどう関わるか
離婚に伴って自宅を売る場合、離婚協議書に不動産の取り扱いを明記しておくことが欠かせません。
誰の名義の不動産をいつまでに売り、売却代金をどの割合で分けるのか、住宅ローンの残債がある場合はどちらが負担するのかを具体的に書きます。
不動産の名義が夫婦のどちらか一方でも、婚姻中に築いた財産であれば財産分与の対象になり得ます。
売却代金からローン残債を差し引いた残りを分ける「アンダーローン」の状態か、売却代金だけではローンを完済できない「オーバーローン」の状態かによって、分け方の書き方も変わります。
連帯債務や連帯保証が付いている場合は、離婚後もその立場が残るため、誰が住宅ローンの支払いを続けるのかを離婚協議書の中で明確にしておく必要があります。
評価額を巡って意見が割れやすいため、不動産会社に売却査定を依頼し、その査定書を離婚協議書に添付しておくと、後で金額の根拠を示しやすくなります。
査定書の具体的な作り方は「離婚協議書用の査定書の作成方法」で解説しています。
離婚協議書を作ってから家を売るまでの流れ
離婚協議書に不動産を書き込むまでの流れ
不動産会社に依頼し、離婚協議書に添える評価額の根拠を用意する
登記事項証明書の乙区で残債と担当の銀行を確認する
オーバーローンかアンダーローンかで分け方の書き方が変わる
支払い方法と期限を明記して署名押印する
支払いを確実に受けたい場合は、公正証書での作成も検討します。
離婚協議書の費用や期限の目安
離婚協議書の作成そのものに費用はかかりませんが、不動産の評価額を示すための売却査定は不動産会社に無料で依頼できる場合が多くあります。
財産分与には請求できる期間が設けられているため、離婚後にゆっくり話し合おうと考えていると、請求のタイミングを過ぎてしまう恐れがあります。
期間の詳細や個別の事情については、弁護士や司法書士に確認しておくと安心です。
住宅ローンが残っている不動産を売却する際は、抵当権を抹消する手続きも必要になるため、金融機関への相談も早めに進めておきます。
離婚協議書についてよくある質問
Q 離婚協議書は自分たちだけで作れますか
A 夫婦だけで作成することもできますが、不動産の評価額や住宅ローンの扱いなど専門的な判断が必要な部分は、弁護士や司法書士に相談しながら作ると内容の抜け漏れを防げます。
Q 離婚協議書に売却査定書を添付する必要はありますか
A 添付は必須ではありませんが、不動産の評価額の根拠を示せるため、後で金額を巡る話し合いになった際に役立ちます。
Q 住宅ローンが残っている家でも離婚協議書に売却の条件を書けますか
A 書くことができます。オーバーローンの状態かアンダーローンの状態かで残債の負担方法や分け方の書き方が変わるため、事前に住宅ローン残債を確認しておく必要があります。
Q 離婚協議書と公正証書のどちらを作ればいいですか
A 支払いが長期間にわたる場合や、確実に支払いを受けたい場合は、強制執行力のある公正証書として残す方法も検討できます。
離婚協議書のまとめ
離婚協議書は、不動産を含む財産分与の内容を証明する大切な書面です。
評価額の根拠となる売却査定書を添えておくことで、後の話し合いがスムーズになります。
ぜひ本記事の内容を参考に、不動産の売却に向けた準備と離婚協議書の作成を進めてください。
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