固定資産税はいくら?不動産売却前に知る目安と計算法
固定資産税の納税通知書は、毎年4月から6月ごろに所有者のもとへ届き、土地と家屋それぞれの税額が記載されています。それでも家を売ろうと検索しても、年間の固定資産税がいくらくらいになるのか、具体的な目安はなかなか見つかりません。
固定資産税は、課税標準額に標準税率1.4%を掛けて算出され、一般的な戸建てであれば年間10万円から20万円程度が目安です(2026年9月時点)。課税標準額は固定資産税評価額をもとに算出される金額で、土地の場合は住宅用地の軽減措置などにより評価額よりも低くなることがあります。評価額自体は、実際の売却相場とは別の基準で市区町村が決めています。
本記事では、固定資産税の計算方法と、不動産売却時に発生する日割り精算の仕組みを解説します。
この記事はこんな方に向いています
- 築28年の家を売る前に、固定資産税がいくらかかっていたのか目安を確認しておきたい48歳の方
- 営業電話を避けるため個人情報を渡さず、計算方法だけをスマホで自分で調べたいという方
- 売却時に日割り精算される税額がどれくらいになるのか事前に把握しておきたいという方
家や土地の固定資産税はいくらくらい?評価額別の目安
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家を所有している人に課税される地方税です。税額は「課税標準額×標準税率1.4%」が基本の計算式で、自治体によって税率が異なる場合もあります。評価額は実際の売却相場より低く設定されることが多く、戸建てでもマンションでも、評価額が1000万円から3000万円程度の物件であれば、年間の固定資産税はおおよそ10万円から40万円台の範囲に収まることが多いです。
| 固定資産税評価額 | 年間固定資産税の目安(都市計画税含む) |
|---|---|
| 1000万円 | 約10万円〜14万円 |
| 1500万円 | 約15万円〜21万円 |
| 2000万円 | 約20万円〜28万円 |
| 3000万円 | 約30万円〜42万円 |
※上記は課税標準額に標準税率1.4%・都市計画税率0.3%を掛けて編集部が独自に算出した概算値です。土地と建物の評価額比率、面積、住宅用地の軽減措置の適用有無などの条件によって実際の税額は変動します。標準税率については総務省「固定資産税のあらまし」を参照しています(2026年9月時点)。
家の固定資産税がいくらになるかは、土地と建物をそれぞれ別の評価額で計算して合算する仕組みのため、同じ売却相場の物件でも内訳が大きく変わります。
評価額は売却価格とは別の基準で決まるため、年間の税額だけで売却の判断をしない方が安心です。
不動産売却前に確認したい固定資産税の計算方法
固定資産税がいくらになるかを把握するには、土地分と建物分を分けて計算する必要があります。土地と建物では評価方法も軽減措置の内容も異なるため、まとめて計算すると実際の税額とずれが生じます。
土地の固定資産税評価額と計算式
土地の固定資産税評価額は、公的な基準に基づいて自治体が決定します。住宅が建っている土地には住宅用地の軽減措置が適用され、200㎡までの部分(小規模住宅用地)は評価額の6分の1、200㎡を超える部分(一般住宅用地)は評価額の3分の1まで課税標準額が下がります。この軽減後の額に標準税率1.4%を掛けたものが、土地分の年間固定資産税です。
建物(家屋)の固定資産税評価額と計算式
建物の固定資産税評価額は、同じ建物を新築した場合にかかる費用を基準にする再建築価格方式で算出され、そこに経過年数に応じた経年減点補正率を掛けて決まります。この評価額をもとに算出される課税標準額に標準税率1.4%を掛けたものが、建物分の年間固定資産税です(建物の場合、課税標準額は評価額と同額になることが一般的です)。
たとえば固定資産税評価額2000万円(土地1000万円・建物1000万円)の家で、住宅用地の軽減措置を適用して計算すると、内訳はおおむね次のようになります。
※固定資産税評価額2000万円(土地1000万円・建物1000万円)、住宅用地の軽減措置適用後の年間合計は約20.3万円の概算例です(2026年9月時点)。
同じ評価額でも、建物分の税額が全体のおよそ7割を占めることが分かります。土地の面積が広いほど土地分の比重は上がります。
計算式は自治体のウェブサイトでも公開されているので、納税通知書と合わせて確認すると安心です。
築年数で変わる家の固定資産税|新築減額と経年劣化
家の固定資産税がいくらになるかは、築年数によっても変わります。新築時には税額が軽くなる制度があり、その期間が終わると税額が上がる仕組みになっています。
新築住宅に対する減額措置
新築住宅には、一定期間固定資産税額が軽減される制度があります。一般的な住宅では新築後3年間、耐火構造や準耐火構造の3階建て以上の住宅では5年間、120㎡までの部分について固定資産税額が2分の1に減額されます。この期間が終わる年に税額が上がる点は、あらかじめ把握しておく価値があります。
経年劣化による評価額の低下
建物の評価額は、木造か非木造かによって異なる経年減点補正率に基づき、築年数が進むほど下がっていきます。ただし評価額が0円になるわけではなく、一定の年数を過ぎると下げ止まり、一定の残存価値が維持される仕組みです。築28年の家であれば、新築時よりは評価額が下がっているものの、まだ一定の固定資産税が発生している可能性があります。
新築の減額期間が切れた直後に税額が上がって驚く方が多いので、切れる年を確認しておきましょう。
土地の固定資産税と住宅用地の軽減措置
土地の固定資産税がいくらになるかは、住宅用地の軽減措置が適用されるかどうかで大きく変わります。200㎡までの小規模住宅用地は評価額の6分の1、200㎡を超える一般住宅用地は評価額の3分の1まで課税標準額が下がり、軽減のない土地と比べて税額が大幅に抑えられます。この軽減は住宅が建っていることが前提のため、建物を解体して更地にすると適用対象から外れます。更地の固定資産税と売却相場の関係については、更地とは?固定資産税と売却相場の違いで解説しています。
住宅用地の軽減は建物が建っていることが前提のため、解体のタイミングには注意が必要です。
売却時に発生する固定資産税の日割り精算
固定資産税は1月1日時点の所有者に1年分まとめて課税されるため、年の途中で不動産売却をしても、その年の税金は売主が全額納付する義務を負います。実務では、引き渡し日を基準に売主と買主がその年の税額を日割りで分担し、買主が売主に精算金を支払う慣例が広く使われています。これは法律上の義務ではなく、売買契約書に特約として記載することで成立する取り決めです。日割り精算の具体的な計算方法と流れは、固定資産税の精算とは?売却時の計算方法と流れで解説しています。
日割り精算は法律上の義務ではなく慣例なので、売買契約書の特約内容を必ず確認してください。
固定資産税評価額の確認方法と売却相場との違い
固定資産税評価額は、毎年届く納税通知書に同封される課税明細書で確認できます。手元に通知書がない場合は、市区町村の窓口で固定資産税評価証明書を取得するか、固定資産課税台帳を閲覧する方法でも確認できます。評価額は実際の売却相場の目安よりおおむね低く設定される傾向があり、評価額だけを見て家や土地の価値を判断すると、実際の売却相場と食い違う可能性があります。評価額の確認方法と売却相場との関係は、固定資産税評価額とは?確認方法と売却時の関係で解説しています。
評価証明書は売却時の必要書類にもなるため、早めに市区町村の窓口で取得しておくと安心です。
空き家や更地にすると固定資産税が上がるケース
家を取り壊さずに空き家の状態で放置し、自治体から特定空家(とくていあきや)の指定を受け、さらに市区町村長から勧告を受けると、翌年度から住宅用地の軽減措置が解除され、固定資産税が上がる可能性があります。特定空家とは、倒壊の危険や衛生上の問題などがある空き家として自治体が指定する制度で、勧告を受けた状態が解消されるまで軽減措置が適用されません。詳しい影響と対応策は、特定空家とは?固定資産税への影響と売却方法で解説しています。
また、家を解体して更地にした場合も住宅用地の軽減措置がなくなるため、土地分の固定資産税だけが上がることがあります。解体せず古家付き土地として売却する選択肢もあり、解体費用と固定資産税の負担を比較する判断は、古家付き土地とは?解体費用と固定資産税の負担で解説しています。
特定空家に指定される前に、売却や解体の検討を進めておくと税負担を抑えやすくなります。
営業電話なしで売却相場を調べる方法
固定資産税の目安が分かったところで、実際にいくらで売れるのかを知りたい場合、個人情報を入力せずに価格帯を把握できる匿名査定という方法があります。氏名や電話番号を伝えずに大まかな価格帯だけを確認できるため、営業電話を避けながら情報収集を進めたい方に向いています。匿名査定と、複数社に同時依頼する一括査定の違いと使い分けは、匿名査定と一括査定の違い|営業電話なしで売却相場を知る使い分けで解説しています。
匿名査定なら個人情報を入力せずに価格帯を把握できるので、情報収集の最初の一歩に向いています。
よくある質問
固定資産税はいくらくらいが平均ですか?
固定資産税評価額や所在地によって大きく異なるため一概には言えませんが、戸建てであれば年間10万円から20万円程度が目安とされています。実際の税額は納税通知書に記載された評価額を確認する必要があります。
マンションの固定資産税はいくらくらいですか?
マンションは土地部分を区分所有者で分割して評価するため、同じ売却相場の戸建てより土地分の税額が低くなる傾向があり、年間10万円から15万円程度に収まるケースが多いです。
固定資産税はいつ、誰に課税されますか?
毎年1月1日時点で不動産を所有している人に、その年の4月から6月ごろに納税通知書が届く形で課税されます。年の途中で売却しても、課税対象者は1月1日時点の所有者のままです。
固定資産税評価額はどこで確認できますか?
納税通知書に同封される課税明細書のほか、市区町村の窓口で取得できる固定資産税評価証明書や、固定資産課税台帳の閲覧制度を使って確認できます。
空き家のまま所有していると固定資産税は上がりますか?
自治体から特定空家の指定を受け、さらに市区町村長から勧告を受けると、翌年度から住宅用地の軽減措置が解除され、固定資産税が上がる可能性があります。勧告を受ける前に活用や空き家の売却を検討しておくことが負担を抑える方法のひとつです。
固定資産税がいくらくらいかを知って家の売却を考えるまとめ
固定資産税は、課税標準額に標準税率1.4%を掛けて算出され、住宅用地の軽減措置や新築時の減額措置によって実際の負担額は変わります。課税標準額は固定資産税評価額をもとに算出される金額です。年の途中で不動産売却をすると、引き渡し日を基準に日割り精算を行うのが一般的な実務であり、特約の内容を事前に確認しておくことが欠かせません。ぜひ本記事の固定資産税の目安と計算方法を参考に、ご自身の家や土地の税負担を確認したうえで、売却の検討を進めてください。
出典
- 総務省「固定資産税のあらまし」
- 総務省『固定資産税制度について』
- e-Gov法令検索「地方税法」
- 国土交通省「不動産取引価格情報検索」
- 国土交通省・総務省「空家等対策の推進に関する特別措置法」関連ガイドライン
- 浅口市公式サイト「固定資産税の閲覧と縦覧の違い」
