一戸建て売却の相場はいくら?価格の調べ方と高く売る方法を解説
「一戸建て 売却 売却相場」で検索すると、査定サイトへの登録を求めるページが上位に並び、電話番号を入力しないと価格が分からない作りになっています。築22年を超えた一戸建てでは、建物の価格がほぼゼロと評価され、売却相場の大半を土地の価格が占めます。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際の取引価格を住所・築年数・面積で絞り込み、登録なしで確認できます。
本記事では、匿名で一戸建ての売却相場を調べる方法と、土地・建物の価格の内訳、高く売るための考え方を解説します。
この記事はこんな方に向いています
- 築22年の一戸建てを売るか迷い、まず相場だけを個人情報を渡さずスマホで調べたい48歳の方
- 営業電話を受けるのが嫌で、査定サイトに登録せず価格の調べ方を自分で理解したいという方
- 土地と建物の価格の内訳が分からず、高く売るための考え方だけ先に知っておきたいという方
一戸建ての売却相場を無料・匿名で調べる3つの方法
一戸建ての売却相場を、電話番号もメールアドレスも入力せずに確認する方法は複数あります。査定サイトへの登録を1件も行わなくても、公的なデータと簡単な計算だけで、自分の家がだいたいどの価格帯にあるかは見当がつきます。
国の取引価格データで確認する
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、過去に実際に成約した一戸建ての取引価格を、都道府県・市区町村・築年数の条件で絞り込んで無料で確認できます。登録や個人情報の入力は不要で、成約した時期と価格帯の目安をそのまま確認できます。
固定資産税評価額から逆算する
毎年送られてくる固定資産税の納税通知書には、土地と建物それぞれの評価額が記載されています。土地の固定資産税評価額は、公示価格のおおむね70%を目安に設定されているため、評価額を0.7で割ると土地の時価のおおよその水準がつかめます。一方、建物の固定資産税評価額は、再建築価格(同じ建物を新たに建てた場合の費用)から経年による減価を差し引く方式で算定されるため、同じように0.7で割って時価を逆算することはできません。
匿名査定で類似物件の価格帯を知る
匿名査定は、住所の詳細や氏名を伝えずに、エリアと築年数、面積だけを入力して価格帯を知る方法です。電話がかかってくる一括査定とは異なり、営業連絡を受けたくない段階でも使いやすい調べ方です。匿名査定と一括査定の違いは匿名査定と一括査定の違いで解説しています。
不動産情報ライブラリの価格は過去の成約実績であり、今売った場合の価格をそのまま示すものではありません。
公的データで見る一戸建て売却の相場の調べ方
一戸建ての売却相場を公的データで調べるときは、取引価格だけでなく、土地の公的な価格指標も合わせて見ると、精度が上がります。
国土交通省の不動産情報ライブラリに加えて、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」では、固定資産税路線価や相続税路線価を地図上で確認できます。相続税路線価は公示地価の8割程度、固定資産税路線価は7割程度を目安に設定されているため、路線価から時価を逆算する際の参考になります。
個人情報を入力せずに、お住まいの地域の不動産査定書を無料で取得したい場合、東京都であれば東京都で不動産査定書を無料で入手する方法、埼玉県であれば埼玉県で不動産査定書を無料で入手する方法で、それぞれの地域の相場も合わせて解説しています。
路線価や固定資産税評価額はあくまで目安であり、実際の売却価格は個別の条件で上下します。
土地と建物の価格の内訳|一戸建ての売却価格はどう決まるか
土地の価格の決まり方
土地の価格は、同じエリアの取引実績や路線価をもとに、面積・形状・道路との接し方(接道条件)などを加味して決まります。角地や二方向道路に接する土地は評価が上がりやすく、旗竿地(はたざおち、敷地の一部が細い通路状になっている土地)や高低差のある土地は評価が下がりやすい傾向があります。
建物の価格の決まり方
建物の価格は、築年数に応じて下がっていきます。国税庁が定める法定耐用年数は、賃貸住宅など事業用資産の減価償却に用いる年数で、木造住宅は22年です。マイホームなど非事業用の建物を売却する際に取得費を計算する場合は、この耐用年数の1.5倍にあたる年数(木造ではおよそ33年)を旧定額法で算出するため、22年を超えた時点で税務上の建物価格が直ちにゼロに近づくわけではありません。実際の売却市場でも、木造一戸建ては築20年前後から建物の価格がほとんど評価されなくなり、土地の価格が売却価格のほとんどを占めるようになります。
建物の価格がゼロに近くても、リフォーム履歴やメンテナンス状況は買主の印象を左右します。
築年数が戸建て売却相場に与える影響
一戸建ての売却相場は、築年数が10年を超えたあたりから下落のペースが緩やかになる傾向があります。新築から10年程度は価格の下落が大きい一方、築20年を超えると建物の価格はほぼゼロとなり、以降は土地の価格の変動が売却価格を左右するようになります。
築22年の一戸建てを売る場合、建物のリフォームで売却価格を大きく上げることは難しく、土地としての条件(面積・接道・周辺の開発状況)が価格を決める主な要素になります。一方で、水回りの傷みや雨漏りの跡など、建物の状態が買主の購入判断を鈍らせる要因になることもあり、最低限の補修で印象を整える判断は有効です。
大規模リフォームの費用を売却価格に上乗せできるとは限らないため、投資するかは慎重に判断してください。
高く売るためのタイミングと準備|一戸建て売却の実務
一戸建てを高く売るには、売却を始める前の準備が売却価格に影響します。
売却前に確認する境界と権利関係
一戸建ての売却では、隣地との境界(筆界、ひっかい:土地の範囲を示す公的な境界線)が確定しているかどうかが、買主の安心感と価格に影響します。境界が未確定のまま売却活動を始めると、売買契約の段階で交渉が止まることがあります。
複数の不動産会社に査定を依頼する
一戸建ての売却価格は、不動産会社によって提示額が異なります。1社だけの査定で売却価格を決めると、売却相場より低い価格で媒介契約を結んでしまう可能性があるため、複数の不動産会社の査定を比較したうえで、根拠(取引実績や周辺の成約データ)を確認する進め方が安全です。
査定額の高さだけで不動産会社を選ぶと、後から価格を下げる交渉をされるケースもあるため、根拠を確認してください。
戸建て売却でかかる税金と諸費用の目安
一戸建ての売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料や税金が差し引かれ、実際に受け取れる金額は売却価格より少なくなります。
仲介手数料の計算
仲介手数料は、売却価格が400万円を超える場合、「売却価格×3%+6万円」(消費税別)が上限として宅地建物取引業法で定められています。一戸建てを3,000万円で売却した場合、仲介手数料の上限はおおむね96万円(消費税別)です。
譲渡所得税がかかる場合
売却価格から取得費と仲介手数料などの諸費用を引いた金額(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税がかかります。譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える長期譲渡であれば税率はおおむね20%(所得税15%・住民税5%、復興特別所得税を含めるとやや上がります)、5年以下の短期譲渡であればおおむね39%です。一戸建てのマイホーム売却であれば、条件を満たすと「3,000万円の特別控除」が使え、譲渡所得が3,000万円以下であれば税額がゼロになる場合もあります。
税金や諸費用を差し引いた後、手元にどの程度の金額が残るかを示すと、次のようになります。
※一戸建てを3,000万円で売却した場合の、長期譲渡・控除適用なしの概算例です(2026年9月時点)
この例は控除を使わない前提のため、3,000万円の特別控除の条件を満たす場合は、税金の割合がさらに下がります。
3,000万円の特別控除は適用条件があるため、売却前に税務署か税理士に確認してください。
匿名査定と一括査定|一軒家の相場を知るときの選び方
一軒家の相場を知る段階と、実際に売却を進める段階では、適した調べ方が変わります。価格だけを知りたい段階では匿名査定、媒介契約を結ぶ不動産会社を探す段階では複数社に依頼する一括査定が向いています。
匿名査定は、エリアと築年数、面積といった最低限の条件だけで価格帯を示すため、営業電話を受けたくない段階に適しています。一方、一括査定は複数の不動産会社から詳細な査定額と根拠の説明を受けられる分、電話や訪問の連絡が入ります。価格だけ知りたい段階であれば匿名査定から始め、売却の意思が固まった時点で一括査定に切り替える進め方が、連絡の負担を抑えやすい方法です。
匿名査定の結果は概算であり、実際の売却価格は訪問査定を受けてから確定します。
よくある質問
一戸建ての売却相場は、築年数が古いほど下がりますか
建物の価格は築20年前後でほぼゼロに近づく一方、土地の価格はエリアの取引動向次第で大きく下がらないこともあります。立地が良ければ、建物が古くても売却相場が大きく崩れない場合があります。
匿名査定を使うと営業電話がかかってきますか
匿名査定は住所の詳細や電話番号を入力しない仕組みのため、営業電話はかかりにくい調べ方です。ただし入力項目はサービスによって異なるため、申し込み前に確認してください。
一軒家の相場を自分で調べる場合、何を見ればいいですか
国土交通省の不動産情報ライブラリで近隣の成約価格を確認し、固定資産税の納税通知書に記載された土地の評価額を0.7で割って時価の目安を出す方法が、登録なしで試せます(建物は再建築価格から経年減価を引く別方式のため、同様には逆算できません)。
戸建て売却にかかる税金はどのタイミングで発生しますか
売却した翌年の確定申告で所得税(復興特別所得税を含む)を納付し、その内容に基づき翌年度に住民税が市区町村から課税されます。マイホームの売却で3,000万円の特別控除の条件を満たせば、税額がゼロになる場合もあります。
築22年の一戸建てはリフォームしてから売るべきですか
建物の価格への上乗せは限定的なため、大規模リフォームの費用を売却価格で回収できるとは限りません。水回りの補修など小規模な手入れで印象を整える程度にとどめ、工事の前に不動産会社へ相談する進め方が無難です。
一戸建て売却の相場を正しく把握して進めるために
一戸建ての売却相場は、国土交通省の不動産情報ライブラリや固定資産税評価額から、個人情報を入力せずに調べられます。築22年を超えた一戸建てでは、建物の価格がほぼゼロに近づき、土地の価格が売却価格の大半を占めるため、境界の確認や複数社の査定比較が、売却相場より低い価格で売ってしまうことを防ぐ手がかりになります。税金や仲介手数料を差し引いた後の金額を把握してから、売却の判断に進んでください。ぜひ本記事の相場の調べ方と内訳の考え方を参考に、一戸建て売却の計画を立ててください。
出典
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
- 一般財団法人資産評価システム研究センター「全国地価マップ」
- 国税庁「路線価等の説明」
- 国税庁「譲渡所得の計算のしかた(土地や建物を譲渡したとき)」
- 国税庁「主な減価償却資産の耐用年数(建物)」
- 総務省「固定資産税における固定資産評価のしくみ」
- 国土交通省「宅地建物取引業法における媒介契約と仲介手数料の上限」
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー「長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分」
- 地方税法に基づく住民税の課税方式(確定申告内容に基づき翌年度に市区町村が課税)
