マンション買取の相場はいくら?仲介売却との価格差をわかりやすく解説
マンション買取の相場を検索すると、仲介の7割程度という情報と9割程度という情報が並んで表示され、どちらが自分の物件に当てはまるのか分からないまま時間が過ぎていきます。
マンション買取の価格は、国土交通省の不動産取引価格情報検索などで確認できる仲介売却の成約価格と比べて、7割から9割程度に収まるケースが多いとされています。価格差が生まれるのは、買取を行う不動産会社がリフォームや転売にかかる費用とリスクを見込んで価格を提示するためです。
本記事では、マンション買取相場の考え方、仲介売却との価格差が生まれる理由、そして匿名で売却相場を調べる方法を解説します(2026年9月時点の情報です)。
この記事はこんな方に向いています
- 築25年のマンションを売るか迷い、仲介より先に買取相場だけを調べておきたい48歳の方
- 営業電話を受けたくないため個人情報を渡さず、価格差の目安をスマホで確認したいという方
- 急いで現金化する必要が出た場合に備え、買取と仲介の差を事前に把握しておきたいという方
マンション買取の相場とは?仲介売却との違いを理解する
マンション買取とは、不動産会社自身が買主となってマンションを直接購入する売却方法です。仲介売却のように広告を出して個人の買主を探す必要がなく、不動産会社との合意だけで売買契約が成立します。
一方、仲介売却は不動産会社が買主を探す役目を担い、実際の売却価格は買主との交渉で決まります。インターネットの不動産取引価格情報などで確認できる「成約価格」は、この仲介売却で決まった価格を指します。
マンション買取の相場という言葉は、仲介売却の成約価格を基準に、不動産会社が提示する買取価格がその何割に当たるかという意味で使われています。買取価格そのものに独立した公的な統計はなく、仲介の成約価格との比較で語られる点を押さえておくと、相場情報を読み違えにくくなります。
買取は「不動産会社が買う」仕組みのため、提示された価格がそのまま売却価格になる点が仲介と異なります。
仲介売却とどれだけ差がある?マンション買取相場の目安
マンション買取の価格は、同じ物件を仲介売却した場合に見込める成約価格の7割から9割程度が目安とされています。地域や物件の状態によって差があり、築浅で人気エリアのマンションなら9割に近づき、築古や再建築不可といった事情がある物件は7割を下回ることもあります。
この目安をもとに、仲介で3,000万円程度の成約が見込める物件を買取で売却した場合、買取価格はおよそ2,100万円から2,700万円が目安になります。さらに売却代金からは、保有期間や譲渡益に応じた税金と、印紙税や抵当権抹消登記費用、司法書士報酬などの諸費用が差し引かれるため、手元に残る金額はこれより少なくなります。
※マンションを3,000万円で売却し、取得費が不明で概算取得費(売却価格の5%)を用いた場合の、長期譲渡・控除適用なしの概算例です(2026年9月時点)。取得費が購入時の契約書などで判明している場合は、税負担はこれより軽くなることがあります。
長期譲渡で控除を使わない場合、取得費が不明で概算取得費(売却価格の5%)を用いる最大ケースでも、譲渡益に対して課税される長期譲渡の税率は20.315%であるため、税金の負担は売却価格の2割程度が目安となりますが、購入時の契約書などで取得費が判明している場合は譲渡益が小さくなり、税負担はこれより大幅に軽くなることがあります。買取価格そのものだけでなく手元に残る金額まで見積もっておくことが大切です。
売却相場の割合は物件や地域で変わるため、複数社の提示額を比べて確認すると安心です。
買取価格が仲介売却より低くなる理由
買取価格が仲介の成約価格より低くなるのは、不動産会社が買い取ったマンションを再販するまでの費用とリスクを価格に反映させているためです。
リフォーム費用とリノベーション費用
買い取った不動産会社は、クリーニングや内装の修繕を行ってから再販するケースが多く、この工事費用があらかじめ買取価格から差し引かれます。
在庫期間の金利負担と販売リスク
買い取ったマンションは、再販先が決まるまで不動産会社の在庫になります。その間の金利負担や、想定より価格が下がるリスクも買取価格に反映されます。
一方で、買取では仲介手数料がかからない点がメリットです。仲介売却では成約価格に応じた仲介手数料を不動産会社に支払いますが、買取は不動産会社が直接買主になるため、この費用が発生しません。
買取価格には将来の販売リスクや工事費が含まれているため、低く見えても不自然ではありません。
マンション売却、買取と仲介どちらが向いている?
買取と仲介のどちらを選ぶべきかは、マンション売却を急ぐ事情があるかどうかと、価格をどこまで重視するかで変わります。
買取が向くケース
相続した空き家を早く現金化したい場合や、ローンの返済が苦しく差し押さえを避けたい場合など、スケジュールを優先したいときは買取が向いています。再建築不可や既存不適格といった訳あり物件、賃貸中で入居者がいる投資用マンションのように、仲介では買主が見つかりにくい物件も買取の対象になりやすいです。賃貸中の投資用マンションの査定については、投資用マンションの査定と相場で解説しています。
仲介が向くケース
マンション売却までに半年程度の時間をかけられ、少しでも高い価格で売りたい場合は仲介売却が向いています。駅から近く築年数が浅いマンションは、仲介でも短期間で買主が見つかりやすく、買取との価格差を受け入れる必要性も低くなります。
訳あり物件や相続で急いで現金化したい場合は、買取の検討を早めに始めると選択肢が広がります。
匿名でマンションの売却相場を調べる方法
マンション買取の相場を調べる最初の一歩として、不動産会社に個人情報を渡す前に、匿名でおおまかな価格を確認する方法があります。
国土交通省が公開する不動産取引価格情報検索や不動産情報ライブラリでは、実際に成約した取引価格を住所や築年数で絞り込んで確認できます。氏名や電話番号の入力は不要で、近隣の成約事例から自分のマンションの大まかな価格帯をつかめます。
不動産会社が提供する匿名査定サービスも、住所と築年数程度の情報だけでAIが概算価格を示す仕組みのため、営業電話を受けずに売却相場の目安を知りたい場合に向いています。一括査定との違いや使い分けは、匿名査定と一括査定の違いで解説しています。
匿名査定は目安を知る手段で、正式な売却価格は訪問査定で確定する点を覚えておきましょう。
築年数やエリアで変わるマンション買取相場の要因
築年数と構造
築年数が古いマンションほど、仲介で買主を見つけにくくなる傾向があり、その分買取との価格差が縮まることがあります。旧耐震基準で建てられた築古マンションは、仲介に出しても買い手がローンの審査で不利になりやすく、買取業者に相談が集まりやすい物件です。
エリアと駅からの距離
駅からの距離や周辺の利便性も買取価格に影響します。都心や駅近のマンションは再販の見込みが立てやすいため、買取価格が仲介の成約価格に近づきやすく、郊外や駅から離れた物件では価格差が広がる傾向があります。
築年数が古いほど仲介で買主が見つかりにくく、買取との価格差が縮まる傾向があります。
売却までの期間は?マンション買取の流れ
マンション買取は、査定から引き渡しまでを1週間から1ヶ月程度で終えられる点が特徴です。不動産会社に査定を依頼し、買取価格の提示を受けたあと、条件に合意できれば売買契約を結び、短期間で引き渡しに進みます。
一方、仲介売却は買主を探す期間が必要なため、仲介売却までに3ヶ月から6ヶ月程度かかるのが一般的です。内覧対応や価格交渉の手間がかかる一方、より高い価格での成約が期待できます。
買取は契約から引き渡しまでが早い一方、価格面でのすり合わせは入念に行いましょう。
買取を依頼する不動産会社を選ぶときの注意点
買取を依頼する不動産会社は、宅地建物取引業の免許を持っているかどうかをまず確認します。免許番号は国土交通省や都道府県のサイトで公開されており、行政処分歴がないかも併せて確認できます。
買取価格は不動産会社によって差が出やすいため、1社だけの提示額で判断せず、複数社に査定を依頼して比較することが大切です。無料で査定書を入手する方法は、東京都で不動産査定書を無料で入手する方法で解説しています。
宅地建物取引業の免許番号は国土交通省や都道府県のサイトで確認できます。
よくある質問
マンション買取の相場は、仲介売却の成約価格と比べてどの程度違いますか?
一般的に仲介売却の成約価格の7割から9割程度が目安とされています。地域や築年数、物件の状態によって差があり、訳あり物件ほど価格差が広がる傾向があります。
匿名でマンションの査定を受けると、正式な売却価格が分かりますか?
匿名査定は住所や築年数などの情報から算出するおおまかな目安で、正式な売却価格は現地を確認する訪問査定を経て確定します。まずは目安として活用してください。
マンション買取を依頼すると、仲介手数料はかかりますか?
買取は不動産会社が直接買主になるため、仲介手数料は発生しません。ただし買取価格自体が低く設定される点を踏まえて、総額で比較することが大切です。
買取と仲介の両方に査定を依頼してもよいですか?
問題ありません。同じマンションについて買取価格と仲介の想定成約価格を両方確認し、金額と売却までの期間を比べて選ぶ方法が一般的です。
築年数が古いマンションでも買取を利用できますか?
利用できます。旧耐震基準の物件や再建築不可の物件は仲介で買主を見つけにくいため、むしろ買取が検討されやすい物件です。
マンション買取相場を踏まえて売却方法を選ぶために
マンション買取の相場は、仲介売却の成約価格の7割から9割程度が目安であり、買取業者が再販までの費用とリスクを価格に反映させることで差が生まれます。早く現金化したい場合や訳あり物件には買取が向き、時間をかけて高く売りたい場合には仲介売却が向いています。まずは匿名査定や国土交通省の取引価格情報で成約価格の目安をつかみ、その後に買取と仲介それぞれの見積もりを比較する流れが現実的です。ぜひ本記事で解説したマンション買取相場の目安を参考に、ご自身の売却方針を検討してください。
出典
- 国土交通省「不動産取引価格情報検索」
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
- 国税庁「土地や建物を売ったときの税金(譲渡所得)」
- 国税庁 No.3208「長期譲渡所得の税額の計算」
- 国税庁 No.3258「取得費が分からないとき」
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
- 長谷工の仲介「確定測量とは?」
- 三井住友トラスト不動産 不動産用語集「既存不適格建築物」
