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一戸建てから一戸建てへの買い替え|住み替えの流れと注意点を解説

子どもの独立をきっかけに、今の一戸建てを売って新しい一戸建てに住み替える人は少なくありません。売却代金で住宅ローンを完済できないと、抵当権(ていとうけん)を抹消できず、買主への引き渡しが止まります。

一戸建てから一戸建てへの買い替えは、売却を先に終える「売り先行」と、購入を先に決める「買い先行」のどちらかを選び、住宅ローンの残債と自己資金の額に応じてつなぎ融資や仮住まいの要否を判断していく手続きです。

本記事では一戸建てから一戸建てへの買い替えの流れと、売り先行・買い先行の選び方、つなぎ融資や仮住まい費用などの注意点を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 子どもの独立を機に一戸建てから一戸建てへ住み替えたいが、売却と購入どちらを先に進めるべきか分からない方
  • 築20年の自宅を売って新居を購入する予定だが、つなぎ融資や仮住まいの費用負担が気になっている方
  • 初めての買い替えで査定に出すと売却を断れなくなる気がして、全体の流れを先に把握しておきたい方

一戸建てから一戸建てへの買い替えとは|売却と購入を同時に進める住み替え

一戸建てから一戸建てへの買い替えとは、今住んでいる一戸建てを売却し、その代金や住宅ローンの借り換えを使って新しい一戸建てを購入する一連の手続きを指します。マンションから一戸建てへの住み替えと違い、土地の形や接道状況、再建築の可否まで比較検討する必要があるのが特徴です。

買い替えと住み替えの違い

「買い替え」と「住み替え」はほぼ同じ意味で使われますが、買い替えは売却と購入がセットになっている取引を指すことが多く、賃貸への引っ越しも含む住み替えより範囲が狭い言葉です。本記事で扱う一戸建てから一戸建てへの買い替えは、売却と購入の両方を伴う取引として説明します。

一戸建てから一戸建てへ買い替える人が増えている理由

子どもの独立で部屋数が余る、親の近くに住み替えたい、老朽化した自宅の維持費がかさむといった理由で、一戸建てから一戸建てへ買い替える人は少なくありません。マンションへの住み替えと違い、土地を手放すか残すかという判断も加わるため、売却を先に進めるか購入を先に進めるかで検討すべき点が変わります。

一戸建て同士の買い替えは土地の条件次第で売却にかかる期間が変わるため、早めに査定だけでも受けておくと資金計画が立てやすくなります。

売り先行と買い先行|一戸建ての住み替えはどちらで進めるか

一戸建てから一戸建てへ買い替えるとき、最初に決めるのは売却と購入のどちらを先に進めるかです。住宅ローンの残債と自己資金の額によって、選べる選択肢が変わります。

売り先行で進める場合

売り先行は、今の一戸建てを売却して資金を確定させてから新居を探す進め方です。売却代金を新居の購入資金に充てられるため資金計画が立てやすく、住宅ローンが残っていても完済の見通しを立てやすい一方、売却から購入までの間に仮住まいが必要になることがあります。

買い先行で進める場合

買い先行は、新しい一戸建てを先に契約してから今の家を売却する進め方です。仮住まいを挟まずに引っ越せる利点がありますが、今の家の売却代金を新居の購入資金に充てられないため、つなぎ融資や住み替えローンで一時的に二重のローンを抱える可能性があります。

売り先行か買い先行かは住宅ローンの残債次第で選べる幅が変わり、残債が少ないほど買い先行を選びやすくなります。

査定から引き渡しまで|一戸建てから一戸建てへ買い替える流れ

一戸建てから一戸建てへの買い替えは、売却と購入の手続きが並行して進むため、流れを把握しておくと段取りを組みやすくなります。

  1. 今の一戸建ての査定を依頼し、売却相場と住宅ローンの残債を確認する
  2. 売り先行か買い先行かを決め、不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 新居の情報収集と資金計画を並行して進める
  4. 買主または売主が見つかり、売買契約を結ぶ
  5. 決済・引き渡しと抵当権の抹消・設定を行う

不動産売却と購入のどちらを先に決めても、決済日をどう合わせるかで仮住まいやつなぎ融資の要否が変わってきます。

引き渡し日をずらす交渉は買主・売主双方の事情が絡むため、早めに不動産会社へ相談しておくとスムーズです。

つなぎ融資と住み替えローン|一戸建ての買い替え資金計画

買い先行で進める場合や、売却代金だけで新居の購入資金が足りない場合は、つなぎ融資や住み替えローンの利用を検討します。

つなぎ融資の仕組み

つなぎ融資は、今の一戸建てが売れるまでの間、新居の購入資金を一時的に借りる融資です。今の家の売却代金が入った時点で一括返済するのが一般的で、売却が長引くと利息の負担が増えます。

住み替えローンの仕組み

住み替えローンは、今の家の住宅ローン残債と新居の購入資金をまとめて借りられるローンです。売却代金だけでは住宅ローンを完済できないオーバーローンの状態でも利用できる場合がありますが、新居に多くの担保余力を求められるため、審査は通常の住宅ローンより厳しくなります。

資金計画を立てる際は、仲介手数料などの一戸建て売却にかかる費用も見込んでおく必要があります。売買価格400万円を超える場合の仲介手数料の上限は「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた金額です。

一戸建ての売却価格別・仲介手数料の目安(2026年9月時点)
売却価格仲介手数料(税抜)消費税込み
2,000万円66万円72.6万円
3,000万円96万円105.6万円
4,000万円126万円138.6万円

出典:国土交通省「宅地建物取引不動産会社が宅地又は建物の売買等に関して受けることのできる報酬の額」をもとに作成

つなぎ融資や住み替えローンの利息に加えてこの仲介手数料も資金計画に組み込んでおくと、引き渡し後に資金が足りなくなる事態を避けやすくなります。

つなぎ融資は住宅ローンより金利が高めに設定されていることが多いため、借入期間が延びないよう売却活動と並行して見直してください。

仮住まいの費用と期間|一戸建てから一戸建てへの買い替えで生じる負担

売り先行で進めると、今の家の引き渡しから新居の引き渡しまでの間、仮住まいが必要になることがあります。賃貸物件の初期費用や家賃に加え、引っ越し費用が2回分かかる点も見込んでおく必要があります。

仮住まいの期間は数週間から数か月までさまざまで、新居の建築やリフォームを伴う場合はさらに長くなることがあります。買い先行であれば仮住まいを避けられますが、その分つなぎ融資や住み替えローンの負担が増えるため、どちらの負担を取るかという判断になります。

仮住まい期間が延びると家賃と引っ越し費用がかさむため、新居の引き渡し時期は余裕を持って見積もっておきましょう。

オーバーローンでも一戸建ての買い替えはできるか|住宅ローン残債の確認

一戸建てから一戸建てへの買い替えで最初に確認したいのは、今の家の住宅ローン残債と売却価格の見込みの差です。売却代金で住宅ローンを完済できないオーバーローンの状態だと、抵当権を抹消できず、買主への引き渡しが止まります。

自分の状況がどちらに当てはまるかは、次の図で確認できます。

今の一戸建ての住宅ローン残債は、売却額より少ない?
YES ↓
差額を新居の頭金に充て、売り先行で買い替えを進められる
NO ↓
オーバーローン。自己資金の上乗せか住み替えローン、任意売却を検討

残債が売却額を上回る場合は、自己資金を足して差額を埋めるか、住み替えローンの利用、または任意売却を検討することになります。

オーバーローンかどうかは、金融機関からの残高証明書と不動産会社の査定額を突き合わせて早めに確認しておくと安心です。

一戸建ての買い替えで後悔しないための不動産会社選びと査定の受け方

一戸建てから一戸建てへの買い替えを進めるうえで、最初の査定の受け方が売却スケジュール全体に影響します。

不動産の査定を依頼すると営業電話が増えることを気にして申し込みをためらう人もいますが、査定を受けただけで売却を断れなくなるわけではありません。営業電話を抑えたい場合は、不動産会社に金額だけを伝える匿名査定という方法もあり、匿名査定のデメリットと注意点で解説しています。

複数の不動産会社にまとめて査定を依頼する一括査定と、匿名査定とでは得られる情報の精度や連絡の多さが異なります。両者の違いは匿名査定と一括査定の違いで解説しています。

住み替えの理由が離婚に伴うものである場合は、財産分与のために査定書の取得方法や記載内容に注意が必要です。離婚時の査定書の取り方は離婚で不動産の査定書が必要なときの取り方で解説しています。

いずれの方法で査定を受けるにせよ、一戸建ては土地の形状や接道状況によって価格差が出やすいため、複数の根拠を比べたうえで媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶことが大切です。

査定額だけでなく、売却活動の進め方や担当者の説明が分かりやすいかどうかも不動産会社選びの判断材料にしてください。

よくある質問

一戸建てから一戸建てへの買い替えは、売却と購入のどちらから始めるべきですか?

住宅ローンの残債が少なく自己資金に余裕があれば買い先行、残債が多く資金に不安があれば売り先行を選ぶ人が多いです。どちらが向いているかは、今の家の査定額と残債を確認してから判断してください。

戸建てから戸建てへの住み替えブログなどで見かける「オーバーローン」とは何ですか?

オーバーローンとは、住宅ローンの残債が売却代金を上回っている状態を指します。この状態では抵当権を抹消できず、自己資金を足すか住み替えローン、任意売却などの方法を検討する必要があります。

仮住まいをせずに住み替える方法はありますか?

買い先行で新居の引き渡しを先に受け、その後に今の家を売却する進め方であれば仮住まいを避けられます。ただしその間はつなぎ融資や住み替えローンで一時的に二重のローンを抱える可能性があります。

一戸建ての買い替えでは譲渡所得税がかかりますか?

今の家の売却益が出た場合は譲渡所得税の対象になります。譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える長期譲渡は税率20.315%、5年以下の短期譲渡は39.63%で、居住用財産の3,000万円特別控除を使える場合は税負担が軽くなることがあります。

3,000万円特別控除は今回の売却でも使えますか?

居住用財産を売った年の前年および前々年に同じ特例を受けていないことなど、一定の条件を満たす必要があります。適用の可否は売却時点の税制によって変わるため、税務署か税理士に確認してください。

一戸建てから一戸建てへの買い替えを進めるために

一戸建てから一戸建てへの買い替えは、売却と購入の順番を決めるところから始まり、住宅ローンの残債、つなぎ融資や住み替えローン、仮住まいの費用まで、資金計画全体を見通しておく必要があります。不動産の査定を受けた段階で売却を断れなくなるわけではないため、まずは今の家の査定額と残債を確認することから始めてみてください。ぜひ本記事で解説した買い替えの流れと注意点を参考に、売り先行と買い先行のどちらが自分の資金計画に合うか判断してください。

出典

  • 国土交通省「宅地建物取引不動産会社が宅地又は建物の売買等に関して受けることのできる報酬の額」
  • 国税庁「土地や建物を売ったとき(譲渡所得)」
  • 国税庁「マイホームを売ったときの特例(3,000万円特別控除)」
  • 国税庁「土地建物を売ったときの税金(長期譲渡所得・短期譲渡所得の区分)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm)
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