SHARE:

決済・引き渡しとは?不動産売却の費用と手続き

決済・引き渡しとは?不動産売却の費用と手続き
決済・引き渡しけっさいひきわたし契約・手続き

買主から残代金を受け取り、鍵と所有権を引き渡す日のことです。多くは買主の住宅ローン実行に合わせて銀行で行い、抵当権抹消と所有権移転登記を同じ日に済ませます。

「決済・引き渡し」の日が近づくと、売主は当日何を持って行けばいいのか、銀行でどんなことをするのか分からず戸惑いがちです。

この日は、買主から残代金を受け取り、鍵と所有権を渡す、不動産の売却の最終ステップにあたります。

多くは買主の住宅ローンの実行に合わせて銀行で行われ、抵当権の抹消登記と所有権移転登記を同じ日にまとめて済ませます。

本記事では、決済・引き渡しの流れと売主が準備すべきことを解説します。

「決済・引き渡し」の意味と読み方

読み方は「けっさいひきわたし」で、売買契約書では「残代金の支払および引渡し」という条項名で記載されることが多い言葉です。

「決済」は買主から残代金を受け取ることを指し、「引き渡し」は鍵と所有権を買主に渡すことを指しますが、実務ではこの2つを同じ日にまとめて行うため、ひとつの言葉として使われています。

売買契約書に署名捺印をした日から一定の期間を空けて設定され、買主が住宅ローンの承認を得て融資の実行日が決まった時点で、決済・引き渡しの日程が確定します。

売主にとっては、この日をもって所有権が完全に買主へ移り、代金を受け取って手続きが完了する日にあたります。

決済・引き渡しはこんな場面で出てきます

担当者

来週水曜に、買主様の融資が実行されますので、決済・引き渡しの日を10月15日でいかがでしょうか。

あなた

大丈夫です。当日は銀行に行くだけでいいんでしょうか。

担当者

はい、A銀行の応接室で、司法書士と一緒に残代金の受領と登記の手続きを行います。

あなた

ローンの残高が1,200万円ほど残っているんですが、その場で返済できますか。

担当者

残代金からその場で返済に充てて、抵当権抹消登記を同時に進めますので問題ありません。

あなた

鍵はいつ、どのタイミングで渡せばいいんでしょうか。

担当者

決済が完了した直後に、鍵と設備の説明書を買主様にお渡しいただく形になりますね。

あなた

分かりました。実印や印鑑証明書も忘れずに持って行きます。

決済・引き渡しと売買契約の違い

決済・引き渡しは、売買契約とは別の日に行われる手続きです。

売買契約は買主が決まった直後に結ぶもので、手付金の受領と契約書への署名捺印が中心になります。

一方、決済・引き渡しはその後一定の期間を経て、残代金の受領と鍵・登記書類の引き渡しを行う日です。

両者の違いを整理すると、次のようになります。

売買契約と決済・引き渡しの違い

項目売買契約決済・引き渡し
行う時期買主が決まった直後契約から一定期間後、ローン実行に合わせて
やること売買契約書への署名捺印、手付金の受領残代金の受領、鍵と登記書類の引き渡し
場所不動産会社の事務所など買主の融資先の銀行が多い
関わる人売主・買主・仲介の担当者売主・買主・司法書士・銀行担当者

決済・引き渡しは不動産を売るときにどう関わるか

決済・引き渡しは、不動産の売却の中で売主が実際に代金を受け取る唯一の日です。

仲介で買主を見つけた場合も、買取で不動産会社に直接売った場合も、この日に残代金を受け取って引き渡しを完了させる点は変わりません。

決済当日は、司法書士が売主の本人確認と登記に必要な書類を確認したうえで、抵当権抹消登記と所有権移転登記の申請を行います。

売主が住宅ローンを組んでいた場合は、受け取った残代金の一部をその場で銀行に返済し、抵当権を外してから所有権を買主に移す流れになるため、ローンの残高がいくらあるかを事前に金融機関へ確認しておく必要があります。

決済が終わると同時に、固定資産税や管理費・修繕積立金についても、決済日を基準に売主・買主で分担するのが一般的です。

決済・引き渡しは、査定から始まる売却全体の最後のステップにあたり、全体の流れは「査定から引き渡しまでの7ステップ」で解説しています。

決済・引き渡しにかかる費用と手続き

決済当日、売主は登記に必要な実印・印鑑証明書・本人確認書類・不動産の権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書などを持参します。

司法書士がこれらを確認し、抵当権抹消登記と所有権移転登記の申請を行ったうえで、買主から残代金が銀行口座に振り込まれます。

仲介手数料や司法書士への報酬は、この決済のタイミングで支払うことが多く、売主が負担する諸費用もまとめて清算されます。

鍵の引き渡しと同時に、水道・電気・ガスの契約者変更や、マンションの場合は管理組合への連絡も済ませておくと、引き渡し後のトラブルを防げます。

ローンの残高が売却代金を上回るオーバーローンなど、個別の資金計画に関わる判断は、事前に金融機関や税理士に相談しておくと安心です。

決済・引き渡し当日の流れ

1
本人確認・書類確認
司法書士が売主・買主双方の本人確認書類と登記書類を確認します。
2
残代金の受領
買主の融資が実行され、残代金が売主の口座に振り込まれます。
3
登記の申請
司法書士が抵当権抹消登記と所有権移転登記をまとめて申請します。
4
鍵の引き渡し
売主から買主へ鍵と設備の説明書などを渡して完了します。

実際の順番や所要時間は、銀行や司法書士の対応によって前後することがあります。

決済・引き渡しについてよくある質問

Q 決済・引き渡しの日はどれくらい前に決まりますか。


A 買主の住宅ローンの承認が下りて融資の実行日が決まった時点で、売主・買主・不動産会社の間で日程を調整して決めます。

Q 決済・引き渡しの当日、売主はどこに行けばいいですか。


A 買主が融資を受ける銀行の応接室で行われることが多く、当日は仲介の担当者や司法書士も同席します。

Q 決済までにローンの残高が残っている場合はどうなりますか。


A 受け取った残代金の一部をその場で返済に充て、抵当権抹消登記を行ってから所有権を移転します。売却代金がローンの残高を下回るオーバーローンの場合は、事前に金融機関や司法書士に相談しておく必要があります。

Q 決済・引き渡し後に固定資産税はどう扱われますか。


A 決済日を基準に、売主と買主でその年の固定資産税を日割りで分担して清算するのが一般的です。

決済・引き渡しのまとめ

決済・引き渡しは、残代金を受け取り、鍵と所有権を買主に渡す、不動産の売却の最終段階です。

売買契約との違いや当日の流れを理解しておくことで、必要な書類の準備やローンの完済手続きをスムーズに進められます。

ローンの残高や税金の分担など個別の判断が必要な部分は、司法書士や税理士に相談しながら進めると安心です。

ぜひ本記事の内容を参考に、不動産の売却における決済・引き渡しの準備を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
あなたへのおすすめ