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筆界特定制度とは?訴訟との違いと売却時の役割

筆界特定制度とは?訴訟との違いと売却時の役割
筆界特定制度ひっかいとくていせいど法規制・土地

隣地と境界の意見が合わないときに、法務局の筆界特定登記官が本来の境界を示す制度です。裁判より短い期間と少ない費用で結論が出ます。ただし当事者を法的に拘束する力はありません。

隣地の所有者と境界の位置で意見が合わず、家や土地の売却をどう進めればいいのか困っている人がいます。

筆界特定制度を使うと、裁判よりも短い期間で法務局が筆界の位置についての判断を示してくれるため、不動産の売却の手続きを前に進めやすくなります。

本記事では、筆界特定制度の仕組みと、不動産の売却にどう関わるかを解説します。

筆界特定制度でいう「筆界」とは

「筆界」は、登記簿上の一つの土地の範囲を示す線のことで、隣接する土地の所有者どうしの話し合いだけで動かせるものではありません。

筆界特定制度は、この筆界がどこにあるかを、法務局に所属する筆界特定登記官が調査や測量の結果にもとづいて示す仕組みです。

申請できるのは、対象の土地やその隣地の所有者など、筆界について利害関係を持つ人に限られます。

筆界特定制度はこんな場面で出てきます

担当者

「お隣との境界の主張が食い違っていて、そのままでは売却の査定が進めにくいですね」

あなた

「境界標も見当たらないんですが、このまま売りに出すのは難しいんでしょうか」

担当者

「隣地の方と話し合いがまとまらないなら、法務局の筆界特定制度を使う方法がありますよ」

あなた

「裁判で決めるのと比べて、期間や費用はどれくらい違うんですか」

担当者

「裁判より短い期間と少ない費用で結論が出ますが、結果に強制力はないので注意が必要です」

あなた

「隣地の方が結果に納得しなかったら、どうなるんでしょうか」

担当者

「境界確定訴訟に進む可能性もありますが、まずは測量士さんと現地を確認しましょう」

あなた

「分かりました。境界がはっきりすれば、買主さんにも安心して見てもらえますね」

筆界特定制度と境界確定訴訟の違い

隣地との境界を確定させる方法には、裁判所に判断を求める境界確定訴訟もあります。筆界特定制度と境界確定訴訟は、申請先や結論の重みが異なります。

筆界特定制度と境界確定訴訟の違い

項目筆界特定制度境界確定訴訟
期間裁判より短い長くなりやすい
費用裁判より少ない多くなりやすい
結果の拘束力なし(判断の目安)あり(判決として確定)
申請・提起先法務局(筆界特定登記官)裁判所

不動産を売るときに筆界特定制度が関わる場面

境界標が失われている土地や、隣地の所有者と境界の主張が食い違っている土地は、売買契約の前に境界を明確にするよう不動産会社や買主側から求められることがあります。

境界があいまいなまま引き渡すと、購入後に買主と隣地の所有者の間で争いが起きるおそれがあるためです。

筆界特定制度を使うと、裁判より短い期間で筆界の位置についての専門的な判断を得られるので、売却のスケジュールを立てやすくなります。

ただし結果には法的拘束力がないため、隣地の所有者が結果に納得しない場合は、境界確定訴訟に進む可能性も残ります。

境界の位置を測量で確認する方法については「測量と筆界特定」で解説しています。

筆界特定制度の申請から結果が出るまでの流れ

筆界特定制度の申請の流れ

1
申請書の提出
法務局に、隣地の所有者の氏名や筆界の状況を記した申請書を提出します。
2
現地調査・測量
筆界特定登記官と外部の測量の専門家が現地を調査します。
3
意見の照会
隣地の所有者など、利害関係人から意見を聴取します。
4
判断・結果の通知
筆界特定登記官が筆界の位置を判断し、申請者に通知します。

手続き全体にかかる期間や費用は、土地の状況によって変わります。

筆界特定制度の結果に納得できない場合の対応

筆界特定制度で示された筆界の位置に隣地の所有者が納得しない場合、その結果は当事者を法的に拘束しないため、最終的な確定には境界確定訴訟が必要になることがあります。

売却を控えている土地で境界の争いが続くと、買主が決まっても引き渡しの時期が遅れる原因になります。

境界に関する具体的な判断は土地の状況によって変わるため、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。

筆界特定制度についてよくある質問

Q 筆界特定制度の申請は誰でもできますか


A 申請できるのは、対象の土地やその隣地の所有者など、筆界について利害関係を持つ人です。所有者本人だけでなく、賃借人など利害関係人が申請できる場合もあります。

Q 結果に納得できない場合はどうすればいいですか


A 筆界特定制度の結果には法的拘束力がないため、隣地の所有者が納得しない場合は、裁判所に境界確定訴訟を起こして最終的な判断を求めることになります。

Q 売買契約の前に必ず申請しておく必要がありますか


A 境界標があり、隣地の所有者との認識も一致している土地であれば、必ずしも申請が必要というわけではありません。境界があいまいな土地を売却する場合は、不動産会社に状況を伝えて対応を相談してください。

Q 測量と筆界特定制度はどう違いますか


A 測量は現地で境界標や距離を測って図面に示す作業で、筆界特定制度は測量の結果などをもとに筆界特定登記官が筆界の位置を判断する制度です。両者の関係は「測量と筆界特定」で解説しています。

筆界特定制度のまとめ

筆界特定制度は、隣地との境界の意見が合わないときに、法務局の筆界特定登記官が裁判より短い期間と少ない費用で筆界の位置を示す制度です。

結果に法的拘束力はないものの、境界があいまいな土地の売却の手続きを進める際の判断材料になります。

ぜひ本記事の筆界特定制度の内容を参考に、不動産の売却に向けた境界の確認を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
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