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不動産の現物分割とは?分け方の違いと売却時の扱い

不動産の現物分割とは?分け方の違いと売却時の扱い
現物分割げんぶつぶんかつ相続

土地を分筆したり、不動産と預貯金を相続人ごとに割り振ったりして、財産をそのままの形で分ける方法です。分けやすい財産がそろっていないと成立しにくくなります。

相続で実家の土地や預貯金を分けるとき、誰か一人がすべてを引き継ぐのか、それとも土地を分けて名義も分けるのか迷う場面があります。

現物分割なら、土地は長男、預貯金は次男というように、財産の形を変えないまま分けられます。

本記事では、現物分割の特徴と、不動産を売るときにどう関わってくるかを解説します。

現物分割の意味と読み方

現物分割は「げんぶつぶんかつ」と読み、遺産分割協議で相続財産を分ける方法の一つです。

相続財産をそのままの形で残し、土地であれば分筆して相続人ごとに名義を分けたり、自宅の土地は長男、預貯金は次男というように、財産の種類ごとに相続人へ割り振ったりします。

財産を売って現金に換えたり、共有名義にしたりせずに済むため、実家や土地をそのまま残したい相続人がいる場合に選ばれやすい分け方です。

ただし、分けやすい財産がそろっていないと、相続人の間で不公平感が出やすくなります。

現物分割はこんな場面で出てきます

担当者

今回は、実家の土地を分筆して、あなた様とお兄様でそれぞれ相続登記を済ませる形になりましたね。

あなた

はい、現物分割で、私が道路側の120平米、兄が奥の80平米を相続しました。

担当者

それでしたら、あなた様の持ち分は単独名義ですので、お一人の判断で売却査定を進められますよ。

あなた

奥の土地は道路に面していないみたいですが、それでも兄は売りやすいんでしょうか。

担当者

接道状況によって買主の付きやすさが変わりますので、通路部分の位置を測量図で確認してから査定額をお出ししますね。

あなた

分筆の仕方でこんなに差が出るとは思いませんでした。

現物分割と他の分け方との違い

遺産分割には、現物分割のほかにも財産の分け方がいくつかあります。同じ相続でも、不動産の名義の残り方や向いている場面が違うため、表で比べておきます。

現物分割・換価分割・代償分割・共有分割の違い

項目現物分割換価分割代償分割共有分割
分け方の考え方財産をそのままの形で分ける売却して現金を分ける一人が相続し他の相続人に代償金を払う一つの不動産を共同名義で持つ
不動産の名義分筆や種類ごとに単独名義買主に名義が移る取得した相続人の単独名義相続人全員の共有名義
向いている場面土地や預貯金など分けやすい財産がそろっている分けにくい不動産を早く現金化したい特定の相続人が自宅を継ぎたい名義を急いで決めなくてよい

現物分割は不動産を売るときにどう関わるか

現物分割で土地を分筆した場合、相続人ごとに独立した土地の名義で相続登記を済ませれば、それぞれが自分の持ち分を単独で売却できます。

共有分割のように、売るときに共有者全員の同意を取り付ける手間がかかりません。

一方で、分筆の仕方によっては道路に面していない土地や、極端に細長い土地ができてしまい、売却価格が下がったり買主が見つかりにくくなったりすることがあります。

実家を売って現金化したい相続人と、そのまま住み続けたい相続人が混在する場合は、現物分割だけでは希望をかなえにくく、換価分割や代償分割と組み合わせて検討することになります。

分け方に迷ったら、「遺産分割の4つの分け方」で全体像を確認しておくと、現物分割が向いているかどうか判断しやすくなります。

現物分割の手続きと判断の目安

現物分割を選ぶかどうかは、相続財産の構成で判断します。

相続人が3人いて、実家の土地・別荘地・預貯金がそれぞれ1つずつあるような場合は、財産を1人ずつ割り振りやすく、現物分割に向いています。

逆に主な財産が自宅の土地建物1つしかなく相続人が2人以上いる場合は、そのまま分けると評価額の差が大きくなり、代償分割や換価分割のほうが公平になりやすくなります。

土地を分筆するときは、測量や境界確認、分筆登記の手続きが必要になり、相続人全員の合意内容を遺産分割協議書にまとめたうえで相続登記を行います。

分け方や評価額の判断に迷う場合は、税理士や司法書士に相談しながら進めると安心です。

現物分割についてよくある質問

Q 現物分割と共有分割はどう違いますか?


A 現物分割は不動産を分筆したり財産の種類ごとに分けたりして、相続人ごとに単独名義にする方法です。共有分割は一つの不動産を複数の相続人が共同名義のまま持ち続ける方法で、売却するときに共有者全員の同意が必要になる点が異なります。

Q 土地が1つしかなくても現物分割はできますか?


A 土地を分筆すれば、1つの土地でも複数の相続人に分けることができます。ただし分筆の仕方によって土地の形や接道状況が変わり、評価額に差が出やすいため、代償分割と組み合わせて調整する場合もあります。

Q 現物分割で相続した土地はすぐに売却できますか?


A 相続登記を済ませて自分の名義にしていれば、単独で売却の手続きを進められます。名義変更が済んでいない状態では、不動産会社への売却査定の依頼はできても、売買契約を結ぶことはできません。

Q 現物分割にするか他の分け方にするかは誰が決めますか?


A 相続人全員が参加する遺産分割協議で話し合って決めます。合意した内容は遺産分割協議書にまとめ、相続人全員の署名と押印を残しておく必要があります。

現物分割のまとめ

現物分割は、土地の分筆や財産の種類ごとの割り振りによって、相続財産をそのままの形で分ける方法です。

相続人ごとに単独名義にできるため、共有分割のように売却のたびに全員の同意を取る手間は省けますが、分筆の仕方次第で土地の評価額や売れやすさに差が出ます。

財産の構成や相続人の希望を踏まえて、換価分割や代償分割との組み合わせも検討しながら、遺産分割の方向性を決めていくことになります。

ぜひ本記事の内容を参考に、家や土地の相続にともなう不動産の売却に向けた準備を進めてください。

記事監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川竜介

ミカタ株式会社 代表取締役
荒川 竜介
あらかわ りょうすけ
不動産業界歴10年以上宅地建物取引士
新卒で中堅デベロッパーに入社し、大手不動産仲介会社、フルコミッションの売買仲介営業と、合計4年半にわたって不動産仲介の現場に従事しました。その後、マンションリサーチ株式会社で営業責任者・サービス責任者・執行役員を務め、2018年12月にミカタ株式会社を設立

この記事を書いた人

不動産売却のカギ編集部
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