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空き家相談士とは?資格の内容と依頼するメリット・デメリットを解説

父から相続した実家を空き家のまま放置して2年が経ち、固定資産税の納付書だけが毎年届いています。放置が続けば、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく「特定空き家」に指定され、市区町村長から改善の勧告を受けてもなお改善しない場合は、固定資産税の住宅用地の特例が外れて税額が上がる可能性があります。

空き家相談士は、国や自治体が認定する資格ではなく、民間団体が運営する認定資格です。相続や空き家の管理、税金の特例といった基礎知識を学んだことを示す資格で、登記や税務の代理行為そのものはできません(2026年9月時点の情報です)。

本記事では、空き家相談士とは何かという基本と、依頼するメリット・デメリット、相続登記や3000万円特別控除の期限と合わせて解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 父を亡くして2年、地方の実家を相続したまま固定資産税だけ払い続け、専門家に相談すべきか迷っている58歳の方
  • 兄弟との分け方が未定のまま空き家を放置しており、空き家相談士に依頼するメリットを知りたい長男の方
  • 特例の期限が近づいていると知り、資格を持つ専門家に頼むべきか自分で調べるべきか判断したい方

空き家相談士とは|民間資格の内容と認定の仕組み

国家資格ではなく民間団体の認定資格

空き家相談士(あきやそうだんし)は、国家資格ではなく民間団体が運営する認定資格です。国土交通省や法務省といった公的機関が運営する資格ではなく、相続や空き家の管理に関する基礎知識を体系的に学んだ人に与えられる民間資格という位置づけです。

学べる内容と資格を持つ人の役割

空き家相談士の講座では、相続登記の基本的な流れ、空き家の管理方法、固定資産税や3000万円特別控除といった税金の仕組みなど、実家の空き家に関わる基礎知識を広く学びます。資格を持つ人は、相続や空き家の悩みを抱える人の話を聞き、必要な専門家(司法書士・税理士・不動産会社など)につなぐ窓口としての役割を担うことが多いです。ただし、登記の申請や税務相談そのものを代理する権限はありません。

民間資格という位置づけなので、資格名だけで信頼度を判断せず、学べる内容と紹介先の専門家を確認しておくと安心です。

実家の空き家を放置するリスクと固定資産税の負担

実家を空き家のまま放置すると、建物の老朽化が進み、庭の草木や外壁の劣化が周辺住民との間のトラブルの原因になることがあります。空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定された後、市区町村長の改善勧告を受けてもなお改善しない場合は、翌年度から固定資産税の住宅用地の特例が外れ、税額が従来の最大6倍程度まで上がる可能性があります。2年間、固定資産税だけを払い続けている状態は、建物の劣化と税負担の両方が進んでいる状態と言えます。

特定空き家に指定されるかどうかは自治体の判断なので、気になる場合は早めに自治体の空き家担当窓口に確認してください。

実家の整理に空き家相談士を使うメリット

空き家相談士に相談する最大のメリットは、相続登記の期限や3000万円特別控除の適用条件など、複数の制度を一度に整理できる点です。相続登記、空き家の管理方法、兄弟間の分け方、税金の特例という複数の論点を同時に抱えている場合、どの専門家に何を聞けばいいか分からなくなりがちです。空き家相談士は窓口として話を聞き、必要に応じて司法書士や税理士、不動産会社を紹介してくれるため、最初の相談先として利用しやすいという面があります。

空き家の売却相場をまず知りたい場合は、不動産会社への連絡方法を選ぶ段階で迷うことも多いです。匿名査定と一括査定の違いで解説しています。

複数の論点を同時に抱えているときほど、最初の相談先を1つに絞らず窓口として使うメリットが大きくなります。

知っておきたい空き家相談士のデメリットと注意点

空き家相談士には、登記の申請や税務相談を代理する権限がありません。相続登記は司法書士、税務相談は税理士の独占業務であり、空き家相談士が代わりに手続きを行うことはできません。また、資格の認定団体は複数あり、学べる内容や信頼性には団体ごとに差があります。相談そのものに料金がかかる場合もあるため、依頼前に相談内容と料金の範囲を確認しておくと安心です。

登記や税務の最終判断は、必ず司法書士や税理士など独占業務を持つ専門家に確認してください。

兄弟間で実家をどう分ける?相続登記と共有のリスク

実家を兄弟で相続する場合、分け方が決まらないまま共有名義にしてしまうと、将来の売却や管理の判断がさらに難しくなります。代表的な分け方として、代償分割と換価分割の2つがあります。あわせて、相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記をしないと10万円以下の過料(かりょう)が科される可能性があります。

代償分割(だいしょうぶんかつ)という方法

代償分割は、実家を相続する人を1人に決め、その人が他の兄弟に代償金を支払う方法です。実家に住み続ける人がいる場合や、空き家のまま管理を1人に任せたい場合に選ばれます。

換価分割(かんかぶんかつ)という方法

換価分割は、実家を売却して得た代金を兄弟で分ける方法です。実家に住む予定がなく、空き家のまま維持するコストを避けたい場合に選ばれることが多い方法です。

相続登記の義務化は過去に相続した実家にもさかのぼって適用されるので、放置している場合は期限を確認してください。

空き家の売却で使える3000万円特別控除と期限

空き家を売却する場合、一定の条件を満たすと譲渡所得から3000万円を差し引ける特例があります。2026年9月時点では、2027年12月31日までの譲渡が対象で、2023年度の税制改正で適用期限が延長されました。

空き家の3000万円特別控除の主な条件
項目内容
対象となる建物昭和56年5月31日以前に建築された家屋
譲渡期限相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(2027年12月31日までの譲渡が対象)
譲渡価格1億円以下
建物の状態耐震基準を満たす改修をするか、解体して土地のみ譲渡

出典:国税庁「空き家に係る譲渡所得の3000万円特別控除」(2026年9月時点)をもとに作成

空き家を売却する場合、仲介で売るか不動産会社に買取してもらうかで、売却までの期間や価格が変わります。仲介と買取の違いやメリット・デメリットで解説しています。

特例の適用条件は細かく決められているので、売却前に税理士か国税庁の窓口で最新の条件を確認してください。

兄弟との分け方や税金の特例の期限など、自分だけでは判断がつかない論点が残っているかどうかは、相談先を決める前に確認しておきたいポイントです。

兄弟との分け方や特例の期限など、自分だけでは判断がつかない点がある?
YES ↓
空き家相談士や司法書士・税理士への相談を検討
NO ↓
情報を集めながら自分たちで進められる可能性がある

このチャートは、相談先を決める前の目安として使うものであり、迷う論点が複数ある場合は窓口への相談を検討する手がかりになります。

相談から専門家紹介までの流れ|空き家相談士に依頼する際の注意点

相談の流れとして、まず空き家相談士の窓口に連絡し、実家の状況や兄弟との分け方、特例の期限などをヒアリングしてもらいます。その後、必要に応じて司法書士や税理士、不動産会社への紹介を受けるという流れが一般的です。相談にかかる料金の設定は認定団体によって幅があり、無料相談を設けている窓口もあれば、有料相談のみの窓口もあります。依頼前に、相談内容と料金の範囲を確認しておくと安心です。

営業電話を避けて売却相場だけ先に知りたい場合は、匿名査定の仕組みと注意点も確認しておくと、不動産会社への連絡方法を選びやすくなります。匿名査定のデメリットと注意点で解説しています。

依頼する前に、相談で何が解決でき、どこから専門家への紹介に切り替わるのかを窓口に確認しておくと、話がスムーズに進みます。

よくある質問

空き家相談士とはどんな資格ですか?

空き家相談士は、国や自治体が認定する資格ではなく、民間団体が運営する認定資格です。相続や空き家の管理、税金の特例など基礎知識を学んだことを示す資格で、登記や税務の代理行為はできません。

空き家相談士に相談すると登記や税金の手続きも代わりにしてもらえますか?

できません。相続登記の申請は司法書士、税務相談や申告は税理士の独占業務であり、空き家相談士はそれぞれの専門家を紹介する窓口としての役割が中心です。

兄弟で実家の分け方が決まらない場合、空き家相談士に相談すれば解決しますか?

分け方の最終判断や法的な調整は、弁護士や司法書士に相談する必要があります。空き家相談士は、代償分割や換価分割といった選択肢を整理し、必要な専門家につなぐ役割を担います。

空き家の3000万円特別控除はいつまで使えますか?

2026年9月時点では、2027年12月31日までの譲渡が対象です。相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡する必要があるため、早めに税理士へ確認することをおすすめします。

空き家相談士に相談するのにどのくらいの料金がかかりますか?

相談にかかる料金は認定団体によって幅があり、無料相談を設けている窓口もあれば、有料相談のみの窓口もあります。依頼前に料金の範囲を確認しておくと安心です。

空き家相談士とは?依頼を検討する前に押さえておきたいポイント

空き家相談士とは、国家資格ではなく民間団体が運営する認定資格で、相続登記や3000万円特別控除、固定資産税の負担といった複数の論点を整理する窓口として使える一方、登記や税務の代理行為はできません。兄弟との分け方や特例の期限など、自分たちだけで判断しきれない点がある場合は、空き家相談士を最初の相談先にしつつ、必要な専門家に早めにつなぐことが実家の負担を減らす近道になります。ぜひ本記事の内容を参考に、空き家相談士への相談も含めて実家の今後を検討してください。

出典

  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」
  • 総務省「固定資産税における住宅用地に対する特例措置」
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • 国税庁「空き家に係る譲渡所得の3000万円特別控除」
  • 国税庁(福岡国税局)「被相続人の居住用財産(空き家)を売却したときの特例」措置法35条③
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