SHARE:

管理費・修繕積立金の相場と売却時への影響を解説

築18年のマンションに住んでいると、総会資料に記載された修繕積立金の金額が3年前より数千円上がっていることに気づきます。毎月の管理費と合わせた引き落とし額は年々重くなり、通帳の残高だけが減っていきます。

国土交通省の「マンション総合調査」によると、管理費と修繕積立金を合わせた月額は全国平均で2万円台前半が目安とされ、築年数の経過に合わせて修繕積立金が段階的に上がる仕組みになっています。マンション売却時には、この金額が近隣相場より高いか低いかが買主の購入判断に影響し、修繕積立金の滞納があれば買主にそのまま引き継がれます(2026年9月時点)。

本記事では、管理費・修繕積立金の売却相場と、それがマンション売却価格に与える影響、営業電話なしで費用感を確認する方法を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 管理費と修繕積立金が年々上がっていることに気づき、売却時にどれくらい価格へ影響するのか知りたい方
  • 築18年のマンションに住み続けるか売るか迷い、まず相場としての費用感だけをスマホで調べたい48歳の方
  • 営業電話を避けながら、自分の物件の管理費が近隣相場より高いのか低いのかを確認したいと考えている方

マンションの管理費・修繕積立金の売却相場はいくら?【2026年9月時点】

国土交通省が実施している「マンション総合調査」では、管理費と修繕積立金の平均額が公表されています。管理費は専有面積や築年数で幅がありますが、月額1万円前後が一つの目安です。修繕積立金は築年数が浅いうちは月1万円程度でも、築20年を超えると1万5千円〜2万円程度まで上がる事例が珍しくありません。両方を合わせた月額は、専有面積70㎡程度のマンションで2万円台前半になる例が多く、管理費・修繕積立金の売却相場として参考にされています。

ただし、この金額はあくまで全国平均の目安で、立地やマンションの規模、エレベーターの有無、共用施設の充実度によって大きく変わります。超高層のタワーマンションでは、エレベーターの保守費用や共用施設の維持費がかさみ、管理費だけで月2万円を超えるケースもあります。ご自身のマンションの管理費・修繕積立金が売却相場より高いのか低いのかを知るには、同じエリアの類似物件と比較する必要があります。

管理費・修繕積立金の売却相場は立地や規模で大きく変わるので、全国平均だけで高い・安いを判断しないよう注意してください。

分譲マンションの築年数別にみる修繕積立金の売却相場と値上がりの仕組み

築浅〜築10年の修繕積立金の売却相場

新築から築10年程度までは、大規模修繕の実績が少なく、修繕積立金は月1万円前後に抑えられている管理組合が多く見られます。分譲時の販売価格を抑えるため、当初の修繕積立金をあえて低く設定しているマンションもあり、この時期だけを見て管理費・修繕積立金の売却相場を判断すると、将来の値上がりを見落とします。

築20年以降に上がる段階増額積立方式の仕組み

国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、積立方式として、将来の値上がりをあらかじめ織り込む「段階増額積立方式」と、毎月の負担を一定に保つ「均等積立方式」の2種類が紹介されています。国交省の調査では均等積立方式が41.4%、段階増額積立方式が43.4%とほぼ拮抗しており、段階増額積立方式を採用する管理組合がやや多い程度ですが、採用している管理組合では、築15年、20年といった節目で総会の議決を経て修繕積立金が引き上げられます。築30年を超えたマンションでは、当初の見積もりより工事費が膨らみ、積立金だけでは大規模修繕の費用を賄えず、一時金の徴収や金融機関からの借入が必要になるケースも報告されています。

段階増額積立方式のマンションは、今の金額だけでなく今後の値上げ計画も長期修繕計画書で確認しておくと安心です。

管理費・修繕積立金はマンション売却価格にどう影響するか

売却相場より高い場合の影響

管理費・修繕積立金が近隣の売却相場より明らかに高いマンションは、買主にとって毎月の固定費として重くのしかかり、住宅ローンの返済額と合わせた総支払い負担が増えます。不動産会社が重要事項説明の際にこの金額を比較検討材料として提示するため、売却相場より高い物件は、同じ立地・築年数の他物件と比べて値引き交渉の対象になりやすくなります。

滞納がある場合の影響

修繕積立金や管理費に滞納があるマンションは、売却後も滞納分が新しい所有者に引き継がれる決まりになっています。区分所有法上、滞納債務は専有部分の特定承継人、つまり買主に承継されるためです。不動産会社は重要事項調査報告書を管理会社に発行してもらい、滞納の有無や金額を重要事項説明で開示する義務を負います。売主自身が売却前に滞納を精算しておかないと、買主との価格交渉が難航する可能性があります。

毎月の管理費・修繕積立金がどのような内訳で構成されているかを示すと、次のようになります。

管理費 約45%
修繕積立金 約45%
その他

※月額2万5千円前後のマンションにおける内訳の一例(2026年9月時点)

修繕積立金の割合が管理費を上回るマンションほど、将来の大規模修繕への備えが進んでいると見られます。

売却相場より高い・滞納があるといった事情は、査定の段階で不動産会社に正直に伝えておくと交渉がスムーズです。

匿名査定でマンション管理費・修繕積立金の売却相場を調べる方法

自分のマンションの管理費・修繕積立金が売却相場と比べて高いのか低いのかを、営業電話を受けずに確認したい場合、匿名査定というサービスを利用する方法があります。匿名査定は、住所の詳細や氏名、電話番号を入力せずに、おおよその取引価格の売却相場を調べられる仕組みです。個人情報を渡さずに相場観だけをつかみたい段階では、一括査定よりも匿名査定が向いています。一括査定と匿名査定の違いは匿名査定と一括査定の違いで解説しています。

公的なデータとしては、国土交通省が公開している不動産取引価格情報や、レインズが提供する成約事例の統計も参考になります。ただし、これらのデータは個別のマンションの管理費・修繕積立金までは反映していないため、実際の売却価格を知るには、不動産会社による査定を併用する必要があります。東京都内のマンションで無料の査定書を入手する方法は東京都で不動産査定書を無料で入手する方法で、埼玉県内のマンションについては埼玉県で不動産査定書を無料で入手する方法で解説しています。

匿名査定は申し込んだその場で営業電話がかかってこない設計のサービスを選ぶと、通勤中でも気軽に試せます。

売却前に確認したい修繕積立金の一時金と大規模修繕のリスク

マンションを売るかどうかまだ決めていない段階でも、管理組合が保管している長期修繕計画書と、直近の総会議事録には目を通しておくと判断材料になります。長期修繕計画書には、今後30年程度の大規模修繕の予定と、それに必要な修繕積立金の見込み額が記載されています。

築30年前後のマンションでは、外壁や給排水管の大規模修繕にあわせて、一時金の徴収や修繕積立金の大幅な増額が議案にあがることがあります。一時金の徴収が決まった直後にマンションを売ると、買主側に心理的な抵抗が生まれ、売却価格の交渉で不利になる可能性があります。逆に、大規模修繕を終えたばかりのタイミングは、当面大きな負担が発生しにくいとして、買主に好まれる傾向があります。

大規模修繕の直後か直前かで買主の印象が変わるため、売却のタイミングは管理組合の工事予定も合わせて確認してください。

見直しで変わる管理費・修繕積立金とマンション売却への備え

管理費・修繕積立金が近隣相場より高いマンションでは、管理組合として管理会社の見直しや、第三者管理方式への移行を検討することで、毎月の負担を下げられる場合があります。複数の管理会社から管理委託費の見積もりを取り直し、清掃や設備点検の内容を見直すだけで、管理費が下がった事例も報告されています。

ただし、管理費・修繕積立金を安易に引き下げると、将来の修繕に必要な資金が不足し、かえって資産価値を下げる結果にもなりかねません。マンション売却を具体的に考え始めたら、管理費・修繕積立金の金額そのものよりも、長期修繕計画との整合性が取れているかどうかを不動産会社に確認してもらうことが、適正な売却価格を見積もるうえで欠かせません。

管理費・修繕積立金の引き下げは、長期修繕計画とのバランスを崩さない範囲で検討することが大切です。

よくある質問

管理費と修繕積立金はどちらが高くなりやすいですか?

築年数が浅いうちは管理費のほうが高いマンションが多く見られますが、築20年を超えると段階増額積立方式により修繕積立金が管理費を上回る例も増えてきます。

管理費・修繕積立金の滞納があるとマンションは売却できませんか?

売却自体はできますが、滞納分は買主に引き継がれるため、売却前に精算するか、売買契約で負担方法を取り決めておく必要があります。

修繕積立金が売却相場より高いマンションは売却価格が下がりますか?

必ず下がるわけではありませんが、買主の総支払い負担が増えるため、同じ条件の物件と比べて値引き交渉の材料にされやすくなります。

自分のマンションの管理費・修繕積立金が売却相場と比べて高いか調べる方法はありますか?

匿名査定を利用して近隣の取引価格の売却相場を確認したうえで、管理組合の総会資料にある管理費・修繕積立金の金額と見比べる方法があります。

大規模修繕の直後と直前では、どちらのタイミングで売る方が有利ですか?

一般的には大規模修繕を終えた直後のほうが、当面の工事負担が少ないとして買主に好まれる傾向があります。

マンションの管理費・修繕積立金相場を踏まえた売却準備のまとめ

管理費・修繕積立金の売却相場は全国平均で月2万円台前半が目安ですが、立地や築年数、管理組合の運営方針によって大きく変わります。売却相場より高い場合や滞納がある場合は、マンション売却価格の交渉に直接影響するため、長期修繕計画書や総会議事録を早めに確認しておくことが大切です。ぜひ本記事の管理費・修繕積立金の売却相場を参考に、営業電話を避けながら匿名査定でご自身のマンションの相場観を確認してください。

出典

  • 国土交通省「マンション総合調査」
  • 国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
  • マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号)
  • e-Gov法令検索「建物の区分所有等に関する法律」
あなたへのおすすめ