SHARE:

実家じまいの費用相場はいくら?内訳と安く抑える方法を徹底解説

実家の片付けを依頼した遺品整理不動産会社の見積書は10万円を超えることが多く、解体工事の請求書は200万円近くになる場合もあります。不動産会社から届く売却の精算書まで含めると、実家じまいを進めるほど支払いの通知だけが次々と重なって届きます。

実家じまいにかかる費用は、家財整理・遺品整理が10万〜40万円程度、木造住宅の解体費用が150万〜200万円程度が目安で、売却時の仲介手数料は、宅地建物取引業法により売却価格が400万円を超える場合は「売却価格×3%+6万円(税別)」が上限と定められていますが、400万円以下の場合は計算式が異なり、800万円以下の低廉な空家等については上限30万円(税別)とする特例もあります。空き家の3000万円特別控除など、譲渡所得税の負担を抑えられる制度もあります。

本記事では、実家じまい費用の内訳と売却相場、税金の仕組み、費用を安く抑える方法を解説します(2026年9月時点)。

この記事はこんな方に向いています

  • 実家を手放す決断をした50歳で、荷物整理から解体・売却までにかかる費用の全体像が分からず不安な方
  • 確定申告を控え、実家じまいにかかる総費用を抑える方法があるのか事前に把握しておきたい方
  • 遺品整理業者や解体業者への支払いが重なり、手元資金がどこまで削られるのか心配している方

実家じまい費用の売却相場|家の片付けから売却までの総額目安

実家じまいは、家財整理・解体工事・不動産売却という複数の工程が重なり、それぞれに費用が発生します。延床30坪程度の木造住宅を例にすると、家財整理・遺品整理、解体工事、売却に関わる仲介手数料や登記費用まで含めた総額は、おおよそ200万〜450万円程度になる場合があります。ただし古家付きのまま売却できれば、解体費用そのものが不要になることもあります。

家財整理・解体・売却でかかる費用の内訳

実家じまいにかかる費用の内訳と目安
費用項目金額の目安
家財整理・遺品整理10万〜40万円
解体工事(木造30坪想定)150万〜200万円
解体工事(RC造30坪想定)250万〜350万円
仲介手数料(売却時)売却価格×3%+6万円(税別)
測量・登記費用5万〜30万円程度

出典:国土交通省資料・宅地建物取引業法をもとに作成(2026年9月時点)

この中で解体工事費用が占める割合が最も大きく、建物の構造や立地によって数十万円単位で変動します。

総額が変わる3つの要因

実家じまい費用の総額は、建物の構造が木造かRC造か、重機が入れる道幅があるかという立地条件、残置物の量という3つの要因で大きく変わります。前面道路が狭く重機が使えない場合は手作業中心の解体になり、解体費用が数十万円上乗せされることもあります。相続した実家の価格をまず知りたい方は、家族に知られず実家の価格を調べる方法で解説しています。

総額は家の規模や立地で大きく変わるので、まずは複数不動産会社の見積もりを比べてみましょう。

実家の片付け費用はいくら?家財整理・遺品整理の内訳

実家の片付け費用は、部屋数と荷物の量によって大きく変わります。一般的な目安として、1K〜1DKなら3万〜8万円程度、2LDK〜3LDKなら10万〜30万円程度、4LDK以上や荷物が多い住宅では30万〜50万円程度になることがあります。

片付け費用を左右するポイント

実家の片付け費用は、仕分け作業の有無、買取可能な家具・家電の量、搬出経路(エレベーターの有無や前面道路の広さ)によって上下します。買取可能な品物が多ければ、遺品整理不動産会社の見積額から差し引いてもらえる場合もあります。

自分で片付ける場合とプロに依頼する場合の違い

自分で片付ける場合は費用を抑えられますが、大量の荷物を運び出す体力や時間、分別回収の手間がかかります。遺品整理不動産会社すれば1〜2日で完了しますが、作業員の人数や特殊清掃の有無によって費用が上乗せされます。

買取可能な家具・家電があれば、遺品整理費用から差し引いてもらえる場合があります。

解体費用はどれくらいかかる?木造・RC造と土地の条件

解体費用は建物の構造によって大きく変わります。木造住宅(延床30坪程度)の解体費用は150万〜200万円程度、RC造(鉄筋コンクリート造)になると250万〜350万円程度が目安です。

立地条件も費用に影響します。前面道路が狭く重機が入れない場合は手作業中心の解体になり、費用が数十万円上乗せされることがあります。また、解体・改修工事を行う場合は、建築年に関わらず石綿(アスベスト)の有無についての事前調査が義務付けられており(2006年以前の建物は石綿含有の可能性が高いため特に注意が必要です)、調査費や処理費が別途かかる場合もあります。

アスベスト調査が必要な建物は、解体費用に調査費が別途加算される点に注意してください。

譲渡所得税と特例控除|実家じまいにかかる税金の仕組み

実家じまいで実家を売却すると、売却益に対して譲渡所得税がかかります。所有期間や使った特例控除によって、税負担は大きく変わります。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して課税されます。譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下の短期譲渡では税率39.63%、5年を超える長期譲渡では税率20.315%が適用されます。

使える特例控除

相続した空き家を売却する場合、一定の条件を満たせば「空き家の3000万円特別控除」が使えます。自分が住んでいた家を売却する場合は「マイホームの3000万円特別控除」が利用できる場合もあります。いずれも確定申告での適用申請が必要で、適用には期限や条件があるため、最新の情報は税務署や税理士に確認してください。

例えば実家を3000万円で売却し、長期譲渡に該当し、特例控除を適用しない場合の手取りイメージは次のようになります。

手元に残る 約75%
税金
諸費用

※実家を3000万円で売却し、長期譲渡・特例控除を適用しない場合の概算例(2026年9月時点)

税金と諸費用を合わせると売却価格の2割前後が差し引かれ、特例控除を使えば税金部分の多くがゼロに近づく場合もあります。不動産売却にかかる税金と費用の全体像は、不動産売却にかかる税金と費用の全体像で解説しています。

特例控除は申告しないと適用されません。適用条件は税務署か税理士に確認しましょう。

確定申告の流れと必要書類|実家じまい後の手続き

実家じまいで不動産を売却した翌年は、確定申告が必要になる場合があります。申告期間は売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。

  • 売買契約書の写し
  • 登記事項証明書
  • 譲渡費用(仲介手数料・解体費用など)の支払いを証明する書類
  • 取得費が分かる資料(購入時の契約書など)

これらの書類が揃わないと、特例控除の適用を証明できず、譲渡所得税の負担が大きくなる可能性があります。早めに整理しておくと申告がスムーズに進みます。

確定申告の期限は翌年3月15日までです。書類不足で遅れないよう早めに準備しましょう。

費用を抑える5つの工夫|実家じまいで使える節約術

実家じまい費用は、次のような工夫で抑えられる場合があります。

  • 家財整理の一部は自分で行い、買取可能な品物を査定に出して処分費用を減らす
  • 遺品整理不動産会社・解体業者ともに3社以上から相見積もりを取る
  • 解体せず「古家付き土地」として不動産会社に売却を相談する
  • 自治体の空き家解体補助金や除却助成制度の有無を確認する
  • 仲介手数料や解体費用などの譲渡費用を漏れなく確定申告に計上する

特に相見積もりは、同じ内容の作業でも不動産会社によって数十万円の差が出ることがあり、効果が大きい工夫です。

相見積もりだけで数十万円の差が出ることもあります。最低2〜3社は比較しましょう。

依頼先の選び方|遺品整理不動産会社・解体業者・不動産会社

実家じまいでは、遺品整理不動産会社、解体業者、不動産会社という3つの依頼先を選ぶ場面があります。遺品整理不動産会社ぶ際は、一般廃棄物収集運搬許可や古物商許可を持っているかを確認します。解体業者は、建設業許可や解体工事業の登録状況を契約前に確認すると安心です。

不動産会社を選ぶ際は、宅地建物取引業の免許番号と行政処分歴の有無を確認し、実家の売却実績が豊富な会社を選ぶと交渉がスムーズに進みやすくなります。兄弟で実家を相続した場合は、売却後の分配方法でトラブルになりやすいため、兄弟で相続した実家を売却してお金を分ける方法で解説しています。

解体業者は建設業許可や解体工事業登録の有無を契約前に確認しておくと安心です。

よくある質問

実家じまいの費用は誰が負担するのですか?

相続人全員で実家を相続した場合、費用は相続財産から支出するか、相続人間で話し合って分担するのが一般的です。費用を立て替えた場合は、記録を残しておくと後のトラブルを防げます。

実家じまい費用をローンで払う方法はありますか?

自治体によっては空き家解体に対する補助金制度や、民間金融機関が提供する解体ローンが利用できる場合があります。利用できる制度は自治体ごとに異なるため、物件がある自治体の窓口に確認してください。

解体せずに売却することはできますか?

古家付きの土地として不動産会社に売却を相談できます。建物の状態によっては、買主が解体を前提に購入する「古家付き土地」として売却できる場合があり、解体費用を抑えられます。

実家じまい費用は相続税の申告で控除できますか?

実家じまいに関わる家財整理費用や解体費用は、相続税の債務控除の対象にはなりません。一方、不動産売却時の譲渡所得税を計算する際には、仲介手数料や解体費用の一部を「譲渡費用」として差し引けます。

兄弟で費用を分担する際、トラブルを避ける方法はありますか?

事前に費用の分担割合と立て替え方法を文書で合意しておくと安心です。売却後の分配方法まで含めて話し合っておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。

実家じまい費用の売却相場を踏まえて計画的に進めるために

実家じまい費用は、家財整理・遺品整理が10万〜40万円程度、解体費用が150万〜350万円程度、売却時の仲介手数料は売却価格×3%+6万円(税別)が目安で、総額は数百万円規模になることもあります。空き家の3000万円特別控除などの税制を使えば、譲渡所得税の負担を抑えられる場合もあります。ぜひ本記事の実家じまい費用の内訳や安く抑える方法を参考に、計画的に準備を進めてください。

出典

  • 国税庁「No.3203 不動産を売ったときの税金(分離課税)」
  • 国税庁「No.3208 長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分」
  • 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
  • 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」
  • 国土交通省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることのできる報酬の額」(令和6年7月施行)
  • e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
  • 環境省「大気汚染防止法の規制対象となる石綿事前調査」
あなたへのおすすめ