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家を売るか貸すか迷ったら?判断基準と比較

離婚を機に家の処分を迫られても、住宅ローンが残っている場合、賃貸に出すには金融機関の承諾が必要です。住宅ローンは居住を前提にした融資であり、無断で賃貸に出すと契約違反とみなされ、残債の一括返済を求められる可能性があります。

家を売るか貸すか迷ったときの判断基準は、ローンの残債額と売却価格の見込みの差、賃貸経営にかかる手間とリスク、そして3,000万円特別控除などの税制上の優遇を使えるかどうかです。

本記事では、家の売却と賃貸それぞれのメリット・デメリット、判断基準の比較方法、そして周囲に知られずに進める具体的な手順を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 離婚をきっかけに家を手放すか賃貸に出すか決めきれず、周囲に知られずに判断基準を探している42歳の方
  • ローン残債が残る家を売るか貸すか迷い、時間の切迫の中で精神的な余裕がないまま比較検討している方
  • 売れない可能性を考えて賃貸も視野に入れているが、人に言いにくい事情のため一人で情報を集めている方

家を売るか貸すか迷ったときに確認したい3つの条件

家を売るか貸すか迷ったときは、まず3つの条件を確認します。1つめは住宅ローンの残債額と売却価格の見込みの差です。残債が売却価格を上回るオーバーローンの状態では、自己資金を足さない限り売却が難しくなります。2つめは家の立地や築年数から見た賃貸需要の有無で、駅からの距離や周辺の家賃相場によって空室リスクが変わります。3つめは固定資産税や修繕費など、保有し続けるコストに耐えられるかどうかです。離婚や転勤などで家を離れる事情があっても、この3条件を数字で確認すれば、感情に左右されずに判断できます。

まずはローンの残債と売却価格の見込みを不動産会社に確認することから始めましょう。

ローンが残る家を貸すときに必要な金融機関への確認

住宅ローンは、契約者が自ら住むことを条件にした融資です。賃貸に出す場合は、金融機関への事前の申告と承諾が必要になります。無断で人に貸すと契約違反とみなされ、残債の一括返済を求められる可能性があるため、まず借入先の金融機関に相談してください。賃貸に出すことを前提に借り換える場合は、アパートローンなど賃貸用の融資へ切り替えを求められるケースもあります。ローンが残る家の扱いに迷ったときの注意点は、ローン中の家を売却する方法と注意点でも解説しています。

金融機関への相談を後回しにすると、賃貸開始後に契約違反を指摘される恐れがあるので早めに動いてください。

家を売却するメリットとデメリット

家を売却する場合には、資金面と手間の両方でメリットとデメリットがあります。

家を売却するメリット

家を売却すると、住宅ローンの残債をまとまった売却代金で一括返済でき、以降の管理の手間や固定資産税の負担がなくなります。マイホームを売った場合は、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があり、売った年の前年および前々年に同じ特例を受けていなければ適用できます。離婚に伴う財産分与として売却代金を分ける場合も、名義と権利関係を一度に整理できる点が利点です。

家を売却するデメリット

家を売却するときは、売買価格が400万円を超える場合、仲介手数料として売買価格×3%+6万円に消費税を加えた金額が上限として発生します(400万円以下の場合は異なる計算式が適用されます)。査定から引き渡しまで3〜6ヶ月ほどかかることが多く、内覧の対応で近隣や知人に事情を知られる可能性も残ります。不動産売却全体の流れや費用は、不動産売却の完全ガイドで解説しています。

仲介手数料と譲渡所得税の両方を見込んだうえで、手元に残る金額を事前に試算しておきましょう。

家を貸すメリットとデメリット

家を貸す場合は、所有権を手放さずに済む代わりに、別の負担が発生します。

家を貸すメリット

家を貸すと、所有権を維持したまま家賃収入を得られ、将来状況が変わったときに自分で住み直す選択肢も残ります。すぐに売却先が見つからない家でも、賃貸であれば入居者の需要次第で収入を確保できます。

家を貸すデメリット

家を貸す場合、空室の期間は家賃収入が入らないまま固定資産税や修繕費の負担だけが続きます。入居者がいる状態の家は買主が限定されやすく、売却したいときにすぐ買い手が見つからないこともあります。賃貸収入は不動産所得として確定申告が必要になる点にも注意してください。

空室が続く場合の収支を事前にシミュレーションし、赤字が続いても耐えられるか確認しておきましょう。

家を売るか貸すかの判断基準をどう比較するか

家を売る場合と貸す場合では、資金化の早さと続くリスクの性質が異なります。次の比較で、自分の状況に近いほうを確認してください。

売却
  • まとまった資金化ができる
  • 住宅ローンを一括返済できる
  • 仲介手数料と譲渡所得税がかかる
賃貸
  • 家賃収入を得ながら所有を続けられる
  • 空室や修繕費のリスクがある
  • 賃貸中は売却しづらくなる

資金をまとめて動かしたいなら家の売却、所有権を残しながら収入を得たいなら賃貸が向いています。

ローンの残債が少なく、転勤や離婚で確実に家を離れる場合は、売却で関係を清算するほうが管理の手間を抱えずに済みます。反対に、将来戻る可能性があり、立地的に賃貸需要が見込める場合は、貸しながら様子を見る選択肢も検討できます。

迷ったときは、売却と賃貸の両方で査定や家賃相場を調べ、数字で比較してから決めましょう。

離婚に伴う家の売却を周囲に知られずに進める方法

離婚を理由に家を売却する場合、近隣や職場に事情を知られたくないという相談は少なくありません。不動産会社に査定を依頼する際は、複数社へ一斉に情報が渡る方法ではなく、個別に相談できる方法を選ぶと、営業電話や訪問のタイミングを自分でコントロールしやすくなります。匿名で売却相場を調べる方法と一括で複数社に依頼する方法の違いは、匿名査定と一括査定の違いで解説しています。内覧の日程を平日の日中に限定する、表札や郵便受けの情報を事前に整理するといった対応も、周囲への情報漏れを防ぐ手段になります。

内覧対応の時間帯は不動産会社と相談して決められるので、知られたくない事情は遠慮なく伝えてください。

空き家のまま放置するリスクと固定資産税

売るか貸すかを決めきれないまま家を放置すると、固定資産税の負担だけが続きます。市区町村長から「特定空家等」として勧告を受けると、住宅用地に適用されていた固定資産税の軽減特例が外れ、税額が上がります。ローンの支払いが滞ったまま放置すると、最終的に金融機関が競売を申し立てる可能性もあります。競売の流れとデメリットは、不動産の競売とは?流れとデメリットで解説しています。

判断を先延ばしにするほど税負担やローン滞納のリスクが増えるので、早めに方向性だけでも決めておきましょう。

家の売却か賃貸か迷ったときの相談先

家を売るか貸すか一人で決めきれないときは、不動産会社に加えて、税理士や弁護士への相談も選択肢になります。譲渡所得税の特例が使えるかどうかは税理士、財産分与や名義変更に関わる部分は弁護士に確認すると、判断材料がそろいます。複数の専門家に相談する時間が取れない場合は、まず不動産会社に売却と賃貸の両方の見込みを聞き、そこから税理士や弁護士につないでもらう方法もあります。

最初の相談先に迷ったら、売却と賃貸の両方を扱える不動産会社に聞いてみるとスムーズです。

よくある質問

離婚調停中でも家を売るか貸すか決める必要がありますか?

調停中であっても、家の名義や住宅ローンの名義人が誰かによって売却や賃貸の手続きが制限されることがあります。共有名義の場合は、調停で財産分与の方針が決まる前に売買契約を結ぶと後からトラブルになりやすいため、調停の進行と並行して不動産会社に相談しながら進めることをおすすめします。

住宅ローンが残っていても家を貸すことはできますか?

契約上は金融機関の承諾が前提です。承諾なしに貸すと契約違反にあたる可能性があるため、まず借入先の金融機関へ賃貸の意向を伝え、必要であれば賃貸用の融資への切り替えを相談してください。

家を貸している間に売ることはできますか?

入居者がいる状態のまま家を売却することは可能ですが、買主は自分で住むより投資用として購入する人に限られやすく、価格が下がる傾向があります。退去のタイミングを待ってから売却する方法もあります。

賃貸に出した家を売るときも3,000万円特別控除は使えますか?

3,000万円特別控除はマイホームとして使っていた家が対象の特例です。住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、賃貸に出していても適用できる可能性があります。詳細は税理士か税務署に確認してください。

周囲に知られずに家を売ることはできますか?

匿名で売却相場を調べる方法や、内覧の日時を限定して対応する方法を組み合わせれば、知られる範囲を狭めることはできます。ただし、近隣への完全な非公開を保証する方法はないため、不動産会社と事前に希望を共有しておくことが大切です。

家を売るか貸すか迷ったときの判断基準を比較して決める

家を売るか貸すかは、住宅ローンの残債額、賃貸需要、保有コストに耐えられるかという3つの条件で比較すると判断しやすくなります。不動産売却はまとまった資金を得て関係を清算できる一方、仲介手数料や譲渡所得税がかかり、賃貸は所有権を残しながら収入を得られる一方、空室や修繕費のリスクが続きます。離婚やローン滞納など時間の切迫がある事情を抱えている場合でも、匿名査定や個別相談を使えば周囲に知られずに情報を集めることができます。ぜひ本記事の判断基準と比較を参考に、自分の状況に合った選択を進めてください。

出典

  • 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
  • 国土交通省「宅地建物取引業法における報酬額の制限」
  • 総務省「固定資産税における住宅用地特例措置」
  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」
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