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不動産売買の司法書士費用は誰が払う?相場と内訳を解説

不動産の売買契約がまとまると、所有権移転登記にかかる登録免許税や司法書士への依頼費用の見積書が届き、売主と買主のどちらが負担するのか契約書に書かれていないことに気づく場面が出てきます。親から引き継いだ土地のように共有名義や境界未確定が絡む不動産では、登記の種類も増え、費用の説明を求められる場面も増えます。

所有権移転登記にかかる司法書士費用は買主が負担し、抵当権(ていとうけん、ローンの担保として不動産に設定される権利)の抹消登記にかかる費用は売主が負担するのが一般的な慣例です。登録免許税は固定資産税評価額を基準に算出され、土地の所有権移転登記では2029年3月31日まで1.5%に軽減されています。

本記事では、不動産売買で発生する司法書士費用の内訳と売却相場、売主・買主それぞれの負担範囲、共有名義や境界未確定の土地を売却する場合の注意点を解説します(2026年9月時点の情報です)。

この記事はこんな方に向いています

  • 親から引き継いだ土地を売却する予定だが、司法書士への費用を売主と買主どちらが払うのか分からない62歳の方
  • 共有名義の土地を整理する中で登記手続きにかかる費用負担の慣例を把握し、兄弟間で説明できるようにしたい方
  • 境界未確定の土地で登記変更が必要になり、司法書士費用の相場を専門家に相談する前に知りたい方

不動産売買で司法書士が必要になる場面

不動産売買では、所有権を売主から買主へ移す所有権移転登記のほか、住宅ローンを完済した際の抵当権抹消登記、相続で引き継いだ土地であれば相続登記など、複数の登記が発生します。これらは自分で申請することもできますが、書類の不備があると売買の決済当日に登記が通らず、代金のやり取りが止まるリスクがあります。

親から引き継いだ土地を売却する場合は、まず相続登記を済ませておく必要があります。名義が亡くなった親のままでは売却できないため、司法書士は決済の前段階から関わることになります。

相続登記が未了のまま売買契約を結ぶと決済が延びるため、売却を決めたら早めに司法書士へ相談してください。

司法書士費用は誰が払う?不動産売買での負担の原則

所有権移転登記の司法書士費用は買主が負担し、抵当権抹消登記や相続登記など売主側の事情で必要になる登記の費用は売主が負担するのが一般的な慣例です。この分担は法律で決まっているわけではなく、売買契約書や不動産会社の慣行によって決まるため、契約前に不動産会社へ「どちらがどの登記費用を負担するか」を確認し、売買契約書の特約事項に明記しておくと、決済当日にトラブルになりません。

負担の慣例は地域や不動産会社によって多少異なるため、口約束で済ませず契約書に残すことをおすすめします。

内訳と売却相場|不動産売買の司法書士費用

司法書士費用は「登録免許税」と「司法書士報酬」の2つに大きく分かれます。登録免許税は国に納める税金で全国一律の計算方法が決まっていますが、司法書士報酬は2003年の自由化以降、事務所ごとに設定されています。

登録免許税の計算方法

所有権移転登記にかかる登録免許税は、固定資産税評価額に税率をかけて算出します。土地の売買による所有権移転登記は本来2%ですが、2029年3月31日までは1.5%に軽減されています。抵当権抹消登記は不動産1件につき1,000円と定額です。

司法書士報酬の目安

司法書士報酬は自由化されているため事務所によって差がありますが、所有権移転登記で3万円〜8万円程度、抵当権抹消登記で1万円〜2万円程度が目安とされています。相続登記が別途必要な場合は、さらに5万円〜10万円程度が加わることもあります。

固定資産税評価額2,000万円の土地で所有権移転登記のみ行う場合、費用の内訳は登録免許税が大部分を占めます。

登録免許税 約84%
司法書士報酬 約14%
書類取得費

※固定資産税評価額2,000万円の土地で所有権移転登記のみ行う場合の目安(2026年9月時点)

全体の費用のうち登録免許税の割合が大きく、司法書士報酬は内訳のごく一部であることが分かります。土地や住宅の売却にかかる税金・費用の全体像は不動産売却にかかる税金と費用の全体像でも解説しています。

登録免許税は評価額で決まるため、見積りを取る前に固定資産税の通知書で評価額を確認しておくと話が早く進みます。

登記の種類で変わる負担範囲

同じ不動産売買でも、どの登記が必要になるかで負担する側が変わります。

所有権移転登記

買主が自分の名義に変えるための登記のため、費用は買主が負担します。

抵当権抹消登記

売主が組んでいたローンの担保を外す登記のため、費用は売主が負担します。ローンを完済していない場合は、売却代金で完済してから抹消する流れになります。

住所変更登記・相続登記

登記簿上の住所や氏名が現在と違う場合、または相続登記が未了の場合は、売主側の事情のため売主が費用を負担するのが通例です。山本さんのように親から引き継いだ土地を売却するケースでは、相続登記の費用も売却前に確認しておく必要があります。

相続登記と抵当権抹消登記は同じ司法書士にまとめて依頼すると、必要書類の重複が減り費用も抑えやすくなります。

共有名義の土地を売却するときの司法書士費用

兄弟で共有している土地を売却する場合、民法251条により共有者全員の同意がなければ売却できません。司法書士費用についても、共有者全員が持ち分に応じて負担するのが一般的ですが、話し合いで1人が立て替える形にしてもかまいません。

共有者の中に遠方に住む人や連絡が取りにくい人がいると、登記に必要な書類の取得に時間がかかります。司法書士に依頼する前に、共有者全員の実印・印鑑証明書・本人確認書類が揃うかを確認しておくと、見積り段階での追加費用を防げます。

共有者同士の費用分担は口約束にせず、誰がいくら払ったかをメモか簡単な合意書で残しておいてください。

不動産の個人売買で司法書士費用を抑える方法

不動産会社を介さない個人売買でも、所有権移転登記には司法書士費用がかかります。個人売買では仲介手数料がかからない分、司法書士費用の負担者を自分たちで決める必要があり、取り決めがないまま進めると後からトラブルになりやすくなります。

費用を抑える方法としては、複数の司法書士事務所から見積りを取る、登記に必要な書類(固定資産税評価証明書や住民票など)を自分で取得して司法書士の作業範囲を減らす、といった工夫があります。ただし、個人売買では契約内容の不備に気づく第三者がいないため、司法書士費用を削った結果、契約書の不備で後から余計な費用がかかる場合もあります。

個人売買で司法書士費用を削るほど、契約内容の確認が自己責任になる点は見落とさないでください。

境界未確定の土地を売却する前に確認すべきこと

親から引き継いだ土地では、筆界(ひっかい、法務局に登録された土地の境界線)が確定していないことがあります。筆界が未確定のままでは買主が境界を確認できず、売却価格に影響したり、売却自体を断られることがあります。

隣接地との間に囲繞地(いにょうち、袋地を囲んでいる周囲の土地)の通行権が絡む場合は、司法書士だけでは解決できず、測量と筆界の確認を専門に行う土地家屋調査士への依頼が必要になります。司法書士は登記を行う専門家であり、境界の確定作業そのものは土地家屋調査士の領域です。

土地の取引価格の見込みを先に把握しておきたい場合は、無料で取得できる査定書も参考になります。東京都で不動産査定書を無料で入手する方法や埼玉県で不動産査定書を無料で入手する方法で解説しています。

境界が未確定の土地は測量に数週間かかることもあるため、売却を決めたら早めに土地家屋調査士へ相談してください。

司法書士の選び方|不動産売買で確認したいポイント

司法書士は不動産会社や金融機関から紹介されることが多いですが、自分で探して依頼することもできます。相続登記や共有名義の整理など通常の売買より手続きが複雑な場合は、土地の権利関係に慣れた司法書士を選ぶと、必要書類の案内や見積りの説明がスムーズです。

依頼前には、登録免許税と司法書士報酬を分けた見積書を出してもらい、どちらの金額かを確認してください。見積書が総額だけで内訳が書かれていない場合は、内訳を確認してから契約することをおすすめします。

見積書に登録免許税と司法書士報酬の内訳が分かれているかを、依頼前に必ず確認してください。

よくある質問

不動産の個人売買でも司法書士費用はかかりますか?

かかります。不動産会社を介さない個人売買でも所有権移転登記は必要で、登録免許税と司法書士報酬の両方が発生します。仲介手数料がかからない分、司法書士費用の負担者を売主と買主の間で決めておく必要があります。

司法書士費用を売主・買主どちらが負担するかは契約書に書くべきですか?

書いておくことをおすすめします。負担の慣例は地域や不動産会社によって多少異なるため、売買契約書の特約事項に明記しておくと、決済当日の確認がスムーズになります。

共有名義の土地を売却する場合、司法書士費用は誰がどう分担しますか?

民法251条により共有者全員の同意が土地の売却の前提となり、司法書士費用も持ち分に応じて分担するのが一般的です。話し合いで1人が立て替える形にすることもできます。

境界未確定の土地は司法書士に頼めば解決しますか?

解決しません。境界の確定は測量を伴う専門分野で、土地家屋調査士への依頼が必要です。司法書士は境界確定後の登記を担当します。

司法書士費用を抑える方法はありますか?

複数の司法書士事務所から見積りを取る、必要書類を自分で取得しておくといった方法があります。ただし契約内容の確認が不足すると後から余計な費用がかかることもあるため、見積りの内訳を確認したうえで判断してください。

司法書士費用は誰が払うか|不動産売買の負担を押さえて進める

不動産売買の司法書士費用は、所有権移転登記にかかる分を買主が、抵当権抹消登記や相続登記にかかる分を売主が負担するのが一般的な慣例ですが、最終的な分担は契約書の特約で決まります。共有名義や境界未確定の土地を売却する場合は、通常の売買より確認事項が増えるため、早めに司法書士や土地家屋調査士へ相談してください。ぜひ本記事の内訳と負担の原則を参考に、売却前の見積り確認を進めてください。

出典

  • 国税庁「登録免許税の税額表」
  • 法務省「登録免許税の軽減措置について」
  • 日本司法書士会連合会「司法書士の報酬に関する実態調査(2018年度)」
  • e-Gov法令検索「民法」
  • 国税庁ホームページ(令和8年度税制改正関連資料)
  • 国土交通省「令和8年度税制改正概要」
  • 三菱地所の住まいリレー「囲繞地通行権」
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