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公示価格と路線価の違いとは?不動産売却での使い方

自分の家の価格を調べようとインターネットで検索すると、公示価格・路線価・実勢価格といった複数の数字が並び、同じ土地でも金額の水準が違って表示されます。国土交通省が毎年3月に公表する地価公示の価格と、国税庁が毎年7月1日に公表する路線価は、算定の目的も時点も異なる別の指標です。

公示価格は毎年1月1日時点における正常な取引価格の目安であり、路線価は公示価格の80%程度を基準に国税庁が定める相続税・贈与税の計算用の評価額です(2026年9月時点)。不動産売却の売却相場を知る手がかりにはなりますが、どちらも実際の売却価格をそのまま示す数字ではありません。

本記事では、公示価格と路線価の違い、公的データの調べ方、不動産売却での使い方を解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 売るかどうかは未定のまま、自分の家の公示価格と路線価がどう違うのか営業電話なしで調べたい48歳の方
  • 相続税の計算に路線価が使われると知り、売却時の相場とは別物だと理解しておきたいと考えている方
  • インターネットで価格情報を探すうち複数の指標が出てきて、それぞれの使い方の違いを整理したい方

公示価格とは|不動産売却の目安になる国の指標

公示価格とは、地価公示法に基づいて国土交通省の土地鑑定委員会が毎年公表する、全国の標準地における1平方メートルあたりの価格です。毎年1月1日時点の価格を不動産鑑定士が評価し、例年3月下旬に公表されます。

公示価格は、一般の土地取引における価格の目安になるほか、公共事業用地を取得する際の価格算定の基準や、不動産鑑定士が個別の土地を鑑定評価する際の規準としても使われます。自分の家の近くに標準地があれば、その地点の公示価格を見ることで、周辺の土地のおおまかな水準をつかめます。

ただし公示価格が付けられているのは全国の一部の地点に限られ、すべての土地に公示価格があるわけではありません。自宅の目の前に標準地がない場合は、路線価や後述する実勢価格と組み合わせて売却相場を推測する必要があります。

標準地は全国に点在しているだけなので、自宅の目の前にあるとは限りません。近い地点の数値を参考値として見てください。

路線価とは|相続税の計算に使われる土地の評価額

路線価とは、国税庁が毎年公表する、道路に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの評価額です。毎年1月1日時点の評価額を算定し、例年7月1日に公表されます。ここで扱う路線価は、相続税や贈与税の申告に使う「相続税路線価」を指します。

相続税路線価は、土地や建物を相続または贈与で取得した際に、その財産の評価額を計算するために使われます。路線(道路)ごとに金額が設定されているため、自宅の土地が面する道路の路線価に土地の面積をかけることで、おおまかな相続税評価額を算出できます。

なお、固定資産税の計算に使われる「固定資産税路線価」は別の指標で、公示価格の70%程度が目安とされています。同じ「路線価」という言葉でも、相続税路線価と固定資産税路線価は算定機関も水準も異なるため、混同しないよう注意が必要です。

「路線価」と名の付く数字は2種類あります。相続税の話をしているのか固定資産税の話をしているのか、出典元を確認してください。

相続税路線価の調べ方や評価額の計算方法は路線価とは?土地の売却相場を掴む調べ方で解説しています。

目的・公表時期・価格水準で見る、土地の公示価格と路線価の違い

公表機関と価格時点の違い

公示価格は国土交通省、相続税路線価は国税庁と、公表する機関が異なります。どちらも毎年1月1日時点の価格を基準にしていますが、公表される時期は公示価格が3月下旬、路線価が7月1日とずれています。同じ年の1月1日の価格でも、情報として手に入るタイミングが数か月違う点は覚えておく必要があります。

価格水準の違い|路線価は公示価格の80%程度

相続税路線価は、公示価格の80%程度を目安に設定されています。これは、相続税の計算で土地の評価額が実勢価格より高くなりすぎないよう調整するためです。つまり路線価だけを見て土地の価値を判断すると、実際の市場価値より2割ほど低く見積もってしまう可能性があります。

公示価格と路線価の違い(2026年9月時点)
項目公示価格相続税路線価
公表機関国土交通省国税庁
価格時点毎年1月1日毎年1月1日
公表時期毎年3月下旬ごろ毎年7月1日
主な目的一般の土地取引の指標・公共事業用地の価格算定相続税・贈与税の財産評価
価格水準の目安実勢価格に近い水準公示価格の80%程度

出典:国土交通省「地価公示」、国税庁「財産評価基準書路線価図」をもとに作成

路線価から公示価格水準を逆算するときは、路線価を0.8で割る計算が目安として使われています。

不動産売却で見るべき指標|公示価格・路線価・実勢価格の関係

実勢価格とは、実際に土地や建物が取引された価格そのものを指します。公示価格や路線価が算定上の指標であるのに対し、実勢価格は需要と供給、個別の土地や建物の条件によって、公示価格より大きく上回ることも下回ることもあります。

マンション売却や土地の売却を考えるとき、最も直接的な目安になるのはこの実勢価格です。公示価格や路線価は、実勢価格がおおよそどの水準にあるかを確認する補助的な材料として使うのが現実的な位置づけです。実勢価格と公示価格の違いは実勢価格とは?公示価格との違いと売却時の目安で解説しています。

公示価格と路線価はあくまで目安です。実際の売却価格を知りたい場合は、個別の条件を踏まえた査定が必要になります。

自宅の土地の公示価格と路線価を無料で調べる方法

国土交通省の地価公示・地価調査を無料で調べる方法

国土交通省の「土地総合情報システム」では、全国の標準地における地価公示の価格と、都道府県地価調査の価格を無料で検索できます。住所や地図から近くの標準地を探すだけで確認でき、会員登録や個人情報の入力は不要です。

国税庁の路線価図を無料で調べる方法

国税庁の「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」のページでは、都道府県と市区町村を選ぶことで、その年の路線価図を無料で閲覧できます。こちらも氏名や電話番号の入力は求められず、営業電話につながる心配はありません。自宅の前の道路に記載された数字が、1平方メートルあたりの評価額(千円単位)です。具体的な操作手順は路線価の調べ方|国税庁サイトで土地の評価額を確認する手順で解説しています。

どちらの公的サイトも匿名で閲覧でき、今日申し込む気がない段階でも気兼ねなく確認できます。

マンション売却・戸建て売却での公示価格と路線価の使い方

戸建てや土地の売却では、路線価に土地の面積をかけ、0.8で割って公示価格水準に引き直すことで、土地部分のおおまかな相場感をつかめます。ただし路線価は宅地が整形であることを前提にした価格のため、間口が狭い、形が不整形といった個別の事情は反映されていません。

マンション売却の場合、路線価は敷地全体に対する評価額で、各戸に割り当てられた敷地権の持分をかけて計算する必要があり、戸建てに比べて算出がやや複雑です。加えてマンションの取引価格は、築年数や階数、管理状態、立地といった要因の影響が土地以上に大きく、公示価格や路線価から単純に逆算しにくい傾向があります。

いずれの場合も、公示価格と路線価から導けるのはあくまで概算であり、実際の売却価格を知るには、周辺の取引事例や個別の条件を踏まえたマンションの査定が欠かせません。営業電話を受けずに売却相場を知りたい場合は、匿名査定を使う方法もあります。匿名査定と一括査定の違いは匿名査定と一括査定の違い|営業電話なしで相場を知る使い分けで解説しています。

マンションの敷地権割合は登記事項証明書や売買契約時の書類で確認できますが、手元に無い場合は管理会社に問い合わせる方法もあります。

相続税評価額として使った路線価と、不動産売却時の税金の関係

相続した土地や建物を売却する場合、相続税の申告で使った路線価と、売却時にかかる税金は別の計算の話になります。相続税は路線価をもとに計算した財産評価額に対してかかりますが、不動産売却で利益が出た場合は、売却代金から取得費や仲介手数料などを差し引いた譲渡所得に対して、譲渡所得税と住民税がかかります。

相続税が課された財産を、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までに売却した場合は、その相続税額の一定部分を取得費に加算できる特例もあります。この特例は所有期間が長期か短期かにかかわらず適用できますが、適用には細かい条件があるため、国税庁や税理士への確認が必要です。

以下は、特例を適用しない前提での長期譲渡の概算イメージです。

手元に残る 約75%
税金
諸費用

※3000万円で売却・長期譲渡・控除適用なしの概算例(2026年9月時点)

譲渡所得税の負担割合は、取得費や所有期間、各種特例の有無によって変わるため、上の図はあくまで一例として読んでください。

相続税評価額と譲渡所得税の計算は別物です。路線価を使った評価額をそのまま税金の計算に流用しないよう注意してください。

よくある質問

公示価格と路線価、どちらが実際の売却価格に近いですか

どちらも実際の売却価格そのものではありませんが、公示価格のほうが実勢価格に近い水準で設定されています。路線価は公示価格の80%程度に調整されているため、路線価をそのまま売却価格の目安にすると、実態より低く見積もる可能性があります。

自宅の近くに標準地がない場合はどうすればよいですか

標準地が近くにない場合は、路線価図で自宅の前の道路の評価額を確認し、0.8で割って公示価格水準に引き直す方法があります。より精度の高い売却相場を知りたい場合は、周辺の取引事例を踏まえたマンションや戸建ての査定を利用する方法もあります。

固定資産税路線価と相続税路線価はどちらを見ればよいですか

相続税や贈与税の申告に関する話であれば相続税路線価、固定資産税の金額を確認したい場合は固定資産税路線価を見る必要があります。両者は算定機関も水準も異なるため、目的に応じて使い分けてください。

公示価格や路線価を調べると不動産会社から営業電話がかかってきますか

国土交通省の土地総合情報システムや国税庁の路線価図のページは、氏名や電話番号の入力なしで匿名のまま閲覧できます。これらの公的サイトを見るだけで、不動産会社から営業電話がかかることはありません。

路線価が公表されていない土地もありますか

市街化が進んでいない地域など、路線価が設定されていない土地では、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて評価額を算出する「倍率方式」が使われます。路線価図のページで路線価が表示されない地域は、倍率表を確認する必要があります。

公示価格と路線価の違いを理解して売却相場をつかむには

公示価格は国土交通省が公表する一般の土地取引の目安であり、路線価は国税庁が相続税・贈与税の計算のために定める評価額です。価格時点は同じ1月1日でも、公表機関、公表時期、価格水準がそれぞれ異なり、路線価は公示価格の80%程度に調整されています。どちらも匿名で無料で確認できる公的データですが、実際のマンション売却や土地の売却価格を示すものではなく、実勢価格を推測するための補助的な材料にとどまります。ぜひ本記事の公示価格と路線価の違いを参考に、自宅の売却相場を公的データと査定の両面から確認してください。

出典

  • 国土交通省「地価公示」
  • 国土交通省「土地総合情報システム」
  • 国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」
  • 国税庁「相続税・贈与税の財産評価」
  • 国税庁 No.4610「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
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