不動産取得税はいくら?計算方法と軽減措置をわかりやすく解説します
築8年の家を売って新居に買い替える計画を立てると、物件を取得した半年〜1年後くらいに都道府県から「不動産取得税納税通知書」が届きます。不動産取得税は、土地や家屋を取得したときに一度だけ課される地方税で、原則の税率は固定資産税評価額の4%、土地と住宅については2027年3月31日まで3%に引き下げられています。新築・中古住宅には課税標準から最大1,200万円を控除する軽減措置もあり、適用できれば税額が実質0円になることもあります。本記事では、不動産取得税の計算方法と、新築・中古住宅や土地に使える軽減措置を解説します。
この記事はこんな方に向いています
- 築8年の家を売るか迷いつつ、まず不動産取得税がいくらになるのか個人情報を渡さず調べたい48歳の方
- 営業電話を受けるのが嫌で、軽減措置の条件だけをスマホで自分で確認したいという方
- 新居購入時にかかる税額の目安が分からず、資金計画を立てる前に把握しておきたいという方
不動産取得税とは|新居購入時にかかる地方税の仕組み
不動産取得税は、土地や建物を売買・新築・増築・贈与などの方法で取得したときに、その不動産がある都道府県が課す地方税です。固定資産税のように毎年課されるのではなく、取得した際に一度だけ納めます。
今の家を売って新居を購入する場合、売却した側には譲渡所得税という別の税金がかかり、購入した側には不動産取得税がかかるため、両方の税額を資金計画に入れておく必要があります。不動産売却にかかる税金や仲介手数料などの費用全体は不動産売却にかかる税金と費用の全体像で解説しています。
課税の対象は土地だけでなく建物(家屋)にも及び、新築・中古・マンション・戸建てのいずれも対象になります。
不動産取得税は毎年かかる固定資産税と違い、取得した年に一度だけ納める税金です。混同しないよう注意してください。
いくらになる?固定資産税評価額と税率から求める不動産取得税の計算方法
不動産取得税の金額は、次の式で計算します。
不動産取得税額は、固定資産税評価額(課税標準額)×税率で計算します。
固定資産税評価額は実際の売買価格ではなく、市区町村が個別に算定する評価額で、取得した土地・建物の固定資産税課税明細書や名寄帳に記載された金額で確認できます。税率は本則4%ですが、2027年3月31日まで土地と住宅については3%に引き下げられています。
| 取得する不動産 | 特例税率(2027年3月31日まで) | 本則税率 |
|---|---|---|
| 土地 | 3% | 4% |
| 住宅(居住用家屋) | 3% | 4% |
| 住宅以外の家屋(店舗・事務所等) | 4% | 4% |
出典:総務省「地方税制度 不動産取得税」をもとに作成
固定資産税評価額のうち、軽減措置でどの程度が控除され、実際にいくら課税されるのかを示すと、次のようになります。
※固定資産税評価額2,000万円の新築住宅(課税標準から1,200万円控除を適用)の場合の概算例です(2026年9月時点)。
評価額の6割前後が軽減控除の対象になり、残りの部分に税率をかけた金額が実際の納税額になることが分かります。
固定資産税評価額は売買価格より低いことが一般的で、市区町村から届く固定資産税課税明細書で確認できます。
新築・中古の家で異なる軽減措置|控除額と適用条件
新築住宅の軽減措置
床面積が50㎡以上240㎡以下などの要件を満たす新築住宅を取得した場合、課税標準額から1,200万円が控除されます。認定長期優良住宅に該当する場合は、控除額が1,300万円に拡大されます(2026年9月時点で2026年3月31日までの時限措置)。控除後の課税標準額が1,200万円以下であれば、不動産取得税は実質0円になります。
中古住宅の軽減措置
中古住宅についても、床面積50㎡以上240㎡以下で、昭和57年1月1日以降に新築された住宅や新耐震基準に適合する住宅であれば、新築された時期に応じて控除額の範囲で課税標準額から控除されます。古い木造住宅などで新耐震基準への適合が確認できない場合は軽減措置を受けられないことがあり、耐震基準適合証明書の有無を取得前に確認しておく必要があります。
軽減措置は床面積の要件があるため、適用できるかどうかは取得前に都道府県税事務所へ確認しておくと安心です。
土地を取得したときの軽減措置|住宅用地の特例
宅地の課税標準の特例(評価額の2分の1)
2027年3月31日までに宅地を取得した場合、固定資産税評価額の2分の1を課税標準として税額を計算する特例があります。
住宅用地の税額軽減
上記の特例を適用したうえで住宅用地に該当する場合は、土地の税額からさらに次のいずれか多い金額を控除できます。
- 45,000円
- 土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2×住宅の床面積の2倍(200㎡が限度)×3%
この軽減を受けるには、土地の取得から一定期間内に住宅を新築・取得する必要があるなど、適用要件が細かく定められています。
土地の軽減は建物の軽減とセットで適用されることが多く、申告を忘れると軽減が受けられない都道府県もあるため注意が必要です。
納税通知書はいつ届く?不動産取得税の納税時期と納付方法
不動産取得税は、不動産を取得した旨を都道府県税事務所へ申告したあと、課税内容が確定し次第、納税通知書が送付されます。申告が不要な自治体もありますが、軽減措置を受けるには申告が必要な場合が多く見られます。
納税通知書が届くのは、取得から半年〜1年程度後になることが一般的です。新居購入の直後ではなく引っ越しが落ち着いた頃に届くため、資金計画から漏れてしまうことがあります。納付は、金融機関や都道府県税事務所の窓口、コンビニエンスストア、ペイジーなどで一括して行います。
納税通知書は物件取得から半年以上後に届くことが多く、資金計画に組み込み忘れるケースが見られます。
課税されないケースもある|不動産取得税の非課税・免税点
次の金額を下回る不動産の取得については、不動産取得税が課税されません(免税点)。
- 土地:課税標準額10万円未満
- 家屋の新築・増築:課税標準額23万円未満
- それ以外の家屋の取得:課税標準額12万円未満
また、相続によって不動産を取得した場合は、法律上の「取得」に当たらないものとして不動産取得税は課税されません。ただし相続登記の際には不動産登記にかかる登録免許税(国税)が別途必要になり、遺産分割で代償金を支払う場合の評価方法は代償分割の代償金はいくら?不動産の評価額からの決め方で解説しています。
相続による取得は不動産取得税がかかりませんが、登録免許税や相続登記にかかる費用は別途必要です。
家の売却と新居購入を同時に進めるときの資金計画
築8年の家を売って新居を購入する場合、新居側の不動産取得税だけでなく、今の家を売ったときにかかる譲渡所得税も資金計画に入れておく必要があります。売却益が出るかどうかで税額は大きく変わるため、まず今の家の売却相場を個人情報を入力せずに確認しておくと見通しを立てやすくなります。
営業電話を受けずに売却相場を知る方法は匿名査定と一括査定の違いで解説しており、相続した実家のように家族に知られず調べたい場合は相続した実家を家族に知られず調べる方法で解説しています。
売却益が出た場合の譲渡所得税の計算方法は不動産を売ると税金はいくら?譲渡所得税の計算方法で解説しており、売却時に不動産会社へ支払う仲介手数料の目安は不動産売却の仲介手数料はいくら?上限と計算方法で解説しています。
新居の不動産取得税と今の家の売却益にかかる税金は別物のため、両方を資金計画に入れておく必要があります。
よくある質問
不動産取得税の納税通知書はいつ届きますか?
都道府県や物件の種類によって差がありますが、取得から半年〜1年程度後に届くことが一般的です。届いたら記載された納期限までに一括で納付します。
軽減措置は自分で申告しないと適用されませんか?
多くの都道府県では、軽減措置の適用を受けるために申告が必要です。何もしなければ軽減前の税額で課税されることがあるため、取得後は早めに都道府県税事務所へ確認してください。
マンションを購入した場合も不動産取得税はかかりますか?
かかります。マンションの場合は、建物部分と敷地権(土地の持分)のそれぞれの評価額をもとに計算し、新築・中古のいずれも床面積などの要件を満たせば軽減措置の対象になります。
不動産取得税も住宅ローンに含めて借りられますか?
不動産取得税そのものを住宅ローン本体に組み込めるかは金融機関や商品によって異なります。諸費用ローンとして別枠で借りられる場合もあるため、事前に金融機関へ確認しておくと安心です。
軽減措置の税率3%や評価額2分の1の特例はいつまで続きますか?
2026年9月時点では2027年3月31日までの時限措置とされています。期限が延長されるかどうかは改正の動向によるため、取得時期が近づいたら最新の情報を都道府県税事務所や専門家に確認してください。
不動産取得税はいくらか把握して、新居購入の資金計画を立てましょう
不動産取得税は、固定資産税評価額に税率をかけて計算し、新築・中古住宅や土地には課税標準を大きく減らす軽減措置が用意されています。軽減措置を適用できれば、新築住宅の税額が実質0円になることも珍しくありません。
一方で軽減措置の多くは申告が必要で、納税通知書も取得から時間が経ってから届くため、新居購入の資金計画には早い段階で税額の目安を組み込んでおく必要があります。ぜひ本記事の計算方法と軽減措置を参考に、新居購入にかかる不動産取得税の見込み額を確認してください。
出典
- 総務省「地方税制度 不動産取得税」
- e-Gov法令検索「地方税法」
- 国土交通省「住宅税制の概要」
- 京都府・大阪府・新潟県 不動産取得税の軽減措置ページ
- 国税庁 No.7190「登録免許税のあらまし」/No.7191「登録免許税の税額表」
