SHARE:

住宅ローンが払えない…世田谷区で家を売り完済

「今月の住宅ローン、どうやって払おう」。

通帳の残高を見ながら、そんな計算を何度も繰り返している——住宅ローンの返済に行き詰まったとき、多くの方がまず抱えるのは、お金の不安以上に「誰にも言えない」という孤独感ではないでしょうか。

世田谷区のように住宅街としての落ち着いた雰囲気があり、ご近所や学校のつながりが続くエリアではなおさら、事情を人に話しづらいと感じる方は少なくありません。

ただ、返済が苦しくなること自体は、決して珍しいことでも、恥ずべきことでもありません。

収入の変化、病気、教育費、離婚、金利の上昇——きっかけは人それぞれです。

そして大切なのは、支払いが完全に滞る前に動けば、選べる道がまだ残っているという点です。

世田谷区は不動産価格の水準が高く、売却によってローンを完済し、手元に資金を残せるケースもあります。

この記事では、住宅ローンが払えなくなったときに何が起きるのか、滞納が進むとどんな段取りになるのか、世田谷区の実際の成約データをもとに「売って完済できるのか」をどう確かめるのか、そして周囲に知られにくい進め方までを、順を追って整理します。

読み終える頃には、次にやるべき一歩がはっきりしているはずです。

記事監修者情報

株式会社グランクルー 
代表取締役 加瀬 健史カセ タケシ)
不動産業界歴20年以上宅地建物取引士
世田谷エリアを中心に不動産売却の実績500件以上。査定から引渡しまでの一連の実務に加え、相続・住み替え・離婚に伴う売却など、事情の異なる売主それぞれの相談に幅広く対応し、売却実務に多くの知見を持つ。

住宅ローンが払えないとき、世田谷区でまず確認すべきこと

結論から言えば、最初にやるべきは「売る/売らない」を決めることではなく、今の残債と、今売った場合の想定価格を並べて見ることです。

この2つが分からないまま悩んでいる時間が、実は一番もったいない期間になりがちです。

確認すべきものは3つあります。

1つ目は住宅ローンの残債。

金融機関から届く返済予定表、またはネットバンキングの残高照会で、現時点の元金がいくら残っているかを確認します。

ペアローンや親子リレー返済の場合は、双方の残債を合算します。

2つ目は、自宅を今売ったらいくらになるかという想定売却価格。

3つ目は、売却にかかる費用(仲介手数料・登記費用・印紙代など)のおおよその額です。

この3つが揃うと、「売却価格 −(残債 + 諸費用)」がプラスかマイナスかが見えます。

プラスならアンダーローン、つまり売却してローンを完済し、手元に資金が残る状態です。

マイナスならオーバーローンとなり、任意売却など別の選択肢を検討することになります。

世田谷区は不動産価格の水準が高いエリアであるため、購入時期や借入額によっては、想像より完済に近い位置にいる方もいます。

なお、この段階で不動産会社に相談すること自体は、金融機関や周囲に伝わるものではありません。

「相談したら売らなければいけなくなるのでは」と身構える必要はなく、まずは数字を把握するための情報収集と考えて差し支えありません。

ミカタ株式会社

残債と想定価格、まずはこの2つだけで構いません。

数字が見えると不安の輪郭がはっきりして、判断がぐっと落ち着きますよ。

ローン滞納が進むとどうなる?競売までの流れと時間の目安

返済が苦しい状態を放置した場合、どんな段取りで進むのかを知っておくことは、焦らないために重要です。

おおまかには次の順で進みます。

返済の遅延

引き落としができないと、金融機関から連絡や督促状が届きます。この段階は、まだ相談で調整できる余地がある時期です。

期限の利益の喪失

滞納が続くと、分割で返す権利を失い、残債の一括返済を求められる状態になります。

保証会社による代位弁済

保証会社が金融機関へ残債を立て替え、以後の債権者は保証会社へ移ります。

競売の申立て

債権者が裁判所に競売を申し立て、手続きが始まります。

滞納から競売開始までの期間は、金融機関の対応や物件の状況によって幅があります。

ただ共通して言えるのは、後の段階に進むほど選べる手段が減っていくということです。

とくに、通常の売却(仲介での売却)ができるのは、原則として競売手続きが進む前まで。

段階が進むと、任意売却という債権者の合意を前提とした方法しか残らなくなります。

競売になると、価格が市場相場より低くなりやすいこと、裁判所の公告で物件情報が公になること、退去の時期を自分で選びにくいことなど、売主にとって不利な点が重なります。

逆に言えば、早い段階で動けば、通常の売却として静かに、相場に近い価格で進められる可能性が残ります。

世田谷区で「まだ滞納はしていないが、この先が不安」という段階の方は、選択肢が最も広い時期にいるといえます。

ミカタ株式会社

滞納前のご相談が一番動きやすい時期です。

督促状が届いてからでも道はありますが、選べる幅はしっかり狭くなっていきます。

世田谷区の売却相場から「完済できるか」を確かめる

「売ってもローンが残るのでは」という不安は、実際の成約価格を見ることでかなり具体的になります。

世田谷区で実際に取引が成立した価格(成約価格ベース)の中央値は、次のとおりです。

世田谷区の不動産売却相場(物件種別ごとの中央値・2021〜2025年)
物件種別価格の中央値参考㎡単価面積の中央値
中古マンション約5,600万円約93.8万円/㎡約60㎡
一戸建て(土地建物)約8,900万円約100㎡
土地(宅地)約9,200万円約80.0万円/㎡約120㎡

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」取引価格情報・成約価格情報(2021〜2025年/世田谷区、18,253件)をもとに作成。

個別価格は立地・築年数・状態により変動します。

ここで注意したいのは、この数字が売り出し価格(広告に出ている価格)ではなく、実際に取引が成立した価格だという点です。

売り出し価格は相場より高めに設定されることが多く、それを基準にすると手取りの見込みを誤りやすくなります。

完済できるかどうかを判断するときは、成約ベースで考えるほうが現実的です。

また、平均値ではなく中央値を採っています。

平均は一部の高額取引に引っ張られやすく、実感とずれることがあるためです。

中央値は「ちょうど真ん中の取引」の価格なので、自宅の位置づけを考える起点として扱いやすい数字といえます。

たとえば60㎡前後の中古マンションで残債が3,000万円台であれば、中央値の約5,600万円という水準からすると、完済して手元に残る可能性が見えてきます。

一方、購入からの期間が短く残債が多い場合や、駅から離れた立地・築年数が古い物件の場合は、この中央値どおりにはなりません。

あくまで出発点の目安として使い、最終的には個別の査定で確認する必要があります。

ミカタ株式会社

広告の価格と成約価格は別物です。

手取りを考えるときは、しっかり実際に売れた価格のほうを基準にしてください。

世田谷区の中古マンション価格の推移(2021〜2025年)

「今売るべきか、もう少し待つべきか」を考えるうえで、価格が動いてきた方向も確認しておきましょう。

世田谷区の中古マンションの中央値は、次のように推移しています。

世田谷区の中古マンション売却価格の推移(中央値)
価格の中央値参考㎡単価
2021年約5,200万円約85.0万円/㎡
2022年約5,400万円約90.0万円/㎡
2023年約5,700万円約96.8万円/㎡
2024年約5,800万円約100.0万円/㎡
2025年約6,000万円約103.7万円/㎡

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」(2021〜2025年/世田谷区・中古マンション)をもとに作成。

世田谷区の中古マンション価格の推移(中央値)
約5,200万円2021年約5,400万円2022年約5,700万円2023年約5,800万円2024年約6,000万円2025年

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」(2021〜2025年/世田谷区・中古マンション)をもとに作成。

2021年の約5,200万円から2025年の約6,000万円まで、中央値は上向きに推移してきました。

この動きを見て「もう少し待てば高く売れるのでは」と考える方もいますが、ローン返済が苦しい状況では価格の上昇を待つメリットより、滞納が進むリスクのほうが大きくなりやすい点に注意が必要です。

今後も同じ方向に動き続けるかどうかは誰にも分かりませんし、滞納が代位弁済まで進んだ場合、売却代金で残債を全額弁済できないオーバーローンのときは、債権者の同意を前提とした任意売却などに選択肢が限られやすくなります(債権者・保証会社の実務上の運用は各金融機関や裁判所「不動産競売手続について」でご確認ください)。

価格の推移は「今の相場水準を知るための材料」として使い、売却の時期はご自身の返済状況を軸に判断するのが現実的です。

ミカタ株式会社

相場の上昇を待つあいだに滞納が進んでしまっては本末転倒です。

返済の状況を軸に、時期を決めていきましょう。

売って完済する方法と、残債が残る場合の任意売却

返済が苦しいときの売り方は、大きく3つに分かれます。

1. 通常の仲介売却(完済できる場合)

売却価格が残債と諸費用を上回るアンダーローンなら、通常どおり不動産会社の仲介で買主を探し、決済時にローンを一括返済して抵当権を抹消します。

金融機関の特別な同意は不要で、手順としては一般的な住み替えと変わりません。

時間をかけて買主を探せるぶん、価格も相場に近づけやすいのが利点です。

世田谷区は購入検討者の母数が比較的多いエリアであり、条件が整えば買い手が見つかりやすい環境といえます。

2. 買取(早く現金化したい場合)

不動産会社が直接買い取る方法です。

買主を探す期間が不要なため決済までが早く、広告を出さずに進められるので周囲に知られにくいという利点があります。

一方で、価格は仲介で売る場合より低くなるのが一般的です。

「知られにくさ・スピード」と「価格」は完全には両立しません。

どちらを優先するかを、残債と期限から逆算して決めることになります。

3. 任意売却(オーバーローンの場合)

売却してもローンが残ってしまう場合、そのままでは抵当権を外せず売却できません。

そこで債権者(金融機関・保証会社)の同意を得て、抵当権を外してもらったうえで市場で売却するのが任意売却です。

競売と比べて市場価格に近い水準で売れる可能性があり、引渡し時期も相談の余地があります。

ただし債権者の合意が前提であり、残った債務の返済方法も併せて取り決める必要があります。

詳しくはオーバーローンでも世田谷区の家は売れる?任意売却で整理しています。

なお、離婚が絡む場合は財産分与や連帯保証の扱いが加わり、判断が複雑になります。

その場合は離婚に伴う世田谷区の自宅売却|財産分与とローンも併せてご確認ください。

ミカタ株式会社

買取は早くて静かですが、そのぶん価格は下がります。

期限にどれだけ余裕があるかで、選ぶ道が変わってきます。

周囲に知られずに世田谷区の自宅を売却するには

「売却の事情を近所や子どもの学校関係に知られたくない」という気持ちは、とても自然なものです。

世田谷区は成城・二子玉川・三軒茶屋・下北沢・用賀といった各エリアで生活圏がまとまっており、同じ町内・同じ学区の中で顔を合わせる機会が続きます。

だからこそ、売却の進め方には配慮の余地があります。

知られにくくするための現実的な工夫としては、次のようなものがあります。

現地に看板・のぼりを出さない

媒介契約の際に「現地広告なし」を条件として伝えておく。

ポータルサイトの掲載内容を調整する

外観写真を載せない、住所表示を町名までにとどめる、間取り図の掲載範囲を絞るなど。

オープンハウスや近隣へのチラシ配布を行わない

近隣への一斉配布は反響が取れる反面、特定されやすい方法です。

  • 内見の日時を平日や時間帯で調整する:人の出入りが目立ちにくい時間に集約する。

まず机上査定から始める

訪問を伴わない査定なら、自宅に会社の人が来る様子を見られる心配がありません。

ただし、正直にお伝えすると、掲載範囲を絞るほど買主に届く情報量は減り、成約までの期間や価格に影響しうるという関係があります。

どこまで秘匿を優先し、どこから情報を出すかは、残債・期限・希望価格のバランスで決める話です。

「一切知られずに、相場どおりの価格で、すぐに売る」という三拍子はそろいにくいと考えておくほうが、後で慌てずに済みます。

また、相談すること自体は誰にも通知されません。

まずは匿名に近い形で相場と残債の差を確認し、そのうえで進めるか決める——という順序で問題ありません。

遠方にお住まいのご家族が関わるケースは遠方に住みながら世田谷区の実家を売却する方法もご参照ください。

ミカタ株式会社

看板なし・写真なしといった配慮はご相談いただければ対応できます。

ただ情報を絞るほど反響は減る、という点だけはご承知おきください。

売却前の修繕やリフォームは必要?費用をかけずに売る判断

返済が苦しい状況では、売却前にお金をかけられないのが実情です。

ここで多いのが「傷んだままでは売れないのでは」という不安ですが、費用をかけて直したぶんが、そのまま価格に上乗せされるとは限りません

判断の目安としては、次のように整理できます。

費用をかけずに済ませやすいもの

内装のクロスの汚れ、設備の経年劣化、家財の残置など。買主がリフォーム前提で検討することも多く、現況のまま売り出す選択が現実的です。

買主の判断に影響しやすいもの

雨漏り・シロアリ・構造に関わる不具合など。直すかどうかは別として、把握している不具合はしっかり告知する必要があります。隠して売ると、引渡し後の契約不適合責任という別のトラブルにつながります。

雨漏りがある場合の売り方は世田谷区で雨漏りする家は売れる?修繕せず売却、築年数が古い物件は築40年・50年の古い家は世田谷区で売れる?、耐震基準が気になる場合は世田谷区の旧耐震の家を売却するには|地震対策で、それぞれ具体的に整理しています。

片付けが進んでいない場合はゴミ屋敷を世田谷区で売却|片付けずに売る方法も参考になります。

なお、世田谷区は土地の中央値が約9,200万円(面積の中央値 約120㎡)と土地そのものの評価が高い水準にあるため、建物の状態が万全でなくても、土地としての価値が価格を支える場面があります。

建物の傷みだけを理由に「売れない」と決めつける必要はありません。

ミカタ株式会社

直してから売るより、現況のまま出したほうが手残りが多いケースもあります。

ただし不具合の告知だけは省かないでください。

住宅ローンが払えないときのよくある質問

Q 滞納する前に相談してもいいのでしょうか?


A むしろ滞納前のほうが、選べる手段は多く残っています。

通常の仲介売却で相場に近い価格を狙えるのも、競売手続きが進む前の段階です。

「まだ払えているが、この先が不安」という時期のご相談で問題ありません。

Q 不動産会社に相談すると、金融機関に知られますか?


A 売却の相談をしただけで、不動産会社から金融機関へ連絡が行くことはありません。

任意売却など債権者の同意が必要な段階に進む場合は、ご本人の意思を確認したうえで手続きに入ります。

Q 売却してもローンが残る場合、家は売れないのですか?


A 残債が残る場合でも、債権者の同意を得て抵当権を外してもらう任意売却という方法があります。

競売より市場価格に近い水準で売れる可能性があり、引渡し時期も相談の余地があります。

詳しくはオーバーローンの記事をご覧ください。

Q 世田谷区の相場はどのくらいですか?


A 2021〜2025年の成約価格の中央値で、中古マンションが約5,600万円、一戸建てが約8,900万円、土地が約9,200万円です(出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」/世田谷区、18,253件)。

ただし立地・築年数・状態で個別に大きく変わるため、目安としてご覧ください。

Q 近所に知られずに売ることはできますか?


A 現地看板を出さない、外観写真を掲載しない、内見時間を調整するなどの配慮は可能です。

ただし情報を絞るほど買主に届く範囲は狭まり、期間や価格に影響しうる点はトレードオフとしてご理解ください。

Q 売却前にリフォームしたほうが高く売れますか?


A かけた費用がそのまま価格に反映されるとは限りません。

とくに返済が苦しい状況では、現況のまま売り出し、価格で調整する方が手残りが多くなる場合もあります。

判断は査定時に個別に確認するのが確実です。

Q 今は価格が上がっているので、待ったほうが得ですか?


A 世田谷区の中古マンションの中央値は2021年の約5,200万円から2025年の約6,000万円へ推移していますが、今後も同じ方向に動くとは限りません。

返済の滞納が進み、かつ売却代金で残債を全額弁済できないオーバーローンの場合は、債権者の同意を前提とした任意売却などに選択肢が限られやすくなるため、返済状況を軸に判断することをおすすめします。

Q 家族に知られずに査定だけ受けられますか?


A 訪問を伴わない机上査定であれば、自宅に人が来ることなく価格の目安を確認できます。

ただし売却手続きに進む際は、共有名義や連帯債務がある場合、名義人全員の関与が必要になります。

世田谷区で住宅ローン返済に行き詰まったときの進め方

住宅ローンが払えないという状況で最も避けたいのは、判断材料がないまま時間だけが過ぎることです。

まずは残債と、今売った場合の想定価格という2つの数字を並べてみてください。

世田谷区の成約価格の中央値は、中古マンションで約5,600万円、一戸建てで約8,900万円(2021〜2025年)。

この水準を出発点に、ご自宅の条件を当てはめていけば、完済できる位置にいるのか、任意売却を視野に入れるべきかが見えてきます。

次の一歩としておすすめするのは、訪問を伴わない机上査定で価格の目安を把握すること。

そして、返済がまだ滞っていない段階であれば、通常の仲介売却という最も条件のよい選択肢が使えるうちに動くことです。

周囲に知られたくないという希望は、進め方の相談段階で伝えておけば配慮できる部分があります。

あわせて、ご自身の状況に近い記事もご確認ください。

残債が売却価格を上回りそうな方はオーバーローンでも世田谷区の家は売れる?任意売却、離婚が絡む方は離婚に伴う世田谷区の自宅売却|財産分与とローン、建物の傷みが気になる方は築40年・50年の古い家は世田谷区で売れる?が参考になります。

ミカタ株式会社

言いづらいご事情であっても、早めに数字を確かめるだけで打てる手は変わります。

まずは目安を知るところから始めてみてください。

出典・参考

あなたへのおすすめ