シロアリ被害のある家を岡山市中区で売却|告知義務

床がふかふかする、和室の柱を叩くと軽い音がする、春先に羽アリが出た——「これはシロアリかもしれない」と気づいたとき、多くの方が同時に頭に浮かべるのが「この家、もう売れないのでは」「黙って売ったら後で責任を問われるのでは」という不安です。
結論から言えば、シロアリ被害のある家でも岡山市中区で売却することはできます。
ただし、被害を隠して売ることはできません。
知っていて告げなかった場合、売った後に修繕費や損害の負担を求められるおそれがあるためです。
逆に、正直に伝えたうえで進めれば、価格の折り合いさえつけば買い手は見つかります。
シロアリの被害歴がある住宅は決して珍しいものではなく、中古住宅の取引では日常的に扱われている事情のひとつです。
この記事では、岡山市中区でシロアリ被害のある家を売るときの告知義務の考え方、契約不適合責任との関係、駆除・修繕してから売るか現況で売るかの判断、そして中区の実際の成約データ(国土交通省・不動産情報ライブラリ)をもとにした価格の目安までを、順を追って整理します。
記事監修者情報

アーキ不動産
当社は岡山市中区を中心とした、不動産売買仲介の専門業者です。不動産の『売却』『購入』は多くのお客様にとりまして、一生に一度か二度の大きな経験です。また、世の中に同条件の不動産は存在しません。お客様が安心安全なお取引が出来るよう、出来る限りのサポートをさせて頂きます。不動産の事でお困りのことがありましたら、何なりとお申し付けください。
シロアリ被害のある家も岡山市中区で売却できる
まず押さえておきたいのは、シロアリ被害があること自体が売却の妨げになるわけではない、という点です。
中古住宅の売買では、建物の不具合を「ゼロにしてから引き渡す」ことが前提ではなく、「どこにどんな不具合があるかを共有したうえで価格に反映させる」のが実務の基本です。
シロアリ被害も、雨漏りや設備の故障と同じく、その情報開示と価格調整の対象になります。
岡山市中区は旭川の東側に広がり、平井、湊、原尾島、国富、円山、海吉といったエリアで住宅の取引が多く見られます。
市街地に近い平坦な住宅地が中心で、木造の一戸建てが古くから建ち並ぶ地域も含まれます。
木造住宅で床下の湿気がこもりやすい環境であれば、築年数が経つほどシロアリの被害が出る可能性はあり、「うちだけの問題」ではありません。
不安が大きくなるのは、被害の範囲が自分でも分からないからです。
羽アリを見た、床が沈む、という段階では、被害が土台の一部にとどまるのか、柱や構造材まで及んでいるのか判断できません。
まずは専門業者の床下調査で範囲を把握することが、売却方針を決める出発点になります。
範囲が分かれば、「駆除だけで済むのか」「補修が必要なのか」「価格でどこまで調整すべきか」の判断ができるようになります。
「売れないのでは」と思い込んで動けなくなる方は少なくありません。
まずは床下調査で被害の範囲を数字と写真で把握することから始めてみてください。
シロアリ被害に告知義務はある?契約不適合責任との関係
シロアリの被害や過去の駆除歴は、売主が買主に伝えるべき事項にあたります。
売買契約の際には「物件状況等報告書(告知書)」を売主が記入するのが一般的で、そこにはシロアリの被害・駆除の有無、雨漏り、給排水設備の不具合などを記載する欄が設けられています。
ここに事実を書くことが、実務上の告知にあたります。
関係するのが契約不適合責任です。
2020年4月に施行された改正民法により、引き渡した物件が契約の内容に適合しない場合、買主は修補や代金減額、損害賠償、場合によっては契約の解除を求めることができます。
売主が個人の場合、特約で責任を負う期間を引渡しから一定期間(数か月程度)に限定することは実務上よく行われますが、売主が知っていた不具合を告げなかった場合は、その特約によって免責されるとは限りません。
「黙っていればバレない」という発想が、最も大きなリスクになります。
逆に、告知書に被害の状況・時期・駆除や補修の内容をきちんと書き、買主がそれを了解して契約すれば、その部分については「契約の内容として織り込まれた」ことになります。
開示は不利になる行為ではなく、売った後のトラブルから自分を守る手段でもあります。
告知書に書いておきたいこと
- シロアリの被害を確認した時期と、気づいたきっかけ(羽アリ・床の沈み等)
- 被害が確認された箇所(床下・土台・柱など、分かる範囲で)
- 駆除を実施した場合はその時期・業者名・施工内容と保証の有無
- 補修・張り替えを行った箇所と時期
- 調査したが範囲が特定できていない場合は「未確認」であること
記憶があいまいな点を無理に断定して書く必要はありません。
「◯年頃に駆除、明細は不明」といった形でも、分かる範囲を正直に残すことが大切です。
領収書や施工報告書が残っていれば、それを添えるだけで買い手の安心感は変わります。
告知書は不利な書類ではなく、引渡し後の紛争から売主を守る書類です。
迷った項目は担当者に事情を話して、書き方を一緒に整えましょう。
岡山市中区の売却相場とシロアリ被害による価格への影響
価格を考えるうえでの出発点は、被害のない一般的な物件が中区でどのくらいで成約しているかです。
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約データ(2021〜2025年/2,169件)では、中区の中央値は次のとおりです。
| 物件種別 | 価格の中央値 | 参考㎡単価 | 面積の中央値 |
|---|---|---|---|
| 中古マンション | 約1,700万円 | 約23.0万円/㎡ | 約75㎡ |
| 一戸建て(土地建物) | 約2,500万円 | — | 約170㎡ |
| 土地(宅地) | 約1,500万円 | 約6.6万円/㎡ | 約230㎡ |
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」取引価格情報・成約価格情報(2021〜2025年/岡山市中区、2,169件)をもとに作成。
個別価格は立地・築年数・状態により変動します。
ここで使っているのは売り出し価格(広告に出ている価格)ではなく、実際に取引が成立した成約価格です。
売り出し価格は相場より高めに設定されることが多いため、手取りの目安を考えるなら成約ベースのほうが現実的です。
また平均値ではなく中央値を用いているのは、一部の高額・低額な取引に引っ張られず、実感に近い水準が見えるためです。
シロアリ被害がある場合、この中央値からどの程度差し引かれるかは、被害が構造に及んでいるかどうかで大きく変わります。
床材や土台の一部にとどまるなら補修費相当の調整で収まることもありますが、柱・梁など構造部分に及んでいる場合は、買い手が耐震性や補強費用まで見込むため、値引き幅は大きくなりやすいと考えられます。
築年数が古い木造住宅では、建物価値がすでに小さく評価され「土地値に近い価格」で取引されるケースもあり、その場合はシロアリ被害の影響が価格に表れにくいこともあります。
参考として、中区の中古マンションの価格推移は次のように大きく崩れていません。
市場全体が急落している局面ではないため、被害があることを理由に慌てて安く手放す必要はない、という判断材料になります。
| 年 | 価格の中央値 | 参考㎡単価 |
|---|---|---|
| 2021年 | 約1,800万円 | 約22.7万円/㎡ |
| 2022年 | 約1,700万円 | 約21.4万円/㎡ |
| 2023年 | 約1,800万円 | 約24.6万円/㎡ |
| 2024年 | 約1,750万円 | 約22.7万円/㎡ |
| 2025年 | 約1,700万円 | 約23.8万円/㎡ |
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」(2021〜2025年/岡山市中区・中古マンション)をもとに作成。
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」(2021〜2025年/岡山市中区・中古マンション)をもとに作成。
まずは同じ中区の成約事例を基準に、そこから被害分をどう差し引くかという順で考えると、値引き交渉にも落ち着いて対応できます。
駆除・修繕してから売るか、シロアリ被害を現況のまま売るか
迷いどころは「先にお金をかけて直すべきか」です。
どちらが有利かは、被害の程度と買い手の想定によって変わります。
駆除・修繕してから売る場合
駆除して被害箇所を補修すれば、買い手の不安は小さくなり、内見時の印象も改善します。
施工報告書や保証書が残るため、告知書に添えられる裏付けにもなります。
一方で、費用は売主の先払いです。
かけた費用がそのまま価格に上乗せできる保証はなく、被害範囲が広いと補修費が想定を超えることもあります。
少なくとも複数社から見積を取り、費用と見込める価格差を並べて比較したうえで判断するのが安全です。
現況のまま(被害を開示して)売る場合
費用をかけずに売り出せるのが利点です。
古い木造住宅の場合、買い手がリフォームや建て替えを前提に検討することも多く、「駆除済み」より「その分安く」を望まれるケースもあります。
ただし、被害の内容と範囲を明確に伝えられなければ買い手は判断できず、必要以上に警戒されて値引き要求が大きくなることがあります。
現況で売るなら、調査結果を資料として揃えておくことが価格を守る条件になります。
築年数が経った木造住宅であれば、そもそも建物として売るか、解体して土地として売るかという選択も出てきます。
判断の考え方は「築40年・50年の古い家は岡山市中区で売れる?」でも整理しています。
雨漏りが併発している場合は「岡山市中区で雨漏りする家は売れる?修繕せず売却」も参考にしてください。
直すか直さないかは、見積を取ってから決めても遅くありません。
順番を逆にして先に工事を頼むと、費用を回収できないことがあります。
岡山市中区でシロアリ被害の家を売る3つの方法
1. 仲介で個人の買主に売る
市場価格に近い金額を狙えるのが仲介です。
シロアリ被害があっても、調査結果と補修方針を示せれば検討する買い手はいます。
中区の住宅地は生活利便性を評価して購入を検討する層があり、価格が納得できれば被害歴だけで敬遠されるわけではありません。
時間はかかりやすく、内見のたびに床下の説明が必要になる点は覚悟しておきましょう。
2. 不動産会社の買取
買取は、不動産会社が直接買い主になる方法です。
被害の状態を前提に価格が提示されるため、引渡し後に修補を求められる心配が小さく、時間も短縮できます。
広告を出さずに進められることが多く、近所に知られたくない事情がある場合にも選ばれます。
反面、価格は仲介より低くなるのが一般的です。
「知られにくさ・早さ」と「価格」は完全に両立しないため、どちらを優先するかを先に決めておくと判断がぶれません。
3. 解体して土地として売る
被害が構造まで及び補修費が大きい場合は、更地にして土地として売る選択もあります。
中区の土地(宅地)の成約中央値は約1,500万円(面積中央値 約230㎡)で、土地としての需要は一定あります。
ただし解体費は売主負担で、更地にすると固定資産税の住宅用地の特例が外れる可能性もあるため、売却時期と合わせて検討が必要です。
なお仲介手数料の上限は、売買価格が400万円を超える場合「売買価格×3%+6万円(+消費税)」です。
売買価格が800万円以下の宅地建物については、2024年7月1日から「低廉な空家等の特例」により上限33万円(税込)まで受領できる扱いになっています。
低価格帯の物件では、この点も見積時に確認しておくとよいでしょう。
仲介と買取は「どちらが正しい」ではなく優先順位の違いです。
価格重視か、早さと静かさ重視か、ご家族で先に話しておくと進めやすくなります。
シロアリ被害を隠して売るリスクと売却前の注意点
最も避けたいのは、被害を知りながら伝えずに引き渡すことです。
引渡し後に床下から被害が見つかれば、契約不適合責任として補修費の負担や代金の減額、場合によっては契約解除や損害賠償を求められるおそれがあります。
売却代金を使ってしまった後に請求されると、精神的にも金銭的にも負担は重くなります。
開示しておけば済んだ話が、隠したことで大きな問題になる——ここが最大の分岐点です。
そのほか、売却前に確認しておきたい点を挙げます。
調査は売る前に済ませる
範囲が分からないままでは価格も方針も決められません。
床下調査の結果を書面で受け取っておきます。
過去の駆除記録を探す
施工報告書・保証書・領収書は買い手への説明材料になります。
仏間や引き出しに残っていることもあります。
再発リスクの説明も含める
駆除には保証期間が設定されるのが一般的です。
期間と内容を確認し、告知書に反映します。
耐震性への影響を確認する
土台や柱に被害がある場合、耐震性の評価に影響します。
旧耐震基準の住宅は「岡山市中区の旧耐震の家を売却するには|地震対策」も併せて確認してください。
遠方に住んでいる場合は現地対応の段取りを決める
床下調査の立会いや鍵の受け渡しをどうするか、事前に相談しておくと帰省の回数を抑えられます(遠方に住みながら岡山市中区の実家を売却する方法)。
先祖から受け継いだ家に被害が出ていると、「自分が手入れを怠ったせいだ」と感じてしまう方もいます。
ただ、木造住宅でシロアリの被害が出ること自体は珍しくなく、放置して被害が広がるほうが資産としての価値も安全性も下がります。
手放す判断は、後ろめたいことではありません。
隠して売って得をすることはまずありません。
伝えたうえで価格に反映させるほうが、結果として穏やかに終わるケースが多いです。
シロアリ被害のある家の売却に関するよくある質問
Q シロアリ被害を伝えなくても、見た目で分からなければ問題ないのでは?
A A. 売主が知っている不具合を告げなかった場合、引渡し後に契約不適合責任を問われるおそれがあります。
売主が個人の場合、責任期間を特約で短く定めることはありますが、知っていて告げなかった事項について免責されるとは限りません。
分かっている範囲は告知書に記載しておくのが安全です。
Q 過去に駆除して今は被害が止まっている場合も告知は必要ですか?
A A. 過去の被害歴・駆除歴も伝えるべき事項として扱われるのが一般的です。
物件状況等報告書にはシロアリの被害・駆除の有無を記載する欄が設けられています。
施工時期や業者、保証の有無まで書ければ、買い手の安心につながります。
Q 駆除してから売ったほうが高く売れますか?
A A. 買い手の不安が減るという効果は期待できますが、かけた費用がそのまま価格に上乗せできるとは言えません。
まず複数社の見積を取り、想定される価格差と比べて判断することをおすすめします。
被害が構造まで及んでいる場合は、土地としての売却も含めて比較すると判断しやすくなります。
Q 岡山市中区でシロアリ被害の家はどのくらいの価格になりますか?
A A. 一律の目安を示すことはできません。
判断の出発点として、中区の一戸建て(土地建物)の成約中央値は約2,500万円、土地(宅地)は約1,500万円です(2021〜2025年・国交省データ)。
ここから被害の範囲・補修費・築年数を踏まえて調整していく形になります。
Q 近所に知られずに売ることはできますか?
A A. 現地に看板を出さない、ポータルサイトの写真や情報の範囲を調整する、不動産会社の買取を使うといった方法で、知られにくさを高めることはできます。
ただし「知られにくさ」と「価格・スピード」は完全に両立しません。
何を優先するかを最初に決めておくとよいでしょう。
Q 相続した実家がシロアリ被害を受けています。
税金の特例は使えますか?
A A. 被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除は、譲渡対価が1億円以下、家屋が昭和56年5月31日以前の建築、区分所有建物は原則対象外、一定の耐震基準を満たすか除却して譲渡するなど、複数の要件があります。
令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に縮減され、適用期限は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡です。
適用可否は国税庁タックスアンサーNo.3306等で要確認のうえ、税理士にご相談ください。
Q 相続した家をまだ登記していません。
売る前に手続きは必要ですか?
A A. 売却には名義を相続人に移す相続登記が必要です。
相続登記は2024年4月1日から義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が求められ、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。
施行日より前に発生した相続も対象です。
岡山市中区でシロアリ被害の家を売るために押さえるべきポイント
シロアリ被害があっても売却は可能です。
鍵になるのは、①床下調査で被害の範囲を書面で押さえる、②告知書に事実を漏れなく書く、③そのうえで価格を調整する、という順番です。
隠して進めるより、開示して価格に反映させるほうが、引渡し後のトラブルを避けられます。
価格の出発点は市場データです。
岡山市中区の成約中央値は一戸建て(土地建物)が約2,500万円、土地(宅地)が約1,500万円、中古マンションが約1,700万円(2021〜2025年)。
中古マンションの中央値はこの5年で約1,700〜1,800万円の範囲で推移しており、市場が急落している局面ではありません。
被害を理由に急いて投げ売りする必要はない、という判断の支えになります。
次の一歩としては、床下調査と駆除の見積を取ることと、同時に「補修して仲介」「現況で仲介」「買取」「解体して土地」の4パターンで手取りを並べてみることをおすすめします。
あわせて、家の状態に関わる他の事情がある場合は「雨漏りする家の売却」「築40年・50年の古い家の売却」、住宅ローンが残っている場合は「オーバーローンでも家は売れる?任意売却」も確認しておくと、判断材料が揃います。
売る・売らないを決める前に、状態と価格の目安を知るだけでも気持ちは整理されます。
まずは机上での相場確認から始めてみてください。


